営業の基本はお客さんとの人間関係の構築にあります。そのためには初対面の方とでも上手に仲良くなることが大切です。
商品についていきなり話すのではなく、「上手な雑談」を武器にまずは話しやすい雰囲気、空気感を作り出すことを心がけましょう。
雑談で肝に銘じておくべきこと
初対面のお客さんであれば、いきなり突っ込んだ話は禁物です。きちんとお客さんとの距離を保つことが大切です。
一方であまりにも無難すぎる話では、お客さんとの距離が縮まりません。また「いかにも空気を和ませようとしているな」とわざとらしく感じさせてしまうことも避けたいところです。
ここで一つポイントがあります。
はじめから「今日はこの雑談ネタで入ろう」と決めないことです。
それよりは相手の「今の気持ち・状況」「好きなもの」「関心のある事」に合わせて話を振っていくように心掛けた方が自然に仲良くなれます。
ここでは鉄板の雑談ネタを紹介するだけでなく、仲良くなるためのポイントも合わせて紹介していきます。
営業の雑談ネタ鉄板例6つ
① 天気ネタ
これはあまりにもポピュラーなネタです。
しかしながら最も無難であり、最も自然に会話をはじめることが出来るネタであることも事実です。
ここで、一つポイントなのは「ただ天気の話をするのではなく、お客さんの気持ちと自分の気持ちを共有する意識を持つ」ということです。
ただ、「晴れてますね」ではなく「晴れていて気持ちがいいですね」、「じめじめして嫌ですね~」「今週ずっと猛暑みたいで、まいっちゃいますね」というように。
また、極端な天候状態によってお客さんが大変な状態になっていれば、むしろ積極的に話題にしましょう。
例えばお客さんが汗だくだくの状態、寒くて凍えている状態、雨で濡れてしまった状態、等々であれば、天候を話題にするのはもちろん必要です。それだけではなく、「冷たいものお持ちしますね」「ブランケットをお持ちしましょうか?」「よろしければこちらのタオルをお使いください」というようにフォローも合わせて行いましょう。
これだけでお客さんとの距離はぐっと縮まるはずです。
逆に暑くも寒くもなく、特にお客さんの気持ちが天気の影響を受けてないようであれば、無理に天気の話題を出す必要はないでしょう。
② 家族ネタ
これもお客さんの気持ちに沿って話を振っていきましょう。
例えば、赤ちゃんを含めた小さなお子さんと一緒の家族連れであれば、その段階でお母さんは育児に大変なことが想像できます。
小さい子はいきなり、叫んだり、暴れたり、わがまま言ったりしますから。
ですから、
「かわいいお子さんですね。すごく元気な分、お母さん大変なんじゃないですか」
「うちも1歳の男の子がいるんですが、なんでも食べちゃうんですよ。お子さんもなんでも口に入れたりしませんか?」という具合に、かわいさと同時に大変さについても切り出すのがポイントです。
これが「相手の気持ちに沿った雑談の仕方」になります。
③ 好きなもの・こだわりネタ
初対面のお客さんであっても、お客さんが出している情報があります。それは身に着けているものや持ち物です。
明らかに野球やサッカーのどこかのチームのファンであったり、ディズニー好きであったり、どこかのブランドにこだわっていたりです。
こういった時は「初対面なのに失礼ですが」と前置きして、その話題に触れましょう。
自分が相手の好きなものやこだわりに対する知識があれば「自分も好きなんですよ」と話しかければ、すぐに打ち解けられる可能性が高いです。
④ 住んでいる場所のネタ
お客さんが住んでいる場所について聞くのはとても有効です。
ご挨拶して、天気やちょっとしたニュースなどの話をした後に、「ちなみに今日はどちらからお越しになったんですか」と切り出してみましょう。
「ここまでどれくらいかかりましたか、混んでませんでしたか?」
「お住まいの近くに○○スーパーがありませんか、私よく行くんです。」
「もうそちらに住まわれてどれくらいなんですか?」
自分が住んでいる周辺情報についてはお客さんも関心がありますから、雑談としては有効です。
⑤ 地元・出身地ネタ
お客さんの住んでいる期間を聞いたら、「元々ご出身がこちらなんですか」と切り出すことで、地元や出身地に関する話が出来ます。
もし、自分に知識があったり所縁(ゆかり)があればその話題で盛り上がることが出来ます。
あまり知らない場合は「教えてもらうスタンス」に切り替えて、話を聞いていきましょう。
⑥ 休み・仕事ネタ
お店に来られているお客様はその日が休日の可能性が高いです。
例えば「今日は平日ですけど、平日休みなんですか?」と聞けば、仕事の種類を教えてくれる可能性は高いです。
またそうでなければ「失礼ですけど」という断り文句を入れて「お仕事は何をされているのですか」と切り出しましょう。
仕事の話で盛り上がることが出来れば、お客さんとの距離は一気に縮まります。
まとめ
以上、ここまでご紹介した雑談ネタは王道のものばかりです。
しかし雑談で重要なことは、「何を話す」ということよりも、「お客さんに合わせて話す」ということです。
「お客さんの気持ち」や「お客さんの置かれている状況」や「お客さんが好きなこと、関心があること」について切り出したり、質問することが一番大きなコツになります。
雑談は長すぎると逆にデメリットにつながることもあるので注意が必要ですが、やはり最初の「緊張感を和らげる」という意味ではとても大切です。
ぜひ、営業成績アップのために、雑談力を磨いていきましょう。