SNSの公式アカウント、キャラ設定はどうすべき?

企業がSNSの公式アカウントを運営することは、今やまったく特別なことではなくなりました。特に、プロモーションに大きな予算を割けない中小企業にとっては、なくてはならない重要な情報発信の場だといえます。賢く活用すれば、大企業にも負けないだけの広告効果をもたらすことも可能でしょう。
その一方で、SNSとは切っても切れないのが炎上のリスクです。個人アカウントであれば問題視されないような軽い失言でも、企業アカウントとなれば謝罪と撤回を余儀なくされることが多々あります。一度炎上してしまうと、ブランディングどころかかえってネガティブなイメージを広めることにもなりかねません。
そこで意識したいのが、公式アカウントのキャラクター設定をどのようにするかというポイントです。

事務的なキャラのメリット・デメリット

SNSのキャラクター設定として最も無難なのは、事務的に新商品情報やキャンペーン情報を告知していくだけのアカウントに徹することです。企業アカウントをフォローしてくれるユーザーは多かれ少なかれその企業や商品に好感を持っている人ですから、ターゲットを狙い撃ちした効果的なプロモーションを行うことが可能になります。
また、事務的なアカウントであれば引き継ぎが簡単だというのもメリットのひとつです。近年はSNSの専任担当者を配置している企業も少なくありませんが、個性の強いアカウントにしてしまうと担当者の変更が難しくなります。過不足なく情報を発信することは資料さえあれば誰でもすぐに実行できますから、引き継ぎに伴うリスクも減らすことに繋がります。
ただし、堅苦しく面白みに欠けるアカウントでは、新規顧客の開拓には繋がりません。既存の顧客だけがターゲットである場合には有効ですが、潜在的な顧客の掘り起こしには不向きといえるでしょう。従来とは趣向の異なる商品・サービスをプロモーションしたい場合にも適さないため注意が必要です。

個性的なキャラのメリット・デメリット

新規顧客の開拓や事業拡大が目的であれば、公式アカウントはユニークなキャラクターに設定しましょう。その個性が話題になると既存の商品・サービスに興味がない人からもフォローしてもらいやすいので、認知度アップには最適です。
事実、SNS戦略が上手だといわれる企業では、個性を押し出したアカウントの存在が目立ちます。積極的にフォロワーとフランクなコミュニケーションを行っていくことで、SNSならではのインタラクティブ性を存分に活かしながらファンを増やしていくことができるでしょう。
その反面、個性の強いアカウントにつくフォロワーは、企業や商品が好きというよりいわゆる「中の人」が好きなだけというケースも少なくありません。販促には直結しないことも多々ありますし、なによりSNS担当者の交代の際にはごっそりとフォロワーが減る可能性も考えられます。
また、注目を浴びる発言をしようとするあまり炎上してしまいがちなのも、個性的なアカウントの特徴だといえます。インパクトとモラルとの絶妙なバランス感覚が要求されますので、高度なネットリテラシーやマーケティング感覚を持った社員でなければこうしたアカウントの運用は難しいでしょう。

複数のアカウントを使い分けるというアイディアも

ここまで見てきたように、事務的なキャラも個性的なキャラもSNSの公式アカウントとしては一長一短です。その両方のメリットを得たいのであれば、複数のアカウントを使い分けてみましょう。
具体的には、情報発信用アカウントとPR用アカウントを別に作るというケースがよく見られます。新商品情報やキャンペーン情報などのオフィシャルな情報は事務的に、宣伝活動やフォロワーとのコミュニケーションなどは個性的なキャラで行うようにすると、双方の良いとこ取りが可能です。マスコットキャラクターがいる場合には、PR用アカウントをマスコット名義にしてみるのも一案でしょう。
使い分けによるメリットとしては、キャラをブレさせることなく運用していけるという点が挙げられます。たとえば商品の不具合等の事情により、企業アカウントは謝罪をしなければならない場面が多々あります。しかし、日頃おちゃらけた発言ばかりしているアカウントが急に真面目な謝罪をしても、真摯さに欠けます。
そんなときは事務的なアカウントで謝罪を行い、個性的なアカウントではそれをリツイートする形で伝えるようにすると、キャラの一貫性を保ったまま公式アカウントを運用していくことが可能になります。

まとめ

SNSの公式アカウントで大切なのは、方向性と目的をしっかり事前に決めたうえで運用していくことです。この点を曖昧にしたまま見切り発車をしてしまうと、思ったほどの効果を得られなかったり、炎上してネガティブなイメージをまき散らすだけに終わってしまうでしょう。そんなSNSアカウントであれば、はじめから開設しないほうがベターです。
アカウントのキャラクター設定をするということは、SNS運用の方向性を定めることにほかなりません。ある程度キャラ付けをすることで自然とアカウントの言動は軌道に乗っていきますから、新規にアカウントを作る際や担当者交代の際にはその都度見直してみるとよいでしょう。

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