2017年下半期の家電業界やIT業界で最もホットな話題といえば、なんといってもスマートスピーカー(AIスピーカー)でしょう。10月以降、大手企業が次々と日本市場にスマートスピーカーを投入してきており、今後も多くのメーカーが新発売を予定しています。「スマートフォンの次に来るのはスマートスピーカーだ」という声もしばしば耳にするほど大注目のデバイスだと言えます。
とはいえ日本ではまだ、スマートスピーカーの歴史ははじまったばかりです。どんなものであるか漠然と知ってはいても、スマートスピーカーの特徴や魅力を明確に説明できる人は案外少ないのではないでしょうか? そこで今回は、そんなスマートスピーカーに関する基礎知識をあらためてまとめました。
スマートスピーカーとは?
そもそも、スマートスピーカーとはどのようなデバイスなのでしょうか?
この言葉が広く知られるようになったのは、Amazonが2014年に発売した「Amazon Echo」がきっかけです。Amazon Echoが従来のスピーカーと大きく違っていたのは、ネット接続が可能なことと、音声によるアシスタント機能を持っていることの2点でした。つまり簡単に言うと、iOSの「Siri」やAndroidの「Google Assistant」のような機能を持ったスピーカーだということです。
以後ほかのメーカーもスマートスピーカーに参入しそれぞれ個性的な製品を発表してきましたが、ネット接続機能と音声アシスタント機能という2本の柱は共通です。まだ歴史の浅いデバイスなので、今後ますます多機能になりスマートスピーカーの定義が変わってくる可能性も充分に考えられますが、現時点ではこの2つの機能があるかどうかがスマートスピーカーと普通のスピーカーとの境界線といえるでしょう。
スマートスピーカーできること
現時点でできることはまだ少ない
多くの人がスマートスピーカーについて疑問に思っているのは、「スピーカーである必要がどこにあるの?」という部分かもしれません。Siriのような機能がついているだけであれば、それはスマートフォンで事足ります。なにがそれほどまでに画期的なのでしょうか?
実のところ、現時点でスマートスピーカーができることは限られています。具体的には、
・「なにか音楽を流して」と言うことで音楽を流せる
・天気予報や気象情報を訊くことができる
・スケジュール確認ができる
・アラームがわりにきまった時間に音楽を流してくれる
といった程度です。今までスマートフォンで操作しなければならなかったことが口頭でできるようになるため、効率化にはなりますが、想像もしていなかったような劇的な変化が起きるわけではありません。
今後の可能性は無限大
ただ、これはあくまでも現時点での話です。スマート家電の多くがそうであるように、スマートスピーカーも真価を発揮するのはほかのデバイスと組み合わせてからです。今後対応する機器がどんどん増えていけば、指数関数的に生活の利便性は向上するでしょう。
たとえば、スマート家電が充実していけば以下のようなことがすべて音声入力によってできるようになる可能性があります。
・訪問者をチェックして玄関の鍵を解除
・エアコンの設定温度の変更
・録画したいテレビ番組の予約
・指定した時間ちょうどに入れるように浴槽にお湯を張る
・冷蔵庫の足りなくなっている食材のチェック
つまりスマートスピーカーには、家庭内のスマート家電を統率する音声入力デバイスとしての役割が期待されているのです。平たく言うと、「スマートスピーカーに話しかければ家庭内のあらゆる家電をコントロールできる」ようになるというわけです。
昔ながらのスピーカーのイメージに囚われていると想像しづらいかもしれませんが、スマートフォンだって今では本来の電話機能ではなくそれ以外の目的で使われることが多いですよね。同じように、スマートスピーカーも本来のスピーカーという役割を離れてまったく新しい概念のデバイスに生まれ変わったものだと捉えるべきです。
日本で買える商品
さて、それでは現時点の日本ではどのようなスマートスピーカーが販売されているのでしょうか? 2017年10月時点で正式に国内発売されている機種は2つです。
Google Home
出典:GoogleHome公式ページ
真っ先に日本に参入してきたスマートスピーカーが、Google社の「GoogleHome」です。アメリカではAmazon Echoに続いて2番目のシェアを誇っており、AndroidスマートフォンでおなじみのGoogle Assistantが搭載されています。Androidユーザーがすぐに買う機種としては第一候補になるのではないでしょうか。ただし、現時点では日本で発売されている対応家電はわずかしかありません。
購入は上記公式サイトから行けるGoogleStoreか家電量販店・楽天ブックスなどで買えます。amazonはライバル視しているのか、品物がamazon内にありませんでした。参考までに楽天ブックスへのリンクを貼っておきます。
〔楽天ブックス〕Google Home(グーグル ホーム)
Clova WAVE
出典:Clova WAVE公式サイト
Google Homeと同じ日に発売されたのが、LINEの「Clova WAVE」です。日本で圧倒的なシェアを誇るLINEとあって、日本の家庭事情に合わせて開発されてきたのが特徴です。2018年初頭にもサードパーティ向けのソフトウェア開発キットを提供する予定がありますので、家電との連携という意味では今後存在感を増していくことが期待されています。
amazonでLINE MUSICとのセットで安く販売しているようですので、興味のある方はチェックしてみてください。
〔amazon〕Clova WAVE
Amazon Echo
Amazon EchoはWi-Fiでネットに接続し、ユーザーの呼び掛けに応じ、ニュースや天気などの情報を調べたり、音楽を再生したりしてくれるみたいです。
〔amazon〕Amazon Echo (Newモデル)、チャコール (ファブリック)
まとめ
ここまで見てきたように、スマートスピーカー市場はまだまだ発展途上です。紹介した2機種以外にも、年内にはAmazon Echoの国内発売が予定されていますし、他社も来年初頭までには数多くの製品を発売するようです。
選ぶ際に注意したいのは、製品のシェアを意識することです。今後スマート家電を揃えて連携していこうと考えているのであれば、対応機種の少ないフォーマットを選んでしまうとのちのち困ります。その意味では、「今すぐ欲しい!」という人以外はもう少し様子を見てもよいかもしれません。