ペイペイ(PayPay)を店舗へ入れるときに、まず決めなければならないのは「QRコードを置くだけの形にするか、カードも受けられる端末を置くか」という点です。費用も入金の仕方も、この選択で変わります。
ここでは、PayPayが公式サイトで公開している2026年9月19日時点の条件を使って、導入費用・決済システム利用料・入金・申込みの流れを順に確認します。無料期間や過去のキャンペーンを前提にした説明は使いません。
店舗向けのペイペイは2種類ある
| 種類 | 受け付けられる決済 | 店舗に置くもの |
|---|---|---|
| QRコード決済タイプ | PayPay、アリペイ・アリペイプラス | 審査完了後に届くQRコードのキット |
| PayCAS Mobile(マルチ決済端末) | クレジットカード、QRコード決済、電子マネーなど30種類以上の決済ブランド | オールインワン型の決済端末1台 |
表1:PayPay「実店舗への導入」より(2026年9月19日確認)。
PayPayの登録ユーザー数は7,500万人以上(2026年8月時点、PayPay調べ)と公表されています。QRコードだけを置く形なら、店舗側の準備はほぼキットの設置だけで済みます。
決済システム利用料はプランで変わる
PayPayでは、決済のたびに差し引かれる料率を「決済システム利用料」と呼びます。QRコード決済タイプでは、加入するプランによって次のように変わります。
| 費目 | 制限プラン | ライトプラン |
|---|---|---|
| 決済システム利用料 | 1.98%(税別) | 1.60%(税別) |
| 月額利用料 | 0円 | 1,980円(税別)/店舗 |
| 初期費用 | 0円 | 1,980円(税別)/加盟店 |
| 使える集客機能 | なし | PayPayクーポン、PayPayスタンプカード |
| アリペイ・アリペイプラス | 1.98%(税別) | |
表2:数値の出どころはPayPayのQRコード決済の案内とライトプランの案内です(2026年9月19日に取得)。優遇料率の対象になるのはスキャン支払いを申し込んでいる加盟店で、年商10億円以上の法人は個別案内に切り替わります。
よく見かける「ペイペイは決済手数料が無料」という説明は、2021年9月30日までの条件です。現在は、プランを選ばなくても1.98%(税別)が取引金額から差し引かれます。導入の見積もりを作るときは、この料率を前提にしてください。
どちらのプランが安くなるか
ライトプランは料率が0.38ポイント低いかわりに、月額1,980円がかかります。損得が入れ替わる点は、月額を料率差で割った金額です。
| 月間のペイペイ決済額 | 制限プラン | ライトプラン | 差 |
|---|---|---|---|
| 20万円 | 3,960円 | 5,180円 | 制限が1,220円安い |
| 40万円 | 7,920円 | 8,380円 | 制限が460円安い |
| 60万円 | 11,880円 | 11,580円 | ライトが300円安い |
| 100万円 | 19,800円 | 17,980円 | ライトが1,820円安い |
表3:表2の公表料率から計算(税別・月額利用料を含む、初期費用は除く)。
計算すると、分岐点は月間およそ52万円です。これを下回る店舗では、クーポンやスタンプカードを使う予定がなければ制限プランのほうが総額は少なくなります。集客機能に月1,980円の価値を見出せるかどうかが、実際の判断材料になります。
売上金が入るタイミング
図1:ペイペイの入金(2026年9月19日時点)
標準:月末締め・最短翌日振込(月1回)この条件であれば振込手数料は無料。
早期振込サービス(自動)入金を早めたい場合の任意サービス。加入すると、別途サービス利用料と振込手数料が発生する。
決済システム利用料の引かれ方取引金額から自動で差し引かれる。ペイペイ決済が発生しない月は、この利用料も発生しない。
出典:PayPay「0円で始められるQRコード決済」(2026年9月19日確認)。
入金が月1回という点は、日銭が必要な業態では効いてきます。仕入れの支払いサイクルが短い店舗は、この条件を前提に資金繰りを組むか、入金回数の多い決済サービスを併用するかを決めることになります。入金回数を重視する場合の選択肢はエアペイとペイペイを比較で並べています。
申込みから利用開始まで

出典:PayPay「0円で始められるQRコード決済」(2026年9月19日取得)。
図2:QRコード決済タイプの手続き
1. 仮登録(約1分)フォームに必要事項を入力する。
2. 申込み(最短10分〜)案内されたURLから審査情報を入力する。申込みには店舗の画像と営業許可証を用意しておく。
3. 審査当日以降に結果が通知される。業種や書類の内容によっては追加の提出を求められることがある。
4. キット受け取り(1週間程度〜)審査完了後にキットが届き、設置すれば受付を始められる。
出典:PayPay「0円で始められるQRコード決済」「実店舗への導入」(2026年9月19日確認)。
PayCAS Mobileを選ぶ場合は、仮登録約1分・申込み約10分のあと、加盟店審査と端末発送に2週間が目安とされています。初期設定はマニュアルを見ながら約5分です。開店に合わせるなら、端末タイプのほうが余裕を見ておく必要があります。
加盟店になる前に確認しておくこと
図3:導入前に自店の条件を当てはめる
受け付けたいのはペイペイだけかペイペイとアリペイだけでよいならQRコード決済タイプ。カードも必要ならPayCAS Mobileか他社サービスとの併用を検討する。
月間のペイペイ決済額はどのくらいかおよそ52万円が制限プランとライトプランの分かれ目になる。
入金が月1回で回るか標準の振込は月末締め・最短翌日振込の月1回。早めたい場合は別途費用がかかる。
申込みに必要な書類はそろうか店舗の画像と営業許可証が必要。業種によっては追加の書類を求められる。
停電や通信障害への備えはあるかQRコード決済は通信と電源に依存する。現金の取り扱いをどこまで残すかは決めておく。
導入そのものの費用は0円ですが、運用は料率と入金サイクルの話に変わります。キャンペーンの有無ではなく、この2つで判断するほうが後から見積もりがずれません。決済手段そのものの選び方はモバイル決済の種類とサービス比較にまとめています。
カードも受け付けるなら、PayCAS Mobileの条件

出典:PayPay「実店舗への導入」(2026年9月19日取得)。
| 項目 | PayCAS Mobile |
|---|---|
| 端末費用 | 0円 |
| クレジットカード | 2.20%〜 |
| QRコード決済 | 1.98%〜 |
| 電子マネー | 2.95%〜。利用する場合は月額1,020円/台 |
| 対応ブランド | 30種類以上 |
| 導入までの目安 | 審査可決後に端末を発送し、2週間程度 |
表4:PayPay「実店舗への導入」より(2026年9月19日確認)。表記はすべて税別です。公式サイトの下限料率は、中小事業者応援プログラムの適用とPayPayマイストア ライトプラン あんしんプラス(月額1,980円/店舗)への加入を前提としています。
料率だけを並べるとPayCAS Mobileは低く見えますが、あんしんプラスの月額と、電子マネーを使う場合の月額1,020円/台が加わります。実際の負担は、決済額の構成と店舗数で変わるので、自店の数字を当てはめて計算する必要があります。カードリーダー型の他社サービスと比べたい場合はエアペイの手数料と対応ブランドが比較対象になります。
訪日客の支払いをどこまで受けられるか
QRコード決済タイプでも、アリペイおよびアリペイプラスの決済を受け付けられます。決済システム利用料はPayPay決済と同じ1.98%(税別)で、ライトプランに加入していてもこの料率は変わりません。中国語圏・東南アジアからの来店が多い立地では、PayPayのキットだけで一定のインバウンド対応ができることになります。
一方、銀聯カードや交通系電子マネーまで受けたい場合は、QRコードのキットでは足りません。PayCAS Mobileか、カードリーダー型の他社サービスを併せて検討することになります。訪日客向けの決済手段そのものの整理はアリペイ・WeChat Payの導入と手数料にまとめています。
決済システム利用料は売上から引かれて入る
PayPayの決済システム利用料は、請求書で別途支払うのではなく、取引金額から自動的に差し引かれます。店舗に振り込まれるのは、利用料を引いたあとの金額です。ペイペイ決済が発生しなかった月には、この利用料も発生しません。
ライトプランの月額利用料は、申込み店舗数に応じて毎月初旬に請求されます。月の途中で解約しても日割りにはならず、1カ月分の支払いが必要です。複数店舗で申し込む場合は、店舗数×1,980円(税別)が固定費として積み上がる点を見込んでおいてください。
よくある質問
| 質問 | 公式サイトの記載(2026年9月19日確認) |
|---|---|
| 導入費用はかかりますか | QRコード決済タイプは0円、PayCAS Mobileは端末費用0円です。 |
| 決済手数料はいくらですか | QRコード決済タイプは1.98%(税別)、ライトプラン加入で1.60%(税別)です。 |
| 振込はいつですか | 月末締め・最短翌日振込(月1回)です。この場合の振込手数料は無料です。 |
| 申込みに何が必要ですか | 店舗の画像と営業許可証です。業種により追加の書類が必要になる場合があります。 |
| いつから使えますか | QRコード決済タイプはキットの受け取りまで1週間程度、PayCAS Mobileは審査可決後の端末発送まで2週間が目安です。 |
| 訪日客の決済にも使えますか | アリペイ・アリペイプラスに対応しています。決済システム利用料は1.98%(税別)です。 |
表5:PayPay公式サイトの記載を要約しています。金額と条件は改定されるため、手続きに入る直前にもう一度公式ページで読み直してください。
まとめ
ペイペイの導入判断は、無料かどうかではなく、1.98%(税別)という料率と、月1回という入金サイクルを受け入れられるかで決まります。月間の決済額がおよそ52万円を超え、クーポンやスタンプカードも使うなら、ライトプランのほうが総額は下がります。
カード決済まで一本化したい場合は、PayCAS Mobileか、カードリーダー型の他社サービスが候補になります。どちらも公表料率に前提条件が付くため、注記まで読んでから見積もりを組んでください。
導入費用・料率・入金条件の確認に使ったPayPay公式ページ(2026年9月19日取得)
- PayPay「実店舗への導入」
- PayPay「0円で始められるQRコード決済」
- PayPay「PayPayマイストア ライトプラン」
- PayPay「よくあるご質問」

