法人向けクラウドストレージ比較|課金の型・容量の数え方・逆転する人数を現行5製品で検証【2026年】

法人向けクラウドストレージ5製品を比較、課金の型・容量の数え方・逆転する人数と書かれたアイキャッチ画像

法人向けのクラウドストレージは、どれも「安全にファイルを共有できる」と書いてあります。ところが公式の料金ページを並べると、何が増えると料金が上がるのかが製品ごとに逆だと分かります。1人増えるたびに上がるもの、容量が増えたときだけ上がるもの、そして「容量無制限」と書いてあるもの。この記事では、現在申し込める5製品の公式料金ページを2026年9月10日に確認し、課金の型、容量の数え方、人数を変えたときの総額、管理機能の差を同じ土俵に並べます。

先に結論

  • 課金の型は3つ。ユーザー課金・容量無制限(Box)ユーザー課金・容量はプール(Dropbox/Google Workspace/Microsoft 365)容量課金・ユーザー無制限(セキュアSAMBA)
  • 少人数で大きなデータを扱うならBox。全プランで「ストレージ容量無制限」と明記されています。
  • メールやOfficeアプリを一緒に契約するならGoogle WorkspaceかMicrosoft 365。ストレージは1人あたりで付いてきます。
  • 人数が多く、1人あたりの容量が少ないならセキュアSAMBA。有料プランはユーザー数無制限です。
  • 容量500GBで足りるなら、Boxは20人目、Google Workspaceは22人目、Dropboxは24人目、Microsoft 365 Business Basicは34人目で、セキュアSAMBAのほうが安くなります。

掲載・除外基準

2026年9月10日時点で、各社の日本語の公式料金ページから法人向けプランの金額を確認できる製品を掲載しています。金額が「お問い合わせ」だけで公開されていない製品、料金ページから金額を読み取れなかった製品は、比較の土俵に載せられないため今回は除外しました。

個人向けプラン(Dropbox Plus、Microsoft 365 Personal など)は法人利用を前提にしていないため、比較表では法人向けプランだけを扱い、個人向けは参考として触れるにとどめています。掲載順は課金の型ごとにまとめた並びで、広告契約の有無は反映していません。

金額の表示基準がそろっていません。Boxは税込、Microsoft 365とセキュアSAMBAは税抜と明記されています。DropboxとGoogle Workspaceは、公式の料金ページで税の区分を確認できませんでした。この記事では、確認できたものはそのまま書き、比較の計算では基準をそろえたうえで、そろえ方も明記します。

キャンペーン価格(Google Workspaceの3か月割引など)は期間限定のため、比較の基準には使っていません。

5製品を用途別に見る

少人数・大容量Box

全プランで容量無制限。プランで変わるのは1ファイルのアップロード上限と管理機能。最低購入ユーザー数は3名。

チームで共有プールDropbox

チーム全体で5TB(Standard)を分け合う形。3人以上から。復元できる期間がプランで180日と1年に分かれる。

メールごと移すGoogle Workspace

1人あたり30GB/2TB/5TBのストレージプール。Starter〜Plusは最大300人まで。

Officeと一体Microsoft 365 Business

3プランとも1人あたり1TB。差はアプリとセキュリティ機能の側にある。最大300ユーザー。

人数が多いセキュアSAMBA

容量で決まる定額。有料プランはユーザー数無制限。300GBから3TBまでのプランが公開されている。

全製品のスペック比較

法人向けクラウドストレージ5製品の比較(各社公式料金ページ/2026年9月10日確認)
製品提供課金の単位公表されている料金容量人数の下限・上限税の区分
BoxBox Japan1ユーザー/月Business 月払い2,085円・年払い1,980円/Business Plus 3,474円・3,300円/Enterprise 4,864円・4,620円全プラン「ストレージ容量無制限」最低購入ユーザー数3名税込と明記
DropboxDropbox1ユーザー/月Standard 1,500円/Advanced 2,400円Standardはチーム全体で5TB、Advancedはチーム全体で15TB〜3人以上用公式ページで確認できず
Google WorkspaceGoogle1ユーザー/月Business Starter 800円/Standard 1,600円/Plus 2,500円(年間プラン)1人あたり30GB/2TB/5TBのストレージプールStarter〜Plusは最大300人。Enterpriseは上限・下限なし公式ページで確認できず
Microsoft 365 BusinessMicrosoft1ユーザー/月相当(年払い)Business Basic 1,049円/Business Standard 3,523円/Business Premium 4,797円3プランとも1人あたり1TB最大300ユーザー「価格には消費税は含まれていません」と明記
セキュアSAMBA株式会社kubellストレージ容量/月300GB 25,000円/500GB 35,000円/1TB 48,000円/3TB 88,000円プランごとの定額容量。4TB以上は問い合わせ有料プランはユーザー数無制限。フリーは10名「表示価格はすべて税抜き価格です」と明記

この表だけでも、比較のときに何をそろえないといけないかが見えてきます。料金の単位(人か容量か)、容量の数え方(1人あたりか全社合計か)、税の区分の3つです。順に見ていきます。

課金の型が3つに分かれる

ユーザー課金で容量無制限、ユーザー課金で容量はプール、容量課金でユーザー無制限という3つの課金の型を、該当する製品とともに並べた比較図
各社の公式料金ページに書かれている課金の単位で分類したもの(2026年9月10日確認)

ユーザー課金・容量無制限(Box)

Boxの料金ページは、Business、Business Plus、Enterprise、Enterprise Plus、Enterprise Advancedのすべてに「ストレージ容量無制限」と記載しています。プランで変わるのは1ファイルのアップロード容量上限で、Businessが5GB、Business Plusが15GB、Enterpriseが50GB、Enterprise Plusが150GB、Enterprise Advancedが最大500GBです。

つまりBoxでは、「全部でどれだけ入るか」ではなく「1本のファイルがどこまで大きくできるか」でプランを選ぶことになります。設計データや動画のように単体が大きいファイルを扱う部門では、この上限が実質的な選定条件になります。どのプランも最低購入ユーザー数は3名です。

ユーザー課金・容量はプール(Dropbox/Google Workspace/Microsoft 365)

この3つは1ユーザーあたりの月額という点は同じですが、容量の付き方が違います。Dropboxは「チーム全体で5TBのストレージ」(Standard)と、全社の合計で示します。Google Workspaceは「ユーザー1人あたりのストレージプール」として、Business Starterで30GB、Standardで2TB、Plusで5TBと示します。Microsoft 365 Businessは3プランとも「ユーザー1人あたり1TB」です。

同じ「TB」という単位でも、Dropboxの5TBは全社の合計、Google Workspaceの2TBは1人あたりです。10人で契約したとき、前者は合計5TB、後者は合計20TB相当という差になります。

容量課金・ユーザー無制限(セキュアSAMBA)

セキュアSAMBAの料金ページは、プランを容量で区切っています。300GBのプランが25,000円、500GBが35,000円、1TBが48,000円、3TBが88,000円(いずれも税抜・月額)です。そして「有料プランなら『ユーザー数無制限』で利用可能」と明記されています。ファイルサイズの上限は全プランで100GBです。

この型では、従業員が何人増えても月額は変わりません。増えるとしたら容量のほうで、そのときは上のプランへ移ることになります。

人数を変えると総額はどう動くか

5人から100人まで人数を変えたときの月額合計を、4製品の棒グラフとセキュアSAMBAの定額の横線で比較した図
公表単価から計算した月額合計。セキュアSAMBAは容量500GBの定額(2026年9月10日確認)

計算の前提をそろえます。Boxは税込1,980円(年払い)が公表値なので、消費税10%で割り戻した1,800円を使いました。Microsoft 365 Business Basicは税抜1,049円、セキュアSAMBAは税抜35,000円(500GB)です。DropboxとGoogle Workspaceは税の区分を確認できなかったため、公表額をそのまま使っています。

人数別の月額合計(税抜ベース・容量は各製品の標準プラン)
人数Box Business
1,800円/人
Dropbox Standard
1,500円/人
Google Workspace Standard
1,600円/人
Microsoft 365 Business Basic
1,049円/人
セキュアSAMBA
500GB定額
5人9,000円7,500円8,000円5,245円35,000円
10人18,000円15,000円16,000円10,490円35,000円
20人36,000円30,000円32,000円20,980円35,000円
30人54,000円45,000円48,000円31,470円35,000円
50人90,000円75,000円80,000円52,450円35,000円
100人180,000円150,000円160,000円104,900円35,000円

逆転する人数を割り算で出すと、Boxは35,000÷1,800で19.4人、Google Workspace Standardは35,000÷1,600で21.9人、Dropbox Standardは35,000÷1,500で23.3人、Microsoft 365 Business Basicは35,000÷1,049で33.4人です。それぞれ20人目、22人目、24人目、34人目から、容量課金のほうが安くなります。

ただし、この比較は容量500GBで足りることが前提です。Google Workspace Standardなら1人あたり2TBなので、30人で契約すれば合計60TB相当のプールになります。500GBとは桁が2つ違います。安いほうを選ぶ前に、自社が実際に使っている容量を確認してください。

ファイルサーバーの使用量は、多くの場合はエクスプローラーのプロパティか、NASの管理画面で確認できます。今の使用量に加えて、年間でどれだけ増えたかも見ておくと、次のプランに移る時期を見積もれます。

「容量」の意味は3通りある

Box・Dropbox・Google Workspace・Microsoft 365・セキュアSAMBAの容量の数え方を、無制限・全社プール・1人あたり・定額容量に分けて帯で並べた図
各社の公式料金ページに書かれている容量の記載を、数え方で分類したもの(2026年9月10日確認)

見積書を並べたときに最初にそろえるべきなのが、この単位です。同じ「2TB」でも、1人あたりなのか全社合計なのかで意味が変わります。

容量の数え方と、10人で契約したときの目安
製品・プラン公式の記載数え方10人で契約したときの合計の目安
Box Businessストレージ容量無制限上限なし上限なし(1ファイル5GBまで)
Dropbox Standardチーム全体で5TBのストレージ全社プール合計5TB
Dropbox Advancedチーム全体で15TB〜全社プール合計15TB〜
Google Workspace Starterユーザー1人あたり30GBのストレージプール1人あたり合計300GB相当
Google Workspace Standard1人あたり2TB1人あたり合計20TB相当
Microsoft 365 Business Basicユーザー1人あたり1TBのクラウドストレージ1人あたり合計10TB相当
セキュアSAMBA ビジネス500GB全社の定額容量合計500GB

Google Workspaceの料金ページには「Google Workspaceでは、組織内で共有できる柔軟なストレージプールが各ユーザーに提供されます」という注記があります。1人あたりの数字を人数分だけ足したものが、組織で共有できるプールになるという考え方です。

ファイルサーバーからの移行を考えているなら、いま使っている容量を先に測っておいてください。500GBを超えているのに300GBのプランで見積もっている、という食い違いは実際によく起こります。移行の進め方はクラウドストレージへの移行と運用にまとめています。

プランの段を上げると、何が増えるのか

どの製品も複数のプランを用意していますが、上の段で増えるものは製品ごとに違います。「容量が増える」と思って上げたら、増えたのは別のものだった、ということが起こります。公式ページの記載から、段ごとに何が変わるかを整理します。

Box:ファイルの上限とコンプライアンスが上がる

Boxは容量が全プラン無制限なので、段を上げても容量は変わりません。増えるのは3つです。ひとつめが1ファイルのアップロード上限で、Business 5GB、Business Plus 15GB、Enterprise 50GB、Enterprise Plus 150GB、Enterprise Advanced 最大500GBと段階的に上がります。ふたつめが外部のコラボレータの扱いで、Businessは「外部のコラボレータ(1名ごとに課金)」、Business Plus以上は「外部のコラボレータ:上限なし」です。社外と日常的にファイルをやり取りするなら、ここがBusiness Plusを選ぶ理由になります。

3つめがコンプライアンスとAPIです。Businessは「ビルトインのセキュリティと、SOC 1/2/3コンプライアンスをサポート」で月当たりのAPIコール数が50,000、Business Plusはこれに「高度な管理とコントロール」が加わり、Enterpriseでは「FedRAMP Moderate、HIPAA、SOC 1/2/3コンプライアンスをサポート」となりAPIコール数が100,000になります。EnterpriseにはBox Hubs(コンテンツポータル)とAIユニット1000も含まれます。年払いを選ぶと5%割引になる点も料金ページに明記されています。

Dropbox:復元できる期間と暗号化が変わる

Dropboxで段を上げると、容量はチーム全体で5TBから15TB〜へ増えます。それ以上に実務で効くのが、削除したファイルを復元できる期間です。Standardは180日、Advancedは1年と記載されています。参考までに個人向けのPlus(月1,200円)は30日です。誤削除に気づくのが四半期の締めや年度末になる会社では、この期間がそのまま復旧できるかどうかを決めます。

Advancedではさらに、エンドツーエンド暗号化、階層化された管理者役割、高度なキーマネジメント、コンプライアンスのトラッキング、シングルサインオンが加わります。ファイル転送の上限はStandardもAdvancedも最大100GBで同じです(個人向けPlusは50GB)。無料のBasicは2GBで、法人利用の検証には向きません。

Google Workspace:容量と会議人数が同時に動く

Google Workspaceは、段を上げると容量と会議の規模が一緒に動きます。Business Starterは1人あたり30GBでビデオ会議は100人まで、Standardは2TBで150人まで(録画とノイズキャンセリングあり)、Plusは5TBで500人まで(出欠状況の確認あり)です。Enterpriseは5TBでドメイン内ライブストリーミング対応、1,000人までとなっています。

Standardで加わるものには、Google WorkspaceドキュメントとPDFの電子署名、データ移行時に使えるGoogle Workspace Migrateツールがあります。移行ツールがStandard以上という点は、ファイルサーバーからの移行を計画しているなら見落とせません。Plusではさらに、電子情報開示への対応、Vaultでのデータ保持・アーカイブ・検索、セキュアLDAP、高度なエンドポイント管理が加わります。請求はすべてのプランで月単位と明記されています。

Microsoft 365 Business:容量は変わらず、アプリと保護が変わる

Microsoft 365 Businessの3プランは、クラウドストレージがいずれも「ユーザー1人あたり1TB」で同じです。段を上げて増えるのはアプリとセキュリティの側です。Business Basicは「Web版とモバイル版のWord、Excel、PowerPoint、Outlook」で、Business Standardになると「デスクトップ、Web、モバイル版」になります。BasicとStandardの差額1か月あたり2,474円は、ほぼデスクトップ版アプリとCopilotの分だと読めます。

Business Premiumでさらに加わるのは、「最大300ユーザーまで対応する、ポリシーベースのIDおよびアクセス管理」「会社のデバイスを保護する、デバイスセキュリティと管理」「フィッシング、マルウェア、サイバー攻撃を防ぐ、脅威に対する高度な保護」「機密データの検出、分類、保護」です。メールボックスの容量も比較表に記載があり、Business Premiumは「ユーザーごとにプライマリ100GBとアーカイブ1.5TB」、BasicとStandardは「プライマリ100GBとアーカイブ50GB」となっています。

セキュアSAMBA:容量だけが動き、機能は据え置き

セキュアSAMBAは他の4製品と構造が違います。有料プランの間で変わるのは容量だけで、ユーザー数無制限、ファイルサイズ上限100GB、ログ無期限、ランサムウェア対策あり、共有リンク無制限、メール+電話サポートは300GBのプランから3TBのプランまで共通です。「機能で悩まず、容量だけで選べる」という設計になっています。

料金表には「Chatworkユーザー特別プラン」(300GB・月25,000円)という段があり、注記で「Chatworkアカウントをお持ちの方、新規作成いただける方限定のプランとなります」と説明されています。セキュアSAMBAを提供する株式会社kubellストレージは、東証グロース上場の株式会社kubellのグループ会社です。すでにChatworkを使っている会社なら、この段が入口になります。

段を上げたときに増えるもの(各社の公式料金ページの記載から)
製品容量ファイルの上限管理・セキュリティその他
Box変わらない(全プラン無制限)5GB→15GB→50GB→150GB→500GBSOC 1/2/3 →高度な管理→FedRAMP Moderate・HIPAA外部コラボレータが上限なしに、APIコール50,000→100,000
Dropboxチーム5TB→15TB〜変わらない(100GB)エンドツーエンド暗号化、SSO、コンプライアンストラッキング復元期間180日→1年
Google Workspace30GB→2TB→5TB(1人あたり)Vault、セキュアLDAP、高度なエンドポイント管理会議100人→150人→500人、電子署名とMigrateツールはStandard以上
Microsoft 365 Business変わらない(1人1TB)ポリシーベースのID管理、デバイス管理、高度な脅威保護Web/モバイル→デスクトップ版アプリ、アーカイブ50GB→1.5TB
セキュアSAMBA300GB→500GB→1TB→3TB変わらない(100GB)変わらない(有料プランは共通)有料プランはユーザー数無制限で共通

金額を読むときに引っかかりやすい3点

年払いにするといくら変わるのか

Boxの料金ページには「年払い 割引 5%」と明示されています。表示されている2つの金額のうち、低いほうが年払いの金額です。Businessは月払い2,085円に対して年払い1,980円、Business Plusは3,474円に対して3,300円、Enterpriseは4,864円に対して4,620円(いずれも税込・1ユーザーあたり月額)です。

Boxで年払いを選んだときの差額(税込・1ユーザーあたり月額の差 ×12か月)
プラン月払い年払い1人あたり年間の差10人での年間の差30人での年間の差
Business2,085円1,980円1,260円12,600円37,800円
Business Plus3,474円3,300円2,088円20,880円62,640円
Enterprise4,864円4,620円2,928円29,280円87,840円

30人でEnterpriseなら年間で約8.8万円の差です。ただし年払いは、途中で人数を減らしても払い戻せるとは限りません。増員の予定が固いなら年払い、人数が動くなら月払いという判断になります。Google WorkspaceとMicrosoft 365はそもそも年間プランの金額が基準として示されており、Microsoftは「年間サブスクリプション – 自動更新」と明記しています。

キャンペーン価格を基準にしない

Google Workspaceの料金ページには、確認時点で「最大 Google Workspace の最初の3か月間が30%オフ」というキャンペーンが表示されていました。Starterは¥560と¥800、Standardは¥1,120と¥1,600、Plusは¥2,000と¥2,500という2つの数字が並んでいます。低いほうがキャンペーン価格です。

注意すべきは注記です。「Google Workspaceの新規のお客様のみが対象となります。このお試し価格は、最初に追加された20ユーザーについて12か月間に限り提供されるものです。12か月を過ぎると、すべてのユーザーに標準料金が適用されます。」つまり対象は新規のみ、最初の20ユーザーのみ、12か月限りです。21人目以降と13か月目からは標準料金になります。3年で見る総額を、キャンペーン価格で計算しないでください。

300人の上限に当たったらどうなるか

Google WorkspaceのBusiness Starter、Standard、Plusは「最大300人のユーザーにご利用いただけます」と記載され、Enterpriseの各プランには上限・下限がないとされています。Microsoft 365 Businessの3プランも「最大300ユーザー」です。

従業員300人というのは、成長企業なら数年で届く規模です。そして上限に当たったときの移行先であるGoogle Workspace Enterpriseは、料金ページで「お問い合わせ」となっており金額が公開されていません。300人が視野に入っている会社は、上限に当たったあとの単価を先に確認しておくのが安全です。この点で、ユーザー数無制限のセキュアSAMBAや、最低3名という下限だけを置くBoxは、人数の上限を気にしなくてよい設計になっています。

見積もりを取る前に決めておく4つの数字

ここまでの比較を自社に当てはめるには、先に4つの数字を出しておく必要があります。営業に会う前にこれがあるかどうかで、話の精度がまったく変わります。

1.いま使っている容量

ファイルサーバーやNASの使用量。切りのいい数字ではなく実測値で。500GBを少し超えているかどうかで、選ぶプランの段が変わります。

2.1年でどれだけ増えたか

去年の同じ時期との差。年10%増なら3年で1.33倍です。契約期間中に次の段へ移る時期を見積もれます。

3.アカウントを持つ人数

正社員だけでなく、パート、業務委託、外部の協力会社を含めた実数。ユーザー課金では、この数がそのまま月額に効きます。

4.いちばん大きいファイルのサイズ

設計データ、動画、スキャンした図面など。Boxはプランごとに5GB〜500GBの上限があり、セキュアSAMBAは全プラン100GBです。

この4つが出れば、あとは表に当てはめるだけです。逆にこれが無いまま複数社に見積もりを依頼すると、各社が別々の前提で数字を出してきて比較になりません。手順はクラウドストレージの選び方に落としてあります。

製品ごとの強みと弱み

ここでの強み・弱みは、公式の料金ページと機能ページに書かれている内容から、他の4製品と比べたときに差が出る点だけを挙げています。使い勝手の評価や、確認できない優位性は含めていません。

Box

  • 強み全プランで容量無制限。データ量が読めない段階でも、容量超過で止まる心配がない。
  • 強みプランを上げると1ファイルの上限が5GB→15GB→50GB→150GB→500GBと段階的に上がる。大きな単体ファイルを扱う部門に合わせやすい。
  • 弱み1ユーザーあたりの単価が5製品のなかでは高い部類。人数が増えるほど総額が伸びる。
  • 弱み最低購入ユーザー数が3名。1人や2人では契約できない。

Dropbox

  • 強み削除したファイルを復元できる期間がStandardで180日、Advancedで1年。誤削除に気づくのが遅れても戻せる幅が広い。
  • 強みAdvancedでエンドツーエンド暗号化、シングルサインオン、コンプライアンスのトラッキングが使える。
  • 弱み容量がチーム全体のプール。人数が増えると1人あたりの取り分が減る。
  • 弱み公式の料金ページで税の区分を確認できなかった。見積もり時に必ず確認が要る。

Google Workspace

  • 強みストレージ単体ではなく、独自ドメインのメール、ビデオ会議、ドキュメントが一緒に付く。ストレージだけを別契約する必要がない。
  • 強みBusiness Standard以上で1人あたり2TB。人数が少なくても合計容量が確保しやすい。
  • 弱みBusiness Starterは1人あたり30GB。ファイルサーバーの置き換えには足りないことが多い。
  • 弱みStarter〜Plusは最大300人。それを超えるとEnterpriseとなり、料金は問い合わせになる。

Microsoft 365 Business

  • 強み3プランとも1人あたり1TB。プラン選びで容量に迷わない。
  • 強みBusiness Premiumでデバイスセキュリティと管理、脅威に対する高度な保護、機密データの検出・分類・保護が付く。
  • 弱みBusiness StandardとPremiumはCopilot Businessを含む構成で、ストレージだけが目的だと単価が上がる。
  • 弱み最大300ユーザー。上限を超える規模では別のプランを検討することになる。

セキュアSAMBA

  • 強み有料プランはユーザー数無制限。人数が増えても月額が変わらない。
  • 強みファイルサイズの上限が全プランで100GB。大きなファイルを送る場面で引っかかりにくい。
  • 弱み容量の定額制のため、少人数で使うと1人あたりの単価が高くなる。5人なら1人7,000円相当。
  • 弱みメールやOfficeアプリは含まれない。ストレージ単体の契約になる。

管理機能とセキュリティで差が出るところ

料金だけで決めると、あとから「その機能は上のプランでした」となりがちな領域です。公式ページで確認できた範囲を並べます。

管理・セキュリティ関連の記載(公式ページで確認できた範囲)
項目BoxDropboxGoogle WorkspaceMicrosoft 365セキュアSAMBA
シングルサインオンAdvancedに記載Business Plusにセキュア LDAP の記載Business Premiumで「ポリシーベースのIDおよびアクセス管理」
操作ログフリーは閲覧不可、有料は無期限
ランサムウェア対策Business Premiumで脅威に対する高度な保護フリーは×、有料プランは○
コンプライアンスBusinessは SOC 1/2/3、Enterpriseは FedRAMP Moderate・HIPAAAdvancedでコンプライアンスのトラッキングBusiness Plusで電子情報開示、VaultBusiness Premiumで機密データの検出・分類・保護
共有リンクBusiness Plus以上で外部コラボレータ上限なしStandard以上でパスワード保護ファイルフリーは同時20個まで、有料は無制限
サポートStandard以上で営業時間内の電話サポートEnterpriseでエンハンストサポート電話/Webサポートをいつでも利用可能フリーはメール、有料はメール+電話

表の「—」は、その製品の公式料金ページで該当する記載を確認できなかったことを示します。機能が無いという意味ではありません。各社は料金ページに載せる項目を選んでいるため、載っていない機能が別のページで案内されていることがあります。導入を決める前に、必要な機能名で公式サイトを検索してください。管理機能の見方はクラウドストレージの管理機能とセキュリティで詳しく扱っています。

Boxの日本語の料金ページの画面。Business、Business Plus、Enterpriseのプランカードが並んでいる
Box「Boxサービスの価格 – 法人向け・個人向け」(Box Japan/2026年9月10日確認)

無料で試せる範囲

本格的に契約する前に、どこまで無料で確認できるかも製品によって違います。

無料プラン・無料トライアルの記載
製品無料で使える範囲
Box各プランに「14日間無料で試す」の案内
DropboxBasicが無料で2GB。Standard・Advancedは無料トライアルの案内
Google Workspace各プランに「14日間無料」の案内
Microsoft 365 BusinessBusiness Basic・Standard・Premiumに「無料で試す」の案内
セキュアSAMBAフリープランが0円。容量2GB、ユーザー10名、ファイルサイズ上限100GB、共有リンクは同時20個まで、ログは閲覧不可

注目したいのは、セキュアSAMBAのフリープランが期間ではなく機能で区切られている点です。有料プランと同じファイルサイズ上限100GBのまま、容量と人数、ログの閲覧、ランサムウェア対策が制限されます。「大きなファイルが送れるか」を試すには向き、「ログをどう見るか」を試すには向きません。無料期間の使い方はクラウドストレージの選び方で手順にしています。

セキュアSAMBAの料金プランのページの画面。フリーからエンタープライズ3TBまでの容量と月額が表で並んでいる
セキュアSAMBA「セキュアSAMBAの料金プラン」(株式会社kubellストレージ/2026年9月10日確認)

社外へ渡す手段として見る

クラウドストレージを検討する理由が「パスワード付きZIPを添付するやり方をやめたい」である会社は少なくありません。この観点で見ると、比較軸は容量ではなく共有リンクの扱いになります。

セキュアSAMBAは料金表で共有リンクの発行数を明示しており、フリープランは「同時に20個まで」、有料プランは「無制限」です。同社の特集ページにも「超脱却!PPAP(パスワード付ZIPファイル送信)」という項目が置かれています。Boxは外部のコラボレータの扱いをプランの差にしており、Businessは1名ごとに課金、Business Plus以上は上限なしです。Dropboxはパスワード保護ファイルをStandard以上の機能として挙げています。

社外とのやり取りが多い会社ほど、この欄が月額を左右します。Boxで外部の取引先が10社あるなら、Businessのまま外部コラボレータを課金で足すのか、Business Plusへ上げるのかで総額が変わります。共有の設計は管理機能とセキュリティで扱っています。

解約と持ち出しで見るところ

導入時にはあまり見ませんが、契約を終えるときの条件は先に確認する価値があります。今回の5製品では、解約手続きと違約金の条件を公式の料金ページから読み取ることはできませんでした。確認できなかったことは、確認できなかったと書きます。契約前に営業担当か契約書で確かめてください。

一方、料金ページから読み取れるものもあります。Dropboxは削除したファイルの復元期間をStandardで180日、Advancedで1年と示しています。セキュアSAMBAはオプションとして「バックアップ(東京リージョン)」を挙げ、メインデータ領域とは別にバックアップ領域を構築して日次5世代(過去5日分)の差分バックアップを取得すると説明しています。止めたあとにデータをどう持ち出すかではなく、使っている間にどこまで戻せるかは、これらの記載で比べられます。

セキュアSAMBAには他にも、紙のスキャン代行、アップロードされる全ファイルへのウイルスチェックがオプションとして案内されています。オプションは月額に上乗せされるため、見積もりを比べるときは本体価格だけでなくオプション込みの金額でそろえてください。

この分野の記事

各製品の料金の内訳、プランの境目、確認できなかった項目は、それぞれの詳細記事にまとめています。

Boxの料金と機能

容量無制限の意味と、1ファイル上限がプランで5倍ずつ上がる仕組み。

Dropboxの料金と機能

チーム全体で5TBという単位と、復元期間180日・1年の差。

Google Workspaceの料金と機能

30GB・2TB・5TBの段と、最大300人という上限。

Microsoft 365 Businessの料金と機能

3プランとも1TBで、差がアプリとセキュリティ側にある構造。

セキュアSAMBAの料金と機能

容量課金でユーザー無制限。300GBから3TBまでの段と、オプション。

クラウドストレージの選び方

見積もりを同じ土俵に載せる手順と、無料期間で確かめること。

クラウドストレージへの移行と運用

ファイルサーバーから移すときの順番と、初月に起きること。

管理機能とセキュリティ

ログ、共有リンク、シングルサインオン、ランサムウェア対策の見方。

よくある質問

いちばん安いのはどれですか?

人数と必要な容量で変わります。1人あたりの単価が最も低いのはMicrosoft 365 Business Basicの1,049円(税抜・年払い)です。ただし容量500GBで足りるなら、34人目からはセキュアSAMBAの定額35,000円(税抜)のほうが安くなります。

「容量無制限」は本当に無制限ですか?

Boxの料金ページには全プランに「ストレージ容量無制限」と記載されています。ただし1ファイルのアップロード容量上限はプランごとに決まっており、Businessは5GBです。

Google WorkspaceとMicrosoft 365は、ストレージ製品ですか?

いずれもメール、会議、ドキュメントなどを含むグループウェアで、そのなかにストレージが含まれます。ストレージだけを比較する場合は、含まれる他の機能も費用対効果に入れて考える必要があります。

ユーザー数無制限だと、誰でもアクセスできてしまいませんか?

ユーザー数の上限がないことと、アクセス権限は別の話です。セキュアSAMBAの料金ページには、有料プランでログが無期限に見られること、ランサムウェア対策が付くことが記載されています。権限設計は導入時に決める運用の話になります。

税込と税抜が混ざっていて比べられません。

公表されている表示のまま比べると誤差が出ます。この記事では、税込と明記されているBoxの1,980円を消費税10%で割り戻した1,800円を使って計算しています。DropboxとGoogle Workspaceは税の区分を公式ページで確認できませんでした。

途中でプランを上げられますか?

プラン変更の条件は、今回確認した各社の料金ページからは読み取れませんでした。契約前に確認してください。

いま使っている容量はどう調べますか?

ファイルサーバーやNASの管理画面、またはフォルダのプロパティで確認できます。現在の使用量と、直近1年でどれだけ増えたかの両方を控えておくと、プランの段を選びやすくなります。共有フォルダが複数あるなら、部署ごとの内訳まで出しておくと、どこから移すかの順番も同時に決められます。

途中で製品を乗り換えるとき、データはそのまま移せますか?

製品ごとに提供されるツールが違います。Google Workspaceは、データ移行時に使えるGoogle Workspace MigrateツールをBusiness Standard以上の機能として挙げています。他の製品については、今回確認した料金ページの範囲では移行ツールの記載を見つけられませんでした。

まとめ

  • 比べる前に課金の単位・容量の数え方・税の区分の3つをそろえる。
  • 少人数で大容量ならBox。全プランで容量無制限と明記されている。
  • メールやOfficeごと移すならGoogle WorkspaceかMicrosoft 365。ストレージは1人あたりで付く。
  • 人数が多く1人あたりの容量が少ないならセキュアSAMBA。有料プランはユーザー数無制限
  • 500GBで足りるなら、20人〜34人のどこかで容量課金のほうが安くなる。

この記事で参照した一次情報(2026年9月10日確認)

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