はじめに
最近オウンドメディア強化の一環として、コーポレートサイトや製品紹介ページなどで動画コンテンツを配し、ユーザーや取引先、見込み客相手に自社製品を視覚的かつ、感情的にアピールするサイトが増えてきました。
BtoB、BtoC問わず、今後もこういった動きは増え続けるでしょうし、当然のことになっていくと思われます。
供給側が発信する動画が当たり前になっていく中で、それを見るものの目も肥え、「面白みのない動画」は陳腐化され、ほとんど見られないものとなっていく流れは自明であるといえます。
今回のコラムでは、活用事例をいくつかご紹介し、「見られる動画」とは一体どういうもので、動画作成に際し、どのようにアプローチしていくべきかの指標を提案したいと考えています。
事例1.ブラザー工業
分かる人にしかわからない、ありのままの動画
その他の動画はブラザー工業製品動画ページへ
BtoBの動画事例としてわかりやすいかもしれません。
おそらくサイト訪問者の9割は、工業製品を探しているプロでしょう。その目線から考えた場合、小細工なしの「製品動画」があればよいわけです。こちらの場合小気味良く見せている点でもわかりやすさに繋がっているので、ぜひマネしたい作り方ですね。
事例2.象印
使用シーンを想起させ、生活感に訴える
保温マイボトルという身近に使用することの多い商品で、マイボトルから個人の日常を連想させるストーリーです。毎日働く女性が仕事で疲れたときに、マイボトルで息抜きしている姿を描いています。同じ女性としてとても親近感が湧きますね。また、動画中に台詞はありませんが、挿入歌が女性の気持ちをそのまま表していて、とても自然でわかりやすいです。
事例3.Panasonic RULO
類似製品の差異化を目指すコンセプトづくり
動画はパナソニックロボット掃除機RULOのページへ。
お掃除ロボットの新製品。
「ロボット掃除機は●から▲へ」というキャッチコピーの通り、丸と三角の中間の形をしているRULOですが、このCMでのRULOの動きが何とも言えずかわいらしい。
最初は、ああルンバに似ているなと掃除機そのものを見る感覚しかありませんが、次第にペットを見るような感覚になるから不思議なものです。愛着がわいてしまいそうなフォルムですね。
丸型のロボットじゃ隅の埃は取れないでしょう?という、誰もがこの手の製品に対して潜在的に抱いているマイナスイメージが、動画を見ることで払拭されていきます。
家電量販店で実際に見に行きたいと思える動画ですね。
事例4.T-fal
シンプルに良さを出す
その他の動画はT-falの製品紹介ページへ
サイクロン式でありながらその強力な吸引力に驚きます。
我が家には猫が2匹居るため、猫砂にご飯の食べこぼし、抜けた抜け毛に毎日悩まされます。そんな中出合った動画に目を見張りました。これなら 幾らでも掃除機だけで対応できると確信しました。
事例5.村田製作所
どんな製品を作っているのか一目瞭然
動画は村田製作所の製品紹介ページへ
企業向けかつプロダクト系の指標となる動画がこちらにあります。製品特性、品質についてわかりやすく説明してくれています。自社製品が確立されている場合、ありのままを伝えることができるので、そういった場合はぜひ活用したいですね。
事例から
事例を踏まえ、見られる動画について考察してみます
これは有名な説ですが、人は動画視聴を始めてから90秒が「ガマンの限界」と言われています。つまらなかったら90秒で視聴を止め、もう戻ってきません。逆に面白ければなおも動画を見続けるわけです。
つまり、90秒までに興味を喚起し、ユーザーにとって重要な情報であると認識させる必要があるわけですね。
あとはウソがないこと。ありのままを見せられるかどうか。
効果音や音楽もアクセントとして重要ですし、退屈さを和らげることのできる要素です。
まとめ
最初は見よう見まねで作ってみて人に見てもらい、ブラッシュアップしていく。最初から上手に作ろうと思わず、コツコツと試行錯誤していくと、自分の中でメソッドが生まれていきますよ。
自社で制作が難しい場合は、トレンドに合わせた動画制作会社を探してみては?実績のある制作会社に相談するのもいいと思います。
しかし、ただ動画を製作してアップしただけでは当然ながらユーザーの目に触れることはありません。
どのようなストーリーで動画をみせていくかといった導線作りも併せて試行錯誤していくこともお忘れなく。