中国の「WeChat Pay」や「Alipay」の影響もあり、国内でもバーコードを活用したモバイル決済への注目が高まっています。
近年は、Origamiの「Origami Pay」、楽天の「楽天ペイ」(アプリ決済)、LINE Payの「LINE Pay」といった決済サービスが登場しており、ヤフー(Yahoo!JAPAN)もリアル展開を視野に入れています。
さらに、Fintechブームを受け、金融機関が銀行口座直結の決済サービスを発表しています。
このように、現在は多くのスマホ決済アプリが登場していますが、多くの消費者はどの決済アプリがいいのかなかなか判断できないと思います。
そのため、今回は、消費者向けに簡単に導入できるスマホ決済アプリ(QRコード決済)を比較し、どのアプリが使いやすいかに重点をおいて解説します。
スマホ決済(QRコード決済)とは
スマホ決済とは、近年登場した新しい決済方法になります。
スマホ決済とは、スマートフォンやタブレットを活用した決済サービスで、 個人や中小商店でも 簡単にクレジットカード決済できるサービスです。
持ち運びに優れているため、 場所を選ばず対面決済が可能なため、最近急激にサービスに対する需要が増えています。
スマホ決済には、クレジットカード決済端末mPOSとQRコードを利用した2種類があります。
mPOSはスマートフォンとBluetoothで連動するクレジットカード決済端末を指します。
端末はカードリーダー機能を備え、手持ちのスマートフォンを利用して簡単にクレジット決済が可能になります。また、通常のPOSターミナルよりも圧倒的に導入費用が安いという点が特徴になります。
一方、QRコード決済は、ユーザーが事前にお金をチャージしておき、スマホアプリからQRコードを表示して、店舗側が読み取ることで決済が完了します。
代表的なものとして楽天ペイやLINEペイなどがあります。
チャージさえしておけば、支払いはもちろん個人間の送金など、あらゆるサービスに活用することができます。
今回はより普及しているQRコード決済のスマホ決済サービスを紹介します。
スマホ決済の4つのメリットとは
スマホ決済は今、急速に日本でも普及しています。そうした背景にはスマホ決済には数多くのメリットがあるためです。
そのため、まず、スマホ決済における4つのメリットを紹介します。
①現金持つ必要がなくなる
買い物や飲食代金などで決済を行うと、支払額1998円といった端数になることが多いと思います。
そういった時に千円札で支払うと、小銭が山のように出てお財布が重くなってしまいます。
また、小銭をいちいち探すのは手間がかかるし、時間もかかりますし、混んでいる時だと無言のプレッシャーも感じるといった経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。
そして、何より現金で支払いをしていると、どんどんお財布の中のお金が減っていくので、定期的にATMでおろして補充する必要があります。
ATMが混んでなければいいのですが、お昼や夕方などの時間帯は長蛇の列になっていることも多いです。
日常の支払いをスマホ決済サービス払いにすると、財布の中の現金はあまり減らないので、ATMを使う頻度は激減します。
何の意味のない無駄な時間と手間を省いて、その時間を好きなことや楽しいことに使って、人生を楽しむことができるのではないでしょうか。
②クーポンを無料で得ることができる
現在では、大手インターネットショッピングサイトなどでスマホ決済した場合、クーポンがもらえるというサービスが始まっています。
スマホ決済が当たり前になれば、お得なシーンも増えてきて、ますますスマホ決済にメリットを感じられるようになるはずです。
これまでも、スマホでクーポンを取得して、それを店頭で見せることで割引などの対象になりましたが、スマホ決済ならその手間さえも省くことができます。
クーポンを取得しておけば、通常通りピッとスマホをかざして決済しただけで、割引額が適用されます。アプリを立ち上げてクーポンの画面を表示する手間も、プリントアウトして持ち込む手間も必要ありません。
いつでも、何度でもクーポン割引が適用されるので、オトクにお買い物を楽しめます。
そして、コンビニや家電量販店、また、ホテルやゴルフ場などにてスマホ決済でクーポン割引を取得することができるため、今ではこういったお店にてスマホ決済が一般化した要因にもなっています。
③スマホ決済会社が提供するポイントが貯まる
スマホ決済の運営会社の多くは、新たな利用者を集めるためにキャンペーン特典としてポイント付与サービスを行っています。
例えば「楽天ペイ」を初めて利用した方は、もれなく1,000ポイントが付与されます。
また、楽天スーパーポイントやLINEポイント、dポイントなどで貯まったポイントは他の購買の際の支払い原資にできるので節約効果は大きいと言えるでしょう。
気になるポイント付与率も0.5%前後のポイントと決して低いわけではありません。(docomoのd払いや楽天が運営する楽天ペイでは、利用料金に応じて0.5%のポイントが付与されます。)
そして、最大の魅力は決済代金の支払い方法としてクレジットカードを登録しておけば、クレジットカードのポイントもつくため、ポイントの二重取りも可能という点です。
このように現在、スマホ決済各社は新規顧客を集めるために多くのポイントを付与しているので、ポイントを集めたい方は積極的にスマホ決済を使いましょう。
④手数料がクレジットカードより安い
決済手数料の安さがスマホ決済の何よりの魅力といってもいいでしょう。
例えば、クレジットカード決済の場合は平均6%前後の決済手数料を支払う必要がありますが、スマホ決済であれば3%程度の手数料しかかかりません。
※スマホ決済サービスの大手各社で、若干の差ことあるものの、手数料は3.2~3.7%前後です。かつてスマホ決済は5%前後の手数料でしたが、各社が参入したため、手数料が引き下がりました。
又、振込手数料についてもスマホ決済は割安な傾向にあります。こちらは各社サービスごとに異なりますが、完全無料となっているサービスも少なくありません。
例えば「楽天ペイ」の場合、楽天銀行の口座に限り、振込手数料が無料になります。又、Squareは振込手数料が無料です。Coineyに関しても10万円以上の高額取引は無料になります。
使いやすく信頼できるスマホアプリ11選 【消費者向け】
以下が使いやすく信頼できるスマホアプリの11選になります。
1. 楽天ペイ
2018年時点で最も多くのユーザーから支持を得ているQRコード決済サービスといえば楽天ペイでしょう。
※の登録店舗数そのものはQRコード決済サービスの中でもダントツ1位です。
楽天ペイの使えるお店はコンビニ大手のローソンや和民グループの飲食店のみだと思われているかのしれませんが、そんなことはありません。
レストランや小売店、地元の薬局などの小型店舗でも最近は使うことができるようになってきています。
また、楽天ペイはクレジットカード情報を登録した上で使うタイプのQRコード決済です。
そのため、楽天ペイ払いを利用すればクレジットカード決済で得られるポイントと、楽天ペイ利用で貰えるポイントの両方が貰えて非常にお得です。
さらに、楽天ペイはローソン等で利用するとポイント割増キャンペーンを行ってくれ、かつPontaやdポイントカード提示と併用OKのため、2重でポイントが貰えたりします。
そのため、ローソンをよく利用する方には楽天ペイをおすすめします。
2. LINE Pay(ラインペイ)
楽天ペイと同様に多くのユーザーから支持を得ているQRコード決済サービスがLINE Pay(ラインペイ)です。
こちらはあの、無料通話アプリであるLINEによるQRコード決済アプリになります。
LINE Payの使えるお店はローソン、和民グループ、メガネスーパー、アインズトルペ、GEO(ゲオ)などになります。楽天ペイとは違い、大型チェーン店に狙いを定めて加盟店を増やしていく戦略のため、若干、小規模店舗での普及は楽天ペイに劣ります。
LINE Payの魅力は何と言っても、LINEを利用している友人にお金を送金しやすい点です。
LINE Payは友人を指定し、送金額を指定するだけでLINE Payの残高を相手に送ることが出来るので、借りたお金の返済はもちろん、割り勘する時などにも便利です。
加えてLINE Payなら送金手数料も無料ですみます。
そして、手数料が無料なのに加えて、LINE Payならすぐに送金できるという点も魅力です。
こういった特徴からLINE Payがあれば、気軽に友人や同僚、家族とのお金のやりとりが出来るようになるので非常に便利です。
3. Origami Pay(オリガミペイ)
Origami Payは知名度こそ低いですが、実は日本のQRコード決済の先駆者的な存在です。
Origami Payの使えるお店はLOFT、ケンタッキーフライドチキン、PARCO(パルコ)、日本交通タクシーなど非常に多彩です。
Origami Payは使い勝手の良さでは定評のあるスマホ決済アプリであるため、現時点で使い勝手のいいスマホ決済を使ってみたいならOrigami Payがおすすめだと言えます。
また、Origami Payを利用すると、様々な割引&優待が受けられるのもこのスマホ決済の魅力と言えるでしょう。
実際、LOFT(ロフト)やジーンズメイトなどの店舗に行ってみるとわかりますが、Origami Pay利用で初回5~10%オフになるなどのキャンペーンが実施されていることが頻繁にあります。
使い方次第で1,000円、2,000円単位の割引になり、賢い買い物には手放せない存在と言えるでしょう。
4. d払い
d払い2018年4月に開始された比較的新しいスマホ決済です。d払いは大手通信会社のNTTドコモが普及を目論むスマホ決済であるため、急激にサービスが成長中です。
d払いの特徴はなんといっても、クレジットカード登録や事前チャージが不要な点です。
では、どのように支払いをするのかというと、これは毎月支払いをしている携帯電話料金と一緒にする形になります。
意外と思われるかもしれませんが、もちろんNTTドコモの携帯電話利用者以外でもd払いの利用は可能です。
ただ、残念ながらNTTドコモと契約していない方に関しては、d払いで携帯料金と一緒に支払いをすることは不可能だそうす。
しかし、他のQRコード決済同様に、クレジットカード情報を登録することで店頭支払いが出来るようになるようです。
- NTTドコモ利用者:携帯電話料金と合算可能
- それ以外の利用者:クレジットカードを登録した上で支払い
また、公式ホームページによると、今後、様々なサービスを展開するそうなので、今後が非常に楽しみなサービスです。
5. Airペイ(エアペイ)
Airペイ(エアペイ)はリクルートライフスタイルが提供しているサービスです。
エアペイ最大の特徴としては、決済できる手段が多いことが挙げられます。
クレジットカードは、どのサービスでもVISAやMasterCared、JCBなど大手クレジットカードサービスでも支払いが可能になっています。
加えて、SuicaやPasmoなど電子マネーで支払いができるのという特徴がありますが、これは大手の中でもエアペイと楽天ペイのみです。
また、Apple Payやクイックペイ、IDなどのアプリ決済も可能です。
6. Coiney(コイニー)
Coiney(コイニー)の強みは1万円以下の決済は“サインレス”にできることです。
最近では、コンビニやスーパーなどでサインレスが導入されており、わずらわしいサインを省略してもらうことができ非常に便利なサービスです
また、CoineyはJCBカードも使えるという強みは大きいです。意外とスマホアプリではJCBカードに対応していないことが多いです。
そのため、JCBカードをクレジットカードとして使用している方にはCoineyがおすすめです
7. pring(プリン)
主要QRコード決済、最後はpring(プリン)です。
pring最大の特徴は、みずほ銀行による出資を受け入れている点です。
そのため、pringでは、銀行口座と連動したQRコード決済が可能です。
具体的に説明するとpringを使って支払いをすると、自動的に連携した銀行口座からお金が引き出されその支払いに回される形なので、デビットカードに近い形でQRコード決済が使えることになります。
こういった決済方法はpringをメガバンクが普及を後押ししているからこそ出来る仕組みなので、今後の普及に期待が持てると言えるでしょう。
8. PAY ID
PAY IDを利用すれば、オンラインショップBASEに出店をしている店舗にてQRコード決済が使える可能性あります。
しかし、主に個人向けのショップを対象としているサービスなので、現在、まだ普及はなかなかしていないのが現状です。
9. paymo(ペイモ)
割り勘アプリとして人気のpaymo(ペイモ)にもQRコード決済機能があります。
非常に使いやすいサービスですが、こちらもまだ、加盟店が増えれておらず、主要なQRコード決済サービスには至ってないのが現状です。
10. Sma-sh pay(スマッシュペイ)
Sma-sh pay(スマッシュペイ)はコミケ等のイベントで使われることが多いQRコード決済になります。
事前にコンビニ決済やクレジットカード等でチャージをしてから利用する、言わばプリペイドタイプのQRコード決済です。
11. pixiv PAY(ピクシブペイ)
Sma-sh pay同様にコミケ等のイベントで見かけるQRコード決済です。
どちらかというとイラストレーター、画家、漫画家の作品を売買する方向けの決済サービスになります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は数ある決済サービスの中から11つを選び、それぞれのサービスを比較してみました
どれも同じようなサービスのように思っていたモバイル決済も、よくよく比べてみるとそれぞれ特色があることに気づいたのではないでしょうか。
クレジットカードだけでなく電子マネーも使えるスマホ決済アプリや、色んなクレジットカードに対応しているスマホ決済アプリでは、使っている人の顧客層が全く違います。
そのため、これから、スマホ決済アプリを導入される方は自分の生活に最も合ったスマホ決済アプリを選ぶべきでしょう。
今回の記事がスマホ決済サービスを選ぶ指標としてお役に立てれば幸いです。