個人・小規模企業がネットショップを開設する前に考えておきたい4つのこと

経済産業省が発表した平成 27 年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)(PDFにリンクします)によると、BtoC(対個人向け)、BtoB(対企業向け)ともにEC市場は右肩上がりです。
通販サイトのCMがテレビなどでこれだけ盛んに流れているにも関わらず、全商取引におけるECの割合は、例えばアパレルの場合はたった10%。EC化率が高いと思われている書籍でもまだ20%強程度です。
加えて、最近は越境ECやハンドメイドなど、新しい形態も台頭してきたので、市場全体はこれからもまだまだ伸びていくと予想されています。
このような流れを受けて、「自分でネットショップを開きたい」と思っている個人や企業が今まで以上に増えていると思いますが、今日は、個人・小規模企業に焦点をあてて、実際にネットショップを開設する前に考えておきたいことをまとめました。

1.ショップ出店のスタンスを決めておく

まず、最初に自分(自社)がどのようなスタンスで取り組むのかを決めることが大切です。個人の場合であれば、事業主としてやっていく位の気合でやるか?それとも、収益というよりは自己実現のためにやるか?または、副業程度でやるか?といった選択肢が考えられます。
また、企業の場合では、本業として事業の中心に据えるか?、あるいは本業をアシストする程度、または新規事業として実験的に取り組むか?といったスタンスが考えられます。
どのような、スタンスを取るにせよ、一貫性を持ってショップを運営しないと、それがお客さまに伝わってしまいますので、せっかくの取組が失敗に終わってしまうことにもなりかねません。
繰り返しますが、まず、最初にスタンスを決めましょう。

2.商材の競争力を見極める

ネットショップを開設したいと思ったときに、何を売るかというそもそもの命題に突き当たります。
既に自分で商品を製造している(もしくはこれからする)場合、それが本当に競争力のある商材かどうか、冷静に考えなくてはいけません。
例えば、街のおにぎり屋さんがネットショップを開設したいと思った時、お店に出しているそのままのおにぎりでは、ネットショップで販売するには不向きです。「冷凍おにぎりを開発する」「具材だけ売る」「自店のブランド力を生かしたネットショップ用の関連商品を作る」など、ネットショップに合わせた対応が必要になります。
加えて、そもそもその商品を欲しい人がどれくらいいるのか?という視点が必要となります。ただ単に「いいから!」「店舗で人気だから」では売るのが難しいのが、ネットショップの世界です。
また、自分で商品を製造せず、メーカーや問屋から仕入れて売るという方法でネットショップを開設する場合、競争力を担保するための戦略を事前に考えておく必要があります。
最近は、ネットショップ用に個人や小規模の会社にも商品を卸してくれるサイトが多くあります。現場で面倒な交渉することなく、色々な種類の商品を自宅や会社にいながら仕入れられるので、魅力的な品揃えが可能になります。
しかし、だからといって、簡単に売上に繋がるかと言えばそうではありません。そこで仕入れることが出来るものは、当然ライバルも仕入れることが出来ます。ネットショップは価格訴求力が圧倒的に強い特性があるので、同じ商品が比較された場合、当然、価格の安い方に流れます。
このような価格の値下げ競争についていく覚悟があるか?また、小ロットで対応してくれる業者を見つけてオリジナル商品を開発するなどそれを補うアイデアはあるか、独自の仕入れルートを開拓するかなど、とるべき方策を事前に整理しておきましょう。

3.自分に合った売り場を見極める

ネットショップの形態としては、(ほかにもあるかもしれませんが)大きく以下の3つの方法が主流です。
1つ目は自分でショッピングカートや決済などのシステムを月額(もしくは無料)で貸してくれるASPと契約し、そのシステムを元にショップを構築する方法。2つ目は.楽天やAmazonなどのモール型のECショップの出店する方法。3つ目は、メルカリやヤフオクなどのオークション・フリマアプリ上で出品する方法。
当然、それぞれメリット・デメリットがあります。基本的には集客力と使用料・手数料のせめぎ合いでしょうか。
どのような方法を取るにせよ、リアル店舗と同じで、一定数の集客がないと販売にはつながらないので、自分の状況に合わせて売り場を考えましょう。

4.運営体制を整理する

実際に運営をすることになると、商品の仕入れ、登録、発送(デジタルコンテンツ以外)、出入金の管理、顧客対応など、バックヤード業務が数多く発生します。
これらは、始めてしまえば難しいことではないですが、ひとつひとつの作業をどのようなルール(法則)に則って実施していくのかを決めておかないと、顧客からの質問や受注の際に混乱をきたします。
スタンスの章で述べたことと関連しますが、片手間で出来るレベルでやるのか、専担をつけるのかといったことから、整理していきましょう。

まとめ

ネットショップを運営するにあたっては、それをサポートする様々なサービスが次々と出てきます。それらを上手く活用しながら、自分に合ったネットショップを作っていってください。
また、どのようなスタンスでショップを開設するにせよ、関連法規の遵守は絶対です。悪意がなくても、結果的に法律を破っているということにならないよう、事前の学習をおすすめします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です