どのような間隔と日程で配信し、トータル配信数はどれくらいで、その内容はどんなものかを決めたものを「シナリオ」ということは既にご紹介しましたが、いざ実際にステップメール作成の段階になって、まず一番に突き当たるのが、この「シナリオの壁」となります。
いきなり作成作業に入ったために内容のないものになってしまったり、煮詰まって普通のビジネスメールのようになってしまうことも多々あります。
ステップメールのシステム設計にかかわる重要な事項なので、「シナリオ」の作成は特に念入りに行う必要があります。しかし、実際にどう組み立てていけばよいか迷うところなのもまた事実です。ここでは、その「シナリオ」の組み立て方について代表的な作り方をご紹介していきたいと思います。
タイトル作成から構成まで
どのような「目的」でステップメールを配信するのか?~タイトル作成~
メールは読者に読まれなければ意味がありません。
その意味でタイトルは重要です。
タイトルをつけるうえで最初に行うことは、自分が行っているビジネスにステップメールが役に立つかどうか、その「目的」について考えてみます。
まずは書き出してみます。
・リピーターになってもらうためにステップメールを配信したい。
・カフェを経営しているが、一度来店してもらったお客様に再度いらしてもらうようステップメールを配信したい。
等々
ここから、それを実現するためにはどのようにしたらいいか、を考えます。
例えば、
目的→海外アンティーク雑貨のネットショップをしているが、見込み客を集めるためのステップメールを配信したい。
海外アンティーク雑貨に興味がある方はどのような方なのか、「対象・ターゲット」をまず考えてみます。
そこそこの収入がある30代くらいの女性ぐらいでしょうか?何に引かれて購入に踏み切るのでしょうか?
それらの人たちはどのような生活をおくっているのでしょうか?「異国情緒」「おしゃれ」「高級感」…などといったキーワードが浮かんできます。
ここから読者がどのような内容のメールを読みたいのかを想像し、自分がどのようなものを提供できるかを考えます。そこから総合的に判断してタイトルを導きだします。つまり、自分が伝えたいものと、相手がどんなことを知りたいかを勘案し、自分の目的と読者のメリットを融合するのです。そうして初めて読者を集められるメール作成に向かうことができます。
構成を考える
次に構成の検討に入ります。
パターンはアイデア次第でいくつも作成できます。自分が伝えたい内容に沿って、最初にインパクトを置くか、後から結論をだすのか、等あったものを選びます。
あえて基本形をつくるとしたら、AIDMAと呼ばれる広告宣伝に対する消費者心理のプロセスを利用するのがいいでしょう。
消費者が商品を知って購入に至るまでの段階の頭文字をとったもので
Interest(関心を寄せてもらう)
Desire(欲求を引き出す)
Memory(記憶に残す)
Action(行動を促す)
というものです。
これを基本にして相手と状況次第で個別に対応していきます。
実際に書いてみる~作成の手順~
構成を考えたら実際に書いてみます。ステップメール作成のおおまかな手順は以下のとおりです。
2.それぞれの回ごとにメール本文を書く
3.全体を再度見直して修正を加える
4.ステップメールサービスへ登録を行う
目次の作成
タイトルができたら、そのタイトルに見合う、書けそうなネタを箇条書きにしてから目次を作ります。
数回から数十回に渡り配信されるステップメールです。一回目はどんな内容か、二回目は、といった具合に箇条書きしていきます。
実際に配信されるときにはこれらを基にして「件名」をつけていきます。読者に読まれるような「件名」にする作業をあとから行いますが、いくらでも修正できますのでしっかりと書き留めておきましょう。
メール本文を書く
次に目次の中身であるメール本文の作成に移ります。文書は後で修正が効きますので、とにかく書いてみましょう。このとき、実際に読者に語りかけるような気持ちで書き始めると意外にスムーズに進みます。
再度見直し
全て書き終えたら一度見直します。自分が読者になったつもりで読んでみて、内容に納得がいくかどうか、誤字脱字はないか、各ステップの形式やレイアウトが統一されているかどうか、などをチェックしていきます。
そこですぐには書き直さず、一度読者になったつもりで感想を書いてみます。その感想を下敷きにして、修正のポイントがどこにあるかを考えます。
シナリオ作成はここまで一気に行うことが理想的です。例えば7回程度の配信回数を想定しているなら3時間から4時間くらいを目安にして書いてみましょう。
読まれるステップメールをつくる「コツ」
シナリオ作成の手順を説明してきましたが、ここでは読まれるメールをつくるために行うべきことについてご紹介していきます。
これを含めてはじめて「完成されたシナリオ」となります。
読まれる「件名」をつくるコツは?
読まれるかどうかは、内容よりまず先に「件名」でほぼ決まってしまいます。
例えば以下のようなタイプのものは、読む気力を失わせたり、スパムや迷惑メールと思われたりするのでNGです。
内容が想像できない件名
あまりに奇抜すぎるような件名
逆に読まれる「件名」には、以下のことが必ず入っています。
読者が受ける具体的なメリット
この二つを合わせて、例えば
●新卒雇用を検討している経営者の方へ 優秀な人材を採用するために必ず行わなければならないこと
●お酒が好きなあなたへ 翌日爽快に目覚めるために行う10のポイントをご紹介
などといった感じで作成しましょう。
意外に重要な「配信時間」
メールを受け取った読者はいつそれを読むでしょうか?
通常、読者はメーラーを立ち上げて受信された順に読んでいくでしょう。上にあればあるほど優先的に読まれる確率は高くなります。
メールを読むと想定される時間を推定し、その前1時間を目処に配信するようにしておくと、上の方に位置されやすくなります、
また、読者の層によっても配信時間は違ってきます。読者が会社員ならばオフィスでメールをチェックする9時半から10時くらいをターゲットにして配信時間を設定します。専業主婦やフリーランスの方だとそれよりも遅い時間となるでしょうから、それを勘案して設定します。
前述した「件名」が興味を引くものにし、さらに「配信時間」を適切なものにすればメーラーを見た読者の目にとまりやすくなり、見逃すことなくちゃんと読まれるようになります。
いかがでしたでしょうか。
「シナリオ」作成はステップメールを行う上で重要な作業です。
手順をふんでいけばそう難しいことはないと思いますのでぜひ挑戦してみてください。