そもそもLPO(ランディングページ最適化)対策とは?どんなやり方・施策がある?
LPO(ランディングページ最適化)対策とは、ランディングページ(LP)を最適化することによって、ページに到達したユーザーからのコンバージョン率(会員登録、資料請求などランディングページの目的を行う確率)を高めようとする施策のことを指します。
まずはLPO対策とはどのような手法なのかについて解説します。
なぜLPO対策が必要なのか?-LPの機能
LPとはWebマーケティングに使用される1枚モノのページのことを指します。
通常のWebサイトはトップページを中心とする何枚かのページによって構成されていますが、LPは1枚だけのページで商品やサービスに興味を持たせ会員登録や資料請求を促す、PRに特化したページのことを指します。
通常のWebサイトは検索エンジン経由でのアクセスが期待できますが、LPは文章などのコンテンツが少ないので一般的に検索順位での上位表示は期待できず、広告を使ってアクセスを集めなければなりません。
もちろん、広告には経費が発生するので、少ない経費でいかに会員登録や資料請求などのコンバージョンを発生させるかによって事業の収益性が変化します。
よって、LPのコンバージョン率を高めるためのLPOは重要となります。
LPO対策の基本
LPOの基本はサイトの訪問者に対して適切な情報を提供し、商品やサービスの魅力を伝えることです。
たとえば、ユーザーが女性メインなのか、男性メインなのかによってもLPのデザインの方向性は異なるでしょうし、同じ女性でも働く女性なのか、専業主婦なのかによって訴求するポイントは異なるはずです。
ユーザーについてイメージした上で、そのユーザーにあった集客、LPによる情報提供を行うことがLPOの基本的なコンセプトです。
LPOに関する具体的な施策
検索エンジンで上位に表示されるようにすることをSEO対策、Web地図上で上位に表示されるようにすることをMEO対策などと呼びますが、これらは具体的な手法があります。
それと比較するとLPO対策に明確なガイドラインは存在せずに、とりあえず成果がでそうなLPを制作してPDCAの中で徐々に改善していくという手法が主流です。LPOにおける具体的な施策を3つ紹介します。
ユーザーのペルソナを設定、集客とWebページに統一感を持たせる
LPO対策の基本通り、まずはユーザーを明確にすることが重要です。
ユーザー像を明確にするためには「ペルソナ」の作成が必要です。ペルソナはユーザー像を具体的にしてあたかも実在しているかのような人物像をイメージすることを指します。
たとえば、性別、年齢、趣味だけではなく、名前、出身大学、家族構成、普段の生活スタイルなど一見マーケティングに必要なさそうな情報まで具体的にイメージします。
ペルソナを作成することによって、ターゲットイメージが明確になるので、集客とWebページに統一感を持たせられます。
A/Bテストを繰り返してLPの精度を高める
一度LPを作ればそれで終了ではなく、LPに来ているユーザー層や行動を分析してコンバージョン率を高めるようにPDCAを回していかなければなりません。例えばボタンの色を赤にするか、緑にするかによってもコンバージョン率は大きく変化すると言われています。
一般的にはA/Bテストと言って、だいたい同じだけれども、文言やボタンの色などちょっとした部分が異なるLPを2つ用意して、それぞれ運用、成果を分析して良かった方のLPを採用するという手法を繰り返して、徐々に精度を高めていきます。
ユーザーによってLPを変化させる
ユーザー毎にそれぞれ最適化されたLPを見せることによって、コンバージョンを高める手法もあります。
広告毎の出稿先やユーザーの行動履歴などによって最適なLPの内容を変更したり、コンテンツの順番を変化させたりすることによってコンバージョン率を高める施策です。
ただし、ユーザー毎に最適なLPを人間が手動で見せるのは不可能なので、システムを利用しなければなりません。
LPOツールとは?その機能・Googleとの連携について解説!
LPOにはA/Bテスト、ユーザー毎への最適化など手間がかかります。そしてLPOの手間を軽減させるのがLPOツールです。LPOツールによくある機能やGoogleアナリティクスとの連携について紹介します。
A/Bテスト機能
LPOにおいて重要な工程であるA/Bテストですが、実施の為にはLPを素早く簡単に作成できる、結果を分析するための機能が必要です。
LPOツールの中には、LP作成をサポート、ヒートマップ分析・クリック率分析など効果検証に必要なツールが整備されているものもあります。
こういったツールを利用することによって、PDCAが早くなり、LPOの精度が高くなる効果が期待できます。
ターゲティング機能
デバイスの種類、参照元、地域などをシステムが自動的に読みとって、それぞれに対して最適化されたLPを表示するターゲティング機能を持ったLPOツールも存在します。
少ない数であれば広告の出稿先に応じてLPのコンテンツの中身や順番を変えることは可能ですが、出稿先が膨大になると管理は実質的に不可能となります。また、行動履歴によって人間がLPを切り替えることも困難です。
ターゲティング機能を持ったLPOツールを使用することによって人間がカバーできないような細やかな個別対応が可能となります。
外部連携
LPは単体で完結するものではなく、得たデータはアクセス解析、売上データ、顧客情報などさまざまな情報とリンクしなければなりません。LPOツールの中には他社のシステムとデータ連携できる機能を持ったサービスもあります。
Googleアナリティクスとの連携
Webマーケティングの効果分析を行う際に必須級のツールがGoogleアナリティクスです。GoogleアナリティクスはGoogleが提供しているWeb解析ツールでユーザーの集客経路やサイト内での行動、属性などが分析できます。
LPOツール内に分析ツールが含まれている場合もありますが、アナリティクスによるアクセス解析も有効です。
ツールによって異なりますが、LPOツールの中にはGoogleアナリティクスと積極的に連携しているシステムも存在します。
また、LPのソースコードにタグを追加するだけなので、連携していないシステムでも大抵の場合、アクセス解析が可能です。
LPOツールのメリット・デメリットをまとめました!
LPOツールを使用することによって、問い合わせ発生のコストパフォーマンスを高めることができますが、費用も発生します。LPOツールを利用するメリット・デメリットについて説明します。
LPOツールのメリット
LPOツールのメリットは大きく分けて「LPOの業務効率が向上する」「広告の費用対効果が改善できる」「LPの制作コストが抑えられる」の3つです。
LPOの業務効率が向上する
LPOには手間がかかります。A/BテストのためにはLPを複数作成する必要がありますし、広告の出稿先によってLPを変更するなら、LPの管理にも手間がかかります。
また、無料のアクセス解析ツールでは十分な効果検証ができずに、仮説の検証作業に時間がかかる、精度が甘くなることも考えられます。
LPOツールにはLPOのためのPDCAを回すのに必要な機能が盛り込まれているので、業務効率アップが期待できます。
広告の費用対効果が改善できる
広告の費用対効果が改善できる効果も期待できます。ターゲットを細かくセグメント分けしてそれぞれに最適なLPを表示した方がコンバージョン率は向上する傾向がありますが、手動では細やかな対応は困難です。
LPOツールを利用することによって、コンバージョン率が高まり、広告の費用対効果の改善が期待できます。
LPの制作コストが抑えられる
LPの制作コストが抑えられるのもLPOツールを利用するメリットです。
LPを細かく作成するとその分だけ制作費用は高くなり、投資回収が困難となります。LPOを使えば、ちょっとデザインを変更したり、コンテンツの順番を変えたりしたLPを簡単に制作できるようになるので、LPの制作コストを抑えられます。
LPOツールのデメリット
LPOツールにはメリットがある一方で「収益がアップするとは限らない」、「一定の専門知識が必要となる」というデメリットも存在します。それぞれについて説明します。
収益がアップするとは限らない
LPOツールを使用すれば、必ず収益がアップするとは限りません。
既にコンバージョン率が高いLPでも、ツールを使えば限界を超えてコンバージョン率が高まるということはありません。
コンバージョン率には一定の限界値があるので、限界値が近くなるとLPOツールを導入してもコンバージョン値は高まらず、売上アップと広告費の削減効果が充分に発揮されないケースもあります。
一定の専門知識が必要となる
LPOツールはLPの作成、最適化をサポートしてくれても、ゼロからLPをシステムが自動作成してくれるツールではありません。よって、LPOツールを使いこなす前提としてマーケティングやデザインに関する知識は必要となります。
LPOツールの相場はどれくらい?無料ツールはある?
LPOツールは毎月10万円程度の費用がかかります。一般的なクラウド型ツールと比較すると少し高価ですが、LPの作成や改善の手間、収益アップ効果を考えると決して割に合わない価格ではありません。LPOツールの相場と無料ツールは存在するのかについて説明します。
LPOツールの相場
LPOツールの中心的価格帯は初期費用12万円、月額費用10万円程度です。ただし、調査対象は10社で、半分の会社は価格非公開ということで、実際に見積もりをとれば多少相場は変動することも予想されます。
LPの費用対効果改善のためだけのシステムに10万円を支払うというのは少し割高だと感じる方も多いかもしれません。ただし、手作業でLPOを行うコストと比較すると一概に割高とは言えません。
LPOを手作業で行う際に掛かる手間
LPOツールを使用しない場合、LPの効果分析と修正はすべて手作業で行わなければなりません。LPOのコンサルティングを依頼すると毎月10万円程度の費用はすぐに発生します。
また、内製化してもA/Bテスト用のLPの作成、広告の出稿、効果の分析、LPの修正などさまざまな作業を行わなければならないので人件費がかかります。
外注費の削減や業務効率化効果が充分ならばLPOツールを導入しても良いと考えられます。
システム導入により期待できる収益アップ効果
LPOツール導入により収益アップ効果も期待できます。
例えば、年間売上2,000万円、粗利率30%、コンバージョン率2.0%、年間広告費400万円で運営しているLPがあったとします。このLPにより発生するおおよその収益は
2,000万円×30%-400万円=200万円となります。
このLPがツール導入によりコンバージョン率は2.0%から2.5%に変化すると売上は2,500万円になります。その際の収益を計算すると
2,500万円×30%―400万円=350万円となります。
LPOツールに年間120万円支払うとしても、
350万円―200万円―120万円=30万円
と差し引き30万円収益がアップすることになります。コンバージョン率は少しの改善でも大きく収益に貢献するので、月額10万円程度払っても十分にコンバージョンを改善できる可能性があります。
無料で使用できるLPOツール
LPOツールを導入しても投資回収ができるか不明なのでとりあえず無料ツールを試してみたいという方もいるでしょう。しかし、多くのLPOツールはお試し期間こそあるものの、基本的には有料です。数少ない無料LPOツールとしては「ねこすけLPO」というシステムがあります。
アドレス登録だけで無料で使用できる「ねこすけLPO」
ねこすけLPOはアドレス登録だけで利用できる無料のASP型LPOツールです。
無料ですが、ユーザーに応じて動的にページを生成したり、効果検証機能があったりとLPOツールで欲しい機能は搭載されています。
まずはお試しでLPOに挑戦したいという方は「ねこすけLPO」を使ったLPOから挑戦すると良いでしょう。ただし、無料ツールなので基本的にサポートはありませんし、使っていくうちに他の機能も欲しくなるかもしれません。
LPOツールの選び方を解説!
LPOツールは安いシステムではないので導入の際にはきちんと検討を行った方が良いでしょう。「導入するべきかを検討する」「運用体制を検討する」「ツールを選ぶ」という3つの過程から選び方について解説します。
導入するべきかを検討する
まず検討すべきはそもそもLPOツールを導入するべきか否かです。LPOツールの相場に関する章で説明した通り、LPOツールには業務効率化によるコスト削減効果と、コンバージョン率アップによる収益アップ効果の2つが期待できます。
この2つの効果と比較して、コストが高い場合は導入しない方が良いでしょう。
もちろん厳密に計算できることではありませんが、「粗利率が低めであまり広告に予算を掛けられない」「ニッチ商材で市場規模が限られている」「そもそも競合がほとんど存在しない」パターンについてはLPOを導入してもほとんど業績が変わらない可能性があります。
導入に向いているパターンとして「市場規模はあるのに競合にマーケティング力で負けている」「コンバージョン率を向上させられる余地がありそう」「ユーザーセグメントを細かく分けないと見込み客を集められない」などが考えられます。
運用体制を検討する
LPOツールを導入することが決まれば、次に決定すべきが運用体制です。LPOツールを社内に使える人間がいるのか、いないのであれば採用・教育などどのような手段で人材を用意するのかを考えなければなりません。
また、LPOを担当する従業員にどの程度の業務時間を使わせて、どの程度の効果を期待すべきなのかも考えた方が良いでしょう。
もちろん、これはただの計画であって実際にツールを導入して、運用していくと計画通りにいかないことも多々あります。ただし、運用できる体制を構築しておく、ツールの評価基準(継続、使用中止の基準)を事前に決めておくことは重要です。
ツールを選ぶ
最後に行うのが具体的なツール選びです。ツールを評価する際のポイントは次の3つです。
必要な機能はあるか
A/Bテストを効率的に行いたい、ユーザーに対して動的にLPを生成したいなどLPOツール導入の目的は企業によって異なるはずです。まずは自社がLPOツールに望むことは何かを明確にして、必要な機能の有無でツールを評価してください。
社内のシステムとの連携について
おそらく機能だけで選ぼうとすると全てのシステムが良く見えて選びきれないです。そうしたときは、社内のシステムとの連携について考えてみてください。
LPOツールは単体で完結するものではなく、広告システムや顧客管理システム、アクセス解析システムと連携して効果を発揮します。そのシステムを導入した際に社内の他のシステムとどのように連携させて、オペレーションを行うのかについてイメージしてください。
予算内かを検討する
最後に導入しようとしているシステムが予算内かを検討します。LPOツールには比較的高価なツールも多いですが、コンバージョン率さえ改善できるのであれば十分に投資回収が可能な料金です。
単純に金額の大小だけではなく、期待する効果と釣り合うかについて検討してください。
LPOツールのおすすめ3選!
数あるLPOツールの中からおすすめのLPOツールを3つ厳選して紹介・比較します。
サービス名 | DLPO | CVX | Gyro-n LPO |
A/Bテスト | ○ | ○ | ○ |
ターゲティング機能 | ○ | × | ○ |
DMP連携 | AD Ebisなど10種類以上 | × | IntimeateMerger |
無料トライアル | × | × | 1か月 |
料金 | 初期費用:200.000円 月額:100.000円 |
要見積もり | 初期費用:要見積 月額:40,500円~ |
多数のプラットフォームと連携できるDLPO
DLPOはA/Bテスト、多変量テスト、パーソナライズ機能を持ったLPOツールで、SBIホールディングス、ベネッセ、ZOZOTOWNなど700社以上に導入されています。
また、多数のWEBプラットフォームと連携可能で、各種DMP、ウェブ解析ツール、タグマネジメントツールと連携させて使用できます。
カスタマーサポートも充実しており、運用マニュアルや電話やメールでもサポートはもちろんのこと、活用事例週やクリエイティブサンプル集なども用意されています。
専門的な知識が無くても扱いやすいCVX
CVXはLPの制作・分析・改善運用が効率的にできるサービスで、ノンエンジニア、デザイナーでもLPOが行いやすい機能が充実しています。
PC・スマホ・レスポンシブにも対応して150種類のテンプレートの中から穴埋めに近い感覚で簡単にLPが制作できます。
また、A/Bテスト、ページ分析、クリエイティブ改善などLP公開後のコンバージョン率アップのために必要な機能も盛り込まれています。
アクセス解析の手間が省けるGyro-n LPO
Gyro-n LPOは「ユーザーに合わせた訴求で的確に誘導」「アクセス解析の手間を削減」「新たなページ作成の手間を削減」の3つをウリにしたLPOツールです。
ユーザーの行動や目的に合わせてシステムが最適なコンテンツを差し替えてくれるので、LPOで発生しがちな大量のページ生成、アクセス解析の手間が削減できます。
さらに、LPを最適化するだけではなく、よりユーザーからコンバージョンを獲得するために自動クーポン発行機能、お知らせメッセージ表示機能もあります。