マネーフォワード クラウド請求書は、株式会社マネーフォワードが提供するクラウドの請求書作成サービスです。法人向けの料金は利用人数で3段階に分かれ、上位のビジネスプランだけが人数無制限(4名以上は従量課金)という構造になっています。5製品の中で試用のハードルがもっとも低く、クレジットカードの登録なしで1か月使える点も特徴です。ここでは公式料金ページに記載された内容だけを使い、プランの境目、年払いと月払いの差、他製品と比べた強みと弱みを整理します。いずれも2026年9月5日時点の公表内容で、金額は税抜です。
先に要点
- 法人向けはひとり法人(1名まで)/スモールビジネス(3名まで)/ビジネス(4名以上・無制限)の3段階。初期費用は0円。
- 年払いの月あたり金額は2,480円/4,480円/6,480円。月払いは3,980円/5,980円/7,980円で、年間18,000円の差がつきます。
- ひとり法人とスモールビジネスはアカウント追加が不可。人数超過時は追加ではなくプラン変更が必要です。
- ビジネスプランは利用人数無制限で、4名以上は1名につき300円の従量課金です。
- 無料トライアルは1か月・クレジットカード登録不要。終了後に自動課金されず、データも保持されると案内されています。
どんなサービスか
公式料金ページには「初期費用0円ですぐに使える請求書ソフト」と記載されています。主な機能として挙げられているのは、見積書・納品書・請求書・領収書の作成、請求書の毎月自動作成、各帳票のワンクリック変換です。見積書を作成して受注が決まったら請求書へ変換する、という流れをボタン1つで進められる設計です。
マネーフォワード クラウドは、会計、給与、経費精算、勤怠管理、契約、債務支払といった製品群を持つシリーズです。請求書はそのうちの1つで、同じ基盤の上に乗ります。バックオフィスの各領域を同じベンダーでそろえたい会社にとっては、この一体感が選定理由になります。
逆に、請求書の発行だけが目的なら、シリーズであることの利点は限定的です。単体で使う場合の比較対象は、boardやMisoca、freee請求書の無料プランになります。その土俵では、無料プランがないぶん初期の心理的ハードルは高めです。
ただし、この心理的なハードルは無料トライアルの条件で相当に下げられています。クレジットカードの登録が不要で、期間終了後に自動課金されず、作ったデータも残る。つまり「試して合わなければ何も起きない」という設計です。無料プランのある製品と比べても、検討段階での負担はほとんど変わりません。判断すべきなのは、1か月後に月額を払い続ける価値があるかどうかの一点になります。
法人向け3プランの料金

| 項目 | ひとり法人 | スモールビジネス | ビジネス |
|---|---|---|---|
| 想定(公式の区分) | 新設法人/1名まで | 小規模企業/3名まで | 中小企業/4名以上 |
| 年払い(月あたり) | 2,480円 | 4,480円 | 6,480円 |
| 年払い(一括) | 29,760円/年 | 53,760円/年 | 77,760円/年 |
| 月払い | 3,980円/月 | 5,980円/月 | 7,980円/月 |
| 利用人数 | 1名まで | 3名まで | 無制限(4名以上は従量課金) |
| アカウント追加 | 不可 | 不可 | 4名以上は1名につき300円 |
| 初期費用 | 0円 | ||
| 無料トライアル | 1か月/クレジットカード登録不要/終了後に自動課金されずデータも保持 | ||

「アカウント追加不可」の意味
公式料金ページで、ひとり法人とスモールビジネスには「アカウント追加不可」と明記されています。これは、上限を超えた分を追加料金で足すことができない、という意味です。4人目が請求業務に関わることになったら、スモールビジネスからビジネスへプランを変更することになります。
金額でいうと、年払いの月あたりで4,480円から6,480円へ、2,000円の増加です。さらにビジネスプランでは4名以上について1名300円の従量課金が加わるため、4名で使うなら6,480円+300円=6,780円という計算になります。3名から4名になる瞬間に、月額が1.5倍になるということです。
年払いと月払いの差は年間18,000円

3プランとも、月払いは年払いより月あたり1,500円高く設定されています。12か月では18,000円の差です。公式ページのビジネスプランの表示にも「月払いより18,000円お得」と記載されています。
この差をどう評価するかは、契約の確度によります。導入初年度は運用が固まるまで月払いで様子を見るという判断もあり得ますが、その場合は年間18,000円を「柔軟性の代金」として払うことになります。ビジネスプランなら年77,760円に対して18,000円ですから、約23%の上乗せです。無料トライアルの1か月で十分に検証できるなら、年払いを選んだほうが合理的でしょう。
無料トライアルの条件がよい
公式ページには、無料トライアルについて「クレジットカード登録なしでマネーフォワード クラウドの複数サービスを試すことができ、トライアル終了後に自動課金されることはなく、データは保持されます」と記載されています。期間は1か月です。
この3点はいずれも実務上の意味があります。カード登録が不要なら、稟議を通さずに担当者レベルで試せます。自動課金されないなら、解約忘れによる想定外の請求が起きません。データが保持されるなら、トライアル中に作った請求書や取引先マスターを本契約後にそのまま使えます。
5製品の中で、この条件を明示しているのはマネーフォワード クラウド請求書だけです。boardは30日間の無料お試しがありますが、カード登録の要否は料金ページの記載からは判断できません。freee請求書の料金ページには無料トライアルの記載がありません。「まず試してから決めたい」という前提に立つなら、この差は選定に直結します。
他製品と比較した強み
- 試用のハードルが最も低い。1か月・カード登録不要・自動課金なし・データ保持と、条件が明示されています。
- ビジネスプランは人数無制限。4名以上は1名300円の従量ですが、上限がありません。Misocaはプラン1000でも同時利用30名までです。
- バックオフィス製品群と同じ基盤。会計・給与・経費精算・勤怠管理などを同じベンダーでそろえられます。
- 年払いの割引が明示されている。3プランとも年間18,000円の差が公式ページに記載されています。
- 無料プランがない。Misocaは月10通まで、freee請求書は個別発行が無料です。少量利用でも月額が発生します。
- 郵送代行の単価が公式料金ページにない。boardの195円(税込)、Misocaの210円(税抜)のような単価が確認できず、紙の送付コストを事前に見積もりにくくなります。
- 3名→4名で月額が1.5倍。アカウント追加が不可のため、上限を1名超えるだけでプラン変更になります。
- 案件管理・入金消込は範囲外の可能性。公式料金ページの主な機能に、案件損益や入金消込の自動化に相当する記載は見当たりません。
12か月の総額で他製品と並べる
「経理3名で月80通を発行する」という条件で、基本料金の年額を並べます。郵送費は各社の条件が異なるため含めていません。数値は公式料金ページの記載を12か月に換算したものです。
| 製品・プラン | 基本料金(年・税抜) | 人数の扱い | 郵送単価の公表 |
|---|---|---|---|
| マネーフォワード クラウド請求書 スモールビジネス(年払い) | 53,760円 | 3名まで/追加不可 | 公式料金ページに記載なし |
| board Basic | 28,800円 | 3名まで | 1通195円(税込・切手代込) |
| Misoca プラン100 | 33,500円 | 同時利用5名まで | 210円(税抜)/通 |
| freee請求書 スタンダード | 23,760円+送信料金57,000円〜 | ユーザー無制限 | 公式料金ページに記載なし |
基本料金だけで見ると、マネーフォワード クラウド請求書のスモールビジネスは同じ3名枠のboard Basicの約1.9倍です。この差を埋める理由があるとすれば、シリーズ製品との一体運用か、無料トライアルの条件の良さになります。請求書の発行だけを単体で使う前提なら、価格面では不利です。
シリーズでそろえる価値をどう測るか
マネーフォワード クラウド請求書を検討する会社の多くは、同シリーズの会計や経費精算をすでに使っているか、これから導入しようとしています。「同じベンダーでそろえたほうがよい」という判断は直感的に理解しやすいのですが、金額で説明できないと稟議は通りません。ここを言語化しておきます。
そろえることで実際に減るのは、次の3つです。第一に、システム間のデータ受け渡しの手間。請求データを書き出して会計へ取り込む作業がなくなれば、月次の締めが早くなります。第二に、マスターの二重管理。取引先の情報を請求側と会計側の両方で保守する必要がなくなります。第三に、問い合わせ窓口の分散。トラブル時に「どちらの製品の問題か」を切り分ける作業が減ります。
逆に、そろえても減らないものもあります。帳票のレイアウト調整、取引先ごとの送付方法の管理、入金の消し込み判断。これらは製品の組み合わせではなく、業務設計の問題です。「シリーズでそろえれば楽になる」と期待しすぎると、導入後に落差を感じます。
判断の材料としては、月次の締めにかかっている日数を数えるのが早い方法です。請求データの転記に半日かかっているなら、その半日が消える価値と、他製品との年間差額(board Basicとの比較で約25,000円)を並べてください。半日の人件費が年間で25,000円を超えるなら、金額としては見合います。
請求書の毎月自動作成をどう使うか
公式ページの主な機能に「請求書の毎月自動作成」が挙げられています。継続課金や保守契約のように、毎月同じ内容を請求する取引がある会社では、この機能の有無が作業量を大きく左右します。
自動作成が効くのは、金額と明細が固定されている契約です。月額いくらの保守料、月額いくらの利用料といった請求は、初回に登録すれば以降は自動で生成されます。担当者がやることは、生成された内容を確認して送付することだけになります。
一方、毎月金額が変わる取引には向きません。実績に応じて金額が決まる従量契約や、案件ごとに内容が違う受託業務では、結局は手入力が発生します。自社の請求のうち何割が固定で何割が変動かを数えておくと、この機能でどれだけ楽になるかが見積もれます。固定が7割を超えるなら、導入効果は大きいと考えてよいでしょう。
あわせて確認したいのが、自動作成の停止と再開です。契約が終了した取引先の自動作成を止め忘れると、不要な請求書が生成されます。運用としては、契約の解約時に請求側の設定も止める手順を決めておく必要があります。システムの機能ではなく、社内ルールで担保する部分です。
向いている会社・向いていない会社
- マネーフォワード クラウドの会計・給与・経費精算などをすでに使っている
- 稟議の前に、カード登録なしで実物を試したい
- 請求に関わる人数が4名以上で、今後も増える見込みがある
- 年払いにして単価を下げたい
- 複数のバックオフィス製品を同じ画面構成でそろえたい
- 月10通程度で、費用をゼロに抑えたい
- 郵送が多く、送付コストまで契約前に確定させたい
- 人数が3名前後で、プラン変更の跳ね上がりを避けたい
- 案件の損益管理まで同じ画面で扱いたい
- 入金消込の自動化を最優先で求めている
1か月のトライアルで何を確かめるか
カード登録なしで1か月試せるのは大きな利点ですが、漫然と触っているだけでは1か月が過ぎます。検証項目を先に決めておくと、期間内に結論が出せます。
最初の1週間で確認したいのは、帳票のレイアウトです。実際の取引先1社分の請求書を作り、PDFで出力して先方の指定項目がすべて載るかを見ます。項目が足りない、あるいは自由記入欄が使えないと分かった時点で、その製品は候補から外れます。ここで時間を使うのがもっとも効率的です。
次の1週間は、送付の手順を通します。社内のテスト用アドレスへメールで送り、宛先・件名・本文が自社の運用に合わせられるかを確認します。あわせて、受け取った側にどう見えるかもチェックしてください。取引先が最初に目にする画面です。
3週目には、毎月自動作成と帳票のワンクリック変換を試します。見積書から請求書への変換が意図どおりに動くか、定期請求が翌月分を正しく生成するか。ここまで通れば、日常の運用は回ると判断できます。
最後の1週間は、データの書き出しです。請求データを出力して、会計ソフトへ取り込める形式になっているかを確認します。この工程は解約時にも同じ手順を使うため、早い段階で試しておく価値があります。トライアル終了後もデータは保持されると案内されているため、本契約後に作り直す必要はありません。
個人事業主の場合
公式料金ページには「個人」と「法人」のタブがあり、この記事で扱っているのは法人タブの内容です。個人事業主向けの料金は別の区分になっており、法人向けの3プランとは条件が異なります。個人事業主として契約する場合は、個人タブの内容を確認してください。
法人・個人のどちらで契約するかによって、使える機能や料金が変わる可能性があります。この記事の調査範囲では個人向けの詳細は確認していないため、推測での補足はしません。
導入前に確認すること
| 確認すること | なぜ効くのか | 確認の方法 |
|---|---|---|
| 請求業務に関わる人数 | 3名と4名でプランが変わり、月額が1.5倍になる | 書類の作成・確認・送付に関わる人を数える |
| 郵送の有無と件数 | 公式料金ページに単価の記載がないため、総額が見積もれない | 問い合わせで単価を確認する |
| 年払いか月払いか | 年間18,000円の差がつく | 1か月のトライアルで運用が固まるかを確認する |
| 他のクラウド製品の利用状況 | シリーズでそろえる利点があるかどうかが変わる | 会計・給与・経費精算の契約を棚卸しする |
| 帳票レイアウト | 取引先の指定様式に合わせられるか | トライアルで実際に出力する |
| データの書き出し | 乗り換え時に請求履歴を持ち出せるか | トライアル中に一括出力を試す |
2つ目は特に重要です。郵送の比率が高い会社では、基本料金より郵送費のほうが大きくなることがあります。boardやMisocaは単価を公表しているため事前に計算できますが、マネーフォワード クラウド請求書は問い合わせが必要です。比較表を金額で埋めたいなら、この確認を先に済ませてください。
解約とプラン変更で確認すること
無料トライアルについては、終了後に自動課金されずデータも保持されると明記されています。この点は安心材料です。一方で、有償契約後の解約手続き、年払い契約を途中で解約した場合の扱い、プラン変更の反映タイミングについては、公式料金ページの範囲では確認できませんでした。
年払いは12か月分を一括で支払う形です。途中で使わなくなった場合の返金や、残期間の扱いがどうなるかは、契約前に確認しておくべき項目になります。この記事では、公式ページに記載のない事項を推測で補うことはしません。申し込みの前に、提供会社へ直接確認してください。
導入後に効いてくる運用の設計
請求書の発行を止めるものは、たいていシステムの外側にあります。マネーフォワード クラウド請求書を入れたあとで詰まりやすい箇所を、あらかじめ挙げておきます。
ひとつは、締め日と支払サイトの管理です。取引先ごとに締め日が違い、支払サイトも30日後・60日後と分かれるのが普通です。この情報を請求書の作成時に毎回確認していると、月末の作業が長引きます。取引先マスターに締め日と支払サイトを登録し、請求書の作成時に自動で反映される状態にしておくことが、実務上いちばん効きます。
もうひとつは、消費税の端数処理です。切り捨て・切り上げ・四捨五入のどれを使うかは、取引先との取り決めによります。設定を統一しておかないと、先方の計算と数円ずれ、そのたびに問い合わせが発生します。数円の差でも、確認の手間は1件あたり数分かかります。導入時に社内の標準を決め、例外がある取引先だけ個別に設定してください。
3つ目は、送付方法の記録です。この取引先はメール、この取引先は郵送、この取引先は先方のポータルへのアップロードといった具合に、送付経路が分かれるのが実情です。どこへどう送るかを担当者の記憶に頼っていると、担当が変わったときに止まります。取引先マスターに送付方法を書いておくだけで、引き継ぎの負担が大きく減ります。
これらはいずれも、システムの機能ではなくマスターの設計です。無料トライアルの1か月のうちに、実際の取引先を10社ほど登録してみると、必要な項目が見えてきます。本契約後にまとめて登録するより、試用中に設計しておくほうが手戻りがありません。
よくある質問
マネーフォワード クラウド請求書に無料プランはありますか
公式料金ページ(法人)に無料プランの記載はありません。無料トライアルが1か月用意されています。
料金はいくらですか
法人向けの年払いで、ひとり法人が月2,480円(一括29,760円/年)、スモールビジネスが月4,480円(53,760円/年)、ビジネスが月6,480円(77,760円/年)です。いずれも税抜で、初期費用は0円です。
何人まで使えますか
ひとり法人は1名まで、スモールビジネスは3名まで、ビジネスは無制限(4名以上は1名につき300円)と記載されています。
アカウントを追加できますか
ひとり法人とスモールビジネスは「アカウント追加不可」と記載されています。追加が必要な場合はビジネスプランへの変更になります。
年払いにするとどれくらい安くなりますか
3プランとも、月払いより年間18,000円安くなります(月あたり1,500円の差)。
無料トライアルにクレジットカードは必要ですか
不要です。トライアル終了後に自動課金されることはなく、データも保持されると案内されています。
郵送代行はいくらですか
公式料金ページに単価の記載がありません。郵送の費用を見積もる必要がある場合は、提供会社へ確認してください。
出典(2026年9月5日確認)
- マネーフォワード「クラウド請求書 中小企業向け料金プラン」(法人向け3プランの料金、利用人数、アカウント追加、無料トライアルの条件、主な機能)
- マネーフォワード「価格・料金プラン」(シリーズ全体の料金構成)
料金・機能・条件は改定されます。申し込みの前に、必ず公式サイトで最新の内容を確認してください。公式ページに記載がない項目は「記載なし」として扱い、推測では補っていません。

