起業や新規事業のときにはプランB、プランC、プランD、プランEぐらいまで考えておく

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起業や新規事業を検討する際には、計画が上手くいかないことを前提にプランを練る必要があります。今回はプランBの考え方について解説します。

プランBとは

はじめの計画(プランA)が上手くいかなかった場合に打つあらかじめ用意された2つ目の計画のこと

を言います。

「プランBなんて、プランAを実行しながら編み出していくんだよ。」

という方もいますし、私自身それも一つの答えだと考えていますが、私の場合ははじめからプランB、プランC、プランD、プランEぐらいまで考えておく方法を取ります。

なぜ、起業や新規事業でプランBが必要なのか?

起業や新規事業のプランAは失敗するものだから。

です。

仮にあなたが広告代理店としての起業を考えていたとしましょう。

広告代理店で10年の勤務歴があり
広告代理店で求められる技能はほぼすべて習得している
自分がやっても簡単に上手くいく

と思っているのではないでしょうか。

しかし、そんなことはあり得ないのです。

なぜなら、会社員として経験する業務はあくまでも経営の機能の一部分でしかないからです。

  • 営業
  • マーケティング
  • 人事
  • 資金繰り
  • 商品開発

と複数の機能が組み合わさって「経営」ですから

いくら広告代理店で営業の経験が10年合ったとしても

「営業」に関する事業計画の数値は、高い精度で読めたとしても・・・「商品開発」をしたことがなければ

顧客の要望に合うサービスが提供できずに

  • 顧客の定着率の低下
  • 顧客の満足度の低下

会社員として働いていた広告代理店のPLで想定していた数字が達成できないことになってしまうのです。

そもそも、何年も事業を運営してきた広告代理店の「信用」というものが「ゼロ」からのスタートになるのですから、起業時の経営計画で想定していた通りにいくはずがありません。

  • あのお客さんは自分が独立すればついてきてくれると思ったのに・・・ダメだった。
  • 以前の広告代理店が扱っていた媒体が新規の代理店とは付き合わないと言ってきた。
  • 自分でがんがん営業するつもりだったが、経営者の仕事で思うように時間が取れない。
  • 実績がない会社のため、アポ率が以前勤めていた広告代理店と比較すると大きく下がっている。

「想定外だらけ」になるのが起業や新規事業と考えておいた方が良いのです。

起業時の経営計画通りに、1期目の決算が着地できたとしたら・・・それは奇跡です。数%の成功率と言っていいでしょう。

プランBの活用法

あくまでも私の場合ですが

起業するときは
新しい事業を展開するときは

プランBどころか、プランB、プランC、プランD、プランEぐらいの4つ~5つのリカバリー策をフェーズごとに用意してから、実行に移します。

経営計画時に「プランA:電話営業でアポ率2.0%」と予想していた場合に

「電話営業でアポ率2.0%」に届かなかったらどうする?という仮定の元

  • プランB:メールDMを送る
  • プランC:大手の広告代理店から案件を流してもらう
  • プランD:会社員時代の顧客に片っ端からアポを入れる
  • プランE:前職の会社に仕事がないか?頼む
    ・・

実際には、もっと具体的にプランBを作りますが、イメージはこのような形です。元々の想定では、広告代理店で働いていた時はにアポ率3.0%だったので、信用がないと言っても2.0%ぐらいでアポは入るだろうと考えて事業計画を作っています。

もし上手くいかなかったら、「メールDMに切りかえたり、既存顧客にアポを取ったりして、立ち上げ時の売上のかい離を埋めなければならない。」「最悪、やりたくないが、前職の会社にお願いすることも覚悟しなければ。」と考えておくのです。

当然、これでプランAの通りにアポ率が2.0%を超えていれば「良かった。良かった。」ということだけですので、プランB、プランC、プランD、プランEはお蔵入りです。

しかし、上手くいかなかったときにはじめて次の手を考えていては「手遅れ」になるケースが少なくありません。あらかじめ準備しておくことが必要なのです。

このような考え方で

  • 商談化率が30%を届かなかったら
  • 利益率が20%に届かなかったら
  • リピート率が50%を切ってしまったら
  • 1000万円の資金調達が○月までにできなかったら
  • 社員の採用が○月までにできなかったら
    ・・・

といろんな事業計画のフェーズごとにプランB、プランC、プランD、プランEを用意しておくのです。

できるビジネスマンは、常日頃から、上手くいかない場合のプランB、プランC、プランD、プランE・・・という引き出しを用意しているものですが、起業直後の経営者の場合はすべて自分でやらなければならないので、事業計画のフェーズごとにあらかじめ考えておくのです。

得意分野ならいちいち意識して作らなくても頭に入っているかもしれませんが、経営者はなんでも自分でやる必要があるため、苦手分野のプランBも考えておく必要があるのです。

プランBの思わぬ効果

精神的に安定する

プランAしか持っていない経営者というのは、精神的に不安定です。

プランAの計画が想定通りに行かない場合に焦ってしまったり、パニックに陥ってしまうことは少なくありません。

しかし、はじめからプランB、プランC、プランD、プランEまで用意しておけば、「想定通りにいかないことは織り込み済み」ですので、「あーそうですか。じゃあ、この作戦出しますか。」というぐらいの受け止め方が可能になります。

精神的に安定することも経営を成功させる大きな秘訣のひとつなのです。

ストックしたプランが将来的に改善やイノベーションにつながる

プランAが成功したら、プランB、プランC、プランD、プランEはそのときはお蔵入りになりますが、決して無駄ではありません。

上手くいかない場合のアイディアとしてストックし続けていれば

アイディアリストはかなりの数積み上がっていくのです。

私の場合は、3年で1000以上の実施していないプランBがストックされています。

面白いことに、あるきっかっけでストックしたアイディア達が復活して役立ったり、別のアイディアを結合されて、新しい商品やサービスの発想につながったりするのです。

ストックされ続けるプランBはそれ自体が会社の、経営者の資産となっていくのです。

まとめ

起業時に想定した事業計画が上手くいくケースはほとんどありません。

経営は、やってみなければわからないことが多すぎるのです。

だからこそ、上手くいかないこと自体を織り込んで、プランBを実行前から準備しておくことが重要なのです。

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