【初心者向け】カスタマージャーニーの作り方と事例。

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マーケティングの現場に携わっている人であれば、「カスタマージャーニー」という言葉を一度も聞いたことがない人はまずいないのではないでしょうか? 一方で、どうして今になってカスタマージャーニーが重視されるようになったのかについては、いまひとつ理解できていないというケースも少なくないかもしれません。
この言葉が広く知れ渡るようになったのはここ数年のことですが、実は考え方そのものはけっして新しいものではありません。あらためてカスタマージャーニーの意義を押さえつつ、作り方と事例を見ていきましょう。

カスタマージャーニーの基本

カスタマージャーニーとは?

まずは、カスタマージャーニーの定義をおさらいしておきましょう。カスタマージャーニー(=Customer Journey)とは、直訳すると「顧客の旅」ということ。つまり、ターゲットとなるユーザーが商品・サービスに対してどのように考え、どのように行動し、どのようにして購入するに至ったかという一連のプロレスを指します。
そして、その流れをわかりやすく可視化したものが「カスタマージャーニーマップ」です。最近のマーケティングの現場ではこのマップが提示されることも多いので、実際に見たことのある人も多いのではないでしょうか。
カスタマージャーニーを作る目的は、ユーザーが商品・サービスに対して何を求め何を考えているのかをあらためて分析し、最適化することです。また、それによって社内でのコンセンサスがとりやすくなり、企画・制作をスムーズに進行させることにも繋がります。この点だけを見ると、マーケティングの基本に立ち返っただけのようにも見えますね。

カスタマージャーニーが重視されるようになった理由

では、どうして今になって「カスタマージャーニー」という言葉があらためて取り上げられるようになったのでしょうか?
それはスマートフォンやソーシャルメディアの普及と大きな関係があります。一昔前までは、個人が商品やサービスについて認知するための窓口はテレビや雑誌などいくつかのメディアに限定されていました。そのため、広告の見せ方だけに注力するだけでも充分な成果を上げることが可能でした。
しかし今の時代は、個人であってもさまざまなメディアからさまざまな情報をインプットします。それに伴い、ライフスタイルもますます多様化しています。「この手法を用いれば絶対に万人に対して効果が出る」というようなマーケティングの方程式が成り立たなくなっているのです。
そこで、よりターゲットのペルソナを明確にし、ユーザー視点に立ってストーリーを紡いでいくことが必要となりました。ユーザーの感情や思考を可視化するためには、カスタマージャーニーを明確にすることが最適だったというわけです。

カスタマージャーニーの作り方

実際にカスタマージャーニーマップを作っていくには、次のような手順を踏みます。

(1)ペルソナ設定

メインターゲットとなりうるペルソナを想定します。年齢・性別・居住地域といった属性だけでなく、性格やライフプランまで細かく具体的に設定していきましょう。あくまでも1人の人物を想定することが大切です。この点については従来のマーケティング手法となんら違いはありません。

(2)フェーズ設定

ユーザーが商品・サービスの存在を知ってから購入するまでには必ず何段階かの心の動きや考え方の変化があります。それを可視化するためには、適切なフェーズ分割が欠かせません。商品・サービスの性質によって設定すべきフェーズは変わってきますが、「認知」「興味・関心」「比較検討」「購入」の4フェーズをベースにして設定していくとよいでしょう。

(3)行動・感情の落とし込み

つづいて、先ほど設定したフェーズにペルソナの行動や感情を落とし込んでいき、それが正しいのかどうかを検証します。時間がない場合はすぐに顧客へのヒアリングやアンケートを実施してしまいがちですが、「まず自分たちなりに仮説を立ててからヒアリングやアンケートを行う」というアプローチをとると、ユーザーと企業側での意識の差が目立ちやすくなるため理想的です。

(4)フレームワークの作成

最後に、ここまでに洗い出してきた情報をマップにまとめます。横軸にフェーズを、縦軸に行動・心情・タッチポイント・チャネルなどを配置してそれぞれ埋めていけば、ペルソナが商品・サービスを知ってから購入するまでの流れが可視化されます。そのマップと現状とを見くらべれば、自ずと課題も浮き彫りになるはずです。

カスタマージャーニーの事例

ここまでカスターマージャーニーの作り方を解説してきましたが、言葉だけではわかりづらい部分もあるかと思います。そこで、秀逸なカスタマージャーニーマップの実例を2つご紹介します。

就職活動のカスタマージャーニー

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出典:Web担 2時間で作るカスタマージャーニーマップ――実例とともに考える新しい「おもてなし」のカタチ

企業の企画・制作とは一見無関係そうに思えますが、就職活動というのも広い意味では「自分というコンテンツを売り込むためのマーケティング」です。特定の業種や商品についてのカスタマージャーニーではないからこそ、カスタマージャーニーの本質を理解するには最適の教材となるでしょう。

海外旅行のカスタマージャーニー

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出典:D2Cスマイル カスタマージャーニーマップの作り方

カスターマージャーニーというとカラフルで図版が多用されているものを想像しがちですが、わかりやすくまとまっていれば文字情報がメインでも問題ありません。社内での共有だけが目的ならばこのようにシンプルなアプローチでもOKですし、かえってイメージが固定化されず柔軟な発想が生まれるというメリットもあります。
いずれの事例も出典のリンクより確認してみてください。

まとめ

ここまで見てきたように、これからの時代のマーケティングにカスタマージャーニーは欠かせません。カスタマージャーニーの出来が商品・サービスの成功と失敗を分けるといっても過言ではないでしょう。
ただし、あくまでもカスタマージャーニーは企画の設計図のようなものです。現実的に到底実現できないようなアイディアや施策を盛り込んでしまったのでは意味がありません。事実と理想をはっきりと区別するという態度を忘れないよう留意しましょう。

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