そもそもオフィスコンビニとは?取り扱い商品は何がある?
オフィスコンビニとは、飲み物や軽食の購入がオフィス内でできるサービスです。具体的には、飲食物が陳列された設備を、オフィスの一角に配置します。商品棚には、コンビニでよく見かけるさまざまな商品が並べられています。
従業員はその中から欲しいものを選び、小銭を入れるかICカード決済を行うことで、商品を自由に購入できます。担当者が販売の業務を行う必要はありません。無人のコンビニをオフィスに設置するといったイメージです。
オフィスコンビニには、従業員にとってさまざまなメリットが存在します。例えば、ビルの高層階あるオフィスで働いている従業員にとっては、コンビニまで行くだけでもかなりの時間がかかることがあります。「ちょっと小腹を満たせるものを食べたい」といった時にも、なかなか気軽に買いに行けないということも考えられます。
オフィスコンビニを導入すれば、オフィスの中にいながら、コンビニの商品を購入することができるようになります。「残業中に息抜きをしたい」といった際にも重宝するでしょう。
オフィスコンビニの運用は企業の負担も少なく、従業員のニーズを満たせるサービスであるため、福利厚生の一環として導入されます。
オフィスコンビニの取り扱い商品
オフィスコンビニで取り扱いがされている商品は、サービスによってさまざまですが、一般的には、大手コンビニで取り扱われているような軽食やスナック菓子、飲料水が購入できるようになっています。
オフィスコンビニの仕組み
オフィスコンビニの仕組みを解説します。
販売設備の導入
オフィスコンビニを取り入れる方法は極めてシンプルです。企業は利用するサービスを選び、商品棚などの販売設備を導入するだけで導入は完了となります。
飲料水を販売する場合は、小型の冷蔵庫を設置することになりますが、設備そのものを購入する必要はありません。基本的に設置費用は無料となっており、さらに消費電力も最小限のものが利用されるため、企業の負担も可能な限り抑えることができます。
従業員が各自で購入
オフィスコンビニは、貯金箱のような箱が設置されており、従業員が現金を入れることで商品を購入できます。自動販売機のようにお釣りが自動で計算される仕組みはないため、場合によっては誤差が生じてしまう可能性も考えられます。
さらに従業員は、購入代金ちょうどの小銭を持っていなければなりません。
そこで近年は、交通系ICカードを利用したキャッシュレス決済の仕組みを導入しているサービスも増えてきました。ICカードであれば、代金を数え間違える心配がなくなります。お財布に小銭がないからといって、購入を諦めることも少なくなるでしょう。
商品は専門の業者が補充
オフィスコンビニを設置した後、企業が日常的に行う作業は特にありません。従業員が各自で好きな商品を購入し、定期的に専門の業者が来社し、不足した商品を補充します。購入代金の回収もその際に行われます。
オフィスコンビニは、職場の一角に小規模で設置されるものなので、大量の商品が並べられているわけではありません。一般的には50種類前後の商品があると考えておくとよいでしょう。
商品のラインナップは、ある程度企業が指定できます。また売上のデータから購買傾向を分析して、企業がおすすめの商品をピックアップしてくれるサービスも存在します。
オフィスコンビニと食堂・宅配弁当を比較!無人・自販機だからこその強みとは?
オフィスコンビニと類似したサービスに「宅配弁当」があります。また社内に食堂を設置している企業も存在します。これらと比較した際、オフィスコンビニはどのような点に強みがあるのでしょうか。
オフィスコンビニのもっとも大きな強みは、「気軽さ」にあります。宅配弁当サービスは、設備を導入する必要はありませんが、利用可能な時間帯が設定されていることが多いです。
基本的にランチタイムのお昼ごはんを購入するサービスとなります。レパートリーも限られており、購入の際には発注作業も必要となります。業者によって、味のクオリティも左右されるでしょう。
一方、オフィスコンビニであれば、24時間いつでも好きなタイミングで、飲食物の購入が可能となります。誰かがまとめて発注や受け取りを行う必要もありません。
従業員の食生活支援の福利厚生として、もっとも代表的なのが社員食堂です。従業員同士のコミュニケーションが生まれるなどのメリットがあり、近年ではカフェテリアのような形態で食堂を運営している企業も多いようです。
しかし、食堂やカフェテリアを福利厚生として導入するのは、非常にコストがかかります。また営業時間外では利用できなくなってしまいますので、空き時間に軽食をとるといったことは不可能です。
このような点からみても、オフィスコンビニは、「企業・従業員双方にとって、気軽で便利なサービスである」と位置づけることができるでしょう。
オフィスコンビニのメリット、デメリット・注意点
オフィスコンビニのメリットやデメリット、注意点をまとめて解説します。
オフィスコンビニ導入のメリット
まずは、オフィスコンビニ導入のメリットを見ていきましょう。
空き時間を有効に活用できる
オフィスコンビニ導入によって、従業員は空いた時間を有効に活用できるようになります。軽く食べられるものが欲しいという場合にも、わざわざコンビニまで外出する必要もなくなるでしょう。
カップ麺などのお昼ごはんも常備しているオフィスコンビニであれば、貴重な昼休みを無駄にすることもありません。無駄な時間をなくし、空き時間を効率的に使用することで、従業員のリフレッシュにもつながるのです。
非常時の備蓄としても有効
オフィスコンビニは、災害時などの備蓄としても役立ちます。もし停電したり、外出が危険な状態になったとしても、ある程度の食料は確保できます。オフィスコンビニであれば定期的に品物が消費・補充されるので、非常食でよくある「賞味期限がきてしまう」などの懸念もありません。
オフィスから出られなくなってしまった時のためにも、飲食物のストックがあれば安心です。
飲食代の軽減
オフィスコンビニは、人件費がかからない無人販売です。そのためオフィスコンビニで販売されるお菓子や飲み物は、コンビニ店舗よりも価格が安く設定されていることが多くなっています。
結果として、従業員の飲食代の軽減につながるでしょう。オフィス内に安く食べ物を購入できるスペースがあるというのは、従業員にとって大きなメリットであると言えます。
社員同士のコミュニケーションにつながる
オフィスコンビニの設置によって、社員同士がコミュニケーション深めることができます。小休憩の際など、気軽に会話を交わすための糸口になるので、息抜きやリフレッシュにもなり、仕事の効率アップも見込めます。
異なる部署同士の何気ない会話から、思いもよらぬアイディアが生まれることもあるでしょう。オフィスコンビニは、従業員の「憩いの場」となり、オフィスの雰囲気を明るくする効果も期待されます。
オフィスコンビニ導入のデメリット
次に、オフィスコンビニ導入のデメリットを紹介します。
外部の作業員がオフィスに立ち入ることになる
オフィスコンビニの補充は、外部の業者が行いますので、オフィス内に社員以外の人間が立ち入ることになってしまいます。社内では外部に漏洩してはいけない書類が置いてあったり、会話のやり取りが行われていたりするため、セキュリティ面には気をつけておかなければなりません。
オフィスの入り口付近に設置しているのであれば問題はないかもしれませんが、作業フロアなどを通過するような場所にある場合には、注意が必要です。セキュリティ面も考慮して、設置スペースを検討しておきましょう。
代金の未払い
オフィスコンビニの支払いは、従業員の自主性に任されています。現金支払の場合は、従業員が代金の計算を間違えてしまうことも考えられるでしょう。
多少の誤差であれば、ベンダーが企業に請求することはありませんが、あまりに金額が大きかったり、継続的に差分が発生してしまう場合は請求が発生することになります。
オフィスコンビニの導入の際には、運用のルールや支払い方法などを、しっかりと従業員に周知しておくことが欠かせません。
オフィスコンビニ導入の際の注意点
オフィスコンビニ導入の際は、以下の点に注意してください。
最低利用人数が指定されていることが多い
オフィスコンビニの利用にあたっては、最低人数が決められていることが一般的です。サービスによって異なりますが、10人以上からの利用となっているものが多いでしょう。あまりにも利用人数が少ないと、商品の補充などを行う人件費などの採算がとれなくなってしまうためです。
いざオフィスコンビニを導入しようと思っても、条件に合わない可能性がありますので注意が必要です。ただし日常的に来客が多く、一定以上の利用が見込める場合には、ベンダー側がある程度融通を利かせてくれることもあります。一度事前に相談してみるのもよいでしょう。
オフィスの雰囲気に合わない可能性がある
オフィスコンビニ自体が、自社の雰囲気に適さない場合もあるので注意が必要です。気軽に飲食物を購入できるのは大きな利点ですが、その反面、お菓子を食べながら仕事をするということも可能になったり、雑談が増えてしまったりということも考えられるでしょう。
緊張感を持って業務に臨まなければならないオフィスであれば、雰囲気がだらけてしまう恐れもあります。オフィスコンビニというサービス形態が、本当に社内の雰囲気や仕事内容に合っているかどうか、事前に検討することが大切です。
オフィスコンビニ導入の成功事例
全日本空輸のグループ企業「ANAエアポートサービス株式会社」では、オフィスコンビニの導入により、社員の健康意識の改善を行いました。同社では24時間体制というサービスの都合上、従業員の食生活が乱れてしまうという懸念を持っていました。
そこで、オフィスコンビニを導入し、従業員が健康的な食事をいつでもとることができる仕組みづくりを行ったのです。オフィスコンビニは、利便性向上だけでなく、食への意識を高める効果も期待できます。
オフィスコンビニを選ぶポイント
オフィスコンビニを選定する際は、以下のポイントを基準にしましょう。
取り扱う商品の種類
もっとも重要なポイントは、取り扱う商品の種類です。サービスによって、扱う商品は多岐に渡ります。例えば、大手コンビニが展開しているサービスであれば、コンビニの人気商品やオリジナル商品の販売が可能になります。
他にもスナック類に特化したサービスや、価格の安さを売りにしたサービスなどが存在します。
利用者がほとんどいなければ導入した意味がなくなってしまうので、事前に従業員がどんな商品を求めているのかを、おおまかに把握しておくとよいでしょう。
決済方法
決済方法も重要な選定ポイントになります。可能であれば、ICカードを用いた決済ができるサービスが推奨されます。現金での会計の場合、多額の誤差が発生した場合、不足金額分が別途請求されることになります。余計な業務フローを要することになるので、できるだけ避けたいところです。
ICカード決済であれば、代金の計算ミスもなくなり、誤差も生じなくなるでしょう。
設置場所と設備のサイズ
オフィスコンビニをどこに設置するかも、事前に検討しておかなければなりません。前述の通り、外部のスタッフが出入りすることになるので、セキュリティ面も考慮する必要があります。
またあまりに大きな設置棚や冷蔵庫を導入してしまうと、オフィスの内装次第では、圧迫感につながってしまう恐れもあります。実際に導入した場合のレイアウトなどを鑑みて、適したサイズの設備を選びましょう。
オフィスコンビニ導入までの流れ
オフィスコンビニの導入は以下の流れで行います。
導入するサービスを選び、問い合わせをする
まずは導入するサービスを選び、ベンダー(業者)に問い合わせを行います。サービスによって特徴や価格はさまざまなので、自社に合わせたものを選べるように、比較検討しておきましょう。
冷蔵庫・商品棚を設置する
専門業者が、冷蔵庫・商品棚、集金箱など必要な設備を搬入します。問い合わせから1週間程度で設置できるサービスが多いようです。事前に必要なスペースを確保しておくことを忘れないようにしておきましょう。
商品を陳列する
実際に商品を陳列して、利用が開始となります。この作業も専門業者が行うので、企業側は特に作業をする必要はありません。もし追加してほしい商品などがあれば、このタイミングで伝えておくとよいでしょう。
人気オフィスコンビニ5つを比較!
人気のオフィスコンビニを紹介します。
セブン自販機
大手コンビニチェーンであるセブン-イレブンの商品を、オフィスで購入できるサービスです。オフィス付近にあるセブン-イレブンの店舗から、新鮮な食品を届けてくれます。設定された期限がくると、自動的に販売停止となる機能も搭載しており、衛生面でも安心です。
自動的に売上データを分析して、最適なラインナップを取り揃えてくれる点も、魅力であると言えるでしょう。
オフィスおかん
オフィスおかんは、管理栄養士が監修した惣菜を、一品100円という低価格で購入できるサービスです。好きな惣菜を選んで電子レンジで温めるだけで、健康的なお昼ごはんを食べることができるようになります。
KIRIN naturals
KIRIN naturalsは、野菜や果実のスムージーを提供するサービスです。オフィスに冷蔵庫を設置し、健康的なスムージーを手軽に飲むことができます。導入費用は無料、月額36,000円から利用可能です。
利用企業は、専門家が監修したヘルスケアセミナーなども受講可能となります。従業員の健康を、さまざまな面からサポートできるサービスであると言えるでしょう。
オフィス向け無人コンビニ600
オフィス向け無人コンビニ600は、飲食物だけでなく、文房具屋オフィス用品まで取り揃えた、無人コンビニサービスです。最大の特徴はクレジットカード決済にも対応している点にあります。支払いのキャッシュレス化により、従業員の利便性も大幅に向上するでしょう。
またLINEやSlackなどのチャットツールを用いて、欲しい商品をリクエストする機能も用意されています。
OFFICE DE YASAI
OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)は、サラダやフルーツ、野菜ジュースなどに特化したオフィスコンビニサービスです。産地直送の新鮮な野菜を、手軽に食べることができます。
どれもコンビニで購入すれば200円以上するような野菜を、一品100円という安さで購入できる点も大きな魅力です。月額40,000円から導入可能で、無料トライアルプランも用意されています。