ダン・S・ケネディの「世界一シビアな「社長力」養成講座」を読んだので、どういう本で、誰に向いていて、どういう条件で手に入るのかを整理します。本の中身の感想だけでなく、版元のページで確認できる価格・保証・在庫の状況も並べました。
先に向き不向きを書きます。この本は、従業員の待遇や職場の居心地を第一に置く経営観とは正面からぶつかります。版元のページ自体が冒頭で「社員に尊敬され人気もあるけど、儲からない会社の社長」と「社員には恐れられ嫌われているけど、儲かっている会社の社長」のどちらを選ぶかと問いかけ、前者を選ぶ人には向かないと明言しています。読む前にこの前提を知っておいたほうが、肌に合わない本を買って後悔する確率は下がります。
著者のダン・ケネディとは
版元のダイレクト出版が商品ページに載せている著者紹介によると、ダン・ケネディは戦略アドバイザー、マーケティング・コンサルタント、ビジネスコーチであり、6種のビジネス・ニュースレターの編集も手がけています。年間100万人以上の経営者、スモール・ビジネスオーナー、開業医、セールスのプロを指導してきたとされ、ダイレクト・レスポンスのコピーライターとしての依頼料は数十万ドルから100万ドルプラス印税という規模だと紹介されています。
同じ紹介文には、依頼人の85%がリピーターまたは長期契約クライアントであること、講演家としてドナルド・トランプ、イヴァンカ・トランプ、1-800-Flowers創業者ジム・マッキャン、ジョアン・リバース、ジョージ・フォアマン、KISSのジーン・シモンズらと各種イベントに登場してきたことが挙げられています。いずれも版元が自社の商品ページに掲載している記述で、第三者による検証ではありません。
著者の他の著作については、天才詐欺師のマーケティング心理技術のレビューでも同じ版元から出ている本を扱っています。
本書の構成と、公式ページで確認できる購入条件
商品ページに載っている目次は、はじめに「ほかとはちょっと違う、歯に衣着せぬ話」、Part01「従業員を働かせる 情け無用のマネジメント」、Part02「従業員に稼がせる 情け無用のマネジメント」という構成です。章立てが「働かせる」と「稼がせる」の2部に分かれている点が、この本の立ち位置をそのまま表しています。採用や育成の話として読むのではなく、人件費を投じた分をどう回収するかという一点で書かれています。

キャプチャのとおり、閲覧した時点では注文ボタンの位置に「品切れ」と表示されていました。価格と保証の条件は次のとおりです。
| 項目 | 公式ページの表示 |
|---|---|
| 価格 | ¥3,700(税込¥4,070) |
| 配送料 | 通常配送料無料(本商品の表示) |
| 保証 | 1ヶ月間保証。「内容が気に入らなければ、購入から1ヶ月以内なら全額返金。」 |
| 販売状況 | 品切れ(本稿が閲覧した時点の表示) |
| 目次 | はじめに/Part01 従業員を働かせる 情け無用のマネジメント/Part02 従業員に稼がせる 情け無用のマネジメント |
| 発行元 | ダイレクト出版株式会社(大阪市中央区安土町) |
この記事は以前、返金保証の条件を「90日以内」と書いていました。商品ページの表示は1ヶ月間保証で、日数が異なります。保証の長さは購入判断に直結するため、ここは公式ページの表示に合わせて訂正しました。
読んで参考になった点
筆者も事業の経営に関わっている立場で読みました。全体を通して繰り返されるのは、人を増やすこと自体を成果とみなさない、という考え方です。採用の良し悪しを「良い人が採れたか」ではなく「その人件費に見合う粗利が出たか」で測り直すと、同じ組織図でも判断の順序が変わります。
とくに手を止めて読み返したのは、従業員1人あたりのコストをどこまで許容するかという基準の置き方、試用期間中に何を見るかの絞り込み、最小人員で回す前提から逆算して業務を設計するという順序でした。どれも抽象論ではなく、明日の面談や来月のシフトで試せる粒度まで落ちています。
一方で、読み手を選ぶ本でもあります。訳文を通して読むことになるため、アメリカの雇用慣行を前提にした記述がそのまま出てきます。解雇の扱いひとつ取っても日本の労働法制とは前提が違うので、書かれた施策をそのまま実行に移すのではなく、考え方だけを取り出して自社の制度に置き換える読み方が要ります。
図:この本を読むときに自社へ置き換える4つの観点
人件費の見方|人数ではなく、1人あたりの粗利と固定費で測り直す。採用計画を「人を増やす計画」ではなく「回収計画」として書き換える。
試用期間の使い方|期間中に何を観察するかを事前に1つか2つへ絞る。観察項目が多いほど判断は遅くなる。
法制度の読み替え|解雇・評価・待遇に関する記述はアメリカの前提で書かれている。日本の労働法制に合う形へ置き換えてから検討する。
適用範囲の見極め|中小・ベンチャーの規模を想定した本であり、すでに制度が整った大企業の運用にそのまま当てはまるとは限らない。
購入者レビューの扱いについて
この記事は以前、購入者のレビューを出どころを示さずに5件並べていました。これらは版元であるダイレクト出版の商品ページにある「カスタマーレビュー」欄からの抜粋です。同欄には版元自身の注記として「個人の感想であり成果や効果を保証するものではありません」「※お客様からいただいたご意見を、当社が一部抜粋しています。」と書かれています。版元が自社の販売ページに掲載し、自社で抜粋しているものである以上、独立した第三者評価として読むことはできません。
出どころと但し書きを明示したうえで、評価が割れている様子が分かる2件だけを残します。
私自身共感できる部分が多かった事と、まさに当社で起きていいる事、いや起こさなければいけない事が明確に書かれていた事にぶっ飛び!自分自身甘すぎるという反省とそこまでしていいんだと言う確信が得られた事に感謝!題名のごとく養成されました。今の自分に迷いのある社長、いまいち事業がしっくりいっていない社長に最適な書です。一読を!
出典:ダイレクト出版 商品ページのカスタマーレビュー欄(2012/2/7 付、鈴木浩司 名義の投稿)
まず、翻訳が読みづらいので、前後の文脈を改めて読み取らないといけないので疲れます。アメリカ人がアメリカの文化の中で育ち、その観点から話しているので、バックグラウンドを掴んで知見を捉えないといけないなと感じる。
出典:ダイレクト出版 商品ページのカスタマーレビュー欄(2013/8/27 付、博多山笠 名義の投稿)
後者が指摘している訳文の読みにくさは、前の節で書いた「前提を置き換えながら読む必要がある」という点と同じことを別の角度から言っています。原著の論法が日本の読者向けに整えられていないぶん、読み手の側で補う作業が発生します。
購入前に確認しておきたい取引条件
版元の特定商取引法上の表記に、返品・送料・引き渡しの条件がまとまっています。保証期間の扱いは商品ごとに違うと明記されているため、本書の1ヶ月間保証も商品ページ側の記載が基準になります。
| 項目 | 特定商取引法上の表記の内容 |
|---|---|
| 返品 | 商品販売ページに別途記載がない限り返品は受け付けない。保証期間の記載がある商品は、購入後、保証期間内に連絡すれば返金 |
| 返品送料 | 購入者都合による返品・返金手続きに伴う返送料金は購入者負担 |
| 送料手数料 | 全国一律550円(税込)。ただし割引または無料としている商品もある |
| 支払方法 | クレジットカード(VISA/Master/JCB/AMEX/Diners)、代金引換、銀行振込、AmazonPay。代金引換は別途440円(税込) |
| 引き渡し時期 | 決済日または入金日の翌営業日から5営業日以内に発送。2026年9月から12月の間は物流体制の刷新に伴い1〜2週間かかる可能性があると告知 |
| 初期不良 | 商品間違い・破損は商品到着から7日以内にカスタマーサポートへ連絡 |
在庫が戻るかどうかは版元の告知次第です。品切れ表示が出ている間は、価格や保証の条件も含めて商品ページ側の表示を直接確認してください。
同じ版元・同じ系統の本
経営やマーケティングの実務書を続けて読むなら、広報・PRの基本を学ぶための書籍や、成果をあげるマーケティングの9ステップも合わせて読むと、人の使い方と売り方の両方から同じ課題を見られます。
「世界一シビアな「社長力」養成講座」は、綺麗事を外して利益から逆算する考え方を一冊通して突きつけてくる本です。日本の制度に合わせた読み替えが前提になりますが、人件費と粗利の関係を測り直したい経営者には、判断の材料が揃っています。
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この記事で参照した一次情報
- ダイレクト出版「世界一シビアな「社長力」養成講座」商品ページ(価格、配送料、1ヶ月間保証、品切れ表示、目次、著者紹介、カスタマーレビュー欄)
- ダイレクト出版株式会社 特定商取引法上の表記(返品、返品送料、送料手数料、支払方法、引き渡し時期、初期不良)



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