▽はじめに
対面販売ではないWEB上の商売においては、顧客たるユーザーの心理をいかにしてモニター越しで「買いたくなる」方向へ持っていくかが重要です。
今回のコラムでは心理学のテクニックを厳選し、商品を買ってもらうためのコンテンツやテキストの見せ方などのヒントをご紹介します。
1.ハロー効果
たとえば見た目が良いとか、肩書がスゴイ人を写真や書面上、または初対面で確認し、好感を持った場合に、その後の振舞いや印象が多少悪くても、最初の好印象が勝るため、評価が下がることが無い状態、これをハロー効果と言います。
ウェブサイトではこの効果を利用し、いかにファーストビュー、若しくはトップページで、ユーザーにとってメリットとなる情報やセンスの良さをアピールできるかがカギとなります。
そこで好印象を持ってもらえれば、配下ページで値段やサービス内容など、多少無理なことを言っても大丈夫です。
2.バンドワゴン効果
いわゆる同調効果で、多くの人に同調したがる心理を利用し、サイト内で「大流行中」「大注目」「○○さんも使っている」などの言葉を使い、コピーライティングを施すと、そうでない場合よりも反響が増えるケースがあります。
似たようなものに同調現象がありますが、こちらは自分一人だけが○○という商品を知らない、使っていないことを示し、不安にさせる心理的効果です。多用するとその手法に気が付かれてしまうので、頻繁に使うことはできません。
3.単純接触効果
ターゲティング広告で利用されている手法で、過去にサイトを訪れた事のある人に対し、しつこく広告を見せ続けアクセスを獲得、商品の購入につなげます。もともとは接触する機会の多い相手に対し、行為を持ちやすくなる心理効果の一つとして知られています。
4.ウインザー効果
一対一ではなく、第三者を介在させたときにその情報の影響力が大きくなる傾向をウインザー効果と言います。
勧誘などで良く利用される手法でしたが、ネットマーケティングにおいても第三者の口コミ情報がその役割を果たし、情報に信頼を与える効果をもたらしています。
5.スノッブ効果
あと○個で売り切れ、といった表現などに代表される手法です。入手困難なものほど需要が増大することをスノッブ効果と言い、一定の需要をキープしたいときに利用されます。タイムセールや期間限定セールなどもこの効果を利用したものです。
6.バーナム効果
血液型占いなどがその典型で、誰にでもあてはまるような特徴をいくつか用意し、それぞれの血液型に振り分けた場合、それぞれの血液型の人において、あたかも血液型がもつ典型的な性格であるかのように誤解してしまう効果です。半分詐欺的な手法で、たとえば「何をしてもモテないあなた」「どんなダイエット方法を試しても長続きしないあなた」「何かと挫折することの多いあなた」などの言葉をフックにし、解決方法を提示してあげると引っかかりやすくなります。
7.コントラスト効果(松竹梅の法則)
リアルのマーケティングでもよく用いられる方法です。
たとえば松竹梅と値段の異なる3つの商品を用意します。
そうすると多くの人は高くもなく、また安くもない一番無難な真ん中の商品を選ぶケースが多くなるのです。これを利用し、真ん中にくる商品の利益率をもっとも高くすれば、より効率的に売り上げをアップさせることができます。
8.両面表示
商品説明などで良く見かけるのは、売りたい気持ちが先走り、メリットしか表示していないパターンです。
たとえば「今なら20%オフ」というメリットのみの記述を行う場合、商品のキャプションに「在庫品限り」とか「店舗展示品のため」とか「新商品入れ替えのため」といったデメリット(ネガティブ要素)をしっかりと記述しておきます。そうすることでユーザーはなぜその商品が安くなっているのかがわかり、警戒心を解くことができます。
ユーザーもバカではないので(あなたが商品を買う側に経って考えると、わかります)、丁寧に説明して上げればその分好感も生まれます。隠し事はしないほうがいいですね。
9.権威への服従効果
その道の研究者、専門家、プロフェッショナルなど、権威を持った人やその言動に対し、無意識化で従属してしまうことを言います。
健康食品、化粧品など多くの製品でこの手法が用いられていて、○○教授や○○医師などが登場し、商品と関連したトピックやその成分などに対しコメントし、信頼性を醸成する一助としてのコンテンツを担っています。
▽まとめ
物を売ること、物を買ってもらうこと、この関係は人を介して行われます。それゆえ人の心理を理解することは購買を促す意味でもとても大切。心理学の力をマーケティングに生かして、販売力のあるサイト構築、またマーケティングを目指していきましょう。
サイコロジーに関する書籍のレビューも掲載していますので、興味がある方は読んでいただけると幸いです。
ロジャー・ドゥーリ―の「脳科学マーケティング100の心理技術」読了後レビュー