起業を思い立ったときには「今すぐ出資を募って起業しよう。」と考える方も少なくありません。「このアイディアなら世界をアッといわせられる。」と多くの方が考えるので当然です。決してこれが間違っているわけではありませんが、段階を踏んで起業をすることを私はおすすめします。
「まずやってみろ。」で借金するほど、愚かなことはない
「まずやってみろ。」という行動力は経営において重要なものです。
しかし、「まずやってみろ。」で数千万円の借金を背負って起業して、失敗してしまったら・・・
失敗は成功の元とはいえ、借金を返済するのに多くの時間を遣ってしまうことになります。リスタートに時間がかかりすぎるのです。
私は、小心者ですから・・・そんな思い切った行動はできませんでした。
「別にリスクを冒さなくても、起業で成功できるはず。」という思いから選択した方法は
1.副業
2.個人事業主
3.起業(会社設立)
という順番でした。
この順番で、フェーズごとに売上を作りながら、起業すれば起業資金すら必要なかったのです。
1.副業
いきなり会社勤めの給料という安定収入をゼロにする必要はありません。
私の場合は広告代理店で働いていましたが
- 平日の帰社後 2時間
- 土日 8時間
にウェブサイトの運営をはじめました。
正確に言うと、ウェブサイトは作っていましたが、広告報酬などはなかったため、副業にすらなっていませんでしたが・・・
顧客(サイトユーザー)が集まれば、個人事業主になってすぐに売上ができる
と考えていたので「見込顧客を集めること」ができれば、それが目的達成ということだったのです。
勤務していた広告代理店では職務規定で副業禁止になっていたので、副業ではなく、その前段階の見込顧客を集めるということまでを目的としたのです。収入は得ていないので副業ではありません。
実際に働きながら、この実験をしたのは約1年ほどです。
十分に見込顧客が集められるようになってから、会社を退職することにしたのです。
2.個人事業主
見込顧客が十分に集められることが確認できてから、会社を退社したので
次に個人事業主になってからの最初の目的は、生活費よりも収入を稼ぐということでした。
これも会社員時代の実験の成果で見込顧客がすでにいる状態からスタートしたので
- EC
- 広告収入
ですぐに切り詰めていた生活費10万円を超えることができました。
退職後、3ヶ月目です。
「生活はできるな」と一安心といったところです。
また、失業保険ももらっていたので、失業保険の給付期間中に「収入 > コスト」になったので、生活の不安はなくなりました。
個人事業主のまま、売上を伸ばすことに注力して、月収が50万円を超えたころに会社設立を検討しました。
会社を退職して10カ月経過したところです。
年収が600万円を超えると、税金面で法人の方が都合が良いからです。
それ以外の会社設立の理由はとくにありませんでした。
3.会社設立
すでに「収入 > コスト」の状態ですので
会社の資本金は1円で良い状態でした。(実際は資本金は100万円にしています。)
銀行からの借入も必要ありません。
当然、この段階からは
当初想定していた、会社っぽい
- 事業計画を作ったり・・・
- 目新しい事業を考えたり・・・
- 新商品を考えたり・・・
ことができます。
すでに利益が出ている状態で、新しいことを考えられるので余裕もありますし、アイディアもこの2年間で貯めたものがいっぱいあるので、どんどんプラスの投資をすることが可能になっています。
借金もないのです。
ノーリスクとは言わないけれども、ローリスクで起業はできる
上記のように
- 【実験の期間】:会社で働きながら、売上につながるベース(見込顧客)を作る
- 【生活費を稼ぐ期間】:個人事業主として生活費以上の収入を作る
- 【本番】:会社を設立して、やりたかった事業を興す
というステップを踏めば
いきなり借金をして起業するよりは、何倍もリスクを抑えながら起業できる
と思うのです。
とくに大きいのは「会社の給料をもらいながら、試行錯誤の実験ができる」という点です。「失敗したらやり直す」は給料がある状態でやれば、何十回、何百回とテストできるのです。
このステップを踏んだため、会社設立まで私の場合は1年10カ月を要しましたが、それで借金0円で利益が出ている状態で会社がスタートできるのですから、十分に検討すべき方法だと思います。
まとめ
「もう一度、3年前にタイムマシンで戻って、起業をしてみてください。」と言われても
私は同じ方法を取ると思います。
起業家は一か八かで冒険する人のようなイメージがありますが、ギャンブルじゃないんだから、「石橋を叩くこと」を恥じる必要はないのです。
起業になかなか踏み切れない方はこのような手順でステップを踏みながら起業をすることをおすすめします。
とくに日本の場合は銀行の融資は代表者の連帯保証が必要になりますから、経営者の借金なのです。起業で大きなリスクを負わない方法もあるのです。