先日、民間シンクタンクのブランド総合研究所が、「第10回地域ブランド調査2015」の結果を発表しました。市町村だけでなく県別の順位もあるので、毎年何かと話題になるこの調査ですよね。
この調査の報道を聞いたとき、個人的にですが上位10位に入っている市町村の公式観光サイトがどのようになっているのか、気になりました。
集客という観点で考えると、情報ソースとしての観報サイトは重要な位置づけであると思われるからです。
もちろん、サイトの良し悪しだけで順位が変わるとは思いませんが、魅力的という評価を得ている市町村の事例を見ることで、サイトの運営やデザインなどの参考になるのでは?と思います。
地域ブランド調査とは?
そもそも地域ブランド調査とはどのような調査なのでしょうか?調査を主体であるブランド総合研究所のホームページに詳しく掲載されているのですが、手短に説明するために以下の記述を引用させていただきます。
◆地域ブランド調査 2006年に始まり、全790市と東京23区、地域ブランド力向上に取り組む187町村を加えた計1000市区町村と都道府県が対象。インターネットで2万9046人が回答し、年齢構成、地域の人口分布に準じて集計した。1人当たり20地域について回答し、地域別の回答者数は平均で 548人。調査項目は認知度、魅力度、情報接触度など全77項目。
出典:http://www.hokkaido-nl.jp/detail.cgi?id=28721
観光客だけでなく、地元に住んでいる方へのアンケートなどもあり、多面的に調査されているのが特徴です。
調査項目などの詳細はブランド総合研究所よりご確認ください。
地域ブランド調査とは?
上位10位の公式観光サイトをチェック!
では、実際のサイトを見てみましょう。
1位.函館市
http://www.hakobura.jp/
函館市観光部が運営する「はこぶら」。地元の制作会社のシンプルウェイ・グループが受託し、実際の運営を請け負っています。日本語を含め11言語に対応。観光客が函館に来たら何が出来るのかが、一目でわかります。
2位.札幌市
http://www.welcome.city.sapporo.jp/
札幌市観光文化局観光コンベンション部観光企画課が運営する「ようこそSAPPORO」。日本語を含め6言語に対応。独自のWPテーマを使用し、季節感のある写真を多用したギャラリーサイトとなっています。
3位.京都市
http://kanko.city.kyoto.lg.jp/
京都市産業観光局観光MICE推進室が運営する「京都観光Navi」。日本語を含め14言語に対応。海外サイトは単なる日本語サイトの翻訳でなく、写真を前面に押し出したビジュアル中心のサイトにするなど、サイト訪問者属性に配慮した構成になっています。
4位.横浜市
http://www.welcome.city.yokohama.jp/ja/
公益財団法人横浜観光コンベンション・ビューローが運営。日本語を含め6言語に対応。観光に関する情報がひととおり網羅されています。また、海外向けサイトは言語別にデザインを変えて作られており、きめ細やかなニーズにも対応しています。
5位.小樽市
http://otaru.gr.jp/
一般社団法人 小樽観光協会による運営。日本語を含め5言語に対応。WPが使われています。観光目的別の情報と新着情報の整理がうまくデザインに反映されており、観光客に訴えるべき内容が伝わってきます。
6位.神戸市
http://www.feel-kobe.jp/
一般財団 神戸国際観光コンベンション協会が事業主体で、地元の企業の株式会社ディーシーアドミンズに運営と編集が委託されています。日本語を含め5言語に対応。3カラムの構成で使い勝手が良いですが、モバイルフレンドリー未対応です。(筆者実施のモバイルフレンドリーテストによる)
7位.富良野市
http://www.furanotourism.com/jp/
一般社団法人ふらの観光協会が運営する「ふらのindex」。日本語を含め4言語に対応。富良野の食と自然を前面に押し、観光情報を網羅したサイトとなっていますが、モバイルフレンドリー未対応です。(筆者実施のモバイルフレンドリーテストによる)
8位.鎌倉市
http://www.kamakura-info.jp/
鎌倉市観光協会が運営する「鎌倉INFO」。英語、日本語のみの対応で、多言語化はこれからです。地元商店の情報発信コーナーもあり、隠れた発見がありそうです。
9位.金沢市
http://www.kanazawa-kankoukyoukai.or.jp/
金沢市観光協会運営の「金沢旅物語」。日本語を含め8言語に対応。北陸新幹線の開業を反映して、新幹線をメインテーマに据えつつ、名所・名産などをビジュアルで楽しませる構成になっています。
10位.軽井沢町
http://karuizawa-kankokyokai.jp/
軽井沢観光協会運営のサイト。日本語を含め5言語に対応。売りにすべきコンテンツが明確なせいか、コンテンツに一貫性があり、欲しい情報を得やすい構成になっています。
まとめ
少々好き勝手に書かせていただ部分もありますが、いかがだったでしょうか?
個人的には、サイト訪問者がサイトのどこをみたらいいのかを明確に提示出来ているサイトは、ただ情報を羅列しているサイトに比べると発信力が強いなという印象を持ちました。
今後、同種のサイトを設計する機会があるとしたら、小規模な市町村であれば、函館市や小樽市のサイトの構成は参考になると思います。また、大都市の観光サイトは、どうしても情報が雑多になりがちなので、目的やジャンル別にサイトを分けるなどの対応も今後必要な気がします。
それぞれサイトを閲覧しつつ、自社のサイト制作の参考にしていただければ幸いです。