創業間もない非IT業種の企業や店舗の場合、ホームページの担当は広報や総務系の担当者に兼務というカタチで割り当てられる場合が多いようです。
この場合、担当者が専門のIT知識を持っているわけではないので、いざホームページを制作会社に発注するとなった時、手探り状態でのスタートになります。
制作会社の言われるがままに進行して、後になって「イメージと違う」「バカ高い」「対応が遅い」などトラブルになることを避けるために、今回はホームページ制作会社に発注する前に押さえておくべきことと、選び方を解説したいと思います。
事前把握編
目的を決める
最初に決めるべきことはひとつ。ホームページを作る目的を明確にすることです。ここを丁寧に考えるかどうかによって、完成したときの満足度合いとサイト訪問者に伝わる度合いが圧倒的に変わってきます。
最近、それを実感させる出来事がありました。ある案件で全国の美術館のホームページを調べる機会がありました。美術館のホームページは主に来館を促す目的で制作されることが多いですが、活気のある美術館ほど、来場情報をあらゆる交通機関で網羅して紹介していました。
訪問者に具体的な行動を促すホームページは、成果が出やすい体質を作ります。制作会社に発注するときに「●●を実現するページを作りたい」と強く提示出来る状態を作っておくことが重要です。
何を重視するか決める
それぞれの置かれた状況によってホームページに求めるものは変わってきます。
- 「店舗オープン時までに最低限恥ずかしくないレベルのものを安く早く作りたい」
- 「インパクトのある商品なのでユーザーが驚くようなデザインや見栄えにしたい」
- 「サイト上で自社独自のサービスを展開したい」
- 「新規サービスなのでとにかくアクセスを集めて顧客を獲得したい」
などなど。重視することを事前に把握することで、制作会社をスクリーニングしやすくなります。
予算感を把握する
おおまかにホームページを持つときに必要な費用を紹介すると以下のようになります。
ホームページ開設時に必要なものの一例
- ドメイン(ホームページのアドレス) 数百円~数千円(年額)
- ホスティングサービス(ホームページのデータの格納場所) 月額千円~数千円
- ホームページデータ(ロゴ・テキスト・写真・デザイン・プログラム)数万円~数百万円
上2つはどこの事業者でも大体同じような価格ですが、ホームページデータは制作会社によってピンキリなので注意が必要です。
自社の予算がどれくらいが上限なのか?また事業としてどれくらいの投資なら耐えられるのか事前に把握することが必要です。
あえて自分で制作する方法も模索してみる
最近は、ホームページを制作会社に発注しなくても、簡単に制作できるツールが世の中に出回っています。当ブログでも一部関連サービスなどを取りあげています。
参考記事)
【予約機能も翻訳も!】月1,000円で店舗のスマホ対応ホームページが簡単に!「グーペ」
【2017・事例付】wordpressテーマ24選〈有料版・レスポンシブ〉
IT知識ゼロからでもこれらのツールを使って自社のホームページを作り、成果を挙げている会社は数多く存在します。実際にやろうとしていることが、このようなツールで代替できそうであれば、導入を検討するべきでしょう。
制作会社選択編
制作会社は、検索したり知人から紹介されたりすることで簡単に候補が見つかると思いますが、実際にどのように選んでいけばいいか紹介したいと思います。
制作会社のホームページをよく読む
まず、制作会社のホームページに書かれている内容をよく読みましょう。実績紹介や制作工程、得意分野などが紹介されていると思います。
前半で考えた目的と重視する点と照らし合わせて、それらを実現してくれるか会社かどうかチェックしましょう。
例えば、アクセスを集めたいという目的であればSEO(検索で上位に表示に来るようにホームページを制作する施策)の実績が多くある制作会社、デザイン重視であれば自分の感性にあうデザイナーを抱えている制作会社が候補にあがるでしょう。
問い合わせで聞きたいことを事前に整理する
これはホームページの発注に限った話ではありませんが、費用・期間・要望など問合せ前に整理することが重要です。実際にやりとりを始めると、相手のペースに巻き込まれそうになることも多々あります。そうならないように、ポイントをリスト化しておき、そのリストをベースに話を進めるようにしましょう。
契約前のチェックポイント
いいなと思った制作会社に問い合わせをした次の段階で、制作会社の担当者とのやりとりが実施されますが、その際には以下について押さえておくことが重要です。
制作期間
まず、こちらが提示した期間内に納品できるかどうか。また、提示されたスケジュールに対して、余裕があるスケジュールなのか、それともギリギリのスケジュールなのかといったことも念押しが必要です。
価格
見積もりの項目ごとに根拠の説明を聞きましょう。よくわからない用語が出てきても都度確認すればいいので怖くありません。聞いていて整合性がとれているかどうかが確認ポイントです。
併せて複数の会社に声をかけて、見積もりをもらうということも重要です。会社によって出てくる金額に差がある場合は、その違いを中心にそれぞれの担当者に確認を取るといいでしょう。
内容変更のルール
制作している途中で、様々な事情で当初の決めた内容から変更が生じることも多々あります。その場合、まず対応可能なのか、対応可能であればどれくらいの変更なら追加料金がかからないのかなど、確認が必要です。
運用
ホームページは作ったあとに追加でデータを追加したりなどのメンテナンスが必要になります。制作会社は運用費として月額の費用を提示することが多いですが、何をやってくれるのかを詳細に確認しておきましょう。お知らせを月に1件しか更新にないのに月数万円とられるという事例も聞きます。自分で実施出来る内容であれば、「それは自分で出来るので」ということで値引きを要請することも一案です。
また、ホームページが何らかのトラブルで閲覧できなくなったり機能しなくなったりという事態も考えられます。その場合の体制を持っているかどうかも確認ポイントです。
担当者の相性
実際に発注するとなると、担当者とのコミュニケーションが重要になります。大きい制作会社であれば、営業マンと実際の制作を取り仕切る制作ディレクターが分かれていますので、可能であれば担当予定のディレクターに契約前に会わせてもらうことをおすすめします。その際に敢えて少し無理目の要望を出してその人の傾向を把握できると尚可です。
まとめ
いかがだったでしょうか?ホームページの発注は特別なイメージを持たれがちですが、他のビジネスで発注するときに確認する内容とほぼ同じであることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
今までのご自身のビジネスの経験と照らし合わせて、納得できる制作会社と付き合えばほぼ間違いないと思います。
発注前に上記の内容を参考にしていただければ幸いです。