【読了後レビュー】インビジブル・インフルエンス 決断する力 ジョーナ・バーガー著

仕事・プライベートに関わらず、人は生活の中で様々な決断を下していますが、その決断にはどのような要素が大きく影響しているのでしょうか?
もしそれがわかるのなら、物事がもっとスムーズに進むのにと思ったことがある方も多いと思います。
その思いに対する答えとなりそうなヒントが得られる一冊が本書です。
筆者は全米ベストセラー『なぜ「あれ」は流行るのか?―強力に「伝染」するクチコミはこう作る!』)を執筆したジョーナ・バーガー氏。彼は、あらゆる決断や判断を方向付ける要素としての社会的影響力に着目し、そのメカニズムを具体的な事例とともに解き明かしてくれます。
「99.9%の決断は他人によって方向づけられている」という決断のメカニズムを学ぶことで、マーケティングや人間関係などの問題解決に活かせるノウハウを得ることが出来ます。

著者のジョーナ・バーガーとは?

ペンシルベニア大学ウォートン・スクールマーケティング准教授。一流学術誌に数多くの論文を発表するほか、ニューヨークタイムズ、タイム、サイエンス、ハーバード・ビジネス・レビューなどに寄稿し好評を得る。また、Google, Facebook, Microsoft, GM、コカコーラなど、フォーチュン500からスタートアップまで、数多くの企業で講演・コンサルタントを行う。全米ベストセラーContagious(『なぜ「あれ」は流行るのか?』日本経済新聞出版社)で世界的に知られる。

インビジブル・インフルエンス 決断する力 の中身を一部紹介!

第1章 まねが生み出す同調の力

まねで交渉を成功させる

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売込む側が相手の仕草の特徴や言葉を真似ることで、得たい結果を引き出す確率があがることが実証されています。

  • ペアで行うMBAの交渉の演習の場において、相手の特徴をまねたグループはまねをしなかったグループと比べて5倍うまく交渉が展開した。
  • 婚活パーティーでは、お互いの話し方をまねたカップルは、まねをしなかったカップルと比べ、次に会いたいと思う割合が3倍も多いという結果に。
  • レストランでは、注文を復唱するだけで、ウェイターのチップが70%増。

このほかにも数多くの事例が本書で紹介されています。また、「なぜ、このような行動になるのか」も併せて説明されているので、大変参考になります。

第3章 あいつらがやっていることならやめておこう

社会的影響力を味方に付けよう

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日本でも「嫌いなあのタレントが付けているから、このブランドを買うのは止めよう」といった消費行動はよく知られています。
海外では、イメージの悪いタレントに、競合のブランドの服を敢えて着させて、そのブランドのイメージを失墜させることまであるようです。
しかし、このような場合でも、社会的影響力を味方につけることによって、一旦ついてしまったマイナスイメージを回復させることも出来ます。
イギリスにおいて、バーバリーはゴルフを愛する白髪の高所得者層に支持されてきました。
が、2000年代から、労働者階級の白人フーリガンが制服のように着る必須アイテムになった影響で、ブランドイメージが失墜しました。街のタクシーがバーバリーチェックの野球帽を被った客の乗車を拒否するまでになってしまったそうです。
この状況を打開するために、バーバリーでは、低所得者層が購入するコピー商品の摘発に加えて、90%の商品についてバーバリーチェックの使用を控えめにしました。またチェック柄を使うにしても、コートの裏地などに使うにとどめました。
この成果によって、バーバリーは再度高品質のイメージを取り戻すことが出来ました。
ブランドの放つシグナルを正しく修正することで、成果を挙げた好例です。
本書では、その他に、社会的影響力をプラスの方向に使うことで、社会的課題解決を果たした事例などが紹介されています。

評判

本書は、全米ベストセラーContagious(『なぜ「あれ」は流行るのか?―強力に「伝染」するクチコミはこう作る!』)で有名になったジョーナ・バーガーさんの続編なので、主要メディアや作家が推薦文を掲載しています。その一部を紹介します。

「『インビジブル・インフルエンス』は、ビジネス・心理学・社会科学の研究と考え方を統合することで、個人の選択の背景にある「見えない影響力」に焦点を当てている。社会的影響力がどのように作用するかを理解すれば、状況に応じてそれを避けたり、逆に利用できるようにもなる」――『ニューヨーク・タイムズ』

「集団の心理を複雑に辿っていくその手腕は、見事の一言に尽きる」――『ワシントン・ポスト』

「周囲に影響を与えたい、スマートな決断をしたい、あるいは単に人間の行動の謎に迫りたい……本書は、その要求に応えてくれる。素晴らしく、洞察に満ちた内容だ」――トニー・シェイ(ザッポス CEO)

「ジョーナは最もイノベーティブな心理学者として、精力的に出版を続けている。その主張は、我々の直感と異なる刺激的なものであるだけでなく、プラクティカルかつプラグマティックに言い表されている。彼の書いたものなら何でも読みたいし、それを活用したいと思っている」――ライアン・ホリデイ(『グロースハッカー(第2版)』著者)

また、amazonなどのレビューも数は少ないですが、評判がいいです。
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〔amazon〕インビジブル・インフルエンス 決断させる力
 

まとめ

本書は、これでもかという程に事例が紹介されていますので、それぞれの立場で応用可能なトピックスが何か見つかると思います。
たとえ、今すぐそれを使わなくても、ここで紹介されているある種の傾向を知っておくことは決してマイナスではありません。
行動経済学に関する好著ですので、ぜひ手に取ってみてください。
 
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