電子契約で収入印紙不要・印紙税不要になる理由と根拠・国税庁の見解とは?経営者は今すぐ電子契約を導入すべき!

今、IT企業を中心に電子契約サービスの導入が進んでいます。

しかし、電子契約サービスのメリットやデメリット、注意点をよく理解されていない方が多いのが現状です。

また、多くの経営者や経理担当の方は、電子契約で収入印紙不要・印紙税不要になる理由と根拠を理解していないのではないでしょうか。

そのため、今回は『電子契約で収入印紙不要・印紙税不要になる理由と根拠・国税庁の見解とは?経営者は今すぐ電子契約を導入すべき!』という記事のタイトルで、電子契約で収入印紙不要・印紙税不要になる理由や根拠、国税庁の見解について解説します。

電子契約、収入印紙、印紙税などの基礎知識をまずは解説!

まずは、電子契約、収入印紙、印紙税などの基礎知識を解説します。

電子契約とは?

電子契約とは、契約のなかで、合意成立の手段として、インターネットや専用回線などの通信回線による情報交換を用い、かつ合意成立の証拠として、電子署名やタイムスタンプを付与した電子ファイルを利用するものを指します。

日本においては、電子帳簿保存法や電子署名法などの法的環境の整備、電子署名・タイムスタンプなどの技術的環境の整備、さらには印紙税削減などを求める企業ニーズを背景に、主にBtoB取引の手段として近年急速に普及が進んでいます。

実際、クラウドサインといったサービスは非常に高い支持をうけており、急激に普及しています。

電子契約は近年、技術面の整備が行われてきた

書面と比較すると、電子ファイルは、偽造・改ざんが容易、誰が作成したものかわからないといった弱点がるのではないかと多くの人は考えているかのしれません。

確かに少し前までは脆弱な部分がありました。

しかし、公開鍵暗号、ハッシュ関数などの技術を用いた電子署名・タイムスタンプを電子ファイルに付与することにより、その電子ファイルが「署名者本人により作成され、署名時点では存在し、その後改ざんされていないこと」を証明することができるようになりました。

さらに、近年さまざまな電子署名サービス・タイムスタンプサービスが商業ベースで提供されるようになり、電子契約を行う技術的基盤が整備されたため、安心して素養できるインフラは整っています。

収入印紙とは?

収入印紙とは、国庫収入となる租税、手数料、その他の収納金の徴収のために政府が発行する証票のことを指します。

そのため、収入印紙は、租税や手数料の支払いの証明となる印刷物(紙片)であり領収書や申請書などの対象書類や対象商品に貼付して用いられています。

また、収入印紙は略して印紙と呼ばれる場合が多いので、注意が必要です

印紙税とは?

印紙税は国税庁の定義によると経済取引などに関連して作成される文書にかかる流通税になります。

印紙税の納税方法は不動産売買や賃借契約書、手形、領収書、株券など、所定の印紙を貼り付けて消印することで税金を納めることが法律で定められています。

ただ、例外として預貯金通帳など特定の文書について、印紙の貼り付けに代えて、金銭を納付する納税義務者の申告によって、納税義務を確定させる申告納税方式が認められています。

印紙による納付方法で、印紙税のかかる文書の作成者が、その納付すべき印紙税を文書の作成の時までに納付しなかったり、貼り付けた印紙に所定の消印がされていなかった場合は過怠税制度によって課税されます。

電子契約の話は非常に難解で複雑な部分もあります。

そのため、まずは、基礎的な

  • 電子契約
  • 収入印紙
  • 印紙税

については、必ず理解しましょう。

電子契約が持つ3つのメリット

次に電子契約が持つ3つのメリットを紹介します。

①コンプライアンスを強化することができる

1つ目は、コンプライアンスを強化することができる点が挙げられます。

通常の民間企業は、その経済活動を通じ、さまざまな部署がさまざまな相手先と多数の契約を継続的に取り交わしますよね。

従来の書面で行う契約では、企業が行う膨大な契約について、ひとつひとつの契約文書がヌケ・モレなく、適切なタイミングで取り交わされていることを確認することは困難であったと思います。

電子契約の採用により、取り交わされた契約文書を簡単に検索・閲覧・共有できることから、契約進捗管理、契約文書管理、証憑管理に関するコンプライアンスを強化することが可能となることがまずなによりのメリットです。

②印紙税・郵送費・保管スペースなどを削減することが可能になる

2つ目は印紙税・郵送費・保管スペースなどを削減することが可能になる点が挙げられます。

印紙税法第2条により課税対象とされる文書は、書面の文書を指し、電子ファイルはこれに当たりません。

つまり、電子契約で取り交わされる電子ファイルには、印紙税が課されることはありません。

このため、請負契約、不動産売買契約など課税文書を用いた契約を行う企業にとっては、電子契約を採用することで、大幅な節税効果が期待できます。

さらに、印紙税削減に加えて、郵送費や通常7年間必要な契約書保管スペースも不要になるため、電子契約の採用によるコスト削減効果は非常に大きいと言えます。

③契約業務の効率を向上することができる

3つ目は契約業務の効率を向上することができる点が挙げられます。

契約業務の電子化・ペーパレス化により、書面契約で必要であった印字・押印・封入・投函・郵送・保管作業が不要となり、契約業務は効率化することができます。

たとえば、企業間の受発注業務について考えると、発注側企業には購買システムがあり、受注側企業には販売システムがあるにもかかわらず、受発注業務を書面で行っています。

そのため、かつては注文書や注文請書の印字・押印・郵送・システムへの入力など、紙を取り扱う作業が多く発生していました。

しかし、電子契約の採用により、この紙を取り扱う作業が大幅に減少し、契約にともなう作業負担の軽減、契約スピードの向上が期待できます。

電子契約が持つメリットとして、

コンプライアンスを強化することができる

印紙税・郵送費・保管スペースなどを削減することが可能になる

契約業務の効率を向上することができる

の3つは必ず、覚えておきましょう。

印紙税額、電子契約で収入印紙不要・印紙税不要になる3つの理由と根拠

印紙税額、電子契約において収入印紙不要・印紙税不要になる3つの理由と根拠を紹介、解説します。

第1号文書から第4号文書までの印紙税額

印紙税を支払うべき契約書や書面、領収書については、国税庁ホームページで確認することができます。

以下が第1号文書から第4号文書までの印紙税額の一覧表になります。

文書の種類印紙税額(1通又は1冊につき)
1
  • 不動産、鉱業権、無体財産権、船舶若しくは航空機又は営業の譲渡に関する契約書
  • 地上権又は土地の賃借権の設定又は譲渡に関する契約書
  • 消費貸借に関する契約書
  • 運送に関する契約書

記載された契約金額が

  • 1万円未満:非課税
  • 1万円以上10万円以下:200円
  • 10万円を超え50万円以下:400円
  • 50万円を超え100万円以下:1千円
  • 100万円を超え500万円以下:2千円
  • 500万円を超え1千万円以下:1万円
  • 1千万円を超え5千万円以下:2万円
  • 5千万円を超え1億円以下:6万円
  • 1億円を超え5億円以下:10万円
  • 5億円を超え10億円以下:20万円
  • 10億円を超え50億円以下:40万円
  • 50億円を超えるもの:60万円
  • 契約金額の記載のないもの:200円
2

請負に関する契約書(工事請負契約書、工事注文請書、物品加工注文請書、広告契約書、映画俳優専属契約書、請負金額変更契約書など)

 記載された契約金額が
  • 1万円未満:非課税
  • 1万円以上100万円以下:200円
  • 100万円を超え200万円以下:400円
  • 200万円を超え300万円以下:1千円
  • 300万円を超え500万円以下:2千円
  • 500万円を超え1千万円以下:1万円
  • 1千万円を超え5千万円以下:2万円
  • 5千万円を超え1億円以下:6万円
  • 1億円を超え5億円以下:10万円
  • 5億円を超え10億円以下:20万円
  • 10億円を超え50億円以下:40万円
  • 50億円を超えるもの:60万円
  • 契約金額の記載のないもの:200円
3約束手形又は為替手形
 

記載された手形金額が

  • 10万円未満:非課税
  • 10万円以上100万円以下:200円
  • 100万円を超え200万円以下:400円
  • 200万円を超え300万円以下:600円
  • 300万円を超え500万円以下:1千円
  • 500万円を超え1千万円以下:2千円
  • 1千万円を超え2千万円以下:4千円
  • 2千万円を超え3千万円以下:6千円
  • 3千万円を超え5千万円以下:1万円
  • 5千万円を超え1億円以下:2万円
  • 1億円を超え2億円以下:4万円
  • 2億円を超え3億円以下:6万円
  • 3億円を超え5億円以下:10万円
  • 5億円を超え10億円以下:15万円
  • 10億円を超えるもの:20万円
約束手形又は為替手形のうち、
  • 一覧払のもの
  • 金融機関相互間のもの
  • 外国通貨で金額を表示したもの
  • 非居住者円表示のもの
  • 円建銀行引受手形表示のもの
記載された手形金額が
  • 10万円未満:非課税
  • 10万円以上:200円
4株券、出資証券若しくは社債券又は投資信託、貸付信託、特定目的信託、若しくは受益証券発行信託の受益証券
記載された券面金額が
  • 500万円以下:200円
  • 500万円を超え1千万円以下:1千円
  • 1千万円を超え5千万円以下:2千円
  • 5千万円を超え1億円以下:1万円
  • 1億円を超えるもの:2万円
 

電子契約において印紙は本当に不要なのか

結論から言うと、上記で表した印紙は電子契約によって、本当に不要になります。

一般人にとってはあまり馴染みがなくて使用する機会もごく限られている印紙ですが、企業活動においては頻繁に使用することになります(似たものに収入証紙がありますが、これは地方自治体が発行するものですから別物になります。)。

大きな企業にとって印紙税の金額は決して痛手になるものではありませんが、塵も積もれば山となるわけですから、これを抑えることができるとかなりの負担軽減になることが火を見るより明らかでしょう。

印紙税法によって定められているので犯すわけにはいきませんが、何とかしてこの負担を避けようと考えている企業もあるでしょう。

実は、電子契約を導入してそれでやり取りを行うことによって印紙を貼付する必要がなくなります。

収入印紙が不要になる根拠は後ほど詳しく説明しますが、収入印紙が不要になることによって、電子契約システムの導入を行った企業も多数あるほどです。

導入にあたって本当に印紙の貼付が不要なのか気になるかもしれませんが、不要になるので、安心してください。

収入印紙不要・印紙税不要になる3つの理由と根拠

以下で、収入印紙不要・印紙税不要になる3つの理由と根拠について解説します。

①請負契約に用いる注文請書についての国税庁の見解

1つ目は請負契約に用いる注文請書についての国税庁の見解になります。

事前照会者の求める見解となることの理由については国税庁は以下のような見解を持っています。

印紙税法上の「契約書」とは、印紙税法別表第一の「課税物件表の適用に関する通則」において、「契約の成立若しくは更改又は契約の内容の変更若しくは補充の事実を証すべき文書のことを指しています。

つまり、「契約書」とは、念書、請書その他契約の当事者の一方のみが作成する文書又は契約の当事者の全部若しくは一部の署名を欠く文書で、且つ、当事者間の了解又は商慣習に基づき契約の成立等を証することとされているものを含む文書と規定されています。

また、印紙税法に規定する課税文書の「作成」とは、印紙税法基本通達第44条により「単なる課税文書の調製行為をいうのでなく、課税文書となるべき用紙等に課税事項を記載し、これを当該文書の目的に従って行使することをいう」ものとされています。

そのため、課税文書の「作成の時」とは、相手方に交付する目的で作成される課税文書については、当該交付の時であるとされているので、注意が必要です。

このような規定に鑑みれば、注文請書は、申込みに対する応諾文書であり、契約の成立を証するために作成されるものです。

しかし、注文請書の現物の交付がなされない以上、国税庁は印紙税の課税原因は発生しないものと考えているそうです。

ただし、電子メールで送信した後に本注文請書の現物を別途持参するなどの方法により相手方に交付した場合には、課税文書の作成に該当し、現物の注文請書に印紙税が課されます。

②コミットメントライン契約に関して作成する文書についてのについての国税庁の見解

2つ目の根拠はコミットメントライン契約に関して作成する文書についてのについての国税庁の見解になります。

コミットメントライン契約に関して作成する文書に対する印紙税の取扱いに関して国税庁は以下のような見解を示しています。

請求書や領収書をファクシミリや電子メールにより貸付人に対して提出する場合には、実際に文書が交付されませんから、課税物件は存在しないこととなり、印紙税の課税原因は発生しません。

また、ファクシミリや電子メールを受信した貸付人がプリントアウトした文書は、コピーした文書と同様のものと認められることから、課税文書としては取り扱われません。

③印紙税の電磁的記録に関する国会質問の政府答弁

3つ目は印紙税の電磁的記録に関する国会質問の政府答弁になります。

印紙税の電磁的記録に関する国会質問の政府答弁では以下のような見解が過去になされました。

事務処理の機械化や電子商取引の進展等により、これまで専ら文書により作成されてきたものが電磁的記録により作成されるいわゆるペーパーレス化が進展しつつある。

文書課税である印紙税においては、電磁的記録により作成されたものについて課税されないこととなるのは良いことであり、今後、ペーパーレス化を進めていく。 

このような、政府答弁が過去になされたことによって、電子契約で収入印紙不要・印紙税不要であるという考えが急速に進展しました。

収入印紙を多く利用する経営者は必ず、収入印紙不要・印紙税不要になる3つの理由と根拠として、以下の3つの理由と根拠の詳細まで目を通すことをおすすめします。

  1. 請負契約に用いる注文請書についての国税庁の見解
  2. コミットメントライン契約に関して作成する文書についてのについての国税庁の見解
  3. 印紙税の電磁的記録に関する国会質問の政府答弁

すべての印紙税が削減できるわけではない

電子契約によって印紙税が削減できる根拠は、上記の説明で理解したのではないのでしょうか。

しかし、電子契約によってすべての印紙税を削減できるわけではなく、印紙税が必要になる場合もあります。

電子契約システムを導入しても、取引先が電子契約に応じない場合には、従来通りに契約書を書面で作成し締結することもあるためです。

ただし、取引先との契約を電子契約に切り替えることで、双方の印紙税が削減されメリットが共有できるため、取引先にも積極的に電子契約のメリットを訴求することが可能です。

また、電子証明書(実印レベル)による契約ではなく、電子サイン(認印レベル)によるメール認証での契約もできる電子契約サービスもあり、その場合取引先の負担が少なくなります。

そして、書類の種類によっては電子サインによる電子契約サービスの検討も可能です。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は『電子契約で収入印紙不要・印紙税不要になる理由と根拠・国税庁の見解とは?経営者は今すぐ電子契約を導入すべき!』という記事とタイトルで、電子契約で収入印紙が不要、また印紙税が不要になる理由や根拠、それに関する国税庁の見解など、さまざまなことを解説しました。

上記で説明したように、電子契約で収入印紙不要・印紙税不要になる理由と根拠・国税庁の見解は若干、難解な部分があり、また、これらの根拠、理由、見解は今後、変更する可能性もあります。

そのため、今回の記事をきっかけについて、電子契約について深く考える機会を設けてみてはいかがでしょうか。

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