どんなビジネスにおいても、集客は最大かつ最初に直面する課題であるといえます。
飛び込み営業から始まって、電話をしたり郵便物の送付や広告展開など、何らかの方法でお客様になる可能性のある人と接触し、成果を得ようと必死になります。しかし、全てうまくいくとは限らないのが世の常。そのための費用や労力がかかった割には、効果がイマイチ、という話はよく聞くところです。
また、お客様になってくれたとしても、その後のフォローをしっかりしなければ再度購入してくれる保証は全くありません。そのために行う活動についても、労力や費用はそれなりにかかってしまいます。
もしこれらの活動を省力化できれば、費用を抑えられれば、その浮いた分でもっと別のクリエィティブな活動に従事できるのだが…。そんな悩みをお持ちの方が多いと思います。
しかし、この悩みは少しの努力と「あるシステム」を導入することによって、解消に大きく近づけることができるのです。
従来からのシステム-「フォローDM」
従来から行われていているお客様に対するフォローシステムに、ダイレクトメール(DM)を使った、いわゆる「フォローDM」と呼ばれているものがあります。
フォローDMの使用例
このシステムでよく例にあげられるのが「エステ」「美容室」「通販」「通信教育」といったもので、サービスを受けてから一定期間後に「様子伺い」の形でDMを送るものです。
健康食品の通販などでは、最初にお試しとして出荷したあとしばらくして「製品はいかがでしたでしょうか」と送られてきて、よかったら正規に購入したくなるように促してきたり、エステなども、そろそろお肌の具合が気になってきたな、というタイミングで送られてきたりします。
その際に追加クーポンや各種特典なども添付されていたり、化粧品や健康食品関連では、ちょっとした情報誌まで同封されていることもありお得感を演出したりしています。そこから気付いたらリピーターとなっていた、というお客様も多々いらっしゃるようです。
フォローDMのデメリット
このように効果が高いフォローDMですが、一方でデメリットもあります。
まず
ということです。それ専門の体制を敷いている企業ならともかく、小規模な事業所ではリスクが読めない(高くなる)可能性があります。
それと、
ということもあげられます。
昨今の個人情報漏洩事件でお客様の個人情報に対する意識は非常に高まっていて、住所を教える事に対する警戒感が強くなっています。
そして当然ながら、郵送するためのコストもネックとなります。
となります。100人出せばそれぞれ5200円、8200円となります。コストに見合った売上を得ることが出来るのか、DMを郵送したうちのどれだけレスポンスがあるのか、読めないところは非常にリスキーといえます。
ネット時代のシステム-「メールマーケティング」
インターネットの普及とともに、郵便物に代わり電子メールを使ったマーケティングが盛んに行われるようになりました。
レンタルDVD・CDの大手T社は、DMに代わりメールを使うことで様々な会員サービスを以前より展開してきました。また、大手ディスカウントスーパーを展開するI社は、メール会員に割引クーポンを配布して利用者拡大を行ってきました。
T社の会員は2014年には全国で1500万人を突破しているということで、もしこの人数に対しDMで対処するとなると、郵送費だけで億単位の費用がかかります。しかし、メールであれば回線の維持にかかる費用を考慮しても郵送に比べればタダ同然となり、かなりの節約になります。
また、作成コストもDMに比べはるかに小さな労力で済むようになりました。DMの場合は、印刷物の作成(デザイン・印刷)、梱包、発送作業などの労力がかかりますが、メールなら文章を作成して送信すれば終わりです。
相手が多ければそれに比例して一定の作業時間がかかるDMに比べ、メールは相手の人数に関係なく送るための作業時間は一定となります。
進化形のシステム-「ステップメール」
コスト、労力の面でDMに対して圧倒的に高いアドバンテージのメールマーケティングですが、それでも通常のメールを使った販促などでは、その都度文章を作成して送らなければならない、という手間があります。
販促活動は一回だけでなく、ある程度続けなければ効果は期待できないものです。お客様に対するフォローならなおさらです。大きな労力ではないのですが、続けるているうちにその作業が疎かになりがちです。
そこで大きな武器となる「あるシステム」、それこそが「ステップメール」です。
「ステップメール」とは、
のことで、配信開始時期を起点として、一定時間経過ごとに設定された内容のメールを次々に、しかも自動的に送っていくというものです。
ある意味前述した「フォローDM」と通常のメールマーケティングのいいとこ取り、といった、ある種の進化した形のメールシステムといえるでしょう。
ステップメールの利用法-「メールセミナー」
このように、「一定期間」ごとに「段階」を踏んでメールを送信できるというシステム特性を生かして数多くの会社が行っているマーケティング活動に「メールセミナー」があります。
自社の製品を直接「買ってくれ」と訴えるのではなく、その関連の情報を「セミナー」の形で配信していくことで信頼関係を築いていき、何かの時に思いついて購入の方向へ向きやすいようにするのがその目的です。
すぐに売上向上につながるとはいえませんが、
など良い効果も期待できるため、あなどれません。
「条件」に合わせて送信できる「ステップメール」
その都度書いて送る従来のメールと異なり、ステップメールは一度書き溜めておけば、後は条件に従って自動的に送信されるようになっています。
前述のメールセミナーのみならず、来店したお客様に対し一定期間後に再来店を促したり、購入後、商品を利用してみた感想をヒアリングしてみたりといったことも、自動的に行うことができます。
さらに、相手のお名前やそれ以外の情報も自動で入れることができるので、無味乾燥にならず、お客様に「自分のことを気に掛けていてくれている」ということを実感できるものとすることができます。
ステップメールは「お客様フォロー」をサポートする
このように、ステップメールを使うことで、本来であれば労力とコストのかかる「お客様フォロー」という大きな仕事を「楽に」しかも「着実」「誠実」に行うことができるようになります。
ステップメール自体は、メール配信サービス利用するための費用が発生しますが、それでも
ができたりします。郵送費を考えればかなりのコスト削減となっていることはいうまでもないでしょう。
「ステップメール」とはどんなもので、どんな利点があるかを簡単にご説明してみましたが、いかがでしたでしょうか。
次回以降、このシステムについてもう少し突っ込んで見てみようと思いますので、興味ある方はぜひお付き合いください。