デジタルサイネージのコンテンツ・デザインにはどんな種類がある?事例も交えて解説!
デジタルサイネージはディスプレイを通じてコンテンツを再生するので、通常の看板よりも幅広い表現が可能となります。まずはデジタルサイネージのコンテンツ・デザインにはどのような種類があるのかについて事例も交えて解説します。
オーソドックスに使用されている「静止画」
まず、デジタルサイネージの一番オーソドックスなコンテンツが「静止画」です。通常の看板・ポスターとは異なり、時間や天気に合わせて自由にコンテンツを更新できるのがデジタルサイネージの特徴です。きちんと屋内/屋外に対応したディスプレイを使用すればポスター、看板よりも高い視認性を誇ります。特に細部まで見せたい場合は液晶ディスプレイを使ったデジタルサイネージを採用するのがおすすめです。
使用する画像データも特別なものを用意する必要はありません。高解像度である必要はありますが、イラストの場合はPNG、実写の場合はJPEGなどのコンテンツを使用することが多いのでPCのディスプレイに画像を表示するときと感覚的には同じでしょう。
最もスタンダードなコンテンツなのでさまざまな場所で使用されており、ショッピングモールの壁掛け広告、飲食店の軒先の集客用ディスプレイなどさまざまな場所で採用されています。
通行者の注目を集めやすい「動画」
看板・ポスターとサイネージの大きな違いが動画コンテンツを利用できることです。動画を利用することによって静止画では表現しにくい、商品やサービスの躍動感、実際に商品・サービスを利用している状況などさまざまな表現が可能となります。
また、画像だけではなく、音声も流すことができるので、画面を視認していないユーザーの注意を音声によって惹きつけたり、音声だけで商品やサービスの内容を伝えたりすることも可能です。ただし、場所によっては大音量を出せないこともあるので注意が必要です。
動画のコンテンツ形式にはmp4やaviなどさまざまな形式があり、使っているデジタルサイネージによっては対応していない形式も存在します。よって、動画コンテンツを作成する際はきちんと対応した形式で制作するようにしてください。
音声の大きさには制限をかけていることが多いですが、静止画と同じくさまざまな場所で動画コンテンツは目にできます。たとえば、都内の電車のサイネージ広告にはたくさんの動画が採用されていますし、ビルの壁面に設置されたディスプレイで流されていたりすることもあります。
タッチパネル、AR機能を使用した「インタラクティブ型コンテンツ」
インタラクティブ型コンテンツとは、デジタルサイネージディスプレイとタッチパネル、AR機能を組み合わせることによって双方向のコミュニケーションが取れるコンテンツのことを指します。
ショッピングモールの構内図の気になる部分をタッチすればお店の情報が詳しく表示されるタイプの道案内のためのデジタルサイネージ、イベント会場などでディスプレイの前の通行者の様子をデコレーションして、ユーザーの注目を集めるサービスなどがあります。
タッチパネルを使用したインタラクティブ型コンテンツはHTML5+CSSで制作されていることが多く、駅や空港、ショッピングモールなど比較的いろいろな場所で目にすることができます。
ARを使ったインタラクティブコンテンツをデジタルサイネージディスプレイで表現するためには、まずハードにカメラやセンサーを設置する必要があります。その上で、ARコンテンツが制作できる制作会社にコンテンツ制作を依頼する必要がありますが、まだまだ対応できる業者は少なめです。
デジタルサイネージのコンテンツを制作・配信する時にポイントとは?
デジタルサイネージを使って無暗にコンテンツを配信すれば必ずなんらかのマーケティング的な成果があがるわけではありません。デジタルサイネージを制作・配信する時のポイントをきちんと押さえる必要があります。そのポイントについて説明します。
視認性の高いコンテンツを制作する
制作において重要なのが、視認性の高いコンテンツを制作することです。デジタルサイネージは基本的に町中に設置されるので、まず道行く人に立ち止まって注目してもらわなければなりません。そのためにはコンテンツの視認性が高い、通行者の注意を惹くようなコンテンツである必要があります。
例えば、美しい風景を見せたりユーザーの興味を惹くキャッチコピーを付けたりと、ユーザーが気になるポイントを作ったコンテンツ作りが必要になります。
コンテンツの長さに注意する
家の中なら1時間のテレビ番組でもストレスなく見られるかもしれませんが、デジタルサイネージを見るようなユーザーは何らかの移動のついでにしかディスプレイをみてくれません。特に動画の場合は、ユーザーが見てくれる尺を想定してコンテンツを制作しなければなりません。
例えば、電車内のサイネージだと多少長尺になっても通行者は見てくれるだろうし、繁華街の町中に設置しているディスプレイを長時間見るユーザーは少ないと考えられます。
設置場所と想定する通行者の行動に合わせた尺のコンテンツを制作してください。
配信するタイミングを選ぶ
コンテンツを配信する際はタイミングも重要です。一年中同じコンテンツを流し続ける場合もありますが、多くの場合は季節毎のキャンペーン・イベントと連動して配信するコンテンツを変えたり、時間帯、天気などによっても配信するコンテンツを変更したりしています。
その時々のユーザーや目的に沿ったコンテンツを用意することで、同じコンテンツを垂れ流すよりも高いマーケティング効果が期待できます。
配信できる体制を整える
当たり前のことですが、注意しなければならないのが配信できる体制を整えることです。
たとえばディスプレイ1つとっても、屋内/屋外型があり、屋内用のデジタルサイネージを屋外で使えばあっという間に壊れてしまいます。また画面が明るくなければユーザーが視認できないので広告効果も減退します。また、スタンドアローン型のサイネージだと更新が手間になってさぼってしまうかもしれません。
通行者にコンテンツを配信する際はソフトも重要ですが、きちんとユーザーに配信できるようにハードを整備しておくことも重要です。
周辺環境を考慮してコンテンツを制作・配信する
総じてコンテンツを制作・配信する際はディスプレイの設置場所、周囲の環境に注意しなければなりません。環境によってディスプレイの大きさや設置場所は異なりますし、ユーザー層も異なります。
道行くユーザー層に伝わるようなコンテンツ作りを心がけてコンテンツを制作・配信してください。
デジタルサイネージのコンテンツを自社で作成する方法・作り方を解説!
デジタルサイネージのコンテンツは必ずしも外注しなければならないというわけではありません。JPEGやMP4、HTML+CSSなど比較的簡単な技術でコンテンツが制作できますので、知識と根気があるのならば社内で作成することも可能でしょう。本章では自社でデジタルサイネージコンテンツを作成する方法とその際の注意点について紹介します。
静止画コンテンツを制作する場合
静止画コンテンツを制作する場合は、バナーやチラシなどを制作する感覚でコンテンツを制作すれば良いでしょう。ただし、デジタルサイネージの場合は、ユーザーが視認すると考えられる距離感と画像パーツの大きさには注意しなければなりません。
デジタルサイネージは、ディスプレイ自体は大きいのですが、ユーザーは遠くから見るはずです。よって、ディスプレイ自体が大きいわりに画像内に入れられる情報は少なめです。あれもこれもと情報を入れるのではなく取捨選択する必要があります。
作成自体はディスプレイの解像度に則った画像を用意して、画像編集ソフトを使用すれば比較的簡単に内製化できます。画像の美しさで勝負したい場合はカメラマンだけ外注したり、撮影機材にこだわった方が良いかもしれません。
動画コンテンツを制作する場合
動画コンテンツを制作する場合も、社内で動画を撮影して動画編集ソフトで作成すれば内製化することは可能です。デジタルサイネージ毎に使用できるコンテンツ形式は異なりますが、設定の問題なのでさほど気にする必要はないでしょう。
静止画と同じく、ハイクオリティーな映像を使用したいのならば機材や撮影者のテクニックも必要になるので外注することも検討してください。
社内で動画を作成する際は動画の尺と音量について注意してください。配信する環境によっては音声が出せなかったり、短い尺の動画しか通行者に見てもらえなかったりすることもあります。
インタラクティブ型コンテンツを制作する場合
タッチパネルを使った道案内版のようなデジタルサイネージのコンテンツはHTML+CSSで制作できるので、社内に知識があるのならば内製化することも可能です。ただし、社内にWeb制作ができる人員がいないのならば無理に内製化することもないでしょう。
ARコンテンツについても、さまざまなARコンテンツ制作のためのソフトがあるので、その中から使いやすいソフトを選択してコンテンツ制作を行います。ただし、HTML+CSSよりもさらに使用できるエンジニアが限られているので根気よく勉強しながらコンテンツを制作しなければなりません。
インタラクティブ型コンテンツを制作する際はユーザーインターフェイスに注意しなければなりません。ユーザーはマニュアルなしに画面を操作しなければならないので、無駄な機能を削ぎ落とし直感的に使用できるようなシンプルなコンテンツする必要があります。
デジタルサイネージのコンテンツ制作ソフトのおすすめ5選!フリー・無料のものはある?
社内でコンテンツを作成するためには、コンテンツ制作用のソフトを用意しなければなりません。コンテンツを制作する際のおすすめソフトを有料・無料のモノを含めて5つ紹介します、
【有料・静止画】王道の画像編集ソフト「Photoshop」
まず、画像編集ソフトとして最も有名なツールがPhotoshopです。Photoshopはadobe社が開発している画像編集ソフトで、画像の色調を補正したり、コントラストを強くしたり、特定のパーツを削除、追加したりとおおよそ思いつくほとんどの画像編集が可能です。
本格的に画像編集を行うのならば使用したいソフトの1つです。
【無料・静止画】無料だけど高機能な画像編集ソフト「Gimp」
無料でちょっとだけ画像編集がしたい場合はGimpというソフトがおすすめです。Gimpはフリーソフトながら高機能で、文字の挿入や画像のトリミング、加工など有料ソフトに劣らない編集が可能です。利用者も多いので不明な点があれば、検索して調べればだいたいの問題は解決する点もおすすめです。
【有料・動画】プロも使用している「After Effects」
Photoshopと同じくAdobe社が開発している動画編集ソフトです。ある程度のマシンスペックは要求されますが、動画に特殊効果を付けたり、加工したり、アニメーションを作成したりと幅広い表現が可能です。短くハイクオリティーな動画を作成しなければならない際におすすめのツールです。
【無料・動画】簡単に動画編集がしたいなら「OpenShot Video Editor」
無料で簡単に動画編集がしたいのならばOpenShot Video Editorがおすすめです。無料で使えるのはもちろん操作が簡単で初心者でも感覚的に映像編集が行えます。
ソフト自体は多少重いので、使用する際はパソコンのスペックについて注意してください。
【無料・インタラクティブ】無料で使える高機能エディター「Visual Studio」
インタラクティブ型コンテンツ作成に使用するHTML+CSSは文字列なので書き方さえ知っていれば、メモ帳でも作成できます。ただし、エディターと呼ばれるプログラミングに特化したテキストツールを使用することによってミスが少なく素早い制作が可能になります。
おすすめはマイクロソフトが無料で配布しているVisual StudioというソフトでHTML、CSSのミスチェック、構文予測機能などにより、HTML+CSSの作成をサポートしてくれます。
デジタルサイネージのコンテンツ制作を依頼した時の価格相場はどれくらい?
コンテンツ制作には定価があるわけではありません。よって、適正価格でコンテンツを制作するためにも外注した際の価格相場について知っておいた方が良いでしょう。外注した場合の価格相場について紹介します。
静止画:1万円程度~
静止画に文字などを付けて編集する場合の相場はだいたい1万円程度からです。撮影から外注する場合はさらに5万円+交通費程度の価格が上乗せされます。大抵の場合はボリュームに応じたディスカウントが可能で、必ずしも静止画1件につき1万円が必要だというわけではありません。
少数の画像コンテンツ制作かつ画像編集に関する知識があるのならば内製化した方が手間もコストもかからないので良いかもしれません。
動画:5万円程度~
1分程度までの動画で5万円程度からが相場となります。長尺の動画になると価格は高めになりますし、本数が多いとボリュームディスカウントされるかもしれません。動画の制作の場合は素材の撮影から関わってくれる場合も多いです。
社内で動画コンテンツを作成しようと思えば、機材、編集ソフト、編集できるパソコンを用意する必要があるので、ちょっと動画コンテンツを作成したいだけならば外注した方が安上がりかもしれません。
インタラクティブ型:工数による
インタラクティブ型コンテンツは何を作るかによって発生する工数が大きく異なります。よって、静止画や動画のように相場感というものはあまりありません。
少しでも費用を抑えたいのならば、作成したいコンテンツを明確にした上で、相見積をとって比較した方が良いでしょう。
デジタルサイネージのコンテンツ制作におすすめの会社3選!
デジタルサイネージのコンテンツを制作する際は、外注した方がクオリティは高く、コストも安く済むケースも多いです。デジタルサイネージコンテンツ制作を行うおすすめの会社を3つ紹介します。
デジタルサイネージ導入を総合的に支援する「アメイジングポケット」
アメイジングポケットは企業のデジタルサイネージ導入を総合的に支援する企業です。コンテンツ制作はもちろんデジタルサイネージのハード導入、運営管理、レンタルサイネージの提供、コンテンツやシステムの開発など幅広いサポートを行っています。
Webサイト上で料金は明らかにしていませんが、病院、飲食店、ホテル、オフィスなどさまざまな場所へのデジタルサイネージ導入実績があります。
サイネージに限らず、ロゴやキャラクター、パンフレットのデザインなども行っています。
15,000面、8,500か所へのサイネージ導入実績のある「クラウドポイント」
クラウドポイントはデジタルサイネージの導入を総合的に支援する企業で、全国15,000面、8,500か所へのサイネージ導入に携わった実績があります。
静止画や動画だけではなくARなど最新技術を使ったデジタルサイネージの展開も可能で、自社でサイネージ用の配信管理システムや導線分析・管理ソフトを開発している技術力にも定評がある会社です。
格安でナレーション付きのサイネージ広告が作成できる「タツフト」
静止画コンテンツの制作費用は上記で説明した通りですが、タツフトではコンテンツ画像6枚+ナレーション30秒から60秒程度で合計25,000円からコンテンツ制作を行っています。
静止画の素材は自社で用意しなければなりませんが、オーソドックスにデジタルサイネージ用の広告コンテンツを制作したい場合はこのプランを利用すれば十分でしょう。