【インタビュー】CVR10%!?チャットでコーディネート提案アプリ「PRIMODE」

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ECが世の中に浸透し始めて20年弱。その市場規模は日々大きくなっています。2014年8月の経済産業省の発表によるとBtoC向けの国内電子商取引の市場規模は11.2兆円。
衣料・アクセサリー小売業・医薬化粧品小売業・宿泊・旅行業ならびに飲食業の前年比の伸び率は高くなっています。2018年には、市場規模は20兆円程度まで伸びると予測されていますので、さらに成長することが見込まれている有望分野です。
ただ、市場の発展に比例して、消費者の嗜好や購買の仕方が変化してしてくるのも事実。
企業のEC担当やWeb担当、マーケターは色々と頭を悩ませているかと思います。
今日はそんな中、コーディネート提案サービスPRIMODEで、主にファッション系ECビジネスの新しいカタチを提案するスタートアップ、株式会社空色の中嶋社長に展開予定のビジネスと今後のついてお伺いしました。

PRIMODEについて教えてください。


PRIMODEはファッションコーディネート提案サービスです。プロのスタイリストがチャットを通じてマンツーマンでコーディネート提案をするのが特徴です。5/21よりiOSアプリとしてサービスを開始します。当初はJUNグループのブランドからお客様に合ったコーディネートを提案し、アプリ内でそのまま気に入った商品を購入することが出来ます。取り扱いブランドは順次拡大する予定で、複数ブランドのアイテムを買ってもバラバラに商品が届くということはなく、当社倉庫でひとつにまとめて送られてきます。お支払いはクレジット決済に対応しています。

なぜこのようなサービスをつくろうと思ったのですか?

創業時より、ファッション系のビジネスを検討してきたのですが、リサーチの結果、現在のファッション系ECには大きく2つの課題があると感じました。
まず1つ目は、市場が大きくなるにつれてお客様が欲しいアイテムを簡単に探しにくくなった、ということです。大手のファッションECサイトで、例えばTシャツのカテゴリーを検索すると膨大な数のアイテムが表示されます。色や形などを詳細に絞っても、何千件と表示されてしまうので、お客様は何を選んだらいいのか分からなくなってしまいます。一般的に消費者が選択肢として合理的に判断しやすい点数が5~7と言われているので、あまりにも多過ぎる印象があります。
2つ目は、商品の見せ方が単品になっていて、コーディネートでの提案が出来ていないサイトが多いことです。本当にその商品が気に入って買う消費者はそれでいいのですが、おそらく少数です。アメリカでは、トータルでコーディネート提案をしているサイトがお客様に受け入れられて来ており、国内でもコーディネート提案までしているサイトの方が勢いがあります。
上記を踏まえて、自社の持つ人脈やリソースで新しいECサービスを構築できないかと思ったのが開発の背景です。

PRIMODEアプリの特徴を教えてください。

商品にフォーカスするというよりも、「スタイリスト」という人にフォーカスした設計になっているのが大きな特徴です。
一度アプリをダウンロードしていただけるとわかるのですが、このアプリを起動しても、よくある商品の陳列はありません。お客様が見ることが出来るのは、スタイリストのプロフィールと過去の提案コーディネート履歴です。過去の実績など見ていただいて、この人にコーディネートしてもらいたいと思ったら、アプローチして選んでもらえます。「とりあえず誰かに相談」という場合でも、その時手の空いているスタイリストに相談できます。
当初のスタイリストは100人程度。当社独自のネットワークで、雑誌や広告で活動される方からパーソナルスタイリストの方まで様々な経験を持ったスタイリストに協力してもらっています。コーディネートの提案力は自信がありますので、きっと満足いただけると思います。

チャットの使用は意外性がありますね?


ネットショッピングをしていて「商品についてちょっと聞いてみたい」といったニーズは潜在的にあると思います。そのちょっと聞ける機能さえあれば、お客様はかなり安心するのでは?と思いました。それがファッションに詳しいプロのスタイリストだと、更に嬉しいかと。
今までもチャットを導入しているサイトもありましたが、十分な対応が出来ていない印象がありました。PRIMODEではスタイリストがきめ細やかに対応します。
また、コミュニケーション方法も、Skypeなどのリアルな対面のコミュニケーションより、LINEのような半リアルタイムでのチャットコミュニケーションの方が気軽にアクション出来るので、今のユーザーに受け入れられるのではないかと思っています。

チャットに何か特徴はありますか?

IBMさんとの事業連携によって、ユーザーの嗜好や属性など、TPOに応じて適切な提案を行うことが出来るよう学習機能システムを組み込んでいます。お客様とのチャットの中で、このタイミングでこの言葉を使うと成約率があがるといった履歴をビックデータとして蓄積し、学習していきますので、CVRが通常のECサイトと比べるとかなり高くなることを予想しています。サービスリリース前にトライアルを行ったデータなどから考慮すると、通常のECサイトのCVRが1~3%と言われていますが、PRIMODEではお客様とチャットでコミュニケーションがとれれば、10%近くのCVRになっています。

どのような方に使って欲しいですか?

ファッションにお悩みの方であれば、どなたでも使っていただきたいですが当初は20代後半~30代前半の普段忙しく働いている女性の方の利用を想定しています。服を買いにいかないといけないけど、ネットショッピングで選んでいる時間もないし、週末は家でゆっくりしたいといった方には特にマッチすると思います。

システムをASPとしても提供可能とお聞きましたが?

当社は自社サービス用にシステム開発をしたのですが、つくっていくうちにこれはお客様とブランドを繋ぐコミュニケーションプラットフォームとして大変意味があるんじゃないかということに気が付きました。
「コミュニケーションO2O」と呼んでいるでいるのですが、チャット上でお客様と親密な関係を作って、ECで買ってもらう。ECじゃなくて、実際に商品をみて買いたいというお客様には、ポイントや割引などと組み合わせて実際に店舗に来店してもらう、といった導線を作る事が出来ます。店舗も活性化しますし、よりそのブランドを好きになってもらえますよね。
この考え方に共感していただいて、8月を目途に某セレクトショップさんにもASPとして機能提供をする予定です。また他にも商業施設さんなどからもお話をいただいています。
提供にあたっては、システムのほかにチャットセンターも当社が引き受けることも出来ますし、その会社様のリソースを使って運営することも可能です。ファッション分野などでは、例えば育児休暇明けの女性社員が、スタイリストとしてチャットを通じて場所を問わず、また体に負担が少なく働けたりしますので、ダイバーシティ的にもプラスに働くといった効果も想定できます。
また、ファッション分野に限らず、インテリア・住宅・保険など、ネットで買う前に専門家に聞いてみたいといったニーズがありそうな商品には親和性があると考えています。現在パートナー企業を募集していますので、お声掛けいただけると幸いです。

当面の展開予定を教えてください。

目標は、12月までにアプリのダウンロード数6万を目標にしています。また、9月を目途に台湾の女性向けにトライアルを計画するなど、様々な施策を展開予定です。また、ASPでの提供もアライアンスを通じて拡大させていきたいと思っています。

まとめ

チャットでコーディネート提案とはちょっと意外な感じもしましたが、よくよくお話を聞いていると、現状のECサイトの課題に対して真摯に向き合い、お客様目線に立った便利なサービス設計になっているという感想を持ちました。スタイリストとお客様が直接つながることで、スタイリストさんの働き方も変わってくるかもしれませんね。
また、ASPでのシステム提供は、ファッション業界に限らず、色々な業界に新しいコミュニケーションのカタチをもたらしてくれるのでは?という期待も抱かせます。興味のある方は一度中嶋社長にコンタクトをとってみてもいいのでは?と思います。
株式会社空色 会社概要
 
(編集部より)マーケター、プランナーなど、Webマーケティングに携わる方にとって参考になるサービスを運営している会社様や担当者様に不定期にインタビューをしていきたいと思っています。インタビューの依頼も受け付けますので、ご連絡いただければと思います。

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