ビジネスの効率を上げるためには、事前の根回しが重要です。根回しと聞くとネガティブなイメージを持っている人が少なくありません。しかし、重要な交渉の場面や意思決定が行われる会議の前には、お客様や上司に対して根回しをすることでビジネスを効率的に進めることができるようになります。ここでは、ビジネスの効率を上げるための根回しの必要性についてまとめます。
根回しの誤解
ビジネスの効率を上げるためには、根回しが大切です。しかし、根回しをすることを嫌っている人がいることも確かです。会社内の根回しをネガティブなイメージで捉えており、そんなことをしなくても仕事はできる!と思っている人がいるからです。
しかし、会議をする前に根回しをしておかないと、参加する上司や役員は会議で初めて提案内容を聞くことになります。もし、そこで判断をしなければならないのであれば、リスクを嫌って「NO」の判断を下す事になるでしょう。
上司や役員に会議のテーマや目的、話す内容を事前に知ってもらえれば、会議の開催前に軌道修正をすることもできますし、リスクとなるポイントを事前に把握しておくことができます。会議での提案内容も先に知っている事で理解が早まり、効率的に会議の時間を利用できるようになります。
根回しはコミュニケーション
根回しとは、コミュニケーションの延長上にあります。相手の事を理解していなければ、納得してもらうことはできません。事前に説明することで、相手の特徴を知り、提案の角度を変えるようにします。自分がやりたい仕事を認めてもらうためには、相手に理解してもらうことが大切なのです。
また、相手のことを真剣に考えていなければ根回しはできません。仕事では、提案する側の自分勝手で物事を進めることはできません。根回しは相談をする相手の立場に立って物事を考えるスキルを養うことにもなるのです。
相手の立場に立って考えるスキルは、社内での活用だけでなく、お客様や一般消費者に対しても活かすことができます。自分たちのサービスを理解してもらい、認めてもってこそ、サービスの価値が生まれることになり、売上へとつながっていくのです。
根回しをする活用する
では、実際にはどのように根回しをすれば効率的に仕事を進めることができるのでしょうか。まずは、断られない理由を探る事です。事前に相談をしておくことで、提案内容のボトルネックになっている部分に気付きます。
例えば、ある製品を作るのにいつも仕入している業者より安い業者を見つけたとします。業者を切り替えることで、製品の販売利益を向上させることができます。
そのため、仕入業者の切り替えを決定してもらいたい提案を考えたとします。販売利益が向上するわけですから、そのまま出せば通ると思っていたら会議でNGが出てしまいました。これまで利用していた仕入業者は、長年の付き合いから品質に対しての信頼があったのです。
つまり、提案の中には価格だけでなく、新しい仕入業者に切り替えても品質が落ちない事をアピールしなければならなかったことになります。
事前に根回しをしておけば、新しい仕入業者に何を求めているのかを把握できたはずです。販売利益に繋がる仕入額だけでなく、品質が変わらない事を資料の中に加えていたことでしょう。会議前にボトルネックの解消ができておけば、ビジネスは効率的かつスピーディーに進むようになります。
次に、根回しをしておくことで社内での信頼関係を構築することができるようになります。基本的に、部下から相談をされることを嫌う上司はいません。誰もが頼ってもらいたいと思っているのです。
忙しそうにしていると声をかけにくいかもしれませんが、短時間でもいいので時間を作ってもらって相談をすることで、提案内容の共有だけでなく、仕事に対する考え方も共有することができます。ビジネスにおける信頼関係は、今後の効率的な推進に大きく影響するようになります。
根回しをするタイミングは、全ての材料が揃っていなくても問題ありません。そもそも時間をかけて考えた提案が全く違う方向に進んでしまいそうになっているのであれば、準備をした時間がもったいなくなってしまいます。ある程度考えが固まった時点で上司に根回しをしておくと、提案内容の方向性を正すことができ、時間を効率的に利用することにつながります。提案内容を考えた時は、たたき台のタイミングで一度根回しをしておくといいでしょう。
根回しの必要性まとめ
これまで根回しをネガティブに捉えていた方も、根回しの重要性を理解されたのではないでしょうか。根回しとは相手の立ち場になって物事を考え、コミュニケーションを取ることが大切です。自分がやりたいと思っている仕事を実現したいのであれば、事前の根回しをしっかりとして、ビジネスを効率的に進められるようにしましょう。