オフィスのウォーターサーバーをやめるとき、請求されるのは「解約金」だけとは限りません。公開されている利用規約とよくある質問を読むと、費用が発生しうる場面は4つあります。解約金、撤去費用、連絡が遅れたことによる翌月分の月額、そして本体を返却しなかった場合の請求です。
金額の幅も大きく、同じオフィス向けのサービスでも0円から40,000円まで開きます。しかも起算点が「契約日」ではないことがあり、機種を替えた時点で期間が数え直しになるサービスもあります。契約前に見ておくべき点を、公表されている条件から整理します。
費用が発生しうる4つの場面
まず、どんな名目で請求されうるかを分けておきます。名前が違うだけで中身が同じこともあれば、まったく別物のこともあります。
| 名目 | 何に対する費用か | 発生する条件 |
|---|---|---|
| 解約金・契約解除料 | 契約期間を満了せずにやめること | 契約期間が定められているサービスで、期間内に解約したとき |
| 撤去費用 | 本体を引き取る作業 | サービスと機種による。期間にかかわらず0円のものもある |
| 翌月分の月額料金 | 連絡が締切を過ぎたこと | 解約の連絡が所定の期限を過ぎたとき |
| 未返却時の請求 | 本体が返ってこないこと | 契約終了後に本体を返却しない、または返却の見込みがないと判断されたとき |
このうち、見積もりの段階で話題になるのは1つめだけです。残りの3つは利用規約や、よくある質問の奥に書かれています。実際に請求が来てから気づくことが多い項目です。
5サービスの解約条件を並べる
オフィス向けに条件を公開している5サービスについて、公表されている内容を並べます。
| サービス | 契約期間 | 期間内に解約したときの費用 |
|---|---|---|
| ウォータースタンド(セルフメンテナンス対象機種) | 規約に記載なし | 利用期間にかかわらず撤去費用(解約金)の負担なし |
| ウォータースタンド(訪問メンテナンス対象機種) | 規約に記載なし | 利用開始日から1年未満の解約で撤去費用6,600円(税込) |
| クリクラ ベーシックプラン | なし | 解約違約金0円 |
| クリクラ 超お得・のりかえプラン | 5年 | 公式のよくある質問に「途中解約料はかかりますか?」の項目はあるが、金額は確認できなかった |
| クリクラ お得スタートプラン | 3年 | 同上 |
| アクアクララ 通常プラン | 最低1年利用 | 金額は確認できなかった |
| アクアクララ 2年割プラン | 2年毎の申し込み・自動更新 | 金額は確認できなかった |
| プレミアムウォーター 法人プラン | 初回配送予定日より2年 | 契約解除料15,000円(不課税) |
| エブリィフレシャス | 3年(レンタルプラン) | 40,000円(不課税) |
出典:ウォータースタンド「ご利用規約」/クリクラ「ご利用料金」/アクアクララ「料金」/プレミアムウォーター「法人プランに最低利用期間はありますか?」/エブリィフレシャス「解約したい時は?」
金額が公開されているのは3つだけです。ウォータースタンドの6,600円、プレミアムウォーターの15,000円、エブリィフレシャスの40,000円。クリクラの契約期間ありプランとアクアクララについては、公表されている情報から金額を確認できませんでした。契約前に書面で確認する必要があります。
起算点が「契約日」とは限らない
期間の数え方にも違いがあります。ここを読み違えると、まだ期間内だと思っていたのに超えていた、あるいはその逆が起こります。
プレミアムウォーターの法人プランは、公式のよくある質問で契約期間は初回配送予定日より2年間と書かれています。申込日ではありません。申し込みから配送まで最短11日とされているので、その日数ぶん期間の終わりも後ろにずれます。
ウォータースタンドの訪問メンテナンス対象機種は、利用開始日から1年未満の解約で撤去費用6,600円(税込)です。こちらも契約日ではなく利用開始日が基準になります。
エブリィフレシャスは「レンタルプランでご契約後またはサーバー交換後、3年未満でご解約をされた場合」と書いており、契約後だけでなくサーバー交換後も起算点になります。機種を替えると、そこから3年を数え直すという読み方になります。
機種変更が期間をリセットすることがある
人数が増えて大きい機種に替えた、故障して別の機種になった。こうした変更が、契約期間の起算点をずらすことがあります。エブリィフレシャスの条文はその一例です。機種を替える相談をするときは、「この交換で契約期間の起算点は変わりますか」と必ず聞いてください。変わるなら、交換のタイミングを移転計画と照らして決めることになります。
連絡が遅れると翌月分がかかる
解約金がないサービスでも、費用が発生する場面があります。連絡の期限です。
ウォータースタンドの利用規約には、解約希望月の10日までに連絡すること、そして期日を過ぎた場合は翌月分の月額料金を支払うことと定められています。セルフメンテナンス対象機種なら撤去費用は0円ですが、連絡が11日になれば1か月ぶんの月額がかかる計算です。
月末に「今月いっぱいで」と伝えても、その月では止まりません。やめると決めたら、まず連絡の期限を調べる。これが最初にやることです。オフィスの移転が決まった時点で、移転日ではなく「その前月の10日」を社内のカレンダーに入れておくと取りこぼしません。
返却しないと18か月分を請求されることがある
見落とされやすいのが、本体の返却です。
ウォータースタンドの利用規約には、レンタル契約が終了したにもかかわらず本体を返却しない場合、または返却の見込みがないと判断された場合には18か月分のレンタル料を支払うと定められています。月5,500円の機種なら99,000円です。
オフィスでこれが現実になる場面は想像できます。移転のときに荷物に紛れた、拠点を閉じるときに誰も把握していなかった、担当者が退職して引き継がれていなかった。本体の所有権はサービス提供会社にあります。同じ規約には、本体やフィルター等の所有権は会社にあり、譲渡・担保設定・貸与・販売などの処分は一切できないとも書かれています。
グループ会社へ本体を移す、別の拠点へ持っていくといった行為も、規約上は「貸与」に当たりうる扱いです。拠点をまたいで動かす予定があるなら、事前に確認してください。
残り期間で解約金を割ると判断しやすい
「いま解約すると損か」を考えるとき、解約金の絶対額だけを見ても判断できません。残りの契約期間で割って、月あたりいくらになるかを出すと比較しやすくなります。
| 残りの期間 | エブリィフレシャス(40,000円) | プレミアムウォーター法人プラン(15,000円) | ウォータースタンド訪問メンテ(6,600円) |
|---|---|---|---|
| 残り24か月 | 月1,667円 | 月625円 | — |
| 残り12か月 | 月3,333円 | 月1,250円 | 月550円 |
| 残り6か月 | 月6,667円 | 月2,500円 | 月1,100円 |
| 残り3か月 | 月13,333円 | 月5,000円 | 月2,200円 |
読み方はこうです。残り24か月でエブリィフレシャスを解約すると、解約金は月あたり1,667円の負担にあたります。月額2,750円の機種なら、使い続けるより解約して別のサービスに移ったほうが安くなる場合があるという計算です。
逆に、残り3か月なら月13,333円の負担になります。ここまで来たら期間満了まで待つほうが合理的でしょう。解約を考えるタイミングは、残り期間の長さで判断が反転します。移転が決まった時点で、この計算を1回やっておく価値があります。
撤去にかかる時間を見込む
金額だけでなく、スケジュールも読んでおく必要があります。
解約の連絡をしてから本体が回収されるまでには日数がかかります。回収日は会社側が設定することがあり、こちらの希望どおりになるとは限りません。ウォータースタンドのよくある質問には「解約後のウォーターサーバーはいつ回収されますか?」という項目が用意されています。
オフィスの移転では、退去日までに回収が終わっていないと、本体を自分で運ぶか、未返却として扱われるかという状況になります。前の項で触れたとおり、未返却時には18か月分のレンタル料を請求される条項があります。
実務としては、移転日の1か月以上前に解約の連絡を入れ、回収日を先に確保しておくのが安全です。ウォータースタンドの「解約希望月の10日まで」という期限と合わせると、移転の2か月前には動き出している必要があります。
やめる前に「休止」という選択肢がある
使う量が一時的に減るだけなら、解約ではなく配送の休止で足りることがあります。
プレミアムウォーターは公式のよくある質問で、法人プランでも水の配送を休止でき、休止手数料はかからないとしています。マイページまたは公式アプリから、次回配送予定日を後ろ倒しに設定する手続きです。

ただし条件があります。お水の配送がない月でも、月額基本料金は発生します。つまり費用はゼロになりません。長期休暇や工事期間など、数か月だけ水が要らない場合には有効ですが、「使わないから止めておく」という運用では月額を払い続けることになります。
従量型のサービスなら、注文しなければ水の代金はかかりません。クリクラは「月のノルマなし」としています。ただし3か月で利用本数が6本未満の場合、サーバーレンタル料1,100円(税込)/月が発生する場合があるという注記が付いています。休止に近い使い方をすると、かえって固定費が乗るという構造です。
解約の手順
実際にやめるときの流れを整理します。
- 契約書面を探す。解約金の金額は、公開情報と契約書面で違うことがあります。エブリィフレシャスのよくある質問にも「契約時によって解約金が異なりますので、契約時の書面をご確認ください」と書かれています。
- 連絡の期限を確認する。ウォータースタンドなら解約希望月の10日まで。期限を過ぎると翌月分の月額がかかります。
- 解約の連絡をする。電話かメールが一般的です。エブリィフレシャスはフリーダイヤルまたはメール、プレミアムウォーターはカスタマーセンターが窓口です。
- 返却日を決める。回収のスケジュールは会社側が設定することがあります。移転日より前に回収日を確保しておくと確実です。
- 本体と付属品をそろえる。本体だけでなく、未使用のカートリッジや付属品の扱いも確認します。
- 回収の完了を記録する。誰が立ち会って、いつ引き渡したか。後から未返却を問われないための記録です。
とくに拠点を閉じる場合は、6番目が効きます。担当者が異動したあとで「本体が返っていない」と言われたとき、記録がないと反論できません。
再契約できないことがある
やめたあと、また使いたくなる場合もあります。ここにも条件があります。
ウォータースタンドの利用規約には、本サービス解約後6か月の間は、新規申込みをお断りする場合がございますと書かれています。一度やめて、翌月から別の機種で再開する、という使い方は想定されていません。
この条項は、短期的に解約と再契約を繰り返してキャンペーンを使い回す行為を防ぐためのものと読めます。とりあえず解約しておいて必要になったら戻す、という判断は取りにくいということです。一時的に使わないだけなら、休止や最小限の利用で契約を維持するほうが結果的に安くつく場合があります。
乗り換えで解約金を相殺できるか
別のサービスへ移るなら、乗り換えの特典で解約金を埋められることがあります。
クリクラの「のりかえプラン」は、他社ウォーターサーバーからの乗り換えで最大30,000円のキャッシュバックを案内しています。ボトル1本1,620円(税込)で契約期間は5年です。プレミアムウォーターも、公式のよくある質問で法人プランでも乗り換えキャッシュバックを利用できるとしており、一部対象外のブランド等の適用条件があると注記しています。
たとえばエブリィフレシャスの解約金40,000円を払うことになる状況なら、最大30,000円のキャッシュバックで差し引き10,000円まで圧縮できる計算です。ただし「最大」であり、条件によって金額は変わります。いま払う解約金と、乗り換え先の特典を具体的な金額で並べてから決めるのが確実です。
各サービスの料金そのものを比べたい場合はオフィス向けウォーターサーバー5社比較を、方式から見直したい場合は水道直結型と宅配ボトル型の違いを参照してください。
もう1つ、乗り換え先のキャンペーンには期限があることも押さえておきます。アクアクララは2027年3月31日までの新規入会キャンペーンを案内しており、プレミアムウォーターの乗り換えキャッシュバックにも「一部対象外のブランド等の適用条件」があるとされています。解約の判断を先延ばしにしているうちに、相殺に使うはずだった特典が終わっていた、という順序は避けたいところです。
契約前に確認しておく5項目
最後に、これから契約する人向けにまとめます。解約のときに困らないために、申し込み前に書面で確認しておく項目です。
| 項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 契約期間 | 年数と、起算点(契約日/利用開始日/初回配送予定日のどれか) |
| 期間内解約の金額 | 具体的な金額。公開情報と書面が違うことがある |
| 連絡の期限 | 解約希望月の何日までか。過ぎた場合の扱い |
| 機種変更の扱い | 交換が契約期間の起算点になるかどうか |
| 返却の条件 | 回収の方法、未返却時の請求、付属品の扱い |
この5つが書面で分かっていれば、やめるときに驚くことはありません。5つのうち1つでも答えが出てこないサービスは、その時点で比較の土俵から外すという判断もありうるでしょう。各サービスの詳しい条件は、ウォータースタンド、エブリィフレシャス、クリクラ、アクアクララ、プレミアムウォーター法人プランの各ページにまとめています。

