そもそもSMS配信とは?仕組みや注目されている理由を解説!
まずはSMSとは何か、その概要を理解しましょう。SMSとはShort Message Serviceの頭文字をとったもので、電話番号を用いて、テキストの配信を行うことを意味します。主に携帯電話同士で短い文章をやり取りするもので、auではCメールとも呼ばれています。
SMSの最大の特徴は、電話回線を経由してメールの送信を行う点にあります。送信・受信側の双方に、インターネット環境は必要ありません。
スマートフォンだけでなく、フィーチャーフォンにも同じようにメッセージを送ることができます。SMS配信は、企業が顧客に対して、情報を発信する手段として、幅広く用いられています。
SMS配信の仕組み
SMS配信は、Eメールと同じようなものをイメージされるかもしれませんが、両者の配信の仕組みはまったく違います。まずSMS配信は、送信・受信側の双方が、電話番号を取得していることが前提となります。
そして回線交換ネットワーク上の、「シグナリングチャネル(信号線)」と呼ばれる通信手段を用いて、メッセージのやり取りを行います。
一方、Eメールはパケット交換ネットワークを経由してやり取りが行われます。同じテキストメッセージでも、通信方法が根本的に異なることがわかるでしょう。
SMSで送信できるのは、基本的にテキストのみです。画像や動画を送ることはできません。そのため通信データ量が少なく、回線への負担を最小限に抑えてやり取りが可能になります。この特性を活かして、災害など非常時に活用されることもあります。
SMS配信が注目されている背景
SMS配信の数は、年々増えています。SMSは、70文字までという文字制限があり、普段あまり馴染みのない連絡手段なため、一見メリットがないようにも思えます。
情報発信の方法はEmailが一般的ですし、近年ではチャットアプリを用いたマーケティングを行う企業も増えています。
では、なぜSMS配信の利用シーンは増えているのでしょうか。
最大の理由は、インターネットの普及に伴う情報過多にあります。情報発信が手軽になったことが影響して、消費者は膨大な量のテキストを目にするようになりました。その結果、情報を見過ごしてしまったり、本当に必要な情報が埋もれてしまうことが増えたのです。
例えば、メルマガの開封率は10〜20%とも言われるほど低くなっています。これには、そもそも一般生活者が、Eメールを日常的に利用しなくなったことなどが影響していると考えられます。
未開封のまま放置されたり、迷惑メールに自動的に振り分けられたりなど、ユーザーにしっかりと情報を届けるのが難しくなっているのです。
またチャットアプリの場合、ユーザーが該当のアプリをインストールしているのが必須条件となります。プッシュ通知設定をオフにしていれば、情報を見落とされるケースも多いでしょう。
このように、情報の発信側には「大切な情報を的確に届けられない」という課題が存在します。
この課題解決の一つとして注目を集めているのが、SMS配信です。
SMSは、電話番号を用いて行う情報発信です。電話番号は一つの端末あたり一つしかないので、メッセージの流通量がその分少なくなります。生活者も、SMSを受け取る機会はそれほど多くありません。
さらに多くのスマートフォンでは、SMSのプッシュ通知がデフォルトでオンになっていることが多く、利用者の目に留まりやすいのです。
その結果、大量のメッセージに埋もれて、未開封になってしまう確率は下がり、本文を読んでもらいやすくなります。実際に、SMSの開封率は90%以上と言われています。開封率10〜20%のEメールと比べると、圧倒的な違いが分かるでしょう。
さらにSMSは送信数に応じて発信者側に課金される仕組みになっています。無益なメッセージの送信や迷惑メールに利用されることがほとんどない点も、開封率向上につながっていると考えられます。
SMS送信サービスのメリット・デメリットをまとめました!
SMS送信サービスのメリット・デメリットを紹介します。
メリット
まずは、SMS送信サービスのメリットから見ていきましょう。
幅広くメッセージを届けられる
SMSは、電話番号を持つ人であれば、誰でも送受信できます。特定のアプリをインストールしたり、インターネット環境を用意する必要はありません。
スマートフォン・フィーチャーフォン問わず、基本的にすべての携帯電話端末には、SMSの送受信システムが標準で搭載されています。そのため、属性を問わず、より多くの人にリーチできるのです。
開封率が高い
前述の通り、SMSは高い開封率が魅力です。消費者への訴求も効率的に実現できるので、重要な情報発信の際には重宝するでしょう。
重要なシーンで利用できる
メールアドレスを用途に合わせて使い分けることは一般的ですが、電話番号の場合は、基本的に一人一つの番号しか保有していません。この特性を活かし、SMSは本人確認など、特に重要なシーンで用いられることが多いようです。
手軽に本人認証ができるSMSは、Eメールなどよりも確実に、安全な登録が可能になります。
そのほかにも、緊急時の連絡や、決済などお金が直接関わる通知に利用されることあります。SMSは開封率が高いため、見落とされては大きな問題に発展しかねない情報を、確実に届けるための手段として用いられています。
費用対効果が高い
SMSは費用対効果が高いことも魅力の一つです。Eメールの配信は手軽にできる反面、開封率が高くないので、一定以上の効果を得るためには大量のメールを送らなければなりません。一方、SMSは90%以上の人が開封してくれるため、最低限の送信数で効果が期待できるのです。
宛先変更の可能性が低い
Eメールアドレスは頻繁に変更されたり、利用自体がされなくなったりするケースも多々あります。登録されているアドレスに最新情報を送ろうとした場合、エラーで不着となってしまうこともあるでしょう。確実に情報を届けたいという場合、さまざまな不都合が生じる可能性が懸念されます。
一方、電話番号は頻繁に変わるものではありません。機種やキャリアを変更した場合でも、MNP(ナンバーポータビリティ)と呼ばれる仕組みにより、電話番号を変えなくても利用を続けられます。
このため、宛先が突如として変更される可能性はほとんどないと言えるでしょう。宛先変更の可能性が低いのもSMSの強みです。
デメリット
次に、SMS配信サービスのデメリットを解説します。
一通配信につき費用がかかる
SMS配信の一番のデメリットは、1通あたりに費用がかかってしまう点です。運用方法次第ではEメールなどよりも安価に抑えることができますが、相応の費用がかかってしまうのは避けられません。
運用の際には、本当に重要な情報のみを発信するように、厳格なルールを設定する必要があるでしょう。
リッチなプロモーションができない
SMSは短いテキストを配信するというものです。そのため、画像や動画などを活用したプロモーションやマーケティングはできません。また文字数制限もあるため、大量の情報を伝達するには不向きであると言えるでしょう。確実に届けたい情報を凝縮して文章にすることが欠かせません。
ただし近年は、700字程度の長文の配信ができるサービスなども増えてきています。またメールの文面にはURLを添付することも可能なので、これらを上手く活用できれば、長い文章を読んでもらったり、SMSから自社サイトへの誘導につなげることもできます。
SMS送信サービスの選び方を解説!
SMS送信サービスは、以下の点を基準に選びましょう。
接続方式
SMS配信における回線の接続方法は、主に「国内直収接続」と「国際網接続」に分類されます。国内直収接続は国内のキャリア回線に直接つないで配信を行うやり方です。ドコモ、au、ソフトバンクの回線が使用されます。
国際網接続は、海外の回線を利用した接続方法です。こちらは、コストが安くなる利点がありますが、海外からの配信を拒否する設定になっている端末も多いので、到着率が低くなってしまうことが考えられます。
特別な理由がない限り、SMS送信サービスを導入する場合は国内直収接続を選ぶようにしましょう。
運用コスト
運用コストは、サービスによってさまざまです。1通あたりの料金や、初期費用を確認した上で、自社に合わせて選択しましょう。また料金が安い場合でも、運用自体に手間がかかっては非効率です。できるだけシンプルに、一斉送信を行えるものがおすすめです。
自動配信を行うまでのフローが、自社のやり方にあっているかも重要なので、工数や手順の確認も忘れずに行っておきましょう。
セキュリティ
顧客の電話番号は、大切に扱わなければならない個人情報です。もしも情報の漏洩などが起きてしまえば、企業の信頼を大きく揺るがすことにもなりかねません。
SMS送信サービスを導入する際には、「通信が暗号化されているか」など、セキュリティ対策が行われているかを入念に確認しておきましょう。PマークやISMSなどの資格は、第三者機関による認定を受けた証なので、これらの有無もセキュリティ体制を見極めるポイントの一つとなります。
SMS送信サービスの導入事例・導入イメージをご紹介!
SMS送信サービスの導入により、どのように業務が改善できるのでしょうか。具体的な導入イメージを見ていきましょう。
マッチングサービスなどにおける本人確認
ユーザー1人につき1つのアカウントを保有する形式のサービスでは、本人確認にSMS認証が利用されます。近年、市場が拡大しているマッチングサービスなどではSMSが利用される機会も増えているようです。
SMSサービスを導入することにより、アカウントの信頼性が担保され、ユーザー同士の安全な交流を実現できます。
工事作業における重要な連絡・リマインド
所定の時間に工事を行う場合や、在宅していなければならないなどの際は、事前に確認を行う必要があるでしょう。
キャンペーン情報やメルマガは、未開封でも特に問題が起きることはありませんが、このような大切な連絡に関しては、確実に周知しておかなければ、トラブルに発展してしまう恐れもあります。重要な連絡やリマインドに、SMSは効果的です。
未納料金の督促通知
公共料金や家賃の未払いの際、電話では連絡がつかないことも考えられるでしょう。未納の通知や督促連絡の際も、SMSで確認の連絡を行うことがあります。こちらもSMSの方が見落とされることが少なくなり、未納状態を迅速に把握してもらうことが可能になります。
無料のSMS送信サービスはある?
一部の機能に限り、無料で使えるSMS送信サービスは存在します。最もポピュラーなのが、無料トライアルが用意されているサービスです。一定数の送信まで無料で利用できるので、有料のサービスを導入する前に、費用対効果が見込めるかどうかを実際に試してみることが可能になります。
ただし、すべての機能を永続的に無料で利用できるサービスは今の所存在しません。継続して利用するためには、有料の契約を交わす必要があります。
SMSの利用には通話回線の契約を行わなければならないので、どうしてもコストがかかるものとなってしまいます。
特にSMSは、顧客の重要な個人情報を扱うシステムなので、万全のセキュリティを整備しなければなりません。無料のツールが仮に提供されていたとしても、セキュリティ基盤が脆弱であれば、甚大な被害につながる恐れもあるので、利用は推奨できません。
SMS送信サービスは基本的に有料となりますが、安全性の面を考慮すると、コストをかける価値は十分にあると言えるでしょう。
SMS送信サービスのおすすめ5つ!APIの有無などの機能・料金で比較しました!
おすすめのSMS送信サービスを紹介します。
従量課金制が魅力、SMS HaNa
SMS HaNaは、コストの低さが魅力のSMS配信サービスです。料金は1通あたり8円〜となっています。従量課金制となっているため、メールを送った分だけかかる仕組みです。導入費用や基本料金は、一切必要ありません。
また、特許取得済みの「配信停止機能」も特徴的です。これはSMS HaNa独自の機能で、SMS受信者が停止申請を行えるというものです。ユーザーが面倒な通知を何度も受け取らなくて済むような配慮も、SMS HaNの魅力であると言えるでしょう。
API連携可能なので、自社のシステムと組み合わせて、自動配信が可能です。
圧倒的な導入実績、KYUSMS
KYUSMSは、2,000社以上の導入実績があるSMS配信サービスです。金融や教育業界、地方自治体などさまざまな団体での導入が行われており、SMS一括送信だけでなく、API連携や決済など、多機能である点も特徴です。
月額料金は1ユーザーあたり1,600円、メールの配信は1通あたり15円という料金設定となっています。初期費用はかかりません。
到達率99%以上、Media SMS
Media SMSは、実に99.9%の到達率を誇るSMS配信サービスです。不着やエラーを最小限に抑えることで、無駄なメール配信をなくすことができます。また1時間あたり30万通ものメールを送ることができます。
さらに文字数制限以上のテキストを送付できる長文化サービスも魅力的です。ドコモは660文字まで、auとソフトバンクは670文字まで、テキストを増やして送信できるようになります。提供できる情報量も段違いに増えるので、URLを複数載せることも可能です。マーケティングにも有効であると言えるでしょう。
APIでの提供もあるので、手軽に導入できます。料金は機能などによって異なるため、問い合わせが必要です。
詳細な条件設定ができる、WEBCAS SMS
WEBCAS SMSは、さまざまな条件で配信設定が可能な、SMS一斉送信サービスです。顧客の情報はデータベースへと蓄積されており、「前回お知らせが届かなかった人だけをデータベースから抽出し、契約情報更新の通知を送る」といったこともできるようになります。
マーケティングへの活用も期待されるでしょう。システムは、パッケージ型からインターネット経由で利用可能なクラウド型まで、企業の形態や利用方法に合わせて導入可能です。料金体制は問い合わせが必要となっています。
サポート体制が魅力、空電プッシュ
空電プッシュは、サポート体制が魅力のSMS配信サービスです。システムは24時間365日体制で、人の目による監視が行われているので、トラブル発生時にもスピーディに対応してくれます。申込みから導入におけるフローもサポートしてくれるので、安心して利用を始められるでしょう。
API連携も可能で、自社システムと柔軟に組み合わせることができます。管理画面も見やすくシンプルなデザインとなっているので、はじめてSMS配信サービスを使う企業にもおすすめです。