クレジット機能なしの法人ETCカードのメリットデメリットと注意点

法人ETCカードには2つの種類があるって知っていましたか?

  • クレジットカード会社発行の法人ETCカード
  • 高速道路会社(ETC協会組合も含む)発行の法人ETCカード

上記の2つのカードの大きな違いは「クレジットカード機能の有無」です。クレジットカード会社発行のものはクレジット機能があり、高速道路会社発行のものはクレジット機能はありません。

一般的にクレジットカード会社発行のものを選んでいる企業が多いわけですが、高速道路会社発行のものも気になるのではありませんか?

こちらではクレジット機能なしの法人ETCカードを利用するメリットとデメリットを解説します。カードの取得のしやすさやクレジットカードのポイントが獲得できない、などの特徴に迫るのでより自社にマッチングした法人ETCカードを探している方は必見です。

そもそもクレジット機能なしの法人ETCカードってなに?

簡単に説明してしまえば「クレジットカードの機能を持っていないビジネス目的で利用できるETCカード」です。

クレジットカードが付いていないので、クレジットカードが発行されることはありません。クレジットカード会社発行のものはクレジットカードとETCカードの2枚が発行されますが(一体型もあります)、クレジット機能なしのものはETCカードのみが1枚だけ発行されます。

※従業員分などの追加カードの発行は可能です。

クレジット機能なしの法人ETCカードには2種類ある、ということもお伝えしなければなりません。

  • 中小企業向けの法人ETCカード
  • 大企業向けの法人ETCカード(ETCコーポレートカード)

双方ともにクレジットカード機能がないことは一緒ですが、サービス内容に大きな違いがあります。ETCマイレージサービスについては、大企業向けの法人ETCカードは対応していません。ETCマイレージ(ポイント)が獲得できないのです。

一方で大企業向けの法人ETCカードであれば、独自の割引サービスが利用できます。クレジット機能なしの中小企業向けの法人ETCカードだけではなく、クレジットカード機能ありの法人ETCカードにも付帯していない大きな割引率を誇るサービスが付帯しているのです。

大口・多頻度割引というサービスがETCコーポレートカードのみに付帯しており、こちらについてはクレジット機能なしの法人ETCカードのメリットとして詳しく解説します。

クレジット機能なしの法人ETCカードのメリット3つ!

  1. 審査がない
  2. 支払いを先送りできる
  3. 特別な割引が利用できる(ETCコーポレートカードのみ)

1.取得しやすい

クレジット機能がない法人カードは、発行会社としてもリスクが低いので審査は行われないのです。

  • 「クレジットカード(法人カード)の審査に落ちた経験がある」
  • 「過去に債務整理の経験がある」
  • 「創業1年目または2年目である」
  • 「会社の業績が悪い(赤字である)」

上記に当てはまる方はクレジット機能のある法人ETCカードの取得は難しいです。法人カード自体の取得難易度がかなり高くなってしまっているからです。

会社経営者の方が債務整理をした経験があると、経営者本人の個人信用情報も審査でチェックされるのでほぼ100%落ちてしまいます。法人カードの中には決算書類2期分の提出を求めるケースも有り、創業3年目以降でなければ申し込みができないものもあります。

カード会社としては返済能力がない会社へのカードの発行を控えたいため、「赤字である」という理由だけで審査落ちにしてくるケースも珍しくありません。

クレジット機能なしの法人ETCカードはETCレーンでしか利用できません。カードショッピングもできなければキャッシングもできないのです。カードを発行する会社としてはリスクが低いので審査なしで提供できます。

2.支払いまでの間隔が比較的長い

クレジット機能ありの法人ETCカードと比較して、多少ではありますが支払いまでの間隔が長くなっています。

クレジット機能ありの法人カードの場合は月末締め翌月末払いのものが多くなっています。支払い間隔は1カ月から2カ月弱となっているのです。

クレジット機能なしの法人ETCカードの場合は、月末締め翌々月の8日払いになっています(ETCコーポレートカードのケース)。要は支払いまでの期間がクレジット機能ありのものよりも「数日から10日前後長い」ということになります。

微妙な感じのメリットのようにも聞こえるかもしれませんが、少しでも資金繰りを改善したい、と考えている企業にとっては数日でも支払いを先送りできるのは大きなメリットです。少しでも長く資金を会社に留めおくことができるからです。

3.大口・多頻度割引が適用される

クレジット機能なしのETCコーポレートカードのみの割引が用意されています。「大口・多頻度割引」と呼ばれているものであり、割引率が極めて高くなっているのです(最大40%割引)

大口・多頻度割引は車両単位割引契約単位割引の2つが併用できます。

車両単位割引は1台あたりの利用金額によって割引率が設定されており、月の1台ごとの利用金額が5,000円超であれば割引が適用されます。1台あたりで月の利用金額が3万円を超える部分については割引率が30%(ETC2.0を使用している場合は40%)にもなります。

契約単位割引については、契約者の1ヶ月の高速国道または一般有料道路の利用金額が500万円を超え、ささらに契約車の自動車1台あたりの1カ月の平均利用額が3万円を超える場合に適用されます。割引率は5%または10%となっています。

ただしこちらの割引に関しては、あくまで大口の利用をする方のみ関係するものです。月の利用額が少額である方には関係ない割引であり、事業者全員にとってお得になるものではありません。

クレジット機能なしの法人ETCカードのデメリット(注意点)6つ!

  1. 維持費が必ず発生してしまう
  2. 利用額に応じて手数料が発生する
  3. クレジットカードのポイントが取得できない
  4. ETCマイレージサービスに登録できない(ETCコーポレートカード)
  5. 選択肢が少ない
  6. 最短即日発行には対応していない

1. 年会費・発行手数料・デポジット(出資金)が必須である

クレジット機能ありの法人ETCカードであれば、年会費も発行手数料も完全無料なものがあります。もちろんデポジットのようなものも必要とはされません。

クレジット機能なしの法人ETCカードは必ず年会費と発行手数料が発生してしまいます。デポジットに関しては組合に加盟していれば無料となりますが、加盟していなければ必ず発生するものになります。

以下にクレジット機能のない法人ETCカードの維持費をまとめました。

維持費の名目

クレジット機能なし 通常の法人ETCカード

ETCコーポレートカード

年会費

550円(880円のものもあり)

627円

発行手数料

550円(880円のものもあり)

627円

デポジット(保証金)

1万円

1万円

   

※金額は税込みです

※クレジット機能なしの通常の法人ETCカードで年会費が864円かかるのは、ETC協同組合発行のUCカードタイプのものです。

「なんだ。維持費といっても数百円しかかからないじゃないか」

上記のように考える方もいるかも知れませんが、こちらで併催している維持費についてはデポジット以外はカード1枚ごとに発生します。

例えば年会費540円の法人ETCカードを200枚発行するとします。年会費だけで10万8,000円も毎年支払わなければなりません。大きな負担となりかねないのがクレジット機能なしの法人ETCカードなのです。

もちろんクレジット機能ありの法人ETCカードも年会費がかかるものはあります。しかし年会費がかからないものも多くあるので、コストを少しでも抑えたい、という方はクレジット機能ありのものがおすすめです。

2. 5%から8%の手数料が発生する

クレジット機能なしの法人ETCカードに関しては、利用額に応じて手数料を支払わなければなりません。ETC割引が適用されたとしても、かえって支払額が高額化する恐れがあるわけです。

手数料率に関しては、法人ETCカードの種類によって異なってきます。

  • 通常の法人ETCカードの手数料率・・・5%
  • ETCコーポレートカード・・・8%

例えば通常の法人ETCカードを月に10万円利用したとすると、手数料は5,000円となります。年間にすると6万円も余計にコストがかかることになるのです。

ETCコーポレートカードの場合は大口の利用となるので、月に300万円利用したとしてシミュレーションしてみましょう。300万円利用すればその8%が手数料となるので、24万円もプラスして支払わなければなりません。年間で288万円も手数料を支払うことになるのです。

クレジット機能ありの法人ETCカードであれば手数料は一切かかりません。ETC利用額のみを支払えば良いので、余計なコストは発生しないのです。

3. クレカのポイントがもらえない

クレジット機能なしの法人ETCかードはクレジットカード払いではありません。よってポイント対象ではないので、ポイントが貰えないのです。

クレジット機能ありの法人ETCカードであれば決済はクレジットカードとなるのでポイント対象となります。クレジット機能ありの法人カードはETCマイレージサービスの対象でもあるので、ポイントが2つも獲得できるのです。

クレジットカードのポイント還元率が0.5%であると仮定してみましょう。毎月3万円のETC利用をすれば、ETC利用分だけで150円分のポイントが貰えるわけです。

ちなみに法人カードで獲得したポイントは経営者個人が利用しても特に問題はありません。実際に経営者の多くは法人カードのポイントを私的利用しているのです。

4. ETCマイレージ(ポイント)が獲得できない

ETCコーポレートカードのみのデメリットになりますが、ETCマイレージサービスに登録ができません。いくらETCレーンを高頻度で利用したとしてもポイントが獲得できないのです。

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「ETCマイレージサービスってそもそもお得なの?」

ETCマイレージサービスはかなりお得であり、「利用しなければ損」といっても過言ではありません。どの道路管理会社の区間を利用するかによっても還元率は異なりますが、1%から最大で10%ものポイントを付与してくれるのです。

※ETCマイレージは無料通行分として利用可能です。

例えば「NEXCO東日本」「NEXCO中日本」「NEXCO/西日本」「宮城県道路公社」「本州四国連絡高速道路株式会社」を利用すると10円につき1ポイントが獲得できます。

交換単位によっても還元率は異なりますが、最もお得になる交換単位で交換すると1ポイント1円相当になるので還元率は10%なのです。

還元率10%の区間を月に5万円利用していれば、それだけで毎月5,000円も還元されることになります。それだけお得なサービスがETCコーポレートカードであると適用されません。

ETCマイレージサービスのポイントの確認方法

ETCマイレージサービスのホームページ(http://www.smile-ETC.jp/)にログインすればポイント明細の確認ページがあるのでそちらから確かめられます。

毎月の利用分についてどれだけのポイントが付与されたのかが確認できます。ポイントの有効期限もポイント獲得の詳細情報もチェックできるのです。

<ポイント明細例>

ETCマイレージサービスには自動還元サービスあり

「ポイントを獲得できたとしても交換するのが面倒」という方もいるのではありませんか?

そんな方におすすめしたいのが「自動還元サービス」です。

ETCマイレージサービスで設定すると、所定のポイントに到達すると自動的にポイントを交換してくれるのです。

ただし自動還元の交換単位に関しては道路事業者ごとに異なっています。基本的には最も有利になるレートでの交換となるので安心してください。

自動還元に設定していたとしても、ポイントの有効期限は適用されます。期限を過ぎるとポイントは失効するので気をつけてください。

5. 選べるカードが限られている

クレジット機能なしの法人ETCカードに関しては、数が限られているのが現状です。多くのカードの中から比較検討して選べません。

よって年会費についても基本的には横並びです。どのカードを選んだとしても、特に大きな違いはありません。

クレジット機能ありの法人ETCカードであれば、年会費にも大きな違いがあります。還元率も0%のものから1.0%を超えてくるものまであるわけです。中には「ロードサービス」や「ガソリン割引」が用意されているカードまであります。

多種多様なカードが用意されているので、より自分にマッチしたカードを選べるのです。

<クレジット機能なしの法人ETCカードの種類例>

  • ETCコーポレートカード(NEXCO東・中・西日本)/高速情報協同組合
  • 法人ETCカード(セディナカード)/ETC協同組合
  • 法人ETCカード(UCカード)/ETC協同組合
  • 法人ETCカード(セディナカード)/高速情報協同組合
  • 法人ETCカード(UCカード)/高速情報協同組合

種類を見てもらえれば分かるとは思いますが、クレジット機能なしのカードは高速道路会社発行のものかセディナと提携しているカード、およびUCカードと提携しているカードのみとなっています。

種類が少ない中から自分にマッチしたものを選ぶというのは簡単ではありません。

6. 発行までに2週間程度はかかってしまう

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「クレジット機能なしの法人ETCカードは審査がないんだからすぐに発行してくれるんじゃないの?」

確かにクレジットカード機能なしの法人ETCカードは審査がありません。しかし即日発行に対応しているものは一切ないのです。早かったとしても申込みから2週間程度かかってしまいます。

もちろんクレジット機能ありの法人ETCカードであったとしても、即日発行に対応しているのもの稀です。

しかしクレジットカード会社の中にはカードカウンターを設定しているところもあります。カードカウンターでカード受け取りができるので最短即日発行ができるわけです。

最短即日発行ができるクレジット機能のある法人ETCカードとして「セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード」があります。法人口座を支払い口座に設定できるので、法人カードとしての利用ができるカードです。

セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カードに申し込みを行い、セゾンカウンターにてカードを受け取ります。その後その場にてETCカードの発行を申し込めば、即日ETCカードをゲットできるわけです。

まとめ

クレジット機能なしの法人ETCカードはメリットとデメリットの数を比較しても分かるとは思いますがおすすめできません。

特に大きな問題となってくるのがカードにかかるコストです。年会費や発行手数料に関しては、クレジット機能ありのETCカードでも発生することがあります。しかし利用分にかかってくる手数料はクレジット機能なしのカードのみに発生するのです。

手数料率は5%から8%にもなるので、低いとはいえません。月に数万円程度しか利用しない方であると気にしないかもしれませんが、長い目で見て計算してみることをおすすめします。

月に3万円の利用で手数料率が5%であるとします。月に1,500円の手数料となり、年間で1万8,000円です。さらに10年間では18万円になり、30年間で54万円も余計に支払うことになるわけです。

法人ETCカードを利用する目的は何でしょうか?いくつかあるとは思いますが、ETC割引を活用したコストダウンなのではありませんか?

コストダウンしたいのににコストをアップさせかねないのクレジット機能なしの法人ETCカードです。

クレジット機能ありの法人ETCカードであれば手数料はかからず、クレカのポイントもETCマイレージも獲得できます。その上、ほとんどのETC割引サービスが利用できるわけです。どちらを選んだら良いのかは明白です。

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