プレスリリースというと中小企業ではなく、大企業が新商品や新サービスを導入したときに使うものというイメージがあると思いますが、コストをかけられない中小企業こそ、活用すべきマーケティングツールなのです。その理由を解説します。
そもそも、プレスリリースってどういう仕組みなの?
プレスリリースとは
企業・団体が、TV、新聞、雑誌、ニュースサイトなどのメディアに向けて、新商品やサービス、イベントなどの情報を配信すること
を意味します。
- 出版社
- 新聞社
- TV局
- ニュースメディア
・・・
などのマスコミは、このプレスリリースを見て、新商品や新サービスの情報を知り、興味があれば取材などの依頼をして紙面やニュースで流れる仕組みとなっています。
プレスリリースの仕組み
プレスリリース配信 ※一斉配信サービスなどもある
↓
ニュース系メディア:興味があるプレスリリースを掲載 ※中には自動的に掲載されるメディアもある
↓
TV局・出版社・新聞社:興味があるプレスリリースを掲載。もしくは取材して掘り下げてから掲載
↓
一般の消費者
基本的には上記のような流れになります。プレスリリースを直接TV局・出版社・新聞社が見たり、プレスリリースがgoogleニュースに表示されて直接消費者に届くケースもあります。
いろんなパターンがありますが
- 新商品や新サービスの情報をメディア・マスコミに配信する
- 興味を持ったメディア・マスコミがその情報を取り上げる
- 消費者が見る
という形になるのです。
プレスリリースの何が最強のマーケティングツールなの?
無料でCM並の広告宣伝効果!
プレスリリース配信というのは、有料の一斉配信サービスもありますが、基本的には無料でできるものなのです。
「無料 プレスリリース」で検索してもらえれば
40~50個ぐらいの無料のプレスリリースメディアが投稿URLとともに紹介されているのです。
プレスリリース配信サービス
- Value
- press(バリュープレス)
- プレスリリースゼロ
- プレスパートナーズ
- NEWZINE(ニュージン)
IT関連ニュースメディア
- ITmedia
- @IT
- Business
- Media
- 誠
- EE
- Times
- Japan
- EDN
- Japan
- MONOist
- スマートジャパン
- INTERNET
- Watch
- REGNAS
TECH関連ニュースメディア
- Tech
- crunch
- Techable(テッカブル)
- TECH
- WAVE
- ベンチャーナウ
- ネットベンチャーニュース
アプリ関連ニュースメディア
- AppBank
- iPhone女史
WEBマーケティング、総合ニュースサイト、その他
- Web担当者Forum
- はてなニュース
- マイナビニュース
- ストレートプレス
- 男子ハック
- フジサンケイ
- ビジネスアイ
- INTERNATIONAL
- BUSINESS
- TIMES
- ロケットニュース
仮に無料でプレスリリースを配信した新商品情報が、メディアに取り上げられて、それがTVで取り上げられたら・・・何百万円、何千万円のPR効果、広告効果があるのです。
「無料でCMをうつ」ようなものです。
ROIが計算できないぐらい高いマーケティング手法なのです。
被リンクによる自然検索順位の上昇。SEO効果
複数のニュース系メディアに掲載されるだけでも、そこから自社HPのリンクが掲載されます。
色々なサイトからリンクされることになるのです。
googleやYahoo!の検索結果の順位というのは「被リンク」と呼ばれる「どれだけ他のサイトからリンクをもらっているのか?」によって決まります。
つまり、プレスリリースでテレビや新聞に掲載されなくても、その手前のウェブメディアに取り上げられるだけでも、自社のHPには大きなSEO順位の上昇効果が見込めるのです。
検索結果で上位に表示されれば、検索から訪問してくるお客さんが増えるのは言うまでもないのです。
どうすれば、メディアやTV、雑誌に取り上げられるプレスリリースが作れるのか?
世の中には色々な「メディアやマスコミに取り上げられるためのプレスリリースの作り方」というフォーマットがあります。
例えば
共同通信PRワイヤー|プレスリリース作成の10原則では
- タイトルと見出し、リード文が勝負
- 事実を正確に
- 結論を先に
- 専門用語は極力少なく
- 告的な表現や余分な形容詞は避ける
- 具体的な数字データを
- 1センテンスは50字以内、3行止まりを目安に
- 資料は別添に
- 読みやすいレイアウトに
- 素材によって提供する“相手”を変える
と書かれています。
確かに取り上げられる確率は少しは増加しそうですが、この方法は適切ではありません。
なぜなら、メディアやマスコミもバカではないのです。
どんなに雑な作りのプレスリリースにしたって、読者や視聴者が興味を持つ情報のプレスリリースなら取り上げますし、どんなに完璧なプレスリリースを作ったって、ありきたりの商品やサービスには興味を持たないのです。
重要なのは
見た目ではなくて、中身なのです。
どれだけユニークな(独創的な)商品やサービス、調査データなどを用意できるのか?
がメディアやTV、雑誌に取り上げられるプレスリリース作りのキモなのです。
調査データ一つにとっても・・・
- 「クレジットカード利用者100名のアンケート結果を公表!」
では、何のインパクトもないのです。
これはYahoo!ニュースに出ていましたが・・・
- 「滋賀県民の鉄板ネタ『琵琶湖の水止めたろか!』を実行すると滋賀県が水没し自滅することが判明」
というシミュレーションデータの方が、何倍もメディアやTV、雑誌が食いつくのは当然のことなのです。
どんなに言いまわしを工夫したとしても、「クレジットカード利用者100名のアンケート結果を公表!」という素材では太刀打ちできないのです。
でも、ユニークな調査にはお金がかかるのでは?
「滋賀県民の鉄板ネタ『琵琶湖の水止めたろか!』を実行すると滋賀県が水没し自滅することが判明」というのはgoogle earthのシミュレーション機能を使って簡単にできることです。
実際にこれは「Twitterユーザー・風霊守(@fffw2)さん」がつぶやいた情報がニュースになったものです。
結局、中小企業であっても、アイディア次第でお金をかけなくても、リリースネタは作ることができるのです。
まとめ
プレスリリースは無料で
- CM並の広告宣伝効果になる可能性があるマーケティング手法
- SEO効果により自社HPへの訪問者数増加が期待できるマーケティング手法
なのです。
プレスリリースの効果を最大化するためには
プレスリリースの見た目ではなく「どれだけユニークなネタ」を作れるか?
が肝になってきます。
そもそも、中小企業が高利益率で収益を上げるためには、どんなにニッチな市場でも、差別化できるユニークなビジネスモデルが必要になります。
経営のためにユニークな商品、ユニークなサービスを考えていれば、自動的にプレスリリースは最強のWEBマーケティングツールになりうるのです。
プレスリリースのために「ユニークな情報がないか?」を考えるのではなく、中小企業の経営を成功させるためにユニークなビジネスモデルを考えて、その結果プレスリリースで広告宣伝効果が爆発するという流れが、中小企業の経営者が目指すべきプレスリリースの活用法です。