ピンとこないを解消!参考になるマーケティングオートメーションの活用事例2選

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前回、「2015年から注目のバズワード、“マーケティングオートメーション”は何が出来る」でマーケティングオートメーションとは一体どんなツールなのか?を紹介しました。まだ詳しく知らないという方は、一読いただければマーケティングオートメーションの概要が掴める内容になっています。
しかし、マーケティングオートメーションの概要を理解しても、自社に導入した場合、実際にどのような効果をもたらしてくれるのかはイメージしづらいと思う方も多いのではないでしょうか?
どんなツールに関しても導入してみないと本質を見抜くことは出来ないと言ってしまえばそれまでですが、ある程度の参考となるものは必要ですよね。
そこで有効的なのがマーケティングオートメーションを導入した企業の事例を知ることです。
事例を知ることで自社導入の具体性が見え、マーケティングオートメーションの活用シーンをよりイメージしやすくなるでしょう。
今回は、マーケティングオートメーションを導入した企業の“成功事例”の中でも、参考になる2つの事例を紹介していきます。

参考になるマーケティングオートメーションの活用事例2選

1. 日本エスリード


日本エスリードは、マンションやビルの開発、分譲、仲介、管理、アフターサービスまでを一貫して事業展開する大手マンションデベロッパーです。

1-1.導入前の課題

日本エスリードは2014年のマーケティングオートメーション導入まで、Googleアナリティクスを活用しWebサイトのA/Bテストを繰り返すことでWeb経由での成約率を2倍に向上させることに成功していました。しかしその反面、多様化する顧客のニーズに応えることが出来ず「売れる部屋」と「売れない部屋」が出てくることが課題となっていました。
この課題を解決するには顧客の行動に合わせ適切なタイミングで適切なコンテンツをメール配信することですが、四六時中PCの前に張り付いてメール配信を行うのは現実的ではありません。
そこで同社はDMP(広告配信やマーケティング最適化のためのデータ一元管理プラットフォーム)の構築と同時に、マーケティングオートメーションの導入を推進しました。

1-2.導入後の施策

マーケティング担当者はまず、顧客が居住を検討している地域に在住かまたは地域外に在住か、そして子供は小学生以上か未満かでセグメントを設定。このセグメントに応じて4つのシナリオを用意しました。
いずれかに当てはまるリード客がWebサイトに数回アクセスすると、予め設定したメールを自動配信。地域在住で土地勘のあるリード客には住宅の設備や間取りなどを、地域外在住で土地勘のないリード客にはスーパーや病院などの周辺施設を中心に紹介し、セグメントに合わせたコンテンツを配信することで顧客のニーズに対応しました。
結果、遠方の顧客の成約率を上げることに成功しています。

1-3.この事例から見えるビジョン

日本エスリードの事例は成約を生み出すしくみを作り出し、それをシナリオ化することで成約率向上につながったというマーケティングオートメーションの典型的な成功事例です。
効果の出るメール配信をセグメント分けにより効率的に行ったことが勝因とも言えるでしょう。
この事例のようにメール配信で効果を上げるには、始めにいくつかのシナリオを作成、試験的に施策を実行しながら微調整を繰り返し、勝ちパターンを作り出すことが重要です。
成約に繋がるシナリオはマーケティングオートメーションが作り出すものではなく、マーケター自身がシナリオを作り出し地道なPDCA作業が必要だということを忘れないでください。
ちなみに日本エスリードではマーケティングオートメーションの導入によりPDCAの「Do」部分の時間短縮に成功し、より効率的にPDCAサイクルを回すことが出来るようになりました。
これにより一つのサイクルで4日かかっていたところを1日に短縮でき、シナリオを作り出す時間を多く取れたという相乗効果もあったようです。
日本エスリード:http://www.eslead.co.jp/

2. Brainshark, Inc.

Brainshark Sales Enablement & Training Solutions米国マサチューセッツ州に本社を構えるBrainshark社は、中小企業から中堅・大企業までセールスコンバージョンやマーケティングの改善を支援するソリューションを提供する大手SaaS型ベンダーです。

2-1.導入前の課題

同社が提供するmyBrainSharkは、スプレッドシートのデータやプレゼンテーションのスライドショー、PDFファイルなどを用いてビデオプレゼンテーションを作成するというサービスです。
リード客獲得のために有料版に機能制限をかけたフリーミアムと無料トライアルを提供しており、主にフリーミアムから有料版への導線引きに力を入れていました。
課題としては、「如何にして多様化するニーズを持つ顧客を有料版へと導くか」です。

2-2.導入後の課題

myBrainSharkの利用に際し、ユーザーに必要なのは、メールアドレス・ニックネーム・パスワードの登録のみであり、個人情報の登録が必要ないことから企業のみならず中学や高校において教育目的など幅広いシーンで活用されています。
これらの登録情報を、マーケティングオートメーションの機能と各ユーザーのIPアドレスから推定することによって、有料版移行の兆しが強いユーザーとそうでないユーザーを自動的にセグメンテーションしていきました。
セグメンテーションの情報を元に、2回目以降のアクセスではユーザーの役職や所属組織の入力を促す画面を表示。その入力結果のフィードバックでセグメンテーションの精度を上げることで、よりパーソナライズされたコンテンツ配信を実現しました。
結果、有料版への登録者数は15%、有料版の無料トライアル利用者数は150%増加。金額的には1,100万ドル以上の増収に成功しました。

2-3.この事例から見えるビジョン

Brainshark社ではユーザーの属性とマーケティングオートメーションを上手に関連付けることで成功した事例と言えます。
ホットリードを効率的に抽出する仕組みを作りだしたのも主な勝因の一つでしょう。
単にIPアドレスで追跡した情報をもとにセグメンテーションするのではなく、こちらから積極的にユーザー情報を引き出してコンテンツを配信することでより効率的な導線引きを行うことが出来ます。
マーケティングオートメーションに依存するのではなく、ツールを最大限活用するために自ら施策を打ち出した良い事例です。
Brainshark, Inc.:http://www.brainshark.com/

まとめ

国内においてマーケティングオートメーション元年となった2015年では、海外での事例が目立っていましたが徐々に国内での事例も目にかかるようになりました。しかし、成功事例ばかりに目を向け導入を推進するとマーケティングオートメーションの本質が見えず、導入に失敗する可能性が高まります。
“成功”そして“失敗”、2つの事例から学べることを統合し自社導入の際に参考にすることが導入成功の鍵となるでしょう。
マーケティングオートメーション導入の失敗事例については、またの機会に紹介したいと思います。

参考記事)
日本エスリード:https://www.dentsu-em1.co.jp/topics/detail/000140.html
Brainshark:https://satori.marketing/marketing-blog/marketing-automation/onetoone_marketing/

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