企業が成長していく上で必須なのが「ヒト・モノ・カネ」。
その中でも特に人材の重要性を否定する経営者はいないでしょう。
業績が上がるも下がるも人材次第。それを理解しているからこそ、企業は採用に莫大な予算と人材を配置します。
しかし、せっかく苦労して採用したとしても、その社員がAプレーヤーである確率は25%。残りの75%は、期待値並み・もしくは期待値を下回るパフォーマンスしか上げることは出来ていないのが現状です。
これは経営者や企業の人事部にとっては大変悩ましい事実です。
このような事態の処方箋となるのが本書です。アメリカで25年以上も広く読まれ、2回の大幅なバージョンアップを経て今なお読み継がれています。
面接官の直感と判断に頼っていた採用方法から脱却し、科学的なプロセスによって優秀な社員を採用出来る確率を90%にまで引き上げるためのノウハウやテクニックが400ページ以上に渡って紹介された一冊です。
優秀なAプレーヤーは、1人で普通の人の3人分とか5人分の仕事をやり遂げます。このような人材を採用できれば、ビジネスの加速度は飛躍的に伸びていくでしょう。
本書は、
- 企業の人事担当役員・担当者
- 中小企業の経営者
- スタートアップ経営者もしくは起業予定の学生
- 就職・転職で面接を控えている人
といった方におすすめです。
著者のブラッド・D・スマートとは?
ブラッド・D・スマート
エグゼクティブ候補者を査定し、マネジャーにトップグレーディングを実施して、トレーニングを行うプロ集団スマート&アソシエイツ社社長。 著名な産業心理学者でありコンサルタントでもあります。ブラッドは、個人的にあらゆる規模の何百社が人材を劇的に改善する手助けをしてきました。 GEを長年率いてきた名経営者ジャック・ウェルチも「ブラットは、GE社がハイパフォーマーのリーダーを選ぶツールを開発するのを助けてくれた」と絶賛しています。
「トップグレーディング採用術」の中身を少しだけ紹介!
トップの人材を引き寄せ、つなぎとめる…42
- Aプレーヤーが管理する製紙工場は、94%高い利益を上げる
- 投資銀行の能力の高いアソシエイトは、平凡な人材の2倍生産性が高い。
- 最高の人材を擁する企業の株主還元率は、業界平均より22%高い。
- トップ3%のプログラマーは、平均的なプログラマーより1200%多くのコードを作成し、トップ20%のプログラマーは320%作成する
- トップ3の販売員の売り上げは平均的な販売員より最大250%多く、トップ20%の販売員は最大120%多い。
優れたAプレーヤーはより少ない時間で高い成果をあげるだけでなく、自分のチームや部下をAプレーヤーに引き上げ、さらに高い成果を目指します。
トップの採用ミスは、膨大なコストになる…… 112
企業にとって、CEOの採用ミスは大きなコストがかかります。筆者の試算によると、大企業で5250万ドル、中企業で2210万ドル、小企業で1260ドルにもなるそうです。これはトップのみならず、CEOがマネージャーを採用するとき、マネージャーが社員を採用するときにも当てはまります。
本書ではスマート&アソシエイツ社副社長のクリス・マーサウ氏の調査として、マネージャーの採用ミスによって生じるコストが平均150万ドルにも上るという結果が紹介されています。
150万ドルの内訳で一番大きいのが、逸したビジネスチャンスに関するもの。
それぞれのレベルでAプレーヤーを採用出来ているかどうかで、企業の成長は格段に変わってくるでしょう。
ネットワークを使って求人を行う…… 130
採用に関しては、非常にコストがかかります。求人誌や求人サイト経由で募集をしたりということが一般的ですが、それでもほとんどの場合希望の人材に巡り合うことは出来ません。
中小企業やスタートアップの場合は、採用は即企業の生死に直結しますので慎重な姿勢が求められます。
本書では、少数の採用であれば、コストをかけずに高い確率でAプレーヤーを獲得出来る方法を紹介しています。
そのうちのひとつが「過去に一緒に仕事したAプレーヤーのネットワークと、推薦できるAプレーヤーを知っているコネクターのネットワークをリスト化し、そのネットワークを維持すること」です。
更にそれをうまく機能させる方法なども紹介されていますが、目から鱗のノウハウが満載です。
面接の「心臓」職歴についての質問 …… 201
Aプレーヤーを採用する際の、採用面接にもきめ細やかな準備と科学的な論理が必要です。本書では、「初心者用トップグレーディング面接ガイド」が収録されおり、イチから準備しなくても、採用に必要な情報の引き出し方を学ぶことが出来ます。
中でも採用の質問の中核となる「職歴」に関する質問項目を実例が紹介されています。
(例)最初のフルタイムの仕事から始めて、現在の仕事まで説明してください。それぞれの項目で以下の項目について話してください。
- その仕事に就いた理由
- 成功と業績(どのように成し遂げたについても)
- ミスと失敗
- その仕事に関して好きだったところ、嫌いだったところ
- (管理職の場合)あなたがその職に就いたとき、直属の部下の中にA、B、Cプレーヤーは何人いましたか?職を離れるときにはどうでしたか?何人が人材ミックスを変化させましたか?-採用、解雇、コーチング?
- 上司の氏名とその上司の強み弱み
- 採用通知を出すために、過去10年間のあなたの元上司への信用照会の電話の手配を依頼することになります。その上司は、あなたの強みと弱み、パフォーマンス全体についてどのような評価をすると思いますか?
- なぜ、その仕事を辞めたのですか?
なぜ、この質問が必要かなども本書で紹介されています。
レビュー
良いレビュー
確かに中小企業でも使えます, 2016/2/19By 深谷
当初イメージは難しい内容かと感じていたのですが、読み始めるとすんなり内容が頭に入ってくる本でした。
会社の規模に関わらず採用、組織構築の問題は全ての経営者が頭を悩ませている課題かと思います。
トップグレーディング採用率75%。それが実現できれば間違いなく勝てる組織が構築できそうですね。
社長でなくとも, 2016/2/19By 寺野
社長でも採用担当でもないものの、目次を確認して興味を持ったので購入しました。
単に採用だけではなく、採用後の観点や行動はチームマネジメントにも大いに活用できるところが多く、買って良かった感じいます。
採るだけでなく、活かして稼ぐところまで含めて採用なんだと強く認識できる本でした。
トップグレーディング採用術, 2016/2/19By 津田
会社経営をやる際に、人材が必ず必要となりますが、その人材を適切に選ぶために、科学的な根拠を持って選ぶことにものすごく感心しました。大卒で、「貴社 の会社理念にものすごく感動致しました。」などの古臭い、如何にも文言をしっかり練習してきましたよみたいな風潮に流されないような、しっかりとした面接 官たるべき心の持ちようなどたくさん学べることがありました。
まとめ
いかがだったでしょうか?本書はAプレーヤーをいかに高い確率で採用できるかという、採用の核心部分にフォーカスした濃密な一冊であることがお分かりいただけたと思います。企業の経営者だけでなく、管理職・人事担当者の人にとっては、手元に置いておいて損はない一冊です。
また、就職・転職活動をする人に取っては、面接の前に今までの経歴などを整理するツールとしても活用できるのではないかと思います。
本書は、書籍として考えると少々高額ですが、何も考えずに求人広告枠を買ったりするよりは格段に安く、この中のノウハウをひとつ応用するだけで充分に元が取れるでしょう。人材のミスマッチによって生じる大きな損失を防ぐための処方箋として是非おススメです。
90日間返金保証付きなので、万が一気に入らない場合でも安心です。
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