大塚商会のメルティBOX 2は、日々発生する機密書類や大量の文書を段ボールで回収し、開梱せずにそのまま溶解処理してリサイクルに活用するサービスです。今回調べた5サービスのうち、箱に入れてよいものと入れてはいけないものを品目名で3段階に分けて公開しているのは大塚商会だけでした。仕分けの判断がもっともつけやすいサービスです。
料金は1箱2,080円(税別)で、税込では2,288円です。公式のよくあるご質問には、登録料や基本料金はかからず、処理した箱数分を請求すると明記されています。箱は3辺の合計が115cm以下、最大辺が50cm以下のもので、重量の上限は公式に示されていません。回収可能日は平日9:00〜17:00で時間指定はできず、1日の依頼で回収できるのは20箱までです。提供地域は日本国内から沖縄および離島を除いた範囲で、申込は法人・個人事業主に限られます。実際に溶解処理を行うのは株式会社NXワンビシアーカイブズであると公式に明記されています。
提供会社と、実際に処理する会社
申込の窓口は株式会社大塚商会です。ただし公式ページの「サービス対象地域および溶解処理業者について」という欄には、このサービスは株式会社NXワンビシアーカイブズのサービスであり、株式会社大塚商会と株式会社NXワンビシアーカイブズは機密保持契約を結んでいる、と明記されています。契約する相手と実際に書類を溶かす相手が別であることが、公式に開示されています。
今回比較した5サービスのうち、処理を担う事業者を名指しで開示しているのは大塚商会だけでした。委託先を社内規程で確認する必要がある企業にとっては、申込前に調べられるという点で扱いやすい形です。NXワンビシアーカイブズは機密抹消処理サービス「RECOLO」を自社ブランドでも提供しており、オフィスに施錠式の回収ロッカーを置く形のサービスを手がけています。

初期費用も基本料金もかからない
公式のよくあるご質問に「登録料や基本料金は、かかりますか?」という項目があり、回答は「かかりません。処理した箱数分をご請求します」です。月額の固定費がなく、出した箱の数だけが請求される仕組みです。
この点は、年に数回しか書類が出ない事業所にとって扱いやすい性質です。ヤマト運輸のECOポストのように本体利用料が毎月発生する形ではないため、使わない月の費用がゼロになります。公式の料金表には「お客様に合わせた細かいカスタマイズと、柔軟な価格相談を承ります」という注記も添えられており、量や条件によっては2,080円が出発点になる可能性があります。
| 費用の種類 | メルティBOX 2 | 比較対象の例 |
|---|---|---|
| 登録料 | かからない | ヤマト運輸はヤマトビジネスメンバーズ登録が必要(登録費用・年会費0円) |
| 基本料金・月額 | かからない | ヤマト運輸ECOポストは本体利用料 月額2,200円(税込) |
| 1箱あたり | 2,080円(税別)/2,288円(税込) | 日本通運は1個2,060円(税別)、佐川急便スタンダード100は1,720円(税込) |
| 最低数量 | 1箱から回収可能 | 日本郵便は専用キット5枚1セットから |
| 箱代 | 自社の段ボールを使うため不要 | 日本通運の専用ダンボールは430円/枚(税別) |
各社の公式ページに記載された金額を並べた(2026年10月23日取得)。税込換算はBIZeeが算出
入れてよいものを3段階で公開している
メルティBOX 2のいちばんの特徴は、持ち込める物の線引きの細かさです。公式ページは、処理できるもの、少数なら処理できるもの、処理できないものの3つに分けて品目名を列挙しています。
| 区分 | 品目 | 条件 |
|---|---|---|
| 処理できるもの | コピー用紙、上質紙、再生紙、色紙、カラー印刷、紙フォルダー、封筒 | 制限なし |
| 処理できるもの(紙が付属する場合のみ) | ホチキスの針、とじひも、クリップ、クリアフォルダー、透明ポケット、バインダー、ふせん、輪ゴム | 紙に付属していること |
| 少数なら処理できるもの | 新聞(切り抜き含む)、雑誌、写真、窓付き封筒、フィルム封筒、カーボン紙、コーティング紙、感熱紙、特殊加工がされている紙 | 容積の5%程度まで |
| 処理できないもの | 記録媒体(CD、磁気テープなど)、火気・危険物、紙に該当しないもの(食品、文具、衣類、ノベルティ、ガラスなど) | 含まれている場合は返却することがあり、別途送料が発生する |
出典:大塚商会 メルティBOX 2の注意事項欄(2026年10月23日取得)
注目すべきは「少数なら処理できるもの」という中間の区分があることです。新聞や雑誌、写真を容積の5%程度までなら受け入れるという扱いは、他社と大きく異なります。日本郵便は利用規約で新聞紙と雑誌を収納禁止物品に定義しており、ヤマト運輸は写真とレントゲンを投入できないものとしています。
- 新聞(切り抜き含む)は容積の5%程度まで可
- 雑誌は容積の5%程度まで可
- 写真は容積の5%程度まで可
- 感熱紙・カーボン紙も同じ区分
- 日本郵便は新聞紙・雑誌を収納禁止物品に定義
- ヤマト運輸は写真・レントゲンを投入できないものに分類
- 佐川急便は品目の列挙が限定的で判断に迷う
- 日本通運は公式ページに品目の列挙なし
書類を仕分けする立場から見ると、この差は作業時間に直結します。新聞記事のスクラップや写真が挟まった書類が日常的に出る部署では、大塚商会なら容積の5%という枠の中で一緒に出せます。他社では取り除く工程が加わります。
大量処分を複数日に分けるといくらかかるか
1日20箱までという上限があるため、まとまった量を処分する計画では日数を先に決めることになります。箱数と必要な日数、総額の関係を整理します。
| 処分する箱数 | 必要な回収日数 | 総額(税別) | 総額(税込換算) |
|---|---|---|---|
| 20箱 | 1日 | 41,600円 | 45,760円 |
| 40箱 | 2日 | 83,200円 | 91,520円 |
| 60箱 | 3日 | 124,800円 | 137,280円 |
| 100箱 | 5日(要問い合わせ) | 208,000円 | 228,800円 |
1箱2,080円(税別)と1日20箱までという公式の条件からBIZeeが試算した。公式は1度に100箱以上ある場合は問い合わせるよう案内しており、条件が変わる可能性がある
金額そのものより効いてくるのは、回収日ごとに担当者が立ち会う必要があることです。回収可能日は平日のみで時間指定もできないため、60箱の処分なら、3日間それぞれ誰かが終日社内にいる前提になります。オフィス移転のように期限が決まっている場面では、この日数が段取りを縛ります。
同じ60箱を他社で処分する場合と比べると、構図がはっきりします。ヤマト運輸のECOラックなら鉄カゴ台車3本で89,100円(税込)、日本通運なら30個を2回に分けて単価1,340円(税別)で80,400円(税別・税込換算88,440円)です。いずれも大塚商会の137,280円(税込換算)を下回ります。大量処分では、金額でも日数でも大塚商会は不利になります。
回収の条件に3つの制限がある
料金の低さだけを見て選ぶと後から効いてくるのが、回収の条件です。公式ページには3つの制限が明記されています。
| 制限 | 内容 | 影響する場面 |
|---|---|---|
| 回収可能日 | 平日9:00〜17:00(休業日を除く) | 土日に事務所を空ける運用では立ち会えない |
| 時間指定 | できない | 担当者が終日待機する必要がある |
| 1日の箱数 | 20箱まで(1度に100箱以上ある場合は要問い合わせ) | 年度末の一括処分では複数日に分ける |
出典:大塚商会 メルティBOX 2の回収についての欄(2026年10月23日取得)
とくに効いてくるのが1日20箱までという上限です。オフィス移転で50箱を処分するなら、最低でも3日に分けることになります。日本通運は箱数の上限を設けておらず、10箱を超える場合に集荷方法を調整するという書き方です。ヤマト運輸のECOラックは鉄カゴ台車1本で段ボール25箱までを一度に処理します。大量処分を一度で終わらせたい場合、大塚商会は候補から外れます。
時間指定ができない点も、小規模な事務所では負担になります。回収日は分かっても時刻が分からないため、その日は誰かが社内にいる必要があります。平日しか回収がないことと合わせると、人の手当てが前提になるサービスです。
箱のサイズ条件と、書かれていない重量
箱は、縦・横・高さの合計が115cm以下で、最大辺が50cm以下のものと指定されています。自社の段ボールを使う形のため、この条件に合う箱を用意することになります。
公式ページには重量の上限が記載されていません。他の4サービスはいずれも重量を明示しており、ヤマト運輸のECOBoxが約10kgから約30kg、佐川急便が10kgまたは20kgまで、日本通運が1箱20kgまで、日本郵便が規約で1個25kg以内と定めています。大塚商会だけが重量について公式に触れていないため、どこまで詰めてよいかは問い合わせて確認することになります。
また、封入目安の枚数も公開されていません。箱の寸法条件だけが示されているため、A4用紙1枚あたりの費用を公式情報から計算することはできません。3辺合計115cm以下という条件はかなり幅があり、同じ条件を満たす箱でも容積は大きく変わります。自社で使う箱を決めてから、実際に何枚入るかを1度測っておくと、以後の見積りが立てやすくなります。
回収依頼がFAXという点
申込後、普通郵便で利用手順書、回収依頼用紙、バーコードシールが届きます。回収を依頼するときは、処理する箱に届いたバーコードシールを貼り付け、回収希望箱数と希望日を回収依頼用紙に記入してFAXで送ります。
ヤマト運輸が会員サイトから回収を依頼する形、日本通運が送り状を使う形であるのに対し、大塚商会はFAXが基本の手順として案内されています。FAX回線を置いていない事業所では、この一点が運用の障害になります。
大塚商会の公式ページには、メルティBOX 2の利用者向けに「書類溶解サービス Webメルティ」が案内されており、バナーにはFAX不要でWebで完結すること、証明書をWebで取得できること、利用履歴をWebで管理できること、そして1箱あたり230円お得になることが掲げられています。FAXの運用を避けたい場合や、少しでも単価を下げたい場合は、メルティBOX 2の2,080円(税別)だけで判断せず、こちらもあわせて確認してください。
バーコードシールで何が管理されるか
箱に貼るバーコードシールは、単なる宛名ラベルではありません。どの箱がいつ回収され、いつ処理されたかを追跡するための識別子として機能します。溶解処理が完了すると、機密抹消の証明書が発行されます。
実務上は、このシールの番号と箱の中身を自社側で紐づけておくことに意味があります。箱は開梱されずに処理されるため、中に何が入っていたかを知っているのは依頼した側だけです。後から「あの契約書はいつ処分したか」を示す必要が出たとき、シールの番号と中身の対応表がなければ証明書だけでは特定できません。箱に貼る前に、番号と中身の概要を控える手順を決めておいてください。
委託先が開示されていることの意味
公式ページが溶解処理業者を名指しで開示していることには、形式的な情報公開以上の意味があります。個人情報保護法のもとでは、個人データの取扱いを外部に委託する場合、委託元には委託先を監督する義務があります。機密文書の溶解は、個人情報が記載された書類の取扱いを外部へ委ねる行為にあたるため、どの事業者が処理するかは監督の出発点になります。
窓口の会社しか分からない状態では、実際に処理する事業者の設備や体制を確認しようがありません。大塚商会は株式会社NXワンビシアーカイブズというところまで公開し、両社が機密保持契約を結んでいることも併記しています。社内の委託先審査で「再委託先まで把握できているか」を問われる企業では、この書き方が審査を通しやすくします。
他の4サービスは、公式ページに委託先の記載がありません。日本郵便だけは利用規約の第20条で、本サービスに関連する業務の全部または一部を第三者に委託できるとしたうえで、その第三者の行為について日本郵便が利用者に対する責任を負うと定めています。委託先の名前は分からないものの、責任の所在は規約上明確です。どちらの形が自社の規程に合うかで、評価が変わります。
価格相談という余地
公式の料金表には、金額の下に「お客様に合わせた細かいカスタマイズと、柔軟な価格相談を承ります」という注記が添えられています。問い合わせの導線にも「予算内で最適なプランを提案してほしい」といった相談例が並んでおり、2,080円(税別)が固定価格ではないことが示唆されています。
これは比較する側からすると扱いにくい性質です。日本通運のように数量ごとの単価が表で公開されていれば、問い合わせる前に総額を計算できます。大塚商会は、量が多い場合にどこまで下がるのかを公開情報から判断できません。すでに大塚商会と取引があり、他のサービスの請求とまとめられる企業なら、見積りを取る価値はあります。逆に、相見積りを取らずに公開価格だけで決めたい場合は、公開情報が揃っている他社のほうが検討が進みます。
他の4サービスと比較した強みと弱み
- 入れてよい物を品目名で3段階に分けて公開しており、仕分けの判断がつけやすい
- 新聞・雑誌・写真を容積の5%程度まで受け入れる唯一のサービス
- 登録料も基本料金もかからず、処理した箱数分だけが請求される
- 実際に溶解処理を行う事業者を公式に開示している
- 封入目安の枚数も箱の重量上限も公開されておらず、費用対効果を計算できない
- 回収は平日9:00〜17:00に限られ、時間指定もできない
- 1日の依頼で回収できるのは20箱までで、一括処分には向かない
- 回収依頼の基本手順がFAXで、沖縄および離島は提供地域外
ヤマト運輸との比較軸は「計算できるかどうか」です。ヤマト運輸はA4の封入目安を枚数で公開しており、ECOBox Lなら1枚あたり約0.411円と算出できます。大塚商会は枚数も重量も非公開のため、2,288円(税込)という箱単価しか比べる材料がありません。社内で費用対効果を数字で説明する必要があるなら、ヤマト運輸のほうが資料を作りやすくなります。
佐川急便との比較軸は「1箱あたりの金額」です。佐川急便のスタンダード100サイズは1,720円(税込)で、大塚商会の2,288円(税込)を下回ります。どちらも自社の段ボールを使えるため、純粋に金額で比べると佐川急便が低くなります。一方、持ち込める品目の明確さでは大塚商会が上回ります。
日本通運との比較軸は「量をまとめたときの単価」です。日本通運は21〜30個で1箱1,340円(税別)まで下がりますが、大塚商会は量による割引の料金表を公開していません。ただし公式に価格相談を受けると明記されているため、量が多い場合は見積りで条件が変わる可能性があります。公開されている料金だけで比べれば、量が増えるほど日本通運との差は開きます。
日本郵便との比較軸は「新聞と雑誌の扱い」です。日本郵便は利用規約で新聞紙と雑誌を収納禁止物品と定義しており、入れることができません。大塚商会は容積の5%程度までなら受け入れます。書類に新聞の切り抜きが混ざる業務では、この差がそのまま仕分けの手間になります。逆に、日本郵便は証明書が月次で自動的にメール送付され1年間再発行できる仕組みを規約で定めており、証明書の管理では日本郵便のほうが整理されています。
社内の文書管理そのものを見直す入口にもなります。大塚商会は文書管理のソリューション群のなかにこのサービスを置いており、電子化、管理・検索・共有、保存・保管、廃棄という流れのうち「廃棄する」にあたる位置づけです。紙を安全に減らすところだけを切り出して依頼することもできますし、電子化とあわせて相談することもできます。毎年同じ量の紙が出続けているなら、処分の単価を下げるより、そもそも紙を作らない仕組みへ移すほうが効く場合があります。見積りを取る段階で、処分したい量と、今後も紙で持ち続ける必要がある書類の範囲を整理しておくと、相談が具体的になります。
向いている企業と、向いていない企業
- すでに大塚商会と取引があり、請求書をまとめたい
- 新聞の切り抜きや写真が混ざる書類を仕分けせずに出したい
- 月額の固定費をかけず、出したときだけ払いたい
- 委託先の事業者を社内規程で確認する必要がある
- オフィス移転などで一度に大量の箱を処分したい
- 回収の時間を指定したい、または平日に立ち会えない
- FAXを使わずに手続きを完結させたい(Webメルティの検討が必要)
- 沖縄や離島に拠点がある
解約・返金・証明書の条件
登録料も基本料金もないため、使わなければ費用は発生せず、解約という手続きも実質的に不要です。詳細な契約条件は、公式ページに掲載されているメルティBOX 2サービス申込約款で確認できます。
返金に関して押さえておくべきなのは、処理できないものが含まれていた場合の扱いです。公式ページには、処理できないものが含まれている場合は返却することがあり、別途送料が発生すると明記されています。つまり、誤って記録媒体や文具を混ぜると、箱が戻ってくるうえに送料を負担することになります。3段階の区分が細かく公開されているのは、この返却を避けるためでもあります。
溶解処理が完了すると機密抹消の証明書が発行されます。発行の期限や再発行の可否については公式ページに記載がないため、必要なら申込時に確認してください。処理そのものは開梱せずに進むため、誤って入れた書類を取り戻すことはできません。
なお、公式ページには3分36秒の解説動画と、その書き起こしテキスト付きのページも用意されています。利用手順から回収、溶解処理までの流れを映像で確認できるため、社内で稟議を通す際の説明資料として使えます。音声がオンで再生される設定になっているため、オフィスで開く場合は音量に注意してください。
よくある質問
登録料や基本料金はかかりますか。
かかりません。公式のよくあるご質問に「処理した箱数分をご請求します」と回答されています。
すでに大塚商会と契約しているサービスがあるので、請求書を一緒にできますか。
可能です。公式のよくあるご質問に、複数の請求書を1通にまとめる申込フォームが案内されています。
ステープラやファイルに綴じられた書類はそのまま捨てられますか。
問題ありません。公式のよくあるご質問に「はい、問題ありません」と回答されています。ホチキスの針、とじひも、クリップ、バインダーは、紙が付属している場合に処理できるものとして列挙されています。
個人でも申し込めますか。
申し込めません。公式ページには、当サービスの申し込みは法人および個人事業主に限り、個人での申し込みはできないと明記されています。
1度に100箱以上ある場合はどうなりますか。
公式ページには、1日の依頼で回収できるのは20箱までとしたうえで、1度に100箱以上ある場合は問い合わせるよう注記されています。

