Web会議システムの選び方|5製品は「料金が何で決まるか」が違う(公式情報で比較)

Web会議システム 選び方ガイド:料金・人数・連携の比較軸を表す白と青の専用アイキャッチ

先に結論:Web会議システムを比べるとき、最初に見るべきは価格ではなく「料金が何で決まるか」です。5製品はそれぞれ決まり方が違います。ライセンス数の帯、全プラン共通、プランごとの参加人数、参加人数の段、ルームURLとホスト数。この違いを押さえないと、同じ表に並べても比較になりません。

本稿の数値は、各社の公式料金ページとヘルプ・利用規約の記載に基づいています。通貨と税の表示は各社の表記に従い、円換算やドル換算は行っていません。

5製品は「何で料金が決まるか」が違う

製品料金が決まる単位会議の条件がプランで変わるか
Zoom Workplaceライセンス数の帯(プロ1〜99、ビジネス1〜250、エンタープライズ250超)変わる(参加者100人/300人/500人以上)
Microsoft TeamsMicrosoft 365のプラン。会議以外の機能で分かれる変わらない(3プランとも30時間・300人)
Google MeetGoogle Workspaceのプラン変わる(100人/150人/500人/1,000人)
Webex Meetingsプランごとの参加人数の段変わる(100人/150人/200人/最大1,000人)
Wherebyホスト数とルームURLの本数変わる(4人/100人/200人)

右の列を見ると、Teamsだけが他と違う設計であることが分かります。一般法人向けの3プランは、会議の長さも参加者数も同じで、差はメール・Officeアプリ・ストレージ・Copilotにあります。したがってTeamsを「会議機能で選ぶ」ことはできません。

逆にWherebyは、会議の人数より先に「部屋をいくつ持つか」でプランが決まります。会議ごとにリンクを発行するのではなく、用途ごとの固定URLを使い回す設計だからです。同じ「Web会議システム」という括りでも、比較の軸そのものが製品ごとに違います。

Zoom Workplaceの料金ページ。ベーシックは無料でミーティング1回あたり40分・最大100人、プロは1ユーザー月額2,237円、ビジネスは2,895円と表示されている
Zoomは「1ユーザーあたり」の単価にライセンス数の帯(プロ1〜99、ビジネス1〜250)が重なる設計です。出典:Zoom Workplaceの料金

公表価格を同じ形に並べる

製品・プラン公表価格表示の条件
Zoom プロ2,237円/ユーザー/月一年分一括払い・消費税別
Zoom ビジネス2,895円/ユーザー/月一年分一括払い・消費税別
Microsoft Teams Essentials599円/ユーザー/月相当年払い・年間サブスクリプション・自動更新・税別
Microsoft 365 Business Basic1,049円/ユーザー/月相当同上
Microsoft 365 Business Standard と Copilot Business3,523円/ユーザー/月相当同上
Google Workspace Starter800円/ユーザーあたり月額年間プラン(1年契約なら16%お得)・請求は月単位
Google Workspace Standard1,600円/ユーザーあたり月額同上
Google Workspace Plus2,500円/ユーザーあたり月額同上
Webex Starter17,880円/user/year(1,490円/user/mo)年間請求
Webex Business26,400円/user/year(2,200円/user/mo)年間請求
Whereby Pro10.99ドル/月USD・VAT別・1ホスト
Whereby Business13.99ドル/月/ホストUSD・VAT別・最低3ホスト

「表示の条件」の列を無視して金額だけを並べると、比較を誤ります。Zoomとマイクロソフトは年払いを前提とした月相当額、Googleは年間プランだが請求は月単位、Webexは年額と月額換算の併記、Wherebyは米ドルでVAT別です。支払いのタイミングと通貨が製品ごとに違うので、経理の運用に合うかを先に確認してください。

また、無料プランの有無も分かれます。ZoomとWebexとWherebyには無料プランがあり、Google Meet(Google Workspace)とTeamsの一般法人向けプランには、本稿で扱う範囲での無料プランはありません。試用は、Googleが14日間、Microsoftが無料で試す導線、Webexは無料プランそのもの、Wherebyは無料プランとBusinessの14日間試用です。

Webexの日本語料金ページ。Webex Free 0円、Webex Starter 17,880円/user/year、Webex Business 26,400円/user/year、Webex Enterprise お問い合わせの4プランが並んでいる
Webexは参加人数(100・150・200・最大1,000人)でプランが刻まれ、年額と月額換算が併記されます。出典:Cisco Webex プランと価格(日本)

参加人数の上限を1本の軸に並べる

1回の会議に参加できる人数(各社の公式ページの記載)Whereby FreeZoom プロ/Google Starter/Webex FreeGoogle Standard/Webex StarterWebex Business/Whereby BusinessZoom ビジネス/Teams 全プランGoogle PlusZoom エンタープライズWebex/Google エンタープライズ4人100人150人200人300人500人500人以上1,000人同じ人数でも、その人数に届くまでに必要な支出は製品ごとに違う

自社の最大参加人数が決まっていれば、この図から候補は絞れます。100人以下ならほぼどの製品でも足り、150〜200人の帯ではWebexとGoogleが細かく刻まれています。300人ではZoomのビジネスとTeamsの全プランが該当し、500人以上になるとGoogle PlusとZoomのエンタープライズ、1,000人ではWebexとGoogleのエンタープライズという分岐です。

ここで数えるのは、社外のゲストを含めた実数です。社員数ではありません。全社集会に取引先を招く、ウェビナー形式で募集をかけるといった予定があるなら、その回の想定人数を上限として扱ってください。

会議の長さは30時間か24時間か

有料プランの会議時間は、Zoomが30時間、Microsoft Teamsが30時間、Webexが24時間です。Google Workspaceの料金ページには会議時間の上限に関する記載が見当たらず、Wherebyは有料プランで時間の制限なしと記載されています。

無料プランの側は、Zoomが40分、Webexが40分、Wherebyが30分です。「40分で切れる」という話は無料プランの条件であり、有料版とは無関係です。無料で試して有料版の判断をするときは、この点を取り違えないでください。

実務では、24時間と30時間の差が問題になる場面はほとんどありません。差が効くのは、会議室を常時開けたままにする使い方をしている場合だけです。時間ではなく、人数と録画で判断するほうが実態に合います。

録画の扱いが最も分かれる

製品録画の条件
Zoomベーシックはローカルのみ。プロとビジネスはローカルと1ライセンスあたり10GBのクラウド。エンタープライズはクラウド無制限。解約後30日でクラウド録画は完全に削除される
Microsoft TeamsTeams Essentialsのハイライトにチーム会議のレコーディングが含まれる。文字起こしとライブキャプションは英語と記載
Google Meet「録画」はStandardの欄から。Starterには記載がない
WebexFreeはローカル録画。Starterは5GBのクラウド、Businessは10GBのAI搭載クラウド、Enterpriseは無制限
WherebyProに「無制限の録画」と記載。Freeの欄には録画の記載なし

録画を業務に組み込むなら、この表が実質的な足切りになります。Google Meetは最安のStarterでは録画できず、Standard以上が前提です。Zoomは容量が1ライセンスあたり10GBで、解約後30日で消えます。Webexは無料でもローカル録画ができます。Wherebyは有料プランで無制限とされていますが、利用規約に公正利用の方針があるため、大量の長期保存を前提にするなら確認が要ります。

ここで決めておきたいのは、録画をどこに残すかです。会議ツールのクラウドに置き続けるのか、ローカルへ落として社内のストレージへ移すのか。後者にするなら、容量の上限は判断材料から外れます。乗り換えのときにデータを持ち出す手間も減ります。

Google Workspaceの料金ページ。Starter・Standard・Plus・エンタープライズの4プランが並び、標準価格と期間限定の割引価格が併記されている
Google MeetはGoogle Workspaceのプランに含まれ、会議の参加人数が100・150・500・1,000人と段階的に変わります。出典:Google Workspace 柔軟な価格プラン オプションの比較

AIの扱いは製品ごとに段が違う

製品AI機能が使えるようになる段公表されている条件
Zoom無料から一部、プロで拡張ベーシックはミーティング要約が月3回・AIクエリが月20件。プロは無制限の要約とAIノート作成。ただしカスタム要約テンプレートの作成は月8回、カスタムアバターは月3分
Microsoft TeamsBusiness Standard と Copilot BusinessWordやExcel、Teamsのアプリ内で使えるCopilotが3,523円のプランに含まれる
Google MeetStandard以上Gemini in Google Meet(会議の要約・翻訳・会議メモ)はStarterでは対象外
WebexStarterからStarter・Business・Enterpriseに「AI Assistant included」のラベル。Freeにはなし
Wherebyプラン選択ページに記載なし

「会議の要約をAIに任せたい」という要件があるとき、最も安く始められるのはWebexのStarter(年17,880円)です。Google Meetは Standard(月1,600円)以上、Microsoftは3,523円のプランになります。Zoomは無料でも月3回まで要約できるため、頻度が低ければ追加費用なしで試せます。

注意したいのは、「無制限」という表記が本当にすべて無制限を意味するとは限らない点です。Zoomのプロは要約が無制限とされる一方、カスタムテンプレートの作成には月8回という上限が示されています。AIを理由に上位プランを選ぶなら、どの機能に上限があるかを機能一覧で確かめてください。

無料プランで比べられる範囲

項目Zoom ベーシックWebex FreeWhereby Free
会議の長さ40分40分(回数は無制限)30分
参加者100人100人4人
録画ローカルローカル記載なし
その他編集可能な3つのホワイトボード、5本の2分間クリップ、AI要約が月3回注釈付きの画面共有、無制限のホワイトボード、高度なノイズキャンセリング、無制限のメッセージング1ルームURL、1ホスト

無料で本格的に検証できるのはZoomとWebexです。どちらも100人まで入れるので、実際の全社会議に近い条件で試せます。Wherebyの無料プランは4人・30分なので、1対1の面談用として使う分には足りますが、社内会議の検証には向きません。

無料プランで確かめるべきは、機能の有無ではなく体感です。自社の回線から入って音が途切れないか、社外の相手がブラウザだけで参加できるか、カレンダーから会議を作る手数はどうか。この3点は、有料版でも変わりません。無料のうちに済ませておけば、有料化の判断は人数と録画だけになります。

30人で1年使ったときの費用感

公表価格から、30人で1年使った場合の金額を単純計算すると次のようになります。通貨と税の扱いは各社の表記どおりで、円とドルは換算していません。主催者を30人と仮定した数字です。

製品・プラン30人・1年の金額計算の根拠
Zoom プロ805,320円2,237円×30人×12か月(税別)
Zoom ビジネス1,042,200円2,895円×30人×12か月(税別)
Microsoft Teams Essentials215,640円599円×30人×12か月(税別)
Microsoft 365 Business Basic377,640円1,049円×30人×12か月(税別)
Google Workspace Starter288,000円800円×30人×12か月
Google Workspace Standard576,000円1,600円×30人×12か月
Webex Starter536,400円17,880円×30人
Webex Business792,000円26,400円×30人
Whereby Business5,036.40ドル13.99ドル×30人×12か月(VAT別)

この表の使い方には注意が要ります。同じ行の金額でも、含まれるものが違うためです。Microsoft 365 Business BasicとGoogle Workspace Starterには法人メールとクラウドストレージが含まれますが、ZoomとWebexとWherebyは会議機能だけです。すでにメール環境に別途払っているなら、その額を足して比べる必要があります。

逆に、メール環境を変えられない事情があるなら、Microsoft 365やGoogle Workspaceの金額は比較の対象になりません。会議だけを足す前提で、Zoom・Webex・Wherebyの3つで比べることになります。前提をそろえずに9行を横に並べても、結論は出ません。

会議ツール単体で買えるか

5製品は、契約の形で2つに分かれます。Zoom、Webex、Wherebyは会議ツールとして単体で契約でき、既存のメール環境をそのまま使えます。Microsoft TeamsとGoogle Meetは、メールやOfficeアプリを含むプランの一部として契約する形です。

会議だけを契約できるグループウェアの一部として契約Zoom WorkplaceWebex MeetingsWherebyMicrosoft TeamsGoogle Meetメール・カレンダー・ストレージと一体既存のメール環境を変えずに導入できる

この違いは、総額の見え方を変えます。すでにMicrosoft 365やGoogle Workspaceを全社で契約している会社は、会議ツールが契約に含まれている可能性が高く、そこへZoomやWebexを足すと支出が重なります。まず「いま何を契約しているか」を確認してから、追加が必要かを判断してください。

逆に、メール環境を変えるつもりがない会社にとって、TeamsやGoogle Meetのために全社のメールを移すのは大きな話になります。会議ツールの検討が、グループウェアの入れ替えに発展することがあります。会議だけで完結させたいなら、単体で契約できる3製品から選ぶほうが早く進みます。

解約したあとに何が残るか

製品解約後の状態
Zoomキャンセルは将来の更新を止めるだけで、期間終了まで有料機能を利用できる。自動返金はない。クラウド録画は期間終了後30日で完全に削除され、復元できない
Microsoft Teams解約の前に独自ドメインを削除する必要がある。パートナー経由の購入では日割りの払い戻しに7日間かかる
Google Meet料金ページには途中解約とデータ持ち出しの記載がなく、管理者ヘルプでの確認が必要
Webex請求期間の終了まで有料機能を利用でき、期限切れ後はWebex Freeへダウングレードされる
Whereby支払い済みの月の残りはPro機能を利用でき、その月が終わるとFreeへ自動的にダウングレードされる

解約後に無料プランとして残るのはWebexとWherebyです。ZoomとMicrosoftは、期間終了後にアカウントの扱いが変わります。とくにZoomは、クラウド録画が30日で完全に削除され復元できないと明記されているため、乗り換えを決めたら録画の退避を先に始める必要があります。

購入経路によって解約の手順が変わる点も共通しています。Zoomはアプリストア経由だと自社のポータルに解約項目が出ず、Microsoftはパートナー経由だと販売者への連絡になり、Webexは Cisco Commerce Express 経由だと自動更新日の30日前までの申請が必要です。契約する前に、どの経路で入るかを決めてください。

比較の順番を固定する

ここまでの内容を、進める順番として整理します。この順で進めれば、途中で前提が変わることはありません。

順番決めること結論に効く条件
1いま契約しているグループウェアMicrosoft 365かGoogle Workspaceがあれば、会議ツールは含まれている可能性がある
21回の会議の最大参加人数(社外を含む)100/150/200/300/500/1,000の段のどこに落ちるか
3会議を主催する人数参加するだけの人にライセンスは要らない
4録画をどこに残すかクラウドに置くなら容量と解約後の保持期間
5購入経路直販・ストア・パートナーで解約の手順が変わる

1番を飛ばして2番から始める会社が多く、その結果、すでに払っている会議ツールの上に別の会議ツールを足すことになります。まず契約中のサービスを棚卸ししてください。それだけで結論が出ることがあります。

試用で確かめること

どの製品も、カタログでは分からない部分が3つあります。第一に、社外の相手がアプリを入れずに参加できるか。第二に、自社の回線と端末で音声と映像が安定するか。第三に、カレンダーから会議を作る手数です。

この3点は、機能一覧を読んでも判断できません。実際の会議に近い条件――会議室と在宅の両方から、社外の相手を1人入れて――で1回試してください。試用の期間は限られているので、触る機能を広げるより、この3点を確実に確かめるほうが判断に効きます。

とくに社外参加のしやすさは、営業や採用の現場で効きます。相手にアプリのインストールを求める製品と、ブラウザだけで入れる製品では、当日のキャンセル率が変わります。取引先の環境を選べない立場なら、この1点を最優先にしても構いません。

社内で合意を取るときの出し方

稟議に出す資料は、製品名を並べた表ではなく、前提を先に書いた1枚にしてください。「主催者は何人か」「1回の最大参加人数は何人か」「録画をどこに残すか」「いま契約しているグループウェアは何か」の4行を冒頭に置き、そのうえで候補を2つに絞って金額を並べます。

候補を5つ並べると、議論が機能比較に流れて決まりません。前提の4行で自動的に落ちる製品があるはずなので、それを除いた2つで比べてください。たとえば「Microsoft 365を全社契約済み」であれば、その時点でTeamsが本命になり、他社を足す理由があるかどうかという議論に変わります。

金額は年額の総額で示します。1ユーザーあたりの月額は小さく見えるため、人数を掛けた実額を出さないと規模感が伝わりません。あわせて、来年の人数計画で段が変わるかどうかも書き添えてください。Zoomならライセンス99、Google WorkspaceとTeamsなら300人が境目です。

導入後に見直す時期

年契約の製品は、更新月から逆算して2か月前を点検日にしてください。月次契約のWherebyは四半期ごとで足ります。点検で見るのは、実際に主催している人数、最大参加人数の実績、録画の使用量、そして重複しているサービスの4点です。

退職者のライセンスが残ったまま更新されるのが、最も起きやすい無駄です。また、実績が上限を大きく下回っているなら、プランを下げる判断もあります。上げるのは期中でもできることが多い一方、下げるのは更新のタイミングに限られる製品が多いため、迷ったら低い段から始めるほうが損は小さくなります。

まとめ

Web会議システムの比較は、価格表を横に並べる作業ではありません。料金が何で決まるかが製品ごとに違うためです。Zoomはライセンス数の帯、Microsoft Teamsは会議以外の機能、Google Meetはプランごとの参加人数、Webexも参加人数の段、Wherebyはホスト数とルームURLの本数で決まります。

進める順番は、契約中のグループウェアの確認、最大参加人数、主催者数、録画の置き場所、購入経路の5つです。この順で決めれば、候補はほぼ自動的に絞れます。解約後に無料プランとして残るのはWebexとWherebyで、Zoomはクラウド録画が期間終了後30日で削除されます。契約の前に、やめるときのことまで確認してください。

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公式一次情報

各社の価格・上限・規約は改定されます。契約手続きへ進む前に、それぞれの公式ページで最新の条件をご確認ください。

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