経営者は「お客様の声」を経営に反映させるべきです。なぜなら、そこに商品改善のヒントや商品の強みが隠されているからです。しかし、中小企業であったり、顧客数が少なかったり、直接顧客に会えなかったりで、「お客様の声」を集められないケースもあります。そのようなときの解決策を解説します。
「お客様の声」は最強の経営ツール
これは経営者であれば誰でも理解できるかと思いますが
「お客様の声」というのは感謝の声であっても、クレームであっても、これほど貴重な経営ツールはないというぐらい重要なツールと言っていいでしょう。
「お客様の声」感謝の声(お褒めの言葉)
- その商品やサービスの「強み」を意味します。
- 経営改善方法:「強み」を伸ばす。
「お客様の声」クレーム
- その商品やサービスの問題点を意味します。
- 経営改善方法:「問題点」を解決する。
「お客様の声」は、シンプルかつわかりやすく、経営者の発言以上に現場の社員にも納得感が生まれるため、誰も反対することなく、経営改善がすすめられるのです。
だからこそ、最強の経営ツールなのです。
「お客様の声」は簡単に集められるものではない!?
一方で「お客様の声」というのは簡単に集められるものではありません。
お客様アンケートを営業時や商品・サービス提供時に書いてもらうという手法の場合
→ 担当者が目の前にいるので良いことが書かれてしまいがち
ウェブサイトなどに「改善要望」フォームを用意するという手法の場合
→ 書いてくれる人が少ない
起業直後、新規事業の立上直後の場合
→ そもそも、お客様が十分いない
他にも
→ 社長が指示しても社員がお客様の声を聞きたがらない。
→ 報告の段階で担当者が都合の良い解釈で情報を加工してしまう。
という問題点があるのです。
だからこそ、成功している経営者は
「社長であることを隠して世間話をしながら、その合間に出てくる本音をキャッチアップする」
「家族や友人とサービス利用後の会話に聞き耳を立てる」
とお客様の声を集めるために時間や労力をかける方法を取るのです。
では、起業直後の会社、立上直後の新規事業の場合、顧客数が十分でない商品やサービス、試してみたけれどもお客様の声が集まらないケースの場合は、どういう手法を取れば良いのでしょうか?
私が実践している方法は「競合他社のクレームを探しまくる」という方法
例えば、私がウェブサイトの制作会社で起業した直後だと仮定します。
起業直後なので自社の顧客は数社しかいないので「お客様の声」のサンプルが少なすぎて参考になりません。
このときに行うのは
「ウェブ制作 クレーム」でgoogle検索することです。
数ページ見ただけでも
「不具合のあるものを平気で納品してきてこちらから指摘するまで修正しません。」
「するって言った連絡をよこさない。送るって言った素材を送って来ないのはお前の方だろう 」
「制作会社なのに社長が営業しか知らないって会社が何故か多い」
「はじめの見積もりから、どんどん値段がつり上がってくる。」
「修正指示が直っていない。バカなんじゃないの。」
「結果に責任を持たないウェブ制作会社が多すぎる!」
・・・
といろんなクレームがあるものです。
このクレームを経営改善に利用すれば
ウェブサイトの検収作業は顧客の承認を得なければならない
制作中は進行状況こまめに共有する
経営者であっても、営業だけでなく、制作の知識を覚える必要がある
はじめの打ち合わせで要件を出し作る。見積もりが増える可能性があれば顧客と共有する
修正が完了しているかのチェックは二度確認を義務付ける
ウェブサイトを活用した売上アップを目的とした提案をする
自社に対する的確な「お客様の声」がわからなくても、ウェブサイト制作に関する「お客様の声(クレーム)」というのは、いくらでもインターネットで集められるのです。
自社の顧客ではないため精度は落ちますが、起業直後であれば、十分に役立つ経営改善のヒントになるのです。
同じ業種に対する「お客様の声(クレーム)」を代用して経営改善につなげる
ということです。
同じ業種に対する「お客様の声(クレーム)」が見つかりやすいサイト
OKWAVE
http://okwave.jp/
教えてgoo
https://oshiete.goo.ne.jp/
Yahoo!知恵袋
http://chiebukuro.yahoo.co.jp/
2ちゃんねる
https://5ch.net/
twitter
https://twitter.com/
実際には掲示板系が一番クレームがあるかもしれません。
また、「ウェブ制作 クレーム」という検索を
「競合A社 クレーム」
「競合B社 クレーム」
というように大手企業の競合他社のクレームで検索するのも一つの方法です。
重要な経営資源のクレームを横取りしてしまいましょう。
まとめ
自社の顧客の「お客様の声(お褒めの言葉・クレーム)」を集めることは大前提です。
- 常に聞き耳を立てたり
- 顧客と世間話をしたり
- お客様アンケートを書いてもらったり
しながら、出てきた顧客の声をそのままメモして記録していくことをおすすめします。
しかし、すぐに「お客様の声(お褒めの言葉・クレーム)」が集まるわけではありませんので、その場合には競合他社のクレーム情報を集めて、経営改善の参考にすることをおすすめします。
起業直後や社員数数人規模の企業であれば、それでも重要な経営のヒントになることは間違えないのです。