マーケティングや企画ネタに案外アリ。タウンページ活用法6つ。

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マーケッター・プランナーであれば、日々様々な広告手法や企画を研究していると思いますが、トレンドを追っていくと大体どの施策も似通ってくるのが悩みだと思います。先日知り合いのある大手企業のマーケティング部長と飲む機会があったのですが、「どうしても競合と似たような施策になって、なかなかいいアイデアが出てこない」ということを仰ってました。企画立案にあたって、インプットする情報が同じなら、アウトプットも似てしまうのは当然のこと。しかし、簡単に秀逸な企画など出来るわけではありませんし、難しいですよね。
迷ったら伝統的なモノを見直すのがビジネスの定石ですが、今日はその中から100年以上の歴史を持つ媒体であるタウンページについて、考えてみたいと思います。タウンページというと、「重い」「捨てる」「まず見ない」などネガティブなイメージを持っている方も多いと思いますが、マーケッター・プランナー目線で見ると案外活用が可能です。

1.タウンページの紹介

まずは、タウンページについて、簡単に紹介します。
タウンページは、NTT東西会社が発行する職業別電話帳のことで、1890年に日本で電話帳が出てきて以来100年以上の歴史があります。運営編集はNTTタウンページ株式会社(NTT東日本100%子会社)が担っています。タウンページ社は、昔は電話帳の広告販売会社やダウンページのDBを販売する会社などに別れていたのですが、2012年までに合併を終え、現在は社員3000人、売上550億規模の会社です。
NTTタウンページHP

2.タウンページの商品

タウンページ社の商品のうち、マーケッター・プランナー的に関連しそうな主な商品3つを紹介します。

2-1.タウンページ

takatsuki
一般的にイメージされているタウンページ。全国で年に1回発行しています。基本全戸に配布しています。先日、防災タウンページをリリースして、今後は防災に関する情報冊子が入るようなので、今後捨てられる率は減ることが予想されます。
出典:NTTタウンページニュースリリース

2-2.iタウンページ

タウンページのインターネット版。病院・士業向けのサービスなど、業種に特化したサービスメニューもあります。
出典:iタウンページ

2-3.タウンページデータベース

これはあまり知られていないですが、タウンページ社は、全国の中小企業や個人事業主を中心に、750万件の事業者DBを保有しており、それをマーケティングデータや自社サービスのデータソースとして販売しています。
出典:タウンページデータベース

3.タウンページ商品の活用法

以下、マーケログ的に、これらの商品の活用法を考えてみました。一部違うものもありますが、タウンページの商品を買うというよりは、無料で手に入るものから参考情報を得るという観点で紹介します。

3-1.タウンページ

3-1-1.タウンページに出稿している企業傾向の研究

手元にタウンページがあるのであれば、一度手に取ってパラパラとめくってみてください。企業側からすると来客に繋げるということ以外に、地元での信頼性獲得という掲載意図もあるでしょうが、案外多くの企業が掲載されています。
手元にタウンページがない方は以下より最新版をみることができます。
タウンページライブラリー
見られている版によって多少異なりますが、大まかな傾向としては、

  • 緊急性の高いトラブル向け広告→ 水漏れ・病院・鍵修理・ガス修理など
  • 家庭や企業の重要なイベント向け広告→ 弁護士・探偵・葬儀・引っ越しなど
  • 地元のネット化されていない広告 → 畳・建材・質屋・車検など

に分類されます。
例えば、引っ越し業者や病院、弁護士のように、既にWeb施策に積極的な業種もあるでしょうが、上記の中にはまだまだWebでの集客が一般的ではないと業種もあると思います。あなたの会社やクライアントが上記傾向に該当する業種の場合、新たな企画のり口が見つかるかもしれません。
 

3-1-2.スーパーインデックスでニーズ把握

版によるのですが、自治体情報を併せて掲載している版には、タウンページの先頭に目次が掲載されており、スーパーインデックスと呼ばれています。
一例として、以下より横浜市神奈川区版を見ていただけると付いています。
タウンページライブラリー
自治体などに寄せられる相談のうち、相談順位の高いものやその関連情報を中心に前のページに配置する工夫をしています。自治体に問い合わせるならという前提がつくので、一概には言えませんが、人が何に困って問い合わせをするか?という切り口で誌面を見ると、その課題を解決するようなソリューションやサービスのヒントが隠されていると思います。
 

3-1-3.コラムなどの参考ソースとして活用

これは主にライターやWebコンテンツの企画者向けですが、コンテンツのネタに困った時には、タウンページに掲載されている情報はいい参考ソースになります。中々情報を取りにくい自治体情報をはじめ、生活全般がわたって掲載されていますので、行き詰った時にパラパラとめくっても良さそうです。
 

3-2.iタウンページ

3-2-1.SEO施策として活用

iタウンページのドメインはgoogleのページランク7で運用されています。ほとんどの広告掲載企業は意識していないですが、SEO的には質の高い被リンクがひとつついているのと同じ副次効果が生まれます。SEO業者から質の悪い被リンクを買っているサイトもあると思いますが、あなたの会社やクライアントがタウンページに掲載されているような業種であれば、広告掲載すればプラスしてSEO対策にも役に立ちます。

3-3.タウンページデータベース

3-3-1.ニュースリリースの活用

タウンページ社では、月に1回程度、タウンページDBを利用したリリースを発表しています。2015年3月のリリースでは「本場より美味しい!?イタリア料理店が多いのは?」と題して、都道府県別のイタリア料理店の統計情報を掲載しています。この種のデータは中々正確な情報が出て来にくいため、情報の価値は高いです。タウンページのテータを活用してテレビ番組の企画をするといった事例もあるようです。キャンペーン系の企画の参考になります。
ニュースリリース)本場より美味しい!?イタリア料理店が多いのは?
 

3-3-2.DB活用ビジネスの検討

前述しましたが、タウンページ社は、750万件の企業情報のDBを保有しています。そのうち450万件が店舗などの個人事業主です。業種によっては、まだ未開拓な業種もあることが想定されます。特定のターゲットに絞ったテレアポ+Web施策あるいは店舗施策などを検討している企業であれば、有効なツールとなるでしょう。(タウンページ社でもテレアポを代行してくれるサービスがあるようです。)昨今問題になっている名簿業者とは違い、出所がしっかりしているデータですので、リスク低く運用可能です。
また、日産自動車やクラリオンなどは、カーナビなどの自社サービスにタウンページDBを活用しています。タウンページDBを使えば、自社Webサービスに企業情報や地図情報などを連携させてサービスを構築するような企画も可能です。
事例がいくつか掲載されていますので、参考にしてみてください。
タウンページデータベース
 

4.まとめ

今回は少し変わった切り口で紹介してみました。マーケッター・プランナーの世界であまり話題にならないような媒体でも、調べてみると新たな切り口が生まれてくることが分かります。単に情報を参考にするもよし、このような会社とアライアンスを組んで何かを始めるもよし。皆さんのビジネスに是非活用してみてはいかがでしょうか。

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