国内ペット市場は右肩上がりで、2014年には総市場で1兆4285億円の規模(矢野経済研究所発表による予測値)になっています。少子高齢化やストレス社会などを背景としてどんどん成長している市場です。今では、ペットにも人間と同じようなサービスを提供したいと思う飼い主さんは本当に増えています。
ペット先進国アメリカでは、更に進んでいます。アメリカペット用品工業会(APPA)の推計によると、アメリカの2015年ペット市場規模は7.2兆円(605.9億ドル)に上ります。きめ細やかな飼い主のニーズの応えるべく、ペット関連のスタートアップ(主に犬)が成長しており、投資先として有望との評価でマネーが流入しています。
今回は二回に渡り、ペット関連のスタートアップについて紹介します。初回はペット先進国アメリカでのスタートアップ企業を紹介します。
アメリカ ペット関連スタートアップ10選
1.DogVacay
https://dogvacay.com/
犬のためのAirbnbサービスとして大変注目を集めているスタートアップ。犬を自宅で留守番させたりするのが不安な飼い主が、預かってくれる犬の飼い主を探すことが出来るサービス。預かる飼い主は、価格を自由に決められるが、事前に面接が必要。万が一の際の保険も備え、安心して預けられる体制を整えている。
2.ROVER
https://www.rover.com/
DogVacayの競合となるPetシッターサービス。全国各都市にあるペット団体と連携し、優秀なペットシッターを確保するなど品質アップに努めている。
3.Swifto
https://swifto.com/
犬の飼い主と散歩の代行者をマッチングするサービス。散歩代行者は身元確認を事前に実施。飼い主は散歩の状況をGPSで把握することが出来る。
4.Vet Pronto
http://www.vetpronto.com/
ペット医療のUberの異名を取る、獣医師などの専門家の駆けつけ医療サービス。ペットの薬や終末医療など、ペットに関することであれば、あらゆる緊急サービスをラインアップしている。
5.Bark&co
http://bark.co/
犬に関する広範囲なサービスを矢継ぎ早にリリースしているスタートアップ。犬に関するEコマースサイトのBarkShop、犬向けのおもちゃなどの定期購入 サービスのBarkBox、犬撮影用のカメラアプリBarkCamなど多岐に渡る。創業者は、meetup.comの共同創業者であった Matt Meeker氏。
〔BarkShop〕https://barkshop.com/
〔BarkShop〕http://barkbox.com/
〔BarkCam〕http://barkpost.com/barkcam/
6.Whistle
http://www.whistle.com/
首輪に装着し、愛犬の行動を24時間365日把握することが出来るデバイス。飼い主は、どこでもスマホで愛犬の状態を把握できる。また、毎日集めたデータにより、愛犬の健康状態を知ることも可能。デバイスの通信にはサブGHz帯を使い、消費電力を抑えた設計となっている。
7.PetHub
https://www.pethub.com/
ペッ トに取り付けたIDタグによって迷子を無くすことが出来るサービス。スマホ用のQRコードと普通の携帯電話でアクセスできるURLがあり、タグを読み取ることでペットを保護した人が飼い主情報を取得し、連絡することが出来る。ペットの位置情報をリアルタイムに把握できるプランもあり。
8.PETNET
http://www.petnet.io/
スマホから遠隔でペットにエサを与えることができるデバイス。2012年設立。
9.Petcube
https://petcube.com/
飼い主が外出時のペットの様子を遠隔で見守ることが出来るデバイス。カメラでの監視や声での呼びかけなど、在宅時に近い感覚を味わうことが出来る。
10.The Honest Kitchen
http://www.thehonestkitchen.com/
高級ペットフードのスタートアップ。一箱454gのドッグフードを120ドルで販売するなど、既存の「エサ」という概念を打ち破り、こだわりのある食材を使ったペットフードを製造・販売し、先行する老舗企業に挑戦している。
まとめ
全体的な印象としては、シェアリングエコノミー時代の潮流に乗ったマッチング系のサービスや、センサーなどを利用したIoT系のサービスなどが、支持を得ている感じですね。(資金調達しやすいという側面もあるのでしょうが)どのサービスもユーザーに新たな価値や体験を提案できているので、日本でビジネス展開しても受け入れられそうです。
UberやAirbnbのように、日本国内の規制ですぐに実現できないものもあるかもしれませんが、ペットに飼い主にとっては大変役に立つサービスですので、上陸を期待しています。
また、ペットSNS系のサービスは敢えて挙げませんでしたが、色々な切り口でサービスが展開されていますので、また別の機会に取り上げたいと思います。
次回は、日本国内のペットスタートアップを紹介します。冒頭でも申し上げた通り、国内においてもペット市場は有望ですので、市場が盛りがっています。是非、ご期待ください。