会計ソフトで特に有名なのが、「freee(フリー)」と「MFクラウド」、「弥生会計オンライン」。
しかし、これら3つのサービスの特徴の違いを理解している人は多くありません。
そのため、今回は『会計ソフトの代表格「freee(フリー)」「MFクラウド」「弥生会計オンライン」の3つクラウド会計ソフトを徹底比較』という記事のタイトルで、それぞれのサービスを比較、解説していきます。
「freee(フリー)」「MFクラウド」「弥生会計オンライン」の価格面の比較
では早速、「freee(フリー)」と「MFクラウド」、「弥生会計オンライン」の価格面について解説します。
「freee(フリー)」の価格
以下が「freee(フリー)」の価格になります。
ミニマムプラン | ベーシックプラン | |
年額プラン | 年額プラン 26,136 円 / 年 |
年額プラン 52,536 円 / 年 |
一ヶ月プラン | 一ヶ月あたり1,980円 | 一ヶ月あたり3,980円 |
「MFクラウド」の価格
以下が「MFクラウド」の価格になります。
フリープラン |
ライトプラン |
ベーシックプラン |
|
月額プラン |
0円 /月
|
1,980円 /月
|
2,980円 /月
|
年額プラン | なし |
21,780円 /年
|
32,780円 /年
|
初期費用 | 無料 | 無料 | 無料 |
「弥生会計オンライン」の価格
以下が「弥生会計オンライン」の価格になります。
無料体験プラン | セルフプラン | ベーシックプラン | |
料金 | 2か月間無料 | 年間28,600円 | 年間33,000円 |
「freee(フリー)」「MFクラウド」「弥生会計オンライン」の機能面の比較
次に、「freee(フリー)」と「MFクラウド」、「弥生会計オンライン」の機能面について解説します。
「freee(フリー)」の機能面
「freee(フリー)」のミニマムプランにおける機能、ベーシックプランにおける機能についてそれぞれ解説します。
「freee(フリー)」のミニマムプランにおける機能
以下が「freee(フリー)」のミニマムプランにおける機能になります。
経理業務
- 口座同期・自動で経理
- 月3,000件までの取引登録
- ファイルボックス ( 証憑保存 )
- 請求書・見積書・納品書の作成
各種帳票・分析
- 会社法に準拠した決算書
- 損益レポート
- 売掛レポート
- 買掛レポート
- 現預金レポート
- 資金繰りレポート
- 月次推移(貸借対照表 / 損益計算書)
- 試算表
- 仕訳帳・仕訳エクスポート
- 総勘定元帳
決算
- 在庫棚卸
- 支払調書
- 消費税区分別表
- 消費税集計表
- 消費税申告
- 達人シリーズ連携用データの作成(消費税 / 法人税 / 勘定科目内訳明細書)
- 月締めの仮締め
ユーザー権限設定・ワークフロー
- メンバー招待は計 3 名まで
- メンバー権限管理
- 税理士招待
- コメント
- 仕訳承認
お客様サポート
- メール(フォーム)サポート
- チャットサポート
- 導入コンサル (まるごと導入サポート)はオンライン
「freee(フリー)」のベーシックプランにおける機能
以下が「freee(フリー)」のベーシックプランにおける機能になります。
経理業務
- 口座同期・自動で経理
- 月10,000件までの取引登録数
- ファイルボックス ( 証憑保存 )
- 経費精算機能
- 経費精算の承認機能
- 請求書・見積書・納品書の作成
- 定期請求・合算請求
- 請求書の一括メール・一括郵送
- 請求書の一括PDFダウンロード
- 電子帳簿保存機能
- 総合振込ファイル出力
- 振込依頼の インターネットバンキング送信
- 部門階層・配賦計算
各種帳票・分析
- 会社法に準拠した決算書
- 収益レポート
- 費用レポート
- 損益レポート
- 売掛レポート
- 買掛レポート
- 現預金レポート
- 資金繰りレポート
- 集計表
- 月次推移(貸借対照表 / 損益計算書)
- 日次残高推移
- 試算表
- 仕訳帳・仕訳エクスポート
- 総勘定元帳
決算
- 在庫棚卸
- 支払調書
- 消費税区分別表
- 消費税集計表
- 消費税申告
- 達人シリーズ連携用データの作成
(消費税 / 法人税 / 勘定科目内訳明細書) - 月締め
- 配賦仕訳の作成
ユーザー権限設定・ワークフロー
- メンバー招待は計 20 名まで
- メンバー権限管理
- 税理士招待
- コメント
- カスタム権限管理
- 仕訳承認
お客様サポート
- メール(フォーム)サポート
- チャットサポート
- 電話サポート
- 導入コンサル (まるごと導入サポート)はオンライン
「MFクラウド」の機能面
以下が、MFクラウド会計の全プランで使える機能になります。
具体的に以下の機能が実装されています。
フリープラン |
ライトプラン |
ベーシックプラン | |
仕訳件数 |
年間50件まで
|
無制限
|
無制限
|
---|---|---|---|
初期費用 | 無料 | 無料 | 無料 |
金融機関連携自動取得 | ◯ | ◯ | ◯ |
各種仕訳入力 | ◯ | ◯ | ◯ |
各種会計帳簿 | ◯ | ◯ | ◯ |
決算申告 | ◯ | ◯ | ◯ |
スマートフォン向けアプリ | ◯ | ◯ | ◯ |
仕訳データのエクスポート | × | ◯ | ◯ |
電子証明書連携ソフト利用 | × | × | ◯ |
登録可能な部門数 | 2部門 | 2部門 | 無制限(2階層) |
仕訳入力の期間制限機能 | × | × | ◯ |
取引No.の振り直し | × | × | ◯ |
MFクラウドストレージ | 100MB | 100MB | 10GB |
「弥生会計オンライン」の機能面
以下が弥生会計オンライン」の機能(サポート面)面になります。
無料体験プラン | セルフプラン | ベーシックプラン | |
電話サポート | × | × | ◯ |
メールサポート | × | × | ◯ |
チャットサポート | × | × | ◯ |
WebFAQ | ◯ | ◯ | ◯ |
画面共有サポート | × | × | ◯ |
仕訳相談 | × | × | ◯ |
消費税改正業務相談 | × | × | ◯ |
経理業務相談 | × | × | ◯ |
マイナンバー相談 | × | × | ◯ |
「freee(フリー)」「MFクラウド」「弥生会計オンライン」のメリット面の比較
また、「freee(フリー)」と「MFクラウド」、「弥生会計オンライン」のメリットについてそれぞれ解説します。
「freee(フリー)」の3つのメリット
①圧倒的なサポート体制
「freee(フリー)」のサポート体制は他2社と比べて圧倒的です
以下が価格プランごとのサポート体制になります。
プラン名 | スターター | スタンダード | プレミアム |
申告機能 | 確定申告に対応 | 確定申告・消費税申告に対応 | 確定申告・消費税申告に対応 |
記帳の効率化 | 自動で経理機能 | 自動で経理機能/レシート読取り | 自動で経理機能/電子帳簿保存 |
サポー体制 | チャット・メール | チャット(優先対応)・メール(優先対応) | チャット(優先対応)・メール(優先対応)・導入サポート(電話) |
②なにより時間削減ができる
freee(フリー)の2つ目の特徴は会計処理の時間が大幅に削減できることです。
freee(フリー)は金融機関と情報を連携しているので、口座とクレジットカードのお金のやり取りを自動的に同期してくれます。
また、この機能は暗証番号などを使った通信ではなく、不正アクセスがあったとしても盗まれる情報は何もなくし、暗証番号が流出することもないため、とても安全です。
またfreee(フリー)では自動的に仕訳をしてくれることで、面倒な仕訳業務を勝手に行ってくれます。
そのため、freeeでは自動的に登録を行ってくれるので、経理、会計業務にかかる時間が短縮することができます。
③会計以外の機能が豊富
freee(フリー)の他の良い点としては「会計以外の機能が充実している」ことが挙げられます。
例えば経理業務として発生する請求書の作成業務などについても、必要事項を入力すれば郵送代行まで行ってくれます。
また合算請求や、定期請求なども行ってくれるので、経理業務にかかる負担が非常に少なくなります。
freee以外だと、サービスが切り分けされていて連携できたりはするのですが、それぞれのソフトで費用も発生します。
しかし、freeeであれば一つのソフトでかなりの範囲の業務をカバーできるので、個人事業主だけではなく中小企業にとっても有力な会計ソフトと言えるでしょう。
「MFクラウド」の3つのメリット
①どんなOS(Windows,Macなど)にも対応可能
MFクラウド会計はWindows,MacなどOSを選ばずに利用できます。
Macユーザーには朗報ではないでしょうか?
ブラウザで動作するソフトですので、PCを買い替えてもデータの移行などの手間が一切ありません。
MFクラウド会計はインストール型のソフトと違い、インターネットエクスプローラー、グーグルChrome、safari(サファリ)といったブラウザ上で動きます。
よって、「今は店舗のPCはWindows使っているけど、ノートPCはMacで両方のPCで会計業務を行いたい」という場合にも対応できます。
また、従来のインストール型ソフトだと、PCを買い替えた場合はソフトをインストールし直しさなければならないという事が多々ありました。
しかし、MFクラウド会計の場合は、ソフトもデータが全てクラウドサーバーで動いているため、PCを買い替えた時の手間が一切起こりません。
②スマホアプリにも対応している
MFクラウド会計はスマートフォンアプリにも対応されています。
例えば出張中の新幹線の移動中やちょっとした空き時間に、スマートフォンで仕分け業務をすることができます。
また、外出先で購入したちょっとした買い物のレシートをすぐに帳簿に入力できるため、経費の取りこぼしが少なくなります。
このように、レシートはその場でスマホカメラで写真を撮って保管出来ます。領収書の電子化登録許可を得ている人には便利と言えるでしょう。
③自動で仕訳の登録が可能になる
勘定科目を一度設定すれば、次回以降は自動で割り振られる点もMFクラウド会計の魅力でしょう。
摘要欄に関しても、一度登録したものが次回から自動で割り振られます。
また、仕訳登録を一度に50個まで一括登録することが可能なので、頻繁に経理業務を行わない場合には大変便利な機能でしょう。使っているうちに自動で仕訳される精度が上がってきます。
MFクラウド会計では、もちろん手動で入力することも可能です。その際には、簡単入力と振替伝票形式での入力を行います。振替伝票形式だと「借方」と「貸方」での入力になります。
簿記の知識が浅い場合には、簡単入力を利用すると自動で仕訳登録がされるため便利と言えるでしょう。
「弥生会計オンライン」の2つのメリット
①どこでもシステムの利用ができる
会計ソフト「弥生会計」はインターネット経由で会計ソフトを利用するサービスなので、PCへのソフトウェアインストールやサーバ上にシステムを構築する必要はありません。
また、インターネット環境とPCさえあれば、会計ソフト「弥生会計」は簡単に導入することができます。
会計ソフト「弥生会計」以外のサービスだと一般的に「会社、あるいはインストールしたPCでしか利用できない」という場合があります。
しかし会計ソフト「弥生会計」ならインターネット環境とPCさえあればいいので、使用する場所やデバイスを選びません。
経営者は出張先や外出先から会社の経理状況を確認でき、従業員に対しては自宅などから出社せずに仕事をするリモートワークを提供することができます。
②操作がわかりやすく、簡単
「弥生会計」は「複式簿記などの知識がなければ使用できないのでは?」と思われるかもしれませんが、実際そのようなことはありません。
実際、3社の中では一番、操作がわかりやすいという声が多くあります。
むしろ、必要な知識は最低限なものであり、誰でも簡単に使用できるのが特徴です。
そのため、これまで会計処理を税理士に任せてきた会社でも内製化をすることができます。
「freee(フリー)」「MFクラウド」「弥生会計オンライン」のデメリット面の比較
最後に「freee(フリー)」と「MFクラウド」、「弥生会計オンライン」のデメリットについてそれぞれ解説します。
「freee(フリー)」のデメリット
①同期可能なクレジットカードの種類が少ない
少しマニアックなクレジットカードだと対応していない可能性が高いので、自動仕分けをするために必要なクレジットカードを新たに作る必要があります。
freeeに対応しているおすすめのビジネスカードは、個人事業主でも新規法人でも審査が通りやすく、限度額も高いオリコのクレジットカードがオススメです。
オリコのクレジットカードは限度額は多くの場合、200万前後程度です。
しかし、それら以外のクレジットカードだと同期できる可能性が少ないため、注意が必要です。
「MFクラウド」のデメリット
①サービスが別々である
マネーフォワードが提供しているサービスはMFクラウド確定申告、MFクラウド会計のほかに、MFクラウド請求書、MFクラウド経費、MFクラウド給与といったサービスがあります。
これらは、電子請求書発行、経費清算、給与計算を効率化してくれるサービスですが、それぞれ独立していて、それぞれ登録をしなければなりません。
そのため、さらに便利な機能を追加するにはそれなりのコストがかかります。
「弥生会計オンライン」の2つのデメリット
①データの同時起動ができない
いくつかの会計ソフトは、ライセンス体系が許す限りそのライセンス数だけ同時起動が可能です。
そのため、マルチモニターの環境だと、左画面に過去データ、右画面に当期データを起動し、過去データと当期データを相互に確認しながら業務を進めることができますが、弥生会計はそれができません。
過去データを見たい時は、一旦、当期データを終了し、過去データのファイルを開くことになります。
このように、弥生会計では、データファイルの同時起動ができません。
②出力が不十分な所がある
会計事務所などにとっては「月次報告書」はある種、商品と考えているでしょう。
そのため、お客様から預かった資料を元に会計事務所が会計ソフトで帳簿を作成し、その後、お客様に報告書を提出しますが、その報告書がいわゆる商品になってくるので、やはり「一覧性、豊富かつ見やすい」ことが要件になってきます。
そうした中、弥生会計が出力できる帳票は貸借対照表、損益計算書、月次推移表の3種類のみです。
また、印刷時のレイアウト設定もA3が標準になっているのか、ビジネススタンダードであるA4で印刷すると若干、文字が小さくなってしまうのが、現状です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は『会計ソフトの代表格「freee(フリー)」「MFクラウド」「弥生会計オンライン」の3つクラウド会計ソフトを徹底比較』という記事のタイトルで、
- 「freee(フリー)」「MFクラウド」「弥生会計オンライン」の価格面の比較
- 「freee(フリー)」「MFクラウド」「弥生会計オンライン」の機能面の比較
- 「freee(フリー)」「MFクラウド」「弥生会計オンライン」のメリット面の比較
- 「freee(フリー)」「MFクラウド」「弥生会計オンライン」のデメリット面の比較
について、解説しました。
上記を見ればわかるように、3つの会計ソフトサービスはそれぞれ特徴が異なります。
そのため、3つのサービスのいずれかの導入を検討している場合、それぞれの特徴を比較し、自社に最適なサービスはどれかということを検討してから、購入することをおすすめします。