インターネットで高額商品を健全に売る方法。コツと心理テクニック3つ

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ビジネスをする以上、その目的は利益を得ることであるはずです。マーケティングを学んだり広告の趣向を凝らしたりと、世の企業は1円でも利益を増やすためにさまざまな策を講じていますよね。
しかし、もっとシンプルに利益を増やす方法があることを忘れてはいないでしょうか? それは、商品単価を上げることです。
子供みたいな発想だと笑われるかもしれませんが、飲食店では近年実際にそういう流れになっています。グルメな人であれば、ビールにしろハンバーガーにしろ、安価なチェーン店と高級な専門店の二極化が進んでいることがわかるでしょう。価値を認めたものに対しては、人間はお金を惜しまないのです。
それはECサイトにおいても同じことです。高額商品を上手に売るためのコツや心理テクニックをご紹介しましょう。

1.「高くて当然」という意識で売る

モノの値段というものは、一体どうやって決まるのかご存知ですか? 中学や高校でしっかり社会科の授業を受けていた人であれば、「需要と供給のバランスで決まる」と聞いたことがあるはずです。
たとえばロックフェスへ行くと、普通なら1本150円で買えるはずのペットボトルが200円ぐらいで売られていますが、それに文句を言う常連客はいません。市街地から離れた会場では、キンキンに冷えた飲み物は貴重だからです。購入者はその付加価値に対してお金を支払っているわけです。
しかし、もし売り子が申し訳なさそうな顔をしていたとしたら、どうでしょうか? 途端に不当な価格だと感じ、買う気が失せてしまう人が多いはずです。モノの価値というのはそれほど不安定なものなのです。
ですから、相場より高額な商品を売る場合には「高いだけの理由がある」と自信満々で売らなければいけません。ECサイトで商品を売る場合も「高いからこそ価値がある」という意識で顧客を納得させるようなサイト作りが必須です。

2.「違いのわかる人」をターゲットにする

高額商品は基本的に「こだわりのある人」をターゲットにした嗜好品です。機能性やコストパフォーマンスを重視して買い物をするような層はそもそも高額商品を買いません。特別感や稀少性を押し出したページ構成にすると、ターゲットにリーチしやすくなります。
冒頭で例に出したビールなどはまさにこのビジネスモデルを体現しています。チェーン居酒屋が1杯300円以下で大手メーカーのビールを提供しているのに対し、クラフトビール専門店では当たり前のように1杯800~1,200円前後でビールを提供していますが、それを「高い」と感じる人はいません。こうしたお店に来る顧客は基本的にビールに詳しい人ばかりで、クラフトビールの価値をしっかりと理解している人が中心だからです。
また、高額商品ほど顧客満足度が高いという統計もあります。「高額だから高品質だ」とは限らないにもかかわらず、満足度の点では歴然と差が現れているのです。これは、高額なものほど真剣に向き合うという消費者心理の現れです。事実、低価格の商品ほどクレームが多いというデータもあります。安価な商品は価格競争に飲まれてしまうため、独自のアピールポイントが失われてしまいやすいためでしょう。
違いのわかる層をメインターゲットにすれば、売上が上がるだけでなく顧客の質も高めることができますから、顧客対応にかかるコストも低く抑えることに期待ができます。

3.「気まぐれな一貫性」の応用

人間には「気まぐれな一貫性」と呼ばれる習性があります。これはマサチューセッツ工科大学(MIT)のドレーゼン・プレレク教授の実験によって導き出されたもので、簡単に説明すると「最初に印象に残った数字によって後の判断が引きずられる」という現象のことです。
たとえば、最初に1万円という価格を見せれば、そのあとに5,000円のものを見ると安く感じられます。逆に、最初に2,000円の商品を見せると、5,000円のものは高く感じてしまいます。
文字だけで説明すると子供だましのようにシンプルですが、現実としてほとんどの人間はこの習性から逃れることができません。事実、3つのコースを用意しているレストランでは、高価な順にメニューに掲載すると中間の価格のコースがいちばん選ばれるといいます。
この習性を応用するのであれば、、本当に売りたい商品よりもさらに高額な商品とより安価な商品とをラインナップに加えるべきです。目安としては、安い方から「1:1.5:3」の割合にすると「1.5」の商品がよく売れるようです。

まとめ

業種を問わず、現在のビジネスは「欲望を満たすための機能的なもの」と「贅沢感を味わうための嗜好品」の両極化が進んでいます。利益を増やしたいのであれば、高額商品を積極的に売っていく方向に舵を切ってみてもよいのかもしれません。
ただし注意してもらいたいのは、高額商品を売るのであれば当然それ相応の価値のものでなければならないという点です。消費者は賢いですから、不当に高額なものを買ってはくれません。今回解説したのは、あくまでも「価値のある商品をしっかりと高額で売る」ための方法だということを忘れないでおきましょう。
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