ビジネスチャット5製品比較|料金の決まり方・契約の下限・履歴の残り方を公式情報で検証【2026年】

ビジネスチャット5製品の料金の決まり方・契約の下限・履歴の残り方を比較する記事のアイキャッチ

ビジネスチャットの比較記事は「機能が多い順」で並べられていることが多いのですが、実際に見積もりを取ると、金額を決めているのは機能ではなく課金の単位です。1人あたりで課金する製品、利用人数の帯ごとに定額の製品、1人あたりの単価は安いのに最低契約ID数がある製品が同じ土俵に並んでいます。この記事では、Chatwork、LINE WORKS、Slack、direct、WowTalkの5製品について、各社の公式料金ページに書かれている条件だけを使い、人数を動かしたときに総額がどう入れ替わるかを整理します。金額はいずれも2026年9月10日時点で各社の公式ページに掲載されていたものです。

先に結論

  • 課金の型は3つ。1人あたりの単価型(Chatwork・LINE WORKS・Slack)、人数帯の定額型(direct)、最低契約ID数のある単価型(WowTalk)に分かれる。
  • 20人までの規模では、LINE WORKSスタンダードの1ユーザー450円(年額契約・税別)がもっとも安い。
  • 30人を超えるとWowTalkシンプルの1ID 360円が効いてきて、100人では月36,000円と、LINE WORKSの45,000円より下になる。
  • 無料プランの差は人数ではなく過去のやり取りをいつまで見られるか。Chatworkは直近40日、Slackは90日、directは180日で線が引かれている。
  • WowTalkだけは無料プランがなく、最低30IDからの有料契約になる。5人で使っても30ID分の料金がかかる。

料金と条件は、Chatwork、LINE WORKS、Slack、direct、WowTalkの各公式料金ページおよびプラン別機能一覧の記載に基づき、2026年9月10日に確認しています。金額は特記がないかぎり税別・1か月あたりです。

この比較で扱う「ビジネスチャット」の範囲

ここで比較しているのは、社内の連絡を目的として法人が契約し、管理者がアカウントを配布して使うチャットサービスです。個人が無料で使えるメッセージアプリや、社外との商談だけを扱うツールは含めていません。判断の基準は3つ置きました。1つめは、管理者がアカウントを追加・停止できること。2つめは、法人向けの料金プランが公式サイトに掲載されていること。3つめは、日本語のサポート窓口があることです。

この線を引いた理由は、契約後に困る場所が「機能」ではなく「人の出入り」だからです。社員が入社したときにアカウントを増やせるか、退職したときに止められるか、止めたあとにその人のやり取りを会社側で読めるか。この3点は個人向けアプリでは設計されていません。無料のメッセージアプリを業務に使っている状態から乗り換えるときは、まずこの管理の線を越えるかどうかで判断が変わります。

グループウェアの一部としてチャットが付いてくる製品、たとえばGoogle WorkspaceのGoogle ChatやMicrosoft 365のMicrosoft Teamsは、チャット単体では契約できません。これらは「チャットの料金」ではなく「スイートの料金」になるため、後述する比較表から外した製品の節で扱います。会議を主目的にする場合の比較はWeb会議システムの選び方で別に整理しています。

掲載基準と、比較しなかったもの

掲載した5製品は、次の条件をすべて満たすものに限りました。

掲載の条件

  • 2026年9月10日時点で、公式サイトに法人向けの料金が金額として掲載されていること(「お問い合わせ」のみのプランしかない製品は除外)
  • 新規申込みを受け付けていること
  • チャット単体で契約できること(グループウェアやオフィススイートの同梱のみの製品は除外)
  • プランごとの上限(人数、容量、履歴の範囲)が公式ページで確認できること

掲載の順番は、後述する料金の型ごとにまとめただけで、優劣ではありません。広告の有無で並び順を変えていません。また、導入社数や満足度のような、公式発表を各社横並びで検証できない数値は比較軸に使っていません。各社の公表値は前提や集計期間が違うため、並べると誤解を生みます。

逆に、除外の理由は個別に書きました。金額が非公開の製品を「高い」と決めつけることはせず、比較表から外した製品と、その理由にそのまま記載しています。

料金の決まり方は3つの型に分かれる

5製品の料金ページを並べると、金額の決まり方が3通りあることが分かります。ここを取り違えると、単価だけを見て安いと判断した製品が、実際の見積もりでいちばん高くなります。

ビジネスチャット5製品の課金単位を、1人あたりの単価型・人数帯の定額型・下限ID数のある単価型の3つに分けて整理した図
各社の公式料金ページに書かれている課金単位を整理したもの(2026年9月10日確認)

1人あたりの単価型は、Chatwork、LINE WORKS、Slackの3製品です。単価に人数を掛けた額が月額になり、1人単位で増減できます。人が増えれば金額もまっすぐ増えるので、予算を作るときの計算はいちばん簡単です。ただしこの型は、人数が多くなると総額が素直に膨らみます。

人数帯の定額型はdirectです。10名まで7,200円、11〜20名で14,400円、21〜50名で33,000円、51〜100名で60,000円という形で、帯ごとに月額が決まっています。帯の中では何人使っても金額が変わらないため、たとえば11人でも20人でも14,400円です。逆に、20人から21人になった瞬間に33,000円へ跳ね上がります。人数が帯の境目付近で動く組織は、この段差を前提に予算を組む必要があります。

最低契約ID数のある単価型がWowTalkです。1IDあたり月360円(シンプル)と、5製品のなかでいちばん低い単価が出ていますが、公式料金ページには最低契約数30ID〜と明記されています。つまり5人の会社が契約しても、30ID分の10,800円を払うことになります。単価の安さが効いてくるのは30人を超えてからです。

5人・10人・30人・50人・100人で月額を並べる

型の違いがどれだけ効くのかを、実際の人数に当てはめて計算しました。各社のもっとも安い有料プランを使い、年契約時の単価で1か月あたりの合計額を出しています。

ビジネスチャット5製品を5人・10人・20人・30人・50人・100人で計算し、人数によって最安の製品が入れ替わることを示した比較図
各社の公式料金ページの単価をもとに、1か月あたりの合計額を計算したもの(税別/2026年9月10日確認)
人数別の月額(税別・年契約単価・単位=円)
利用人数Chatwork スタンダードLINE WORKS スタンダードSlack プロdirectWowTalk シンプル
5人3,5002,2504,6257,20010,800
10人7,0004,5009,2507,20010,800
20人14,0009,00018,50014,40010,800
30人21,00013,50027,75033,00010,800
50人35,00022,50046,25033,00018,000
100人70,00045,00092,50060,00036,000

計算の前提は、Chatworkが1ユーザー700円、LINE WORKSが450円、Slackが925円、WowTalkが1IDあたり360円です。directは人数帯ごとの定額をそのまま置いています。WowTalkは最低契約数が30IDなので、29人以下でも30ID分の10,800円で計算しました。

並べると、順位が2回入れ替わります。20人まではLINE WORKSスタンダードがもっとも安く、30人になるとWowTalkシンプルが最安に変わります。50人と100人でもWowTalkが下のままです。一方でSlackプロは全域でいちばん高く、100人では月92,500円と、WowTalkの2.5倍を超えます。

directは動きが特徴的です。10人のときは7,200円で、Chatworkの7,000円とほぼ同じ。20人でも14,400円でChatworkの14,000円と並びます。ところが21人になると33,000円の帯へ移り、Chatworkの21,000円を大きく上回ります。逆に50人ではdirectの33,000円がChatworkの35,000円を下回ります。人数帯の定額型は、帯の上限に近いところで使うほど1人あたりが下がる構造です。

この表の使い方は「最安を選ぶ」ことではありません。自社の人数が、これから1年で帯をまたぐかどうかを見るために使います。20人前後で採用が続く見込みなら、directの33,000円への段差を先に知っておく必要があります。

「最低いくつから」がある製品とない製品

金額と同じくらい見落とされるのが、契約の下限です。5製品のうち3製品に下限があります。

契約の下限と、上位プランの条件
製品提供会社契約の下限下限に関する公式の記載
Chatwork株式会社kubellプロフェッショナルは5ユーザーからプラン別機能一覧に「最小5ユーザー」の注記
LINE WORKSLINE WORKS株式会社記載なしスタンダード・アドバンストとも「ユーザー数無制限」と記載
SlackSlack(Salesforce)記載なし料金ページにユーザー数の下限の記載なし
direct株式会社L is B実質10名分から(ベーシックが最小の帯)料金表の「ご利用人数」がベーシックで10名まで
WowTalkキングソフト株式会社30ID(カスタマイズは1,000ID)料金ページに「最低契約数:30ID〜」と明記

Chatworkの下限は少し性質が違います。スタンダードには下限がなく1ユーザーから契約できますが、セキュリティ機能と管理者向けサポートが付くプロフェッショナルは5ユーザーからです。3人の会社がプロフェッショナルの機能を使いたい場合、5ユーザー分の6,000円を払うことになります。

WowTalkの30IDは、金額に直すと月10,800円です。この額を下回れない代わりに、30人を超えたところから1人360円ずつしか増えません。100人規模では36,000円で、同じ人数のChatworkスタンダード70,000円のほぼ半分です。少人数では不利、大人数では有利という、下限のある単価型の典型的な効き方をします。

無料プランはどこまで使えるか

5製品のうち4製品に無料プランがあります。ただし、上限の置き方がまったく違います。

Chatwork・LINE WORKS・Slack・direct・WowTalkの無料プランについて、人数・過去のメッセージの閲覧範囲・ストレージを並べた比較図
各社の公式料金ページに掲載されている無料プランの条件(2026年9月10日確認)
無料プランの上限
製品人数過去のやり取り容量そのほかの制限
Chatwork フリー100人まで(1組織)直近40日以内のみ閲覧可能10GB(1組織)組織外コンタクト20人/1ユーザー、ビデオ通話は1対1、メッセージ検索は最大200件まで表示、リアクション6種類
LINE WORKS フリー30人まで料金ページに記載なし5GB(合計)音声・ビデオ通話は4人まで最大60分、掲示板10個まで、アドレス帳500件まで、管理者機能に制限あり
Slack フリー記載なし90日間のメッセージ履歴料金ページに記載なし最大10個のアプリ、ミーティングと外部メッセージは1対1のみ
direct フリー10名までデータ保存期間180日間10GBトークルーム作成数は1名あたり15、データエクスポート不可、通話は1対1、オープントーク不可
WowTalk無料プランなし。最低30IDからの有料契約になる(公式サイトに無料トライアルの案内あり)

Chatworkのフリーは人数の枠が100人まであり、5製品のなかでいちばん広く見えます。しかし「メッセージの閲覧:直近40日以内」という条件が付いており、41日前のやり取りは画面に出てきません。人数は入るが記録は残らない、という構造です。取引先とのやり取りをチャットで行っている場合、40日を超えた確認ができなくなります。

Slackのフリーは人数の記載がなく、代わりに90日間のメッセージ履歴という線が引かれています。加えて連携アプリが最大10個まで、ハドルミーティングとSlackコネクトが1対1のみです。試験導入としては十分に動きますが、外部の協力会社を複数人まとめて招く使い方はできません。

directのフリーは10名までと人数の枠がいちばん狭い一方、データ保存期間が180日間と長めです。さらに、有料版ではデータエクスポートが月1回まで可能になるのに対し、フリーではエクスポートができません。無料のまま運用して後から乗り換えようとすると、過去のやり取りを取り出す手段がない点は先に知っておくべきです。

無料プランで判断を間違えやすいところ

無料プランの比較で見るべきなのは人数の枠ではなく、過去のやり取りがいつ見えなくなるかです。人数はあとから有料に切り替えれば解決しますが、閲覧できない期間が発生したあとで有料化しても、その期間の会話をすぐに使える状態に戻せるとはかぎりません。Chatworkは公式のプラン別機能一覧で「メッセージの保存」自体は全プラン制限なしとしつつ、フリーの「メッセージの閲覧」を直近40日以内としています。保存と閲覧が別の項目になっている点に注意してください。

過去のメッセージは、いつまで見えるか

前の節で触れた「見える範囲」を、有料プランまで含めて時間軸に並べます。

Chatworkフリーの40日、Slackフリーの90日、directフリーの180日、WowTalkシンプルの12か月、各社有料上位の無制限を時間軸で並べた図
公式料金ページとプラン別機能一覧に書かれている、過去のやり取りを見られる範囲(2026年9月10日確認)

有料プランに上げると、Chatworkはスタンダード以上でメッセージの閲覧が制限なしになります。Slackはプロ以上で無制限のメッセージ履歴、directは有料プランでデータ保存期間が無期限になります。WowTalkは少し複雑で、トーク検索がシンプルで90日間、スタンダードで1年間、トークログ(管理機能側)がシンプルで過去12か月間、スタンダードで無制限です。検索できる範囲と、管理者がログとして遡れる範囲が別の項目になっています。

LINE WORKSは、料金ページにトークの保存期間そのものの記載がありません。代わりにオプション商品として「アーカイブ(トーク)」が1ユーザー月300円(年額契約)で用意されており、トークの送受信データを最長10年間保存できると案内されています。監査の要件で保存年数が決まっている業種では、本体の月額450円にこの300円が乗る前提で見積もる必要があります。実質の単価は750円になり、Chatworkスタンダードの700円を上回ります。

ここは、公式の書き方の違いがそのまま比較の落とし穴になっている場所です。「無制限」と書いてある製品と、「オプションで最長10年」と書いてある製品を同じ欄に並べると、後者が劣って見えます。しかし前者の無制限は追加費用なし、後者は年数を明示したうえで有料という違いであって、監査対応の実務では後者のほうが説明しやすい場合もあります。

ファイルの容量と、消える条件

容量の数え方も製品ごとに違います。1ユーザーあたりで積み上がる製品と、組織全体で固定の製品があります。

ストレージの数え方と上限
製品無料プラン有料プラン数え方
Chatwork10GB/1組織10GB/1ユーザー(スタンダード・プロフェッショナル)ユーザー数に比例して増える。追加はオプション料金
LINE WORKS5GB(合計)スタンダード1TB+1メンバーにつき1GB、アドバンスト100TB+1メンバーにつき1GB基本容量が先にあり、人数分が加算される
Slack料金ページに記載なし料金ページに記載なし料金ページでは容量ではなく履歴期間で区切られている
direct10GBベーシック10GB/プラス20GB/プレミアム50GB/マックス100GBプラン(人数帯)ごとに固定
WowTalk—ファイルアップロード容量 シンプル30GB/月、スタンダード50GB/月月あたりのアップロード容量として表示

Chatworkは有料プランで10GB×人数になるため、30人なら300GBです。LINE WORKSはスタンダードで1TBの基本容量があり、そこに1人1GBずつ加算されます。30人なら1TB+30GBで、Chatworkの300GBより大きくなります。同じ「容量」でも桁が違うので、図面や写真を大量に扱う現場では先に見ておく項目です。

WowTalkの表記は他社と単位が異なり、「30GB/月」というアップロード容量です。あわせて、ファイルのダウンロード期限がシンプルで過去30日間、スタンダードで無期限と定められています。シンプルプランで運用すると、31日前に共有されたファイルはダウンロードできなくなります。現場で図面をやり取りする用途では、この1点でプランが決まることがあります。

directは人数帯ごとに10GB・20GB・50GB・100GBと固定です。写真や図面の共有を主目的にした製品としては控えめな数字に見えますが、同社は業務アプリ「direct Apps」を別建てにしており、タスクやスケジュール、掲示板、日程調整はそちら側で扱う構成になっています。フリー版は追加0円、有料版はプランに応じて+3,000円から+30,000円です。

通話とビデオは何人まで入れるか

チャットに付属する通話機能は、Web会議システムの代わりになるかどうかで評価が変わります。5製品の上限は次のとおりです。

音声・ビデオ通話の人数
製品無料プラン有料プラン
Chatwork1対1のみ14人まで(スタンダード・プロフェッショナル)
LINE WORKS4人まで・最大60分200人まで(スタンダード以上)
Slack1対1のミーティングのみグループミーティング(プロ以上)
direct1対1のみ1対1とグループ(ベーシック以上)
WowTalk—ビデオ通話 シンプル最大5名/スタンダード最大15名

差がもっとも大きいのはLINE WORKSで、スタンダード以上で200人まで入れます。Chatworkの14人、WowTalkスタンダードの15名と比べると桁が違います。全社朝礼のような使い方まで含めて1つのツールで済ませたい場合は、この上限が判断材料になります。

逆に、部署単位の打ち合わせしかしないのであれば14人でも15名でも足ります。Web会議は既にZoomやMicrosoft Teamsを使っていて、チャットだけを別にしたいという構成も珍しくありません。その場合は通話の人数上限に費用を払う意味が薄くなります。会議側の比較はMicrosoft Teamsの会議条件やGoogle Meetの人数条件を参照してください。

管理機能とセキュリティはどのプランから付くか

情報漏えい対策として実際に効くのは、端末の制限、IPアドレスの制限、シングルサインオン、ログの保存です。これらは上位プランに置かれていることが多く、最下位の有料プランでは使えません。

管理・セキュリティ機能が付く位置
製品機能が付くプラン公式ページの記載
Chatworkプロフェッショナル(年間契約1,200円)「セキュリティ/リスク管理の機能」「管理者向けのチャットサポート」がプロフェッショナルの追加分として記載
LINE WORKSスタンダード(年額契約450円)管理者機能とカスタマーサポート/SLA保証がスタンダードから。監査ログは6か月間・ダウンロード可能
Slackビジネスプラス(年払い1,920円)SAMLベースのシングルサインオンとSCIMユーザー管理がビジネスプラスから。ネイティブのデータ損失防止はEnterprise+のみ
directベーシック以上データエクスポートと一括登録(100名ずつ)が有料プランから。一斉連絡はプレミアム以上
WowTalkスタンダード(1ID 500円)端末制限、IPアドレス制限、パーティション、パスワードポリシー、管理画面二段階認証、ファイルダウンロードIP制限がスタンダードから

ここで金額の見え方が変わります。Chatworkは「セキュリティ機能を使うなら1,200円かつ5ユーザーから」になり、30人なら36,000円です。同じ30人でWowTalkスタンダードは500円×30IDで15,000円。単価だけを見ればChatworkの700円のほうがWowTalkの500円より高い、という比較になりますが、端末制限やIP制限を条件に入れると差はさらに開きます。

Slackは、シングルサインオンをビジネスプラスに置いています。年払いで1ユーザー1,920円なので、30人だと57,600円です。IDaaSを既に導入していて全社のログインを一元化している会社では、この機能のためにビジネスプラスを選ぶことになります。逆にシングルサインオンを使わないのであれば、プロの925円で足ります。ビジネスチャットのセキュリティで扱った観点のうち、どれを契約条件に含めるかを先に決めておくと、プランの選択が機械的に決まります。

製品ごとの要約|強みと弱み

ここまでの数字をもとに、各製品を短くまとめます。強みと弱みは、公式情報で確認できる条件から導いたものだけを書いています。

1人あたり700円〜Chatwork

強み:フリーで100人まで入れるため、社内の全員をとりあえず入れてから有料化を判断できる。スタンダードは1ユーザーから契約できる。

弱み:フリーでは直近40日より前が読めない。セキュリティ機能は1,200円のプロフェッショナルで、しかも5ユーザーから。

1人あたり450円〜LINE WORKS

強み:5製品でもっとも低い有料単価。スタンダードで1TBの基本容量と200人までの通話が付く。管理者機能とSLA保証も450円の側にある。

弱み:トークの保存期間が料金ページに書かれておらず、長期保存はアーカイブ(月300円)の追加になる。フリーは30人まで。

1人あたり925円〜Slack

強み:有料プランで連携アプリが無制限。フリーでも90日分の履歴とアプリ10個まで使えるため、試験導入の幅が広い。

弱み:5製品でいちばん単価が高い。シングルサインオンは1,920円のビジネスプラスから。料金ページに容量の記載がない。

10名まで7,200円direct

強み:帯の中なら人数が増えても月額が変わらない。データ保存期間が有料で無期限。現場の写真や図面の共有を想定した構成。

弱み:帯をまたぐと段差が大きい(20名14,400円→21名33,000円)。フリーはエクスポートができない。

1ID 360円〜WowTalk

強み:単価が5製品で最も低く、30人以上では総額も最安になる。端末制限やIP制限が500円のスタンダードに含まれる。

弱み:無料プランがなく、最低30IDから。29人以下では単価の安さが総額に反映されない。シンプルはファイルのダウンロード期限が過去30日間。

用途別に見た向き・不向き

10人以下で始める

LINE WORKSスタンダードの450円が最安で、10人なら4,500円。無料で様子を見るならChatworkフリー(100人まで)かdirectフリー(180日保存)。Slackフリーは90日で履歴が切れる。

30〜100人で全社導入

WowTalkシンプルの1ID 360円が総額で最も低い。端末制限やIP制限を条件に入れるならスタンダードの500円。LINE WORKSは容量と通話人数で優位。

現場と事務所をつなぐ

directは人数帯の定額で、現場の人数が日によって変動しても月額が動かない。写真や図面の共有を前提にした構成。データ保存期間は有料で無期限。

外部の会社を招いて使う

Slackはプロ以上でグループの外部メッセージが使える。Chatworkはフリーだと組織外コンタクトが1ユーザー20人まで、スタンダード以上で制限なし。

監査でログの保存年数が決まっている

LINE WORKSはアーカイブ(トーク)で最長10年間。WowTalkはスタンダードでトークログ無制限。Chatworkとdirectは有料プランで制限なし・無期限。

全社の朝礼まで1つで済ませたい

LINE WORKSスタンダード以上の通話200人が唯一の選択肢になる。Chatworkは14人、WowTalkスタンダードは15名が上限。

契約する前に社内で決めておくこと

見積もりを取る前に、次の5点を決めておくと比較が短時間で終わります。逆に、これが決まっていないまま各社の資料を集めると、比較表を作った時点で条件がそろわず、やり直しになります。

  1. アカウントを配る人数を確定する。正社員だけか、パート・アルバイト・協力会社まで含めるかで、WowTalkの30ID下限やdirectの帯が効くかどうかが変わります。
  2. 過去のやり取りを何か月遡れる必要があるかを決める。取引の証跡として使うなら、無料プランの40日・90日・180日はいずれも足りません。
  3. 端末制限とIP制限を条件に入れるかを決める。入れるなら、Chatworkは1,200円、WowTalkは500円、Slackは1,920円と、選ぶプランが変わります。
  4. 通話を何人でやるかを決める。14人で足りるのか200人が必要なのかで、LINE WORKSを選ぶ理由の強さが変わります。
  5. 年契約にするか月契約にするかを決める。Chatworkは年間契約で2か月分安く、LINE WORKSは年額契約で約20%安いと公式ページに記載があります。

5点が決まっていれば、この記事の表をそのまま自社の条件に当てはめるだけで、候補は2つか3つに絞れます。そこから先は無料トライアルで確かめる段階です。Chatworkは1か月間、LINE WORKSは30日間の無料トライアルが公式ページに案内されています。

比較表から外した製品と、その理由

候補には挙がるものの、今回の比較表には入れなかった製品があります。理由を製品ごとに書きます。

比較表に入れなかった製品と理由
製品外した理由参考
Microsoft Teamsチャット単体での契約ではなく、Microsoft 365のプランに含まれる形が中心のため、チャットの料金として横並びに置けないTeamsの3プランと会議条件
Google ChatGoogle Workspaceの一部として提供され、単体の料金が掲載されていない。Workspaceの料金はStarterが年間プランで1ユーザー月560円(公式料金ページ・2026年9月10日確認)Google Workspaceの人数条件
金額非公開の国産製品公式サイトの料金が「お問い合わせ」のみで、掲載基準の1つめを満たさない。金額が分からない製品を高い・安いと書かないため除外した—
個人向けメッセージアプリ管理者によるアカウントの配布・停止と、法人向けの料金プランがない—

WowTalkの「カスタマイズ」プランと、Slackの「Enterprise+」、Chatworkのエンタープライズ向けの相談窓口は、いずれも金額が掲載されていません。これらは比較表の金額欄には入れず、下限の記載(WowTalkのカスタマイズは1,000ID〜)だけを事実として書いています。

公式画面で確かめた料金表

ここまでの数字の出どころを、各社の公式料金ページの画面で示します。金額の表記、税別かどうか、年契約と月契約の差は、いずれも次の画面に記載されているものです。

Chatworkの公式料金ページの画面。フリー0円、スタンダード700円(税抜・年間契約)、プロフェッショナル1,200円(税抜・年間契約)の3プランと、メッセージ閲覧やストレージの条件が並んでいる
Chatworkの料金プラン(株式会社kubell/2026年9月10日確認)
LINE WORKSの公式料金ページの画面。フリー0円・30人まで、スタンダード450円・ストレージ1TB、アドバンスト800円・ストレージ100TBの3プランとオプション商品が並んでいる
LINE WORKSの利用料金(LINE WORKS株式会社/2026年9月10日確認)
Slackの公式料金ページの画面。フリー0円で90日間のメッセージ履歴、プロ、ビジネスプラス、Enterprise+の4プランと機能比較表が並んでいる
Slackの料金プラン(Slack/2026年9月10日確認。確認時点では3か月間50%オフの表示が出ていた)
directの公式料金プランの画面。フリー0円・10名まで、ベーシック7,200円、プラス14,400円、プレミアム33,000円、マックス60,000円の5プランと、トークルーム数・ストレージ・データ保存期間の一覧が並んでいる
directの料金プラン(株式会社L is B/2026年9月10日確認)
WowTalkの公式料金ページの画面。シンプル1ID360円・最低契約数30ID、スタンダード1ID500円・最低契約数30ID、カスタマイズ1,000IDからの3プランと機能一覧が並んでいる
WowTalkの料金(キングソフト株式会社/2026年9月10日確認)

ビジネスチャットに関するよくある質問

無料プランのままでも業務に使えますか。
使えますが、過去のやり取りが見えなくなる時点が製品ごとに決まっています。Chatworkフリーは直近40日以内、Slackフリーは90日間、directフリーは180日間です。取引の記録として残す必要があるなら、その期間を超える前に有料プランへ切り替える判断が要ります。

いちばん安い製品はどれですか。
人数によって変わります。20人までは1ユーザー450円のLINE WORKSスタンダードが最安ですが、30人を超えると最低30IDのWowTalkシンプル(1ID 360円)が下になります。100人では月36,000円と45,000円で、9,000円の差が付きます。

少人数でもWowTalkは契約できますか。
契約はできますが、公式料金ページに最低契約数30ID〜と明記されているため、5人で使う場合も30ID分の料金がかかります。シンプルなら月10,800円です。

年契約と月契約でどれくらい違いますか。
Chatworkはスタンダードが年間契約700円・月間契約840円、プロフェッショナルが年間契約1,200円・月間契約1,440円で、公式ページに「年間契約なら2ヶ月分お得」と書かれています。LINE WORKSは年額契約で約20%割安と表示されており、スタンダードが年額450円・月額540円です。

Microsoft TeamsやGoogle Chatは比較に入らないのですか。
チャット単体の料金が掲載されていないため、今回の表からは外しました。すでにMicrosoft 365やGoogle Workspaceを契約している会社は、追加費用なしで使える可能性があるので、まず自社のライセンスを確認してください。

途中で製品を乗り換えられますか。
過去のやり取りを持ち出せるかどうかで難易度が変わります。directは有料プランでデータエクスポートが月1回まで可能、フリーでは不可と料金表に記載があります。乗り換える可能性があるなら、契約前にエクスポートの可否を確認しておくほうが安全です。

契約後に見積もりと合わなくなる3つのきっかけ

最初の見積もりと請求額がずれる原因は、値上げよりも社内の状況の変化にあります。5製品の料金構造から考えると、ずれ方は3通りに整理できます。

1つめは、アカウントを配る範囲が広がることです。正社員だけで計算していたところへ、パートや協力会社の担当者を追加すると、1人あたりの単価型では人数分がそのまま乗ります。Chatworkスタンダードで20人から35人になれば、14,000円が24,500円です。一方でWowTalkは30IDの下限内であれば、20人から29人まで増えても10,800円のまま変わりません。人の出入りが多い職場では、この差が年間で無視できない額になります。

2つめは、人数帯の境目をまたぐことです。directは20名までが14,400円、21名からが33,000円です。1人採用しただけで月額が2.3倍になります。帯の上限に張り付いた状態で運用している場合、増員の判断とチャットの契約が連動することになるため、総務側で先に把握しておく必要があります。

3つめは、あとから機能を足すことです。LINE WORKSは本体450円のほかに、トークのアーカイブが300円、ワークフローが250円、Driveが100円と、オプションが1ユーザーあたりの月額で加算されます。監査対応でアーカイブを追加すると、実質750円になります。Chatworkもファイル保存容量の追加はオプション料金と明記されています。最初の見積もりに含まれていない機能が後から必要になる前提で、上限の額を把握しておくと差が出ません。

まとめ

ビジネスチャットの比較は、機能の多さではなく課金の単位と契約の下限から入ると短く終わります。1人あたりの単価型(Chatwork・LINE WORKS・Slack)、人数帯の定額型(direct)、最低ID数のある単価型(WowTalk)の3つに分けたうえで、自社の人数を当てはめると、候補は自然に2つか3つに絞られます。

そのうえで、無料プランで判断する場合は人数の枠ではなく、過去のやり取りが見えなくなる期間を見てください。40日、90日、180日という線は、いずれも試用期間より長く、本格運用より短い長さに設定されています。ここを越えたときに慌てて有料化するのではなく、越える前に有料化の判断をする前提で試すのが実務的です。

この比較は、各社の公式料金ページとプラン別機能一覧の記載のみを根拠にしています。金額・条件は変更されることがあるため、契約前に必ず各社の公式ページで最新の内容を確認してください。

製品ごとの詳細ページ

この比較で扱った5製品について、料金の内訳、プランの境目、解約や持ち出しの条件を1製品ずつ掘り下げた記事を用意しています。候補が2つか3つに絞れたら、そちらで細かい条件を確認してください。

700円/人〜Chatworkの料金と機能

フリーの「直近40日」が何を意味するか、プロフェッショナルの最小5ユーザーという下限、ストレージの数え方が組織単位から1ユーザー単位へ変わる仕組みを扱っています。

450円/人〜LINE WORKSの料金と機能

450円の段で入るものと800円で増えるもの、オプションを積んだときの実質単価、監査ログ6ヶ月間という条件を整理しています。

925円/人〜Slackの料金と機能

プロとビジネスプラスの境目、フリーの90日、確認時点で公式の2ページに食い違いがあった箇所をそのまま示しています。

10名まで7,200円directの料金と機能

人数帯の定額で1人あたりが2倍変わること、業務アプリが別勘定であること、フリーではデータを持ち出せないことを扱っています。

1ID 360円〜WowTalkの料金と機能

最低契約30IDが効く範囲、140円の差で開く管理機能、5製品で唯一の年間契約のみという条件を整理しています。

導入と運用の手順

製品を決めたあとの工程は、料金の比較とは別の判断になります。次の3本で、導入から解約までの実務をまとめています。

導入手順|最初の4週間で決めること

対象者と管理者、グループの設計、通知と既読、古い連絡手段の停止という順番で整理します。製品ごとに違う一括登録の可否も並べています。

管理機能とセキュリティ

端末制限、IPアドレス制限、シングルサインオン、ログの保存が、どの製品のどのプランから使えるかを公式情報で確認しています。

乗り換えと解約

データを持ち出せる製品と、料金表からは分からない条件を分けて示し、契約前に聞いておく5つの質問をまとめています。

ビジネスチャットを検討するときに読む記事

参照した一次情報

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