【読了後レビュー】天才詐欺師のマーケティング心理技術(著者:ダン・S・ケネディ他)

最近、詐欺事件を検証するテレビ番組を見たのですが、そのノウハウに関心させられました。
詐欺は犯罪なのでやってはいけませんが、詐欺のノウハウはマーケティングやセールスで合法的に使えば成功者になることが出来ます。なぜなら両者は「人の感情を揺さぶって行動に移させる」という点で共通しているからです。
でも、人を騙す手口をマーケティングやセールスにどう応用していいのか普通は分らないですよね。具体的な応用の仕方が思い浮かばないという人がほとんどだと思います。
本書はそんなあなたに読んで欲しい一冊です。あのダン・ケネディーが、大恐慌時代の医者でありアメリカ史上最も悪名高い詐欺師の1人ジョン・R・ブリンクリー博士の手口をビジネスに応用出来るように解説してくれています。
本書は、マーケターやセールスマンだけでなく、社員のマネジメントをしている企業の経営層・中間管理職にもおすすめです。

著者のダン・S・ケネディとチップ・ケスラーの紹介

本書は、ダン・S・ケネディとチップ・ケスラーの共著というカタチで構成されています。ダン・S・ケネディの方はもう説明不要かもしれませんが・・

ダン・S・ケネディ(Dan S. Kennedy)

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億万長者ダン・ケネディは次々に事業を起こしている億万長者であり、 アメリカで最も報酬の高いダイレクト・レスポンス広告のコピーライターである。
30年以上にわたりマーケティング分野のソート・リーダーとして世に知られ、戦略的アドバイザー、ビジネス・コーチとして毎年100万人を超える企業経営者に直接影響を与える。クライアントは、金融サービス、医療、小売業、ダイレクト・マーケティングやその他多くの分野の企業にまたがる。ベビー・ブーマーとシニアをターゲットにしたマーケティングにも強い。

チップ・ケスラー(Chip Kessler)

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起業家。介護施設、生活応援、在宅介護の分野を専門にする優れたマーケティングおよびビジネス開発コンサルタントである。医療ビジネスのアドバイザーも務める。
ケネディとの共著『Making Them Believe: The 21 Principles and Lost Secrets of Dr. J. R. Brinkley-Style Marketing(信じさせる方法:J.R.ブリンクリー博士式マーケティング、21の原則と失われた秘密)』など、ユニークなマーケティング本を執筆している。

天才詐欺師のマーケティング心理技術の中身をちょっとだけ紹介!

本書は導入部・36章からなる本章・あとがきで構成されており、その中でブリンクリー博士流のマーケティング原則が21つ紹介されています。
そのなかからいくつか内容を紹介します。

Chapter6 ビジネスの顔 ジョン・R・ブリンクリーというビジネス

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中小企業や個人のレベルでは、ビジネスの顔となるべき代表者のパーソナリティーが極めて重要です。
10年ほど前に全世界的に一世を風靡したマーサ・スチュワートというカリスマ主婦は”マーサ・スチュワート”というビジネスを展開していました。時代を遡って、ウオルト・ディズニーやカーネル・サンダースもそうやって大きくなっていきました。
ブリンクリー博士もその重要性を理解し、“ブリンクリー博士”というビジネスを展開していました。彼の場合は医者だったので、名前を売る際に以下の5つの要素を考慮していました。

  • 1つの単純で大胆な学説を広める(常識に真っ向から対立する)
  • 考え抜いて論争をする
  • 何かに取り組んで、そのことで有名になる
  • 作り出したパーソナリティーを、ターゲットオーディエンスに接触するあらゆるメディアを通じて宣伝する
  • メディアを使うだけでなく、可能なら所有する

コンサルビジネスの方には改めて参考になると思います。

Chapter 9「自信」を売る  他人が求めるものを得る手助けをすれば、手に入らないものなどない

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ブリンクリー博士は、講演などで以下のように自慢していたそうです。「人々が求めるもの、つまり”信頼”を、自分は売ったり与えたりしているので、生み出したすべての称賛と富に値する」と。
彼はヤギの精巣を男性の陰嚢に移植し、彼の手術の腕によって患者に革命的な成果をもたらす(男性にベッドルームでの自信を与える)というビジネスによって富をもたらしました。実はデール・カーネギーも同様で、会議の場で自分の考えを効果的に伝えるノウハウを教えることで、ビジネスマンに自信を与え帝国を築きました。
また、ブリンクリー博士の前述の男性向け商品に関して、最初のマーケティング・メッセージとして本書では以下が紹介されています。

  • 自分には何か足りないものがあると感じていませんか?
  • 自信がないのではありませんか?
  • あれを心配しているではありませんか?
  • 自分はもう奥さんにとって魅力のない存在だと思っていませんか?
  • 不能のために惨めな思いをしていませんか?

これらの問いかけを彼は講演の冒頭でよく行っていたそうです。顧客の否定的な感情を煽り紹介する商品のニーズを高める方法としてダン・ケネディーも使っています。本書では、これらのノウハウをその他の事例付きで学ぶことが出来ます。

Chapter 22 価格正当化  人が持てないものを入手したいという欲望に働きかける

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ブリンクリー博士は、彼の手術の候補者へ向けて、人々の自尊心やエリート意識に訴えた実に巧みな勧誘文句を繰り出します。
その一部を紹介しますと、

  • 「あなたは贅沢な治療を受ける財力があるのだから、最高とは言えない治療で我慢する必要はない」
  • 「人間の腺は入手困難だが私には独自の入手ルートがある」
  • 「人間の腺は常に入手出来るわけれはないので、あなたはすぐに手術が受けられるように準備していなければならない」

※人間の精巣を移植できると患者に(勝手に)思わせておいて、実際はヤギの精巣を男性を移植する手術を購入させるというのがからくりですが、その詐欺勧誘文句です。
などなど。本書では、これらの勧誘文句に含まれている重要な要素をまとめ、現代のマーケティングにどのように応用すべきかを解説してくれます。
これらのポイントを押さえておけば、高額な商品の価格を正当化し、受注へと導くトークとして使えます。当然ですが合法的に利用してくださいね。
※本書には医療に関する記述が多くありますが、アメリカの法律に則って書かれています。日本とマッチしない部分もありますので、マーケティングに関するエッセンスだけ読み取ってください。

まとめ

いかがだったでしょうか?
本書を読み進めながら、トランプ大統領、ジャパネットたかたの高田元社長、モデルの紗栄子さん、若く見える医師の南雲先生など、富や名声を築いている多くの著名人がこのノウハウを結果的に使っているんだなと感じました。
そう考えると、本書に書かれていることはブリンクリー博士が生きた100年前から本質は変わっていないんですね。
人間の普遍的な心理傾向を使ったセールスのテクニックは一度学んでおいて損はないと思います。90日間返金保証付きなので安心して購入してみてください。
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