法人カードで経費になる支払とは?経費になるもの・ならないものまとめ

法人カードを利用する目的は何でしょうか?経費を一括管理するためではありませんか?

経費を現金決済していると、経費の把握がしにくくなってしまいます。月々の経費の推移の把握なども面倒になってしまうわけです。経理の負担もかなりのものになってしまします。

そこで出番になるのが法人カードです。経費の多くを法人カードで支払うようにすれば、利用明細を見ればすぐに確認できるようになるわけです。経費の推移に関しても把握しやすくなります。使いすぎていたら減らせるような対策もすぐに打てるようになるでしょう。

しかし法人カードで支払ったからといって全てが経費になるわけではありません。そもそも法人カードの私的利用に関しては経費の対象外となるわけです。

こちらでは法人カードの支払いと経費の関係性について明らかにします。

  • 法人カードの支払いで経費になるもの
  • 法人カードの支払いで経費にならないもの
  • 法人カードで経費を支払うメリットは?
  • 経費の計上に必要なものとは?
  • 経費にならないものを計上していたらどうなるのか?

以上の5つのテーマで法人カードと経費について徹底解説します。

目次

法人カードの支払いで経費になるもの12個!

  1. 水道光熱費
  2. 旅費交通費
  3. 交際接待費(会議費)
  4. 通信費
  5. 新聞図書費
  6. 保険料
  7. 法人カードの年会費
  8. 消耗品費
  9. 引越し費用(礼金も含めて)
  10. 福利厚生費
  11. 自己研鑽にかかる費用
  12. 名刺や年賀状(広告宣伝費)

水道光熱費は経費として計上可能

  • 電気料金
  • 水道料金
  • ガス料金

事務所やオフィスの水道光熱費に関しては全額経費としての計上が認められています。そもそもその事務所やオフィスはビジネスのために利用しているわけです。よってそこにかかるコストである水道光熱費はビジネスのために必要な経費として認められます。

水道光熱費に関しては、口座振替で利用している方もいるかも知れません。もちろん口座振替でも問題はありませんが、やはり法人カードでの支払いに切り替えるべきでしょう。水道光熱費は経費計上できるので、法人カードで一元管理をしたほうが楽に把握できるようになるわけです。

一方で注意しなければならないのが個人事業主に多い自宅でビジネスを行っている場合です。自宅の水道光熱費は経費として計上できるのでしょうか?

個人事業主の自宅の水道光熱費の経費計上について

経費として計上することは可能ですが、全額を計上することはできません。その住んでいる物件を24時間ビジネスで利用しているわけではないからです。

住まいとしても機能していると考えられるので、水道光熱費の一部を経費として計上することになります。問題はどの程度の割合で経費として計上するのか、というところでしょう。

まずは電気代金に関しては時間で経費計上の割合を導き出すことになります。例えば1日あたり16時間電気を利用していると仮定し、そのうち仕事している時間を8時間とした場合には、電気代の半分を経費として計上できるわけです。

ガス料金と水道料金の経費計上の割合に関しては、電気料金と比較するとかなり複雑になります。自宅で飲食店などを開業している場合には高割合で計上できる可能性はありますが、その他の業種ではほとんど仕事にガスや水道を使わないと考えられるからです。計上できるとしてもガスト水道に関しては10%程度までというケースが多くなっています。

経費計上に不安を覚えた場合には税務署に相談しましょう。税務署の判断を仰ぐことも経費計上には大切なことなのです。

移動に関わる費用は経費計上可能

出張するときなどに法人カードで新幹線代金を支払ったり航空チケットを購入したり、といったこともあるでしょう。ビジネスに関わる移動費については全額経費計上が可能です。要は出張にかかったコストの多くは経費として認められるわけです。

法人カードの追加カードであるETCカードの利用額についても経費計上が可能です。もちろんビジネスに関連した利用のみではありますが、営業車などで取引先に向かう場合などにかかったETC料金は経費として計上できるのです。

また自動車で移動するためにはガソリンも必要になります。ガソリンスタンドなどでの給油料金も法人カードで支払うことが可能ですが、車の利用目的がビジネス関連であれば経費となります。

出張に関わる宿泊費も経費計上可能

ビジネスホテルなどに出張中は宿泊することもあると思います。その宿泊費用についても法人カードでの支払いが可能です。ビジネス関連の出費なので経費計上もできるのです。

特に宿泊費用に関しては大きなコストになる可能性もあります。従業員とともに複数で出張することもあるでしょう。期間も数日から2週間程度と長くなることもあります。出張中の宿泊費だけで10万円を超える可能性もあるわけです。経費にしっかりと計上して節税に努めましょう。

ビジネス関連の飲み会や交流の支払いは経費計上可能

取引先との飲み会であるとか、異業種との交流を積極的に行っている法人もあります。そこにかかったコストについても経費への計上が可能となっています。 法人カードで支払いましょう。

特に接待に関しては、高額な費用が発生することもあります。高級料亭のようなところで行われることもあるのです。キャバクラやクラブのようなところ接待を行うこともあるでしょう。

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「接待を行う場所によっては経費に計上できないのでは?」

上記のように考えている方もいるかも知れません。しかしビジネス関連の設定であれば、経費計上は認められています。仮にキャバクラで取引先と飲んだとしても経費計上ができるわけです。

交際接待費にはゴルフでの接待も含まれます。最近では少なくなってきたかもしれませんが、取引先とゴルフをしている企業もまだまだあるでしょう。ゴルフ場のコース代金であるとか、ゴルフ場での飲食代も経費計上できるので法人カードで支払いましょう。

取引先や顧客へのお土産・プレゼントも接待交際費になる

飲食だけが接待交際費になるわけではありません。ビジネス相手へのお土産やプレゼントも接待交際費に該当するわけです。

出張先などで法人カードでお土産を購入することもあるでしょう。受け渡し先が取引先などのビジネス相手であれば交際接待費となり経費になるわけです。

ちなみに従業員に対するお土産に関しても経費に組み込められます。ただし交際接待費ではなく「福利厚生費」の取扱いとなるので注意してください。

割り勘で支払った場合にはどうなるのか?

割り勘となるとカード決済ではないので、現金での支払いとなります。

法人カードで支払うことにはならないわけですが、割り勘分も経費として計上可能です。忘れないように記帳しておきましょう。

接待交際費と会議費の違い

2つの経費は非常に似通っていますが違う部分もあります。

接待交際費は取引先を接待するのにかかった費用のことを指しています。会議費は取引先との打ち合わせにかかった費用のことを指しているのです。

ただしどちらも経費であることには代わりありません。どちらにしたとしても、結果としては計算は合うことになります。

ちなみに飲食代のうち一人あたりの金額によっても接待交際費とするか会議費とするか異なってきます。一人分の金額が5,000円を超えた場合には接待交際費になり、5,000円以下であれば会議費になるのです。

インターネット料金や固定電話料金、携帯電話料金も経費計上可能

オフィスや事務所にインターネット回線を引いている、というケースがほとんどでしょう。さらに会社には固定電話も用意されています。そして従業員に対して携帯電話を貸与しているケースも珍しくありません。ひと月あたり高額の費用が発生するケースも珍しくはないのです。

それらの通信費に該当するコストですが、法人カードで支払うことが可能です。そして経費として計上できます。

特に従業員に対してビジネス用の携帯電話を持たせている場合には法人契約をしましょう。そして支払いを法人カードの一元化するのです。法人契約をしていれば確実に携帯電料金全額を経費計上できるようになります。

※「ドコモ」「AU」「ソフトバンク」ではなく、格安携帯電話会社と契約することで経費を削減することも可能です

自宅で業務を行っている場合に関しては、業務として使用した日数や時間を元に計算して経費を算出する必要があります。オフィスや事務所などのものであれば100%経費として問題ありません。

書籍やDVDは経費として計上可能

経費として落としやすいものとして知られています。

本や雑誌さらにはDVDに関しては新聞図書費として計上できるのです。

本や雑誌はビジネスに関連していれば、経費計上は問題ありません。さらにアニメDVDや漫画といったものに関しても、「事業に役立つ」などの何かしらの理由が付けられれば新聞図書費として計上できるわけです。

雑誌などに関してはインターネットショッピングサイトなどで定期購読も可能です。その決済に法人カードを利用すれば、経費計上もより簡略化できます。

会社のオフィスなどには新聞や雑誌などが置かれているケースもあるでしょう。理容室には漫画なども置かれています。それらも全て新聞図書費として経費にできるわけです。

各種保険料も経費計上可能

  • 火災保険料
  • 自動車保険料

意外に思うかもしれませんが、法人が利用する保険にかかるコストも経費として計上できます。保険料の支払はクレジットカードでも行えるので、法人カードで支払って経費計上できるわけです。

自社所有の建物を事務所としている場合には、火事などがおきてしまえば大きな損害が出てしまいます。営業車を利用しているのであれば、事故にあえば修理代金が負担になってしまうわけです。

保険はビジネスを行う上で必要なもの、といった認識がされているので経費計上は全く問題ありません。

法人カードの年会費も経費計上が可能

  • 本会員カードの年会費
  • 子カード(家族カード)(従業員カード)の年会費
  • ETCカードの年会費

上記の年会費については、法人カード利用分として引き落としされることになります。法人カードを利用するためにかかるコストなので、経費として引き落としが可能なのです。

法人カードの中にもゴールドカードやプラチナカードがあり、年会費が高いものも少なくありません。年会費は全額経費として組み込みことができるのです。年会費が高い法人カードを利用に関しては、一定の税金対策にもなるわけです。

法人カード名本会員年会費(税込み)子カード年会費(税込み)
ラグジュアリーカード ゴールド21万6,000円5万4,000円
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カード14万400円1万2,960円
三井住友ビジネスカード プラチナカード5万4,000円5,400円
三井住友ビジネスカード for Owners プラチナカード5万4,000円5,400円
SBS Executive Business Card GOLD3万7,800円1万800円
アメリカン・エキスプレス・ビジネスゴールド・カード3万3,480円1万2,960円
JCBプラチナ法人カード3万2,400円6,480円
ダイナースクラブ・ビジネス・カード2万9,160円無料
セゾン・プラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード2万1,600円3,240円
MUFG・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・プラチナ・カード2万1,600円3,240円

比較的年会費が高く設定されている法人カードを記載してみました。

例えば最も年会費が高い法人カードであるラグジュアリーカード ゴールドを利用したとします。子カードを4枚発行すると、本会員カードとあわせて年会費は43万2,000円かかることになります。要は43万2,000円を経費として計上できるわけです。

もちろん全額経費として計上するためには、法人カードをビジネス目的だけで利用する必要があります。私的利用をしていると経費計上について問題が発生するので注意してください。そもそも法人カードの私的利用は、経費の計上を複雑化させてしまうのでおすすめできません。

消耗品のカード払いも経費対象である

オフィスで利用するようなコピー用紙であるとか、コピー機のインク代金などは消耗品費として計上できます。実店舗でカード払いしようが、ネットショップでカード払いしようが経費として計上できるのです。

消耗品費は数百円や数千円程度のものを想像するかもしれません。実はある程度高額のものも含めて消耗品費として処理できるのです。事務用品だけではなく、キャビネットといったものやデスクや椅子などの家具も消耗品費に該当します。さらにはタブレット端末であるとかパソコンも消耗品費として計上できます。

ただし金額に注意しなければならないこともあります。1個あたりの価格が10万円未満であれば経費として計上できるのですが、10万円以上となると経費計上ができなくなってしまいます。要は減価償却をしなければなりません。当年度に全額を経費計上できなくなってしまうわけです。

減価償却をするとなると経費の計算が複雑になってしまうので、消耗品費をなるべく10万円未満に抑えようとする経営者の方も少なくありません。ちなみにパソコンなどは高額ですが法人として購入すると割引対象になることもあります。安価で購入できることも珍しくないのです。

※複数台を一度に購入すると、パソコン1台あたりの価格が2割引き程度になることもあります。

引越し費用(移転費用)も経費として計上可能

引越し費用に関しても大手の業者に依頼すれば、クレジットカード払いが可能となっています。さらに敷金や礼金といった引っ越しの初期費用に関してもカード払いが可能となっているケースが珍しくなくなってきました。

引越し費用及び引っ越し初期費用ですが、オフィスや事務所ということであれば全額経費としての計上が可能です。一方で個人事業主であり、自宅で仕事をしている場合には一定割合を計上することになります。

引っ越し初期費用としては礼金が発生します。家主に対し謝礼として礼金を出すことになるので、経費対象となるわけです。そもそも礼金は戻ってくることはありません。ただし金額によっては経費の計上に問題が発生します。

礼金が20万円未満である場合には全額経費として計上して問題ありません。勘定項目に関しては「地代家賃」ということになります。

礼金が20万円以上になってしまった場合には繰越資産となります。20万円以上の金額に関しては「長期前払い費用」として処理することになるので注意しましょう。

不動産業者への仲介手数料も経費への計上が可能です。物件を契約する時には、仲介業者にも費用を支払わなければなりません。その費用も法人カードで支払えるわけです。特に大手であれば、ほとんどの業者がクレジットカード払いに対応しているので問題ありません。

※敷金については、戻ってくることを前提としています。よって経費に計上はできません。費用ではなく資産として計上することになります。記帳する時には「敷金」とし「投資その他の資産」の部分に記載しましょう。

福利厚生費も経費として計上可能

法人カードを利用して福利厚生費を支払った場合も経費としての計上も可能です。
ただし福利厚生費に関してはかなり広い範囲のものとなるので、こちらですべて述べることはできません。要点を上げると「会社がお金を支払い、従業員が恩恵を受けるものの支払い」のことを「福利厚生費」と呼んでいるのです。

代表的なものを以下にあげます。

  • 社員との親睦のための飲食代金(忘年会・新年会・歓送迎会など)
  • 社内レクリエーション費用
  • 社宅にかかる費用の会社負担分
  • 社員旅行にかかった費用
  • 会社常備薬の購入費用
  • 社員へ提供する制服費用
  • 健康診断費用
  • 映画館のチケットの購入
  • 野球のチケットの購入
  • コンサートのチケットの購入

福利厚生費に関しては、会社にかかるコストの多くが該当することになります。言い方を変えてしまえば、「何から何まで福利厚生費としてしまおうとすればできてしまう」のです。

ただし個人カードで支払った場合には、福利厚生費であるとの主張が税務署に認められない可能性もあります。あくまで法人カードで支払いをすることが条件となってくるわけです。

セミナー代や語学代などの自己研鑽にかかる費用も経費計上可能

社長であったとしてもスキルアップをしなければなりません。特に中小企業となると、経営者の力が業績に直結します。そこで必要になってくるのが自己研鑽です。自己研鑽に関してはビジネスに役立つものでもあるので、経費計上が可能となっています。

セミナーに出席することでビジネスの新たな考え方を学ぶことにもなるでしょう。語学を勉強することで海外企業との取引ができるようになるかもしれません。また資格取得などを目指す経営者も多いのです。資格取得費用も経費として計上できます。

セミナー代や語学代、さらには資格取得費用の支払いに関しては前もって料金を支払うケースが多くなっています。インターネットなどから申し込みを行い、クレジットカードで決済できるわけです。その時に法人カードを利用すれば、そのまま経費として処理できます。

名刺や年賀状は広告宣伝費として計上可能

社員の名刺や自身の名刺、さらには会社や社長として出す年賀状に関しては広告宣伝費として扱われることになります。それらのものは基本的に会社や事業をアピール位するものであるため経費として計上できるわけです。

名刺に関しては社員が多ければ多いほどかなりの費用になることも少なくありません。年間に何度も名刺を発注することもあるわけです。法人カードで支払うことで、経費計上をより簡単にしましょう。

法人カードの支払いで経費ならないもの8個!

  1. 税金の支払い(法人税や所得税など)
  2. メガネや補聴器
  3. 友人や家族との飲食代金
  4. 二次会の費用
  5. 役員に対する制服代(スーツ代)
  6. 自身の健康診断費用
  7. 稼働停止中の設備機器
  8. 家庭用の支払い

税金の支払いは経費の対象外である

  • 法人税
  • 法人住民税
  • 法人事業税
  • 所得税
  • 住民税

法人や個人事業主としては上記の税金がかかってきます。それらの税金の支払いに関しては一部をクレジットカードですることも可能です。しかし経費として計上はできません。

税金に関して、「義務としての納税」であるので「事業にかかわる支出ではない」と判断されているからです。

※営業に使う自動車の自動車税に関しては業務関連費用となります。法人カードで支払って経費として計上できるのです。

メガネや補聴器は経費の対象外である

メガネや補聴器に関しては業務に関わるといっても良いかもしれません。しかし自身や社員に対して買い与えた場合であったとしても、経費への計上はできません。法人カードで支払っていたとしても経費の対象とはならないのです。

そもそもメガネや補聴器に関しては日常生活で利用するものとされています。日常生活で利用している時間のほうが長い、といった見方もできてしまうので計上はできません。

ただし例外として「PC用ネガネ」については経費計上できる可能性があります。仕事のみで利用している、といった仮定で購入しているのであれば「事業にかかわる支出」と認定される可能性があるのです。とはいえ、税務署の判断によるところが大きいの前もって確認しておくべきです。

ビジネス関連の知人との飲食代以外は経費計上できない

友人であるとか家族であるとか恋人であるとか、ビジネスとは全く関わりのない方と飲食した時に法人カードで費用を支払ったとしても経費にはなりません。事業とは関係のない支出だからです。

一方で、例えば家族を役員としているのであれば経費計上ができる可能性が出てきます。「役員と経営者で事業に関わる相談(協議)をしながら食事をしていた」といった事にできるのです。

中小法人の中には家族経営のところも少なくありません。よって家族との飲食代については、経費計上できる会社も少なからずあるわけです。

経費として計上できるのは一次会まで

社員との親睦目的である飲み会などは前述したように「接待交際費」として経費計上が可能です。しかし「一次会まで」といった条件が付けられているのです。

飲み会に関しては、二次会を行うケースもあるでしょう。二次会に関しては接待交際費としては認められません。よってお一次会は法人カードで支払い、二次会は個人カードで支払いましょう。

役員への提供は給与扱いとなる

従業員に対して制服であるとかスーツを買い与えた場合には経費として処理できます。給与扱いとなるためです。

しかし役員に対して何かしらの物を買い与える場合には「役員賞与扱い」となってしまうのです。経費の計上はできません。さらに役員としては賞与扱いとなるので、税金を多く支払うことになります。会社の経費にもできず、役員はより多くの税金を支払うことになるので税務上のメリットは全くありません。

自分の健康診断にかかる費用は経費計上できない

従業員にかかる健康診断費用は経費として計上できますが、事業主本人の健康診断費用は経費計上できません。そもそも事業主本人には福利厚生の概念がないのです。よって自身に対する福利厚生はないので、健康診断にかかる費用は自己負担となってしまうわけです。

活用しなければビジネスのための設備機器は経費計上できない

ビジネスのために購入した設備機器であったとしても、稼働停止中になっている場合には経費として計上はできません。ビジネスに活用することが経費計上の条件となっているわけです。

設備機器に関しては高額のものは減価償却していくことになります。法定耐用年数に応じて分割して経費に毎年計上することになるわけです。耐用年数中に稼働停止した場合には、そこから減価償却ができなくなり、経費計上ができないわけです。

しばらくしてからまた稼働を始めた場合には減価償却ができるようになり経費計上が可能となります。

家庭用の支払いはビジネスとは関係ないので計上不可

家庭の支払いに法人カードを使ったとしても、経費計上はできません。例えば出張先で家族に対するお土産を購入したとします。社員にや取引先などに対するお土産に関しては経費計上の対象となりますが、家族に対するお土産は家庭用の支払いとなるので経費の対象外となってしまうわけです。

ビジネス目的で利用していない自家用車のガソリン代金やETC利用利用料金を法人カードで支払ったとしても経費の対象外となります。自家用車にかかる費用はビジネス目的の支出ではないからです。

法人カードで経費を支払うメリット4つ!

  1. 現金精算の手間が省ける
  2. 経費管理が圧倒的に楽になる
  3. ポイント・マイルが得られる
  4. 経費が後払いになる

仮払いや建て替えがなくなり現金精算の必要がなくなる

法人カードで経費を支払うことで、まず会社として現金の出し入れの回数が圧倒的に少なくなるのです。

経費を現金で支払っている場合には、仮払いをして社員に経費を支払わせることもあります。さらに社員に立て替えてもらっていることもあるのです。

出張が多い企業などは、そのたびに数万円や10万円などの現金のやり取りを社員としなければなりません。接待が多い企業も同様です。現金の出し入れが多くなればなるほど経理の業務も多くなり、手続きは煩雑化してしまうわけです。

法人カードで経費を支払うようになれば、現金精算の必要はなくなります。すべてカード払いで対応できるようになるのです。そもそも法人カードの多くは追加カードとして従業員カード(子カード)を発行できます。数枚から100枚を超える枚数を発行できるものもあるのです。

従業員に法人カードをもたせることで、経費の支払いに利用させれば仮払いも建て替えもなくなります。経理の現金出納業務がなくなるわけです。

中小企業の中には経営者自身が経理を行っているケースもあるでしょう。自身の手間を少しでも省きたいとは思いませんか?

経費が法人カードの利用明細で把握できる

  • いつ使ったのか
  • どこで使ったのか?
  • いくら使ったのか?
  • 誰が使ったのか?

法人カードを利用すると利用明細が確認できます。ペーパーレス明細であれば、WEB上からいつでも利用明細がチェックできるわけです。

利用明細には様々な情報が記載されています。いつ・どこで・誰が・何に利用したのかが把握できるわけです。不正な利用があったとしても利用明細を見ることである程度は把握できます。

さらにカードのデータを経理ソフトに連動させることも可能です。要は経理業務が圧倒的に効率化されます。

経理ソフトの利用は、事業を行っている方にとってプラスが極めて大きいです。さらに法人カードのデータと連動できれば人的な入力ミスを防ぐことになります。データの改竄(かいざん)といった不正行為を防ぐことにもなるのです。

利用した分だけポイントやマイルが貰える

経費の支払いをより多く法人カードで行えば、その分だけポイントやマイルなどで還元してもらえることになります。獲得したポイントやマイルに関しては社員に還元することも可能です。自身で利用することも可能です。

法人カードのポイント還元率0.5%程度であるものが多いので、それほど有利な設定ではありません。しかし経費の多くを支払うようにすれば年間数百万円程度を利用する可能性もあります。

仮にポイント還元率が0.5%であったとしても、年間500万円利用すれば2万5,000円も還元されることになるのです。現金で支払っていたら1円も還元されないことを考えると、いかに法人カードで支払うことが「お得」であるかが分かってもらえると思います。

支払いが先送りできる

現金で経費を支払っている場合と、カードで支払っている場合を比べてみましょう。

  • 現金で経費を支払うケース・・・経費発生時に現金が出ていく
  • カードで経費を支払うケース・・・経費発生から1カ月から2カ月後に支払う

要はカード払いであれば、支払いがそれだけ先送りができるわけです。
月に数十万円の経費が発生している会社であれば、その数十万円の支払いが先送りされます。それだけ会社に多くの資金が確保できている状況になるのです。

法人カードでの経費の支払いは、資金繰りの悪化を防ぐ一つの方法となります。

経費の計上に必要なものとは?

領収書はなくても問題なし

もちろん領収書についてはあったほうが良いことは間違いありません。しかし領収書がなかったとしても経費計上することは可能です。

消費税法を確認すると、経費の計上には「請求書、納品書その他これらに類する書類」があれば良い、ということが確認できます。ではその請求書や納品書、その他の書類とはどういったものを指しているのでしょうか?

  • 領収書
  • レシート
  • カード利用控え
  • 銀行の振込受領書
  • 銀行の払込受領書
  • 銀行通帳の記録
  • ネット通販利用時の確認メール
  • 祝儀袋の表書きをコピーしたもの(パーティー参加費用や祝い金)
  • 香典返しのお礼状や挨拶(葬儀の香典)
  • 出金伝票

幅広い資料にて経費計上ができるのです。

意外に思ったのはレシートではありませんか?レシートだけでは経費が計上できない、といった話を聞いたこともあるでしょう。しかしレシートでもある程度の情報を確認できるのです。よって経費計上にレシートを利用しても問題はありません。

カードの利用明細だけでは経費計上はできない

法人カードを利用して会社の経費を支払っている場合には、「法人カードの利用明細だけで経費計上できる」と思っているケースが多いです。しかしカードの利用明細だけでは経費計上は難しいのが現実です。

なぜカードの利用明細だけでは経費計上はできないのでしょうか?

その理由は単純明快です。カードの利用明細はカード会社が発行したものです。物を販売した業者が発行した書類ではありません。よって経費計上に利用ができないのです。

経費計上をするためには、サービスや商品を提供した側が発行した書類の提出が必要となってくるわけです。よってカードの利用控えに関しては、サービスを提供した側が発行する書類なので経費計上に利用できます。

ただし経費計上には様々な考え方があるので、必ずしもカードの利用明細だけで経費計上ができないわけではありません。仮にカードの利用明細しか経費を証明できるものがなかった場合には、税務署に判断を仰ぎましょう。

実際にカードの利用明細だけで経費が認められた例もあります。税務署ごとに判断が異なる可能性もあるのです。

経費計上に必要な情報とは?

  • 支払いを行った日付
  • 支払いを行った人(会社)
  • 支払った金額
  • 支払いを受けた人(販売者)
  • 支払いを行った理由

上記の情報が全てなければ経費の計上ができないわけではありません。しかし上記の情報があることで確実に経費に組み込むことができるわけです。

前述した領収書代わりになる書類の中にはすべての情報が記載されていない場合もあります。例えばレシートには「支払いを行った人(会社)」の情報は記されていません。その他の情報は揃っているのですが、領収書のように手書きで加えるようなことはわざわざしないことんぽがレシートなのです。

しかしレシートの場合は受け取った人が支払いを行った人でもあるわけです。そのレシートを保有しているということは支払った本人ということになり、結果として経費計上ができるようになるわけです。

※領収書タイプのレシートを発行してくれる店舗もあります。

領収書の発行をお願いしよう

領収書を発行してくれないところで買い物をした場合ですが、ダメ元でも良いのでお願いしてみるのも一つの方法です。そもそも領収書の発行に関してはそれほど難しいわけではありません。

領収書に関してはホームセンターや100円ショップなどでも取り扱いがあります。日付や金額、そして名前などを手書きで記載するだけで簡単に発行できるのです。もしもあなたがそのショップのお得意様であれば、お願いすれば対応してくれる可能性もあります。

経費の過大報告発覚!その時の対処法とは?

まずは修正申告を行う

税務署から経費を多く計上している、との指摘を受けた場合には修正申告をしなければなりません。

ちなみに経費を過少申告していた場合には、税務署に更生の請求を実施します。更正の請求は申告書の提出期限から1年間となっており、過払い分の法人税を還付してもらえます。一方で、経費を少く計上しすぎていた場合には更生の手続きをおこないましょう。

修正申告については、申告の期限内であれば修正をして再提出すればOKとされています。期限をすぎていなければ何かしらの罰を受けることもありません。

修正申告の手順は以下のとおりです。

  1. 経費の過大申告が発覚
  2. 正しい内容の決算書を作成する
  3. 修正申告書の作成を実施する
  4. 作成した書類を税務署用途控え用の2部ずつ作成する
  5. 税務署に提出する

経費の過大申告の罰則とは?

法定申告期限内であるか、それとも過ぎているかで対応が異なってきます。

仮に法定申告期限内である場合には、罰則はありません。修正のみで対応できるわけです。問題は申告期限を過ぎている場合です

申告期限が過ぎている場合には、まずは本来納めるべき税金を収めます。本来は1,000万円の税金を収めるべきなのに、500万円しかおさめていなかった場合には不足分の500万円の税金を支払わなければなりません。

さらに延滞税も支払うことになるのです。本来納める時期に一定の税金を収めていなかった、という事になるので、レンタルビデオやレンタルCDと同様に延滞金を支払うことになります。

延滞税率について

  • 納付期限から2ヶ月までに納付した場合・・・7.3%
  • 納付期限から2ヶ月を超えて納付した場合・・・14.6%

前述した500万円のケースですが、2カ月以内であれば36万5,000円(500万円×7.3%)を多く納めることになってしまうわけです。2ヶ月を超えている場合には73万円(500万円×14.6%)となります。

延滞税は大きな額となることも考えられるので、経費の計算は慎重に行うべきです。

経費の計上ミスであれば、基本的に延滞税くらいの罰則しか受けません。しかし内容があまりに悪質と判断された場合には、その他の罰則を設けられることもあります。

悪質な場合には重加算税が課せられる

  • 修正期限内の支払いであれば税率は35%
  • 修正期限後であれば税率は40%
  • 過去5年以内に重加算税などの罰則を受けている時の税率は45%
  • 過去5年以内に重加算税などの罰則を受けており修正納付期限をすぎると税率は50%

悪質な場合との判断材料ですが、脱税を意識的に行おうとした場合が該当します。さらに隠蔽工作なども該当してしまいます。他にも繰り返し脱税に当たる行為をした場合には悪質と判断されてしまいます。

高率の税金を支払わなければならないことになるので、悪質と判断されるような行為は避けなければなりません。

重加算税が課せられる条件例

  • 裏帳簿の作成
  • 売上の除外
  • 架空仕入れ
  • 架空経費の計上
  • 税務調査においての虚偽の答弁
  • 他人名義や架空名義の使用

架空仕入れや架空経費の計上といった経費に大きく関わることも該当してしまいます。あくまで架空の経費の計上が条件となるので、計上ミス程度では重加算税はかせられない、ということになります。

逮捕されることはあるのか?

経費の計上ミスで逮捕されることはありません。

しかしそれが故意であったり、あまりに高額であり複数年続いているなどの悪質であった場合には調査が入ることになります。

税務調査には2つの種類があります。「任意調査」と「強制調査」となります。任意調査については事前に連絡があり指定した期日に税務調査が実施されます。一方で強制調査は逮捕に至ることもある強制力のあるものです。いわゆる「マルサ」というものです。

調査で脱税が発覚した場合には「10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金」の対象となってしまいます。

まとめ

法人カードの支払いで経費となるものを12個あげました。

  1. 水道光熱費
  2. 旅費交通費
  3. 交際接待費(会議費)
  4. 通信費
  5. 新聞図書費
  6. 保険料
  7. 法人カードの年会費
  8. 消耗品費
  9. 引越し費用(礼金も含めて)
  10. 福利厚生費
  11. 自己研鑽にかかる費用
  12. 名刺や年賀状(広告宣伝費)

基本的には事業などに関わりがある出費、と判断されれば経費として計上できるのです。火災保険料や自動車保険料などが経費として取り扱える、ということを知らない方も多いのですが事業に関わる保険料と判断されれば経費として計上可能です。

一方で法人カードの支払いでも経費にならないものを8個あげました。

  1. 税金の支払い(法人税や所得税など)
  2. メガネや補聴器
  3. 友人や家族との飲食代金
  4. 二次会の費用
  5. 役員に対する制服代(スーツ代)
  6. 自身の健康診断費用
  7. 購入したものの稼働停止中の設備機器
  8. 家庭用の支払い

非常に単純な判断方法があります。要は自身向けの利用をした場合には経費となりません。経営者本人が個人的に利用するようなものを購入した場合には、経費から除外しなければならないのです。もちろん事業と関係ない家庭用の支払いも経費としては計上できません。

意外なのは二次会の費用かもしれません。社員の飲み会などのコストは経費に計上できます。しかし一次会までしか対応できません。二次会以降は経費ではなくなってしまうのです。

法人カードで経費を支払うメリットもお伝えしました。経費管理が楽になります。さらにはポイント・マイルも効率的に貯まるようになるわけです。

法人カードで経費を支払ってこなかった方は法人カードによる経費の支払いを検討しましょう。ただし法人カードは経費として支払えるもののみの利用にとどめるべきです。経費にならないものの利用をしてしまうと、かえって経理管理を複雑化してしまうのです。

経費になるものとならないものをハッキリと理解した上で法人カードを利用するのが望ましいです。

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