スマホ決済の時代がやって来た!
今、日本政府はスマホ決済の導入を推し進めています。
というのは、2020年に開催される東京オリンピックでは多くの外国人観光客が訪れると予想され、外国人観光客による経済効果を高めるためです。
実際、2014年12月に内閣と関係省庁は「キャッシュレス化に向けた方策」を発表しています。更に2017年には2025年に開催される大阪・関西万博に向けてキャッシュレス決済比率を倍増し、4割程度を目指すという内容の目標を掲げています。
一見、日本でもキャッシュレス決済が普及し始めているように見えますが、諸外国に比べるとまだまだ日本は現金払いの主流派が目立ちます。
日本のキャッシュレス決済の比率は約20%と一見多いようにも見えますが、世界のキャッシュレス比率は中国では60%、アメリカでは46%、オーストラリアでは59%、イギリスでは68%と諸外国に比べるとまだまだ少ないのが現状です。
キャッシュレス決済の比率が68%のイギリスは、2012年に行われたロンドン五輪に向けて政府がデビットカードなどのキャッシュレス決済の普及促進を行い、9年で30%以上のキャッシュレス比率の上昇を達成しました。
スマホ決済も海外ではすでに多く採用されています。
また、東京オリンピックに向けてスマホ決済が更に浸透する事になるとクレジットカードをカウンターの裏で通して会計をするという日本独特の会計方法に不慣れな外国人でも、気軽に買い物や飲食を楽しむことができるようになります。
最近では、アマゾンが実店舗でのスマホ決済サービスを開始し始めました。実際、利用者は通販サイトのIDをそのまま使うことができ、店舗側の決済手数料は無料ですむそうです。
こうした中、中国などの今まで現金以外での支払いシステムが整っていなかった新興国・途上国ではスマホ決済の普及率がかなり高くなっています。
特に中国でのスマホ決済普及率は98%となっていて、かなりメジャーなものとなっています。
実際、導入が簡単かつ安いため、露店でもスマホ決済が使えるところも多く、中国ではスマホで決済することは「当たり前」という感じになっています。
こういった今現在世界レベルで起きている決済方法の転換についていけていない方もおられると思います。
そのため、今回はスマホ決済の説明やスマホ決済における消費者にとってのメリットデメリットを徹底的に解説いたします。
スマホ決済とは
モバイル決済の中でも、特にスマートフォン用のアプリをダウンロードして、これをベースに支払を行うことをスマートフォン決済(スマホ決済)といいます
(したがって、スマートフォンに搭載されたブラウザーなどを使ってネットショッピングの支払をすることなどは、通常、スマートフォン決済(スマホ決済)には含まれません)。
また、スマホ決済には、クレジットカード決済端末mPOSとQRコードを利用した2種類があります。
mPOSはスマートフォンとBluetoothで連動するクレジットカード決済端末を指します。
端末はカードリーダー機能を備え、手持ちのスマートフォンを利用して簡単にクレジット決済が可能になります。また、通常のPOSターミナルよりも圧倒的に導入費用が安いという点が特徴になります。
一方、QRコード決済とは、ユーザーが事前にお金をチャージしておき、スマホアプリからQRコードを表示して、店舗側が読み取ることで決済が完了します。
代表的なものとしてがあります。チャージさえしておけば、支払いはもちろん個人間の送金など、あらゆるサービスに活用することができます。
スマホ決済における6つのメリット
スマホ決済は今、急速に日本でも普及しています。そうした背景にはスマホ決済には数多くのメリットがあるためです。
今回はスマホ決済における6つのメリットを紹介します。
①手数料が安い
決済手数料の安さがスマホ決済の何よりの魅力といってもいいでしょう。
例えば、クレジットカード決済の場合は平均6%前後の決済手数料を支払う必要がありますが、スマホ決済であれば3%程度の手数料しかかかりません。
※スマホ決済サービスの大手各社で、若干の差ことあるものの、手数料は3.2~3.7%前後です。かつてスマホ決済は5%前後の手数料でしたが、各社が参入したため、手数料が引き下がりました。
又、振込手数料についてもスマホ決済は割安な傾向にあります。こちらは各社サービスごとに異なりますが、完全無料となっているサービスも少なくありません。例えば「楽天ペイ」の場合、楽天銀行の口座に限り、振込手数料が無料になります。又、Squareは振込手数料が無料です。Coineyに関しても10万円以上の高額取引は無料になります。
②現金の管理が不要になる
買い物や飲食代金などで決済を行うと、支払額1998円といった端数になることが多いと思います。
そういった時に千円札で支払うと、小銭が山のように出てお財布が重くなってしまいます。
また、小銭をいちいち探すのは手間がかかるし、時間もかかりますし、混んでいる時だと無言のプレッシャーも感じるといった経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。
そして、何より現金で支払いをしていると、どんどんお財布の中のお金が減っていくので、定期的にATMでおろして補充する必要があります。
ATMが混んでなければいいのですが、お昼や夕方などの時間帯は長蛇の列になっていることも多いです。
日常の支払いをスマホ決済サービス払いにすると、財布の中の現金はあまり減らないので、ATMを使う頻度は激減します。
何の意味のない無駄な時間と手間を省いて、その時間を好きなことや楽しいことに使って、人生を楽しむことができるのではないでしょうか。
③いつでもどこでも払い込みができる
また、スマホ支払いの強みは現金の管理が不要になることだけにとどまりません。
なぜなら請求書や払込票のバーコードをスマホカメラで読み取るという機能が利用できるためです。
例えば、LINE Payにおける「請求書払い」では、アプリのコードリーダーでバーコードを読み取り、金額を確認の上、決済に進むという流れになっています。
また、2018年3月からは東京電力エナジーパートナーの支払いがコードリーダーでも可能になり話題になりました。
もはやコンビニや金融機関に出向く必要もなく、さらに決済はもはや自宅でできてしまうほど便利です。
※銀行の休日に関係なく即時に入金、送金されます
しかし、クレジットカード払いの場合、使用日と引き落とし日が異なるため、「家計管理が難しくなる」と感じる人には多くいると思います。
そういった方にはデビットカード感覚で管理しやすいスマホ決済各社の銀行口座チャージサービスをおすすします。
④各社のポイントが貯まる
スマホ決済の運営会社の多くは、新たな利用者を集めるためにキャンペーン特典としてポイント付与サービスを行っています。
例えば「楽天ペイ」を初めて利用した方は、もれなく1,000ポイントが付与されます。
また、楽天スーパーポイントやLINEポイント、dポイントなどで貯まったポイントは他の購買の際の支払い原資にできるので節約効果は大きいと言えるでしょう。
気になるポイント付与率も0.5%前後のポイントと決して低いわけではありません。(docomoのd払いや楽天が運営する楽天ペイでは、利用料金に応じて0.5%のポイントが付与されます。)
そして、最大の魅力は決済代金の支払い方法としてクレジットカードを登録しておけば、クレジットカードのポイントもつくため、ポイントの二重取りも可能という点です。
このように現在、スマホ決済各社は新規顧客を集めるために多くのポイントを付与しているので、ポイントを集めたい方は積極的にスマホ決済を使いましょう。
⑤多くのショップやサイトでクーポンを取得できる
現在では、大手インターネットショッピングサイトなどでスマホ決済した場合、クーポンがもらえるというサービスが始まっています。
スマホ決済が当たり前になれば、お得なシーンも増えてきて、ますますスマホ決済にメリットを感じられるようになるはずです。
これまでも、スマホでクーポンを取得して、それを店頭で見せることで割引などの対象になりましたが、スマホ決済ならその手間さえも省くことができます。
クーポンを取得しておけば、通常通りピッとスマホをかざして決済しただけで、割引額が適用されます。アプリを立ち上げてクーポンの画面を表示する手間も、プリントアウトして持ち込む手間も必要ありません。
いつでも、何度でもクーポン割引が適用されるので、オトクにお買い物を楽しめます。
そして、コンビニや家電量販店、また、ホテルやゴルフ場などにてスマホ決済でクーポン割引を取得することができるため、今ではこういったお店にてスマホ決済が一般化した要因にもなっています。
⑥セキュリティーの安全性はかなり高い
スマホ決済は世界各国で普及が進んでいるため、セキュリティー対策はほぼ万全といっていいでしょう。
実際、スマホ決済に使う端末で読み取った情報は完全に暗号化され送受信します。
そして、クレジットカード番号やお客様の情報は端末に残らないようなシステムをとっていることが多いです。カード決済の利用率、スマートフォンの保持率が上がるにつれ、セキュリティー面の配慮も増大しています。
スマホ決済の普及が進むにつれセキュリティー面も今まで以上に強化されていることは確実でしょう。
スマホ決済における5つのデメリット
ただ、こういったメリットの一方で、残念ながらデメリットがあるのも事実です。
大きく分けると、スマホ決済には5つのデメリットがあります。
以下がその5つのデメリットです。
①支払い方法に制約がある
まずは支払い方法が一括払いしか選べないという点です。
スマホ決済のサービス会社は
- 楽天ペイ
- Square(スクエア)
- PayPal Here(ペイパルヒア)
- Coiney(コイニー)
- Air Pay(エアペイ)
- d払い
などがありますが、すべての会社で一括払いしか使えません。そのため、分割払いやリボ払い、ボーナス払いなどを
利用する事ができません。
このサービスを使えばスマホ決済でも分割払いなどの利用が可能です。しかし、手間がかかってしまうのは事実と言えるでしょう。
②決済可能手段が少ない
決済可能手段とは、一つのサービスで、どのような決済手段が利用できるのかを表しています。例えば、クレジットカードや電子マネーなどが挙げられますが、Squareの場合はクレジットカードのみしか利用できません。
利用できる決済手段が多いと便利と感じる事も多いでしょう。
実際、スマホ決済は慣れるとたくさん利用するようになるので、クレジットカードしか利用できないのは、デメリットと言えるでしょう。
③電池が切れれば改札を出る際、現金で支払う必要がある
iPhoneはその機能を電力に頼っているため、外出先の電池切れには気をつけなくてはなりません。
Apple Payに登録したカード類が一切使えないとなると、文字どおり立ち往生してしまいます。
特に困るのはSuicaでしょう。電車に乗ったはいいものの、途中で電池が切れて改札を出れなくなったらどうなるのでしょう?
実際には電池残量が極僅かでも改札は通れるので、そのような心配はないと言われています。
改札から入場後に電池残量が完全になくなりサービスが利用できなくなった場合、電子マネーSuica、定期券、モバイルSuica特急券の利用でも、利用区間運賃を全額現金で支払う必要があります。
このように電池切れのトラブルに対して、鉄道会社の対応は決して甘くはないのが現実です。
クレジットカードや電子マネーが関わってくる以上、スマホ決済を使う場合、iPhoneの管理にはこれまで以上に慎重になりましょう。
④スマホ端末を機種変更する際、再登録が必要な場合がある
スマホ決済はセキュリティ保護のため、個人のアカウントとスマホやタブレットなどの端末をペアで管理しています。
そのため、機種変更をする際には一度、もともと使っていた端末で退会処理をして、改めて新しい端末で新規ユーザーとして登録をしなければならない場合があります。
また、アプリを削除し、別の機種で再度アプリをインストールする際にも注意が必要になります。アプリを削除する前に退会処理をしておかないと、アカウントデータが残ったままになってしまい再度利用するときに不具合が生じる場合がああります。
その場合には、別のメールアドレスで登録し直すか、スマホ決済会社のユーザーサポートに連絡し、退会手続きをしてから再登録しなければなりません。
⑤現時点で使えない店がまだまだある
ショッピングモールやスーパーマーケット、ドラッグストアやコンビニなど大手が運営する店やサイトではスマホ決済を使うことができます。
しかしながら、個人経営のお店などはスマホ決済にまだまだ対応していないところが多くあります。
特に、地方ではまだまだスマホ決済の認知度が低いのが現状です。
そのため、スマホアプリ決済だけでは済ませられない買い物もあり、いずれにしても財布を持ち歩かないといけないというのが実情です。
まとめ
以上、スマホ決済を導入する上でのメリットやデメリットについて解説してきました。
ただし、これはあくまでも2018年9月時点での情報です。
スマホ決済サービスはまだまだ発展途上の段階です。今あるデメリットも今後解消される可能性も十分あります。
また、せっかくスマホ決済を導入するからには、そうした新しい情報にも常に目を光らせたいところです。特に今現在は多くの会社がスマホ決済に参入し、多くのサービスが展開し始めているタイミングです。
こういた過激な競争により、今後もっと便利で低コストなサービスが登場してくる可能性もあるでしょう。
また、いずれのサービスも「導入コストは無料なのが当然だ」という流れになっていますので、迷ったときには主要なスマホ決済のサービスをすべて導入してみるというのもよいと思います。