そもそもインターネットリサーチとは?実施方法や流れを解説!
インターネットリサーチとはWEB上で行うアンケート調査のことです。
インターネットリサーチ調査会社は、専属のモニター会員やパネルと呼ばれるアンケートを回答してくれるユーザーを抱えており、調査のターゲットととなるユーザーにアンケートを配信して回答してもらう仕組みとなっています。
WEB上での回答のためアンケート実施後の回収は早く、回答されたアンケートは自動集計されますので、専門家による高度な分析調査が可能となります。
また対象者が少数派の場合でも、インターネットリサーチでは全国にいるユーザーに対して行えるので基本的には十分なサンプル数を得ることができます。
ではインターネットリサーチの流れはどうなっているか解説していきます。
調査から納品までは、大きく分けて以下の5つのステップに分かれます。
- 調査企画と設計
- 調査票作成
- 調査と集計
- 分析とレポート作成
- 納品
それぞれについて詳しく解説していきます。
調査企画と設計
調査依頼内容のヒアリングを行い、調査手法やサンプル数の検討をします。企画案が決まったら設計作業へと移行していきます。
設問内容や設問数など、正しい調査結果が得られるようあらかじめ詳細を固めておくとスムーズに進めることができます。
調査票作成
設問内容や設問数が固まったら、調査票の作成を行います。
調査票の作成では、質問内容や回答方法、配信対象条件の設定、回収目標サンプル数の設定を細かくWEB画面に入力し作成していきます。
調査票作成が完了したら、アンケート配信開始です。
調査と集計
アンケート調査を実際に行いながらリアルタイムでアンケート回収の状況が確認できます。
回収目標サンプル数に達した時点で集計へと移る事になります。
分析とレポート作成
自動集計によって回収されたアンケートは、調査結果の分析作業を行います。
専門家による分析調査結果をまとめ、レポートを作成します。
レポート作成以外では、ローデータや、単純集計、クロス集計など調査の目的や用途に応じた集計結果を作成することもできます。
納品
納品は、調査終了後早くて2日、通常1週間程度となっています。
様式は分析レポートやクロス集計、単純集計など調査目的に応じた集計結果方法でメールやWEBでの納品となっています。
ネットリサーチのメリット・デメリットをまとめました!
ここまでは、ネットリサーチの流れについて説明してきました。
では、ネットリサーチを実際に利用するにあたって、メリット、デメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
それぞれ詳しく解説してきます。
ネットリサーチのメリットは?
ここでは、ネットリサーチを利用することによる4つのメリットについてまとめてみました。
主なメリットは、以下のようになります。
- 調査の実施から回答の回収まで素早く行うことができる
- WEB上でのアンケートなので調査コストが抑えられる
- 少数派調査対象者なども大量に集めやすい
- 対象者の属性(地域別、年代、性別など)も絞り込むことができる
それでは詳しく説明していきます。
調査の実施から回答の回収まで素早く行うことができる
ネットリサーチは、WEBサイト上での調査なので素早く回答を得ることができます。
また自動で回答も回収されるので、素早いデータ収集、そしてデータ集計まで簡単に実施することがメリットの一つです。
WEB上でのアンケートなので調査コストが抑えられる
ネットリサーチは、人による街頭調査に比べて、調査員の派遣費用などの人件費が削減されるので、調査コストを抑えることができます。
ネットリサーチは、コストパフォーマンスに優れた方法でもあります。
少数派調査対象者なども大量に集めやすい
ネットリサーチでは、少数派の調査対象者であっても属性に応じたモニターを保有しているので、ターゲットを絞った十分なサンプル数を大量に収集することができます。
対象者の属性(地域別、年代、性別など)も絞り込むことができる
ネットリサーチのメリットは、特定の属性の対象者を絞って調査することができます。
スクリーニングの調査を利用することで、任意の条件でのモニターを抽出したり、地域や年齢、性別など特定の属性の対象者を絞って調査することができるので、調査の企画内容を反映させた結果が得られます。
ネットリサーチのデメリット
ここまでは、ネットリサーチのメリットについて説明してきました。
では、ネットリサーチのデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
主なデメリットは以下のようになります。
- 回答者に偏りがある
- 回答慣れによる信頼性の低下や疑問がある
それぞれ詳しく説明していきます。
回答者に偏りがある
ネットリサーチのデメリットとして、アンケートに対するモニターの捉え方の違いが回答内容に影響を及ぼす可能性があります。
ネットリサーチでは、対面ではなく文字や画像で伝えるため、質問の意図が十分に相手に伝わらないことがあるからです。
また回答者には、隠れた属性が含まれています。
例えば、インターネットでアンケート調査をしていることからインターネットをよく利用するモニターであることが考えられますし、アンケート調査でお金を稼いでいることから所得の面でも偏りがあると言えるでしょう。
このような隠れた偏りを考慮して、調査企画やデータ分析を行う必要があります。
回答慣れによる信頼性の低下がある
ネットリサーチでは、モニター回答慣れによる信頼性の低下も見られます。
調査を早く終わらせるために、不適切な回答の仕方をするモニターが含まれる可能性も考えられます。
また、登録している本人以外の方が回答することもあり、回答者を十分に確認できないという点も今後の課題といえます。
ネットリサーチでは、リサーチ会社に登録しているモニターの属性に偏りがありますので、目的に適応しているか事前に確認することが必要といえるでしよう。
ネットリサーチの活用事例をご紹介します!
新規事業や新しい企画を成功させるためには、ネットリサーチによる事前調査は非常に役立ちます。
では実際に、活用事例にはどういうものがあるのでしょうか。
企業がネットリサーチを実際に活用した具体例を紹介していきます。
- アサヒビール
- メルカリ
アサヒビールのドライゼロ
アサヒビールは、新商品の開発のなかで徹底したリサーチを行なったことで新商品を成功に導きました。
健康志向が高まる中、お酒に対する意識にも変化が訪れ、ノンアルコールビールの市場が急拡大しました。そこでアサヒビールでは、ノンアルコールビール市場に対してマーケティングとリサーチ調査を徹底して行いました。
調査目的としては、ノンアルコールビールのニーズの把握と飲用状況の徹底調査を行います。
調査方法は、インターネットとグループインタビューの調査で約5,000人を対象に競合ブランドのイメージ測定をしました。それを元に、試作品を幾つか作成し、モニター調査結果をもとに採用案の選定をします。
対象となるモニターは、ビール愛用者に絞ります。
これはノンアルコールのイメージを最初にリサーチした結果、ビールのような味を求めているというアンケート結果で得られたからです。
その結果、「休肝日にはノンアルコールを」という使い分けのシーンを設け、アサヒビールでは2010年に初参入した「ダブルゼロ」ではシェア2%と低迷したものの、2年後には「ドライゼロ」を発売し、国内のシェアが24%を超える大ヒット商品となりました。
徹底したネットリサーチ調査により新商品の売上向上に繋がりました。
メルカリのフリマアプリ
メルカリでは、自社以外の第三者にフリマアプリの認知度と満足度をネットリサーチを利用して徹底調査しました。
調査目的は、メルカリのフリマアプリの認知度や、サービスの満足度の客観的なデータを得て、さらなる認知拡大の施策に繋げることです。
新しい市場に参入したメルカリは、積極的にマーケティング、リサーチ調査を活用しています。
フリマアプリという自社サービスの満足度調査では、自社の顧客のみに行うと偏りが入る可能性があります。
フラットな評価を得るためには、外部調査が必要であると考え、第三者の客観的な意見を集められるネットリサーチ代行会社を選択します。
その結果、サービスへの評価やCMの効果検証をもとに改善策を取り入れており、実際に「利用率No.1」という調査結果をキャッチコピーとしてCMなどに活用しています。
さらには、「印象に残るCM」としてユーザーから好感を持って受け入れられています。
メルカリは、第三者によるリサーチ調査を活用することにより認知度や満足度を、結果的に好感度に繋げることができました。
ネットリサーチ代行の価格相場・料金体系とは?
ネットリサーチ代行業者の料金系や価格相場は、どのようになっているのでしょうか
料金の体系は、回収する設問数とサンプル数によって価格が変わってきます。
ネットリサーチ代行業者10社の料金相場の比較すると、以下のことが分かりました。
- 設問数10問とサンプル数100件回収する場合
- 設問数10問とサンプル数400件回収する場合
設問数10問とサンプル数100件回収する場合
4〜5万円代が7社で、8〜9万円代が3社となっています。
半数以上は、4〜5万円代となっていますが、こちらはオプションを除いた基本料金の相場です。
設問数10問と100件のサンプル数を回収する場合の平均相場は、5万8,500円となります。
設問数10問とサンプル数400件回収する場合
10万円未満が1社、10〜17万円代では8社で、20万円以上は1社という結果となっています。
こちらもオプションを除いた基本料金の相場です。
設問数10問と400件のサンプル数を回収する場合の平均相場は、13万7,800円となります。
以上より、アンケートの設問数や回収するサンプル数によって金額が変わることがわかりました。
コストを抑えようとして少ないサンプル数を設定した場合、適切な調査結果が得られない場合もあるので注意が必要です。
では、細かい料金体系はどのようになっているのでしょうか。
料金相場の説明で挙げた基本料金とは、調査票の作成や大まかな属性選択が含まれています。
ネットリサーチ会社によって違いはありますが、オプションの対象となるのは以下になります。
- スクリーニング調査
- 動画挿入
- 単純集計やクロス集計等
- 分析レポート作成
上記に挙げたオプションを追加すると、会社によって約15〜40万円と幅がありますので、細かい料金体系は、各社のHPや電話などで問い合わせをする必要があります。
調査目的に応じたアンケート内容を具体的に決めた上で、設問数やサンプル数などの設計し、最終的に価格の検討をすると良いでしょう。
ネットリサーチ会社・サービスの選び方を解説!
これまでネットリサーチの特徴や相場などについて解説してきました。
ここからは、ネットリサーチ会社の選び方やサービスの選択の仕方を徹底解説していきます。
現在インターネットでは、多くのネットリサーチ代行会社があります。自社による調査のコスト削減や業務効率化を検討されている方も多いと思います。
たくさんある中で、ネットリサーチ会社選択に迷う方も少なくありません。
業者を選択する際には、費用面を意識しがちですが、モニター数の多さや管理面など、リサーチ会社の実績、対応力やサービスも重要な検討材料です。
モニターの数を大量に保有している調査会社の方が十分なサンプル数を取得でき、さらに少数派の対象者がターゲットであっても調査に応じてくれる可能性が高いといえます。
多くのネットリサーチ会社は、モニターに対して謝礼としてポイント等を提供して回答者の協力を得ていますが、モニターの回答慣れやポイント目当の人も多くなり、雑な回答するモニターが存在することもあります。
そのため、単にモニター数の保有率が高いだけでは判断するのではなく、定期的にモニターの管理しているか、モニターの質を維持しているかが、ネットリサーチ会社を選ぶ上でのポイントとなるでしょう。
また、分析レポート作成を依頼する場合、ネットリサーチ代行会社は、外部スタッフに委託しているケースが非常に多いです。会社によってレベル感に差が出ます。
ネットリサーチ代行会社を選択するには、複数の業者に問い合わせをして、見積もりを比較しながら、設問設計の内容などノウハウを確認を行いましょう。
また担当者の説明力や調査スキルなども意識して選定することが重要です。
ネットリサーチ会社のサービスの選び方をまとめると以下のようになります。
- モニターの量の多さと質の維持管理
- リサーチ会社の実績
- 分析レポート作成のレベルの確認
- 担当者の対応力やスキル
- 複数業者の見積もり比較
以上のサービスなどを意識して選ぶことで、目的にあった失敗しない調査を実現することができるでしょう。
ネットリサーチ会社・サービスのおすすめ5つを比較!
それではそれぞれ詳しく解説していきます。
メディア関係や飲料水向けにおすすめ、リサーチプラスのアイブリッジ
リサーチプラスのアイブリッジは、担当者によるウェブ画面の作成、修正を行い、また重複や不正回答の徹底排除するなど回答チェックをメインにサービスを行なっています。
調査票の作成、クロス集計と分析は、自社で行う必要があります。
導入企業は、主にテレビ局や飲料メーカーなどですが、疾患や医療従事者、自動車、不動産、化粧品などのパネルも用意しているとのことです。
納品前には、業務担当者によってローデータを目視チェックにて行い品質管理します。
メディア制作会社向けには取材パネルを募集するサービスも行なっています。
リサーチプラスのアイブリッジのアンケートモニターの数は、国内466万人です。
設問数5問100サンプル数で44,000円〜となっています。
料金に含まれる主なサービス内容は、画面作成、サンプル設定(6セル)、アンケートの謝礼費用が含まれています。
またオプションでは、スクリーニング調査、調査票の設計、集計、画像挿入や音声データ挿入にも対応、レポート作成といったサービスもあります。
PR企画に強い、ネオマーケティングのiResearch
ネオマーケティングのiResearchは、PR企画や顧客との対応業務など様々な領域をカバーするサービスも行なっています。
また、リサーチはヒアリングの段階から担当のリサーチャーがついており課題や調査目的などを共有してから設計段階に入ります。
導入企業は、主に官公庁、地方自治体が多数を占めており、社会学、統計学など専門分野に特化したスタッフが介在しています。
モニター数は、国内639万人で、モニター管理を年1回更新し、不正登録や不正回答のチェックは怠りません。
設問数5問100サンプル数で52,800円〜となっています。
料金に含まれる主なサービス内容は、画面作成、データ納品です。
またオプションでは、スクリーニング調査をはじめ、ホームユーステストや海外リサーチなどがあります。
大手を選ぶなら マクロミルのQuickMill
マクロミルは、15か国に40か所以上の拠点を持っているグローバル企業です。ネットリサーチ代行会社の中では、大手会社です。
マクロミルのQuickMillは、5つの分析機能が使える集計ソフトも用意されており、専任スタッフのサポート体制が充実しています。
1000万人以上の豊富なモニター数を保有しています。
設問数5問100サンプル数で 77,000円〜となっています。
料金に含まれる主なサービス内容は、画面作成や入力代行、画像挿入(10点)、選択肢及び質問の提示順を替える質問法や、サンプル設定(20セル)となっています。
オプションでは、スクリーニング調査、文字数カウントや写真調査、店頭での商品近い棚卸し調査や動画挿入、ヒートマップビュアーなど多種多様なオプションサービスがあります。
その他のオプションでは、最短で24時間後にデータ納品というサービスもあります。
予算を抑え無料トライアルが利用できる ジャストシステムのFastask
ジャストシステムのFastaskは、低価格のセルフ型サービスのネットリサーチです。
即日に調査の多くが完了するというスピードの速さが特徴となっています。
「ATOK」をはじめとした日本語の処理技術で培ったプロフェッショナル集団による調査上の作法やロジックチェックを徹底していますので、安心して調査を実施することができます。
160万人のモニター数を保有しています。
設問数1問1サンプルで10円とわかりやすい低価格です。設問数10問100サンプル数10,000円から調査することができます。
料金に含まれる主なサービス内容は、質問票作成、画像貼付け、動画挿入、集計ツールの利用となっています。
オプションでは、入力や配信の代行「配信おまかせパック」やスクリーニング調査、挿入画像や動画の編集などがあります。
メルカリや、GaiaXなどで導入実績があります。
専門性の高さとサポート力を持つ アスマークのネットリサーチ
アスマークのネットリサーチは、リサーチだけではなく、製品をモニターに試用してもらう方法や市場調査全般のサービスを行なっています。
一担当者だけではなく、営業担当者、リサーチ担当者、調査担当者、集計スタッフとで分業体制を取っているので、それぞれの調査過程で専門性の高いサポートを実施します。
350万人以上のモニター数を保有しています。
設問数5問100サンプル数で44,000円〜となっています。
料金に含まれる主なサービス内容は、調査票のチェックや修正。画面作成、写真貼付(3点まで)、属性内でモニターの選別、配信作業、ローデータの提供などとなっています。
オプションでは、スクリーニング調査、動画の挿入、データの単純集計や自由回答の解析、検定、分析レポート作成などがあります。
調査の依頼範囲は、目的予算に応じて自由に選択可能です。
営業担当者とリサーチ担当者による背景調査の課題、目的概要などの詳細をヒアリングをして調査方法を提案して実施します。
導入企業は保険会社や投資会社などとなっています。
まとめ
この記事では、ネットリサーチ代行会社のメリットやデメリット、サービスの選び方を解説してきました。
料金体系だけではなく、サービス内容に違いがあることがわかりました。
企業では、自社商品認知度やサービスの質を高めるために広告宣伝手法を活用しています。
施策を成功させる上では、ターゲット層に対してのアピールに繋がっているのか検証し、随時改善を行なっていくことが求められています。
この記事で紹介したネットリサーチ会社の選び方を参考にしながら、ぜひ目的にあったネットリサーチを活用してみてください。