ブルーオーシャンかも?地域密着型フリーペーパーについて考えてみました。

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筆者の自宅には、ある地域密着系フリーペーパー(小さい新聞のようなタイプ)が毎週木曜日にポスティングされます。Webマーケティングを生業にしている立場からみた場合、ある意味競合のサービスという一面もありますが、一読者として楽しみにしています。
最近の紙面をみて感じるのは、広告の量が格段にアップしているということ。掲載業種も多岐にわたり、広告媒体として幅広く活用されている印象を受けます。

  • これだけ出稿する会社があるということは、やはり効果があるのでしょうか?
  • Web媒体乱立の中、地域密着型フリーペーパーが有効なのはどんな場合なのでしょうか?

など、色々と疑問が浮かんだので筆者なりに考えてみました。

媒体としてのメリット・デメリット

地域密着型フリーペーパーの媒体としてのメリット・デメリットとして以下が考えられます。相対的な評価になってはしまいますが、以下紹介します。

メリット

ターゲットがわかりやすい

購読者のターゲット(=該当エリアに住む地域住民)が分かりやすいのは大きな魅力です。

ほぼ確実にリーチできる

地域密着型フリーペーパーは多くの場合、自宅にポスティングされます。全戸に向けて一斉に配布するので、各家庭にほぼ確実に届きます。一人暮らしの学生にも、老人夫婦世帯にも等しくリーチしますので、年代を問わない商材・サービスには特に強みを発揮します。

費用対効果が分かりやすい

一般的に紙媒体は費用対効果が分かりにくいと言われますが、地域密着型フリーペーパーの場合は、クーポンなどと組み合わせることによって、広告費に対しての売り上げが明確に分かります。試してみて「効果があれば続ける・なければ止める」と判断しやすいのが魅力です。

広告が埋もれにくい

大手の飲食系・美容系のWebサービスに掲載しても、多くの競合店との比較になり、せっかくの広告が見劣りする可能性も。
その点、地域密着型フリーペーパーであれば、広告スペースにもよりますが、競合が比較的少ないです。紙媒体から潜在ユーザーを掘り起こせることが出来れば、ブルーオーシャンになる可能性も秘めています。

デメリット

ニッチなニーズに応えにくい

広告エリアが限られるため、例えば、アンティーク時計の広告など、嗜好性が高い商材やサービスを訴求する場合は、効果が出にくいと考えられます。(この例の場合、買い取り広告は逆にありかもですね)

長い説明が出来ない

多くの場合、掲載スペースが限られているので、短い言葉で魅力を伝える必要があります。長文の説明・体験談や動画などを盛り込まないとイメージが伝わりにくい商材やサービスには向きません。

価格やサービス内容の変更がしにくい

当然ですが、一旦印刷してしまうと価格の変更が出来ないので、頻繁に提供条件が変わるようなサービスは不向きです。
 

代表的な地域密着型フリーペーパーは?

上記のようなメリット・デメリットを加味したうえで、地域密着型フリーペーパーに出稿したいと思った時、どのような媒体があるのでしょうか?数えきれないほど多くの媒体がありますが、今日は、代表的を地域密着型フリーペーパーを紹介します。

「ぱど」


http://www.pado.co.jp/
1987年創刊。フランチャイズなどを活用し、全国主要都市をカバーする業界大手。平成28年3月期の決算で連結75億の売上を誇ります。家庭ポスティングによる個人宅へのリーチに強みがあります。掲載業種は飲食・美容室・塾など多岐にわたります。

「タウンニュース」


http://www.townnews.co.jp/
1977年創業で1980年設立。主に神奈川県をカバーする地域密着型フリーペーパー。平成28年6月の決算で32億円。行政区ごとに紙面を変え、県内の膨大な情報をきめ細やかに網羅しています。配送は大手新聞社への折り込みが中心。Webにも注力し、テーマに沿った各種サイトを展開中です。

「ちいき新聞」地域新聞社


http://chiikinews.co.jp/
1987年設立。千葉県・埼玉東部で知名度の高いフリーペーパーを発行。平成28年8月期の連結売上高は38億円。東京新聞ショッパーを買収し、大宮・川越・所沢エリアもテリトリーに加えています。家庭ポスティングを徹底し、広告効果を最大限に高めることを追求しています。

「地域みっちゃく生活情報誌®」中広


http://chuco.co.jp/
1978年設立。岐阜発祥でマガジン型フリーペーパーとして有名。 全国26都道府県しかカバーをしていないにも関わらず、平成28年3月期の連結売上高は約71億とぱどと肩を並べるほど、収益力が高いです。「1エリア1か月500万の売上」を多エリア展開で積み上げる地道でニッチな戦略で勢力を拡大させています。
その他、発行部数が多い地域密着型フリーペーパーとして、リビング新聞・シティリビングを発行する産経リビング新聞社などがあります。
Webとの競争で収益的には厳しい企業もありますが、長年の紙媒体で培ってきた彼らの広告ノウハウは無視できません。費用対効果を常に個人事業主・中小企業の担当者から、常に突きつけられる中で戦っているでしょうから、商材によっては勝てるノウハウを提供してくれるかもしれませんよ。

まとめ

最後に、この原稿を書くきっかけになった我が家での出来事を紹介します。
先日、家族で久しぶりに焼肉を食べようという話になりました。いつも行っているところが閉店してしまったため、新たに開拓しようとWebで何度も検索。散々迷った挙句、地域密着型フリーペーパーに毎週掲載されている店舗に決めました。
決め手になったのは、紙面に掲載されているメニュー。家族全員が毎週読んでいるため、いつのまにかインプットされていたのでしょう。ここにすると言った途端に、なぜか話が早く進みました。
接触回数が多いとそのブランドに親近感を抱くというマーケティング理論を地で行く例を、身を持って体験した気分でした。(焼肉は美味しかったので通うことになりそうです)
ちなみにその店舗は、大手の飲食系サイトでは基本情報しか掲載されていないので、下位にしか表示されません。Webを無視して、地域密着型フリーペーパーに出稿を続けているということは、その店舗にとって紙媒体が費用対効果があると見なしているということでしょう。
筆者の推測ですが、この紙面で焼肉屋の掲載は1つだけなので、目立たないところでブルーオーシャンを手に入れている可能性が高いです。
このような事例を生み出せるのが、地域密着型フリーペーパーの魅力です。Webやソーシャルという枠を外して、集客手段のひとつとして、一度検討してみるのもいいかもしれません。
 

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