ライブコマースの人気サービス・アプリ3選!日本・中国など海外の事例・現状を解説!

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ライブコマースとは何か

ライブコマースとはECの一種で、インターネットなどでライブ配信を行い商品やサービスについてプレゼンターが紹介、ユーザーからの質問に答えたり、商品を使用したりしながら魅力について訴求、視聴者に商品を販売する手法のことを指します。

端的に言えば、テレビショッピングのインターネット版のようなサービスと考えればわかりやすいでしょう。ただし、厳密に言えば両者は違うものです。これについては後述します。

ライブコマースとEC

ライブコマースはECの一種ですが、商品の販売方法は大きく異なります。

ECの場合は通販サイト(モール)に商品ページを作成して、その商品ページにSEO対策やPPC広告、モール内SEOなどの手法を使ってアクセスを集めます。そして商品ページで商品の魅力を訴求してユーザーに購入を促します。

一方でライブコマースにはSEO対策やPPC広告、モール内SEOなどのノウハウはそれほど重要ではありません。ライブ配信を見てもらう、商品を買ってもらうという2つのステップがライブコマースでは発生しますが、この2つのステップにおいて重要なのは誰がプレゼンするかです。

SNSなどでフォロワーが多いインフルエンサーがライブ配信をした方が視聴者数は増加しますし、そのインフルエンサーが熱量を持って商品の魅力をプレゼンした方が商品の購入確率は増加します。

ECが静的かつ半永続的に集客・販売を行うのに対して、ライブコマースでは期間限定で動的な集客・販売を行います。

ライブコマースとテレビショッピング

テレビショッピングのインターネット版と考えればライブコマースを理解しやすいですが、厳密には別物です。ライブコマースは媒体がパソコン・スマホであること、コミュニケーションが双方向であることの2つの特徴があります。

ライブコマースはパソコン・スマホ、テレビショッピングがテレビを媒体にして商品を販売します。テレビの画面は大きくて見やすいのですが、基本的にはパソコン・スマホの方が便利です。

テレビは固定されていますが、パソコン・スマホは自由に動かせるので自分の好きな場所でライブ配信を閲覧できます。また、そのままパソコン・スマホで商品を購入できるのでテレビショッピングと比較すると購入がスムーズです。

コミュニケーションが双方向であることについて、テレビショッピングはあらかじめ録画したプレゼンの様子を放送したり、ライブ配信でもユーザーのコメントを拾ってレスポンスする機能に乏しかったりします。

一方でライブコマースの場合はユーザーとのコミュニケーションが重要で、ユーザーのコメントを見ながら質問に答えたり商品を使用したりと、双方向的にコミュニケーションを行うことが重視されています。

ライブコマースが注目されている背景

日本では2017年頃から新たな販売手法としてライブコマースが注目を集めています。なぜライブコマースが注目を集めているのかその背景について紹介します。

ECで先行する中国でのライブコマースの成功

日本のEC文化よりも数年分だけ中国はEC文化で先行しています。中国のECのトレンドを見ることによって、今後日本で流行しそうなECのトレンドを発見することができるのです。そんな中国では急速にライブコマース市場が拡大しています。

中国の大手ライブコマースサービスであるタオバオライブでは、2018年の取引額は1,000億元(日本円:約1.5兆円)を突破しており、前年同期比400%以上の成長をしていると言われています。

もちろん、EC市場の大きさが日本と中国では比較にならないので日本に1.5兆円のライブコマース市場が突然発生するわけではありませんが、中国でのライブコマースの成功は日本でも市場が拡大することを予想させます。

動画によるコミュニケーションの普及

ライブコマースを普及させるためには、先行して動画によるコミュニケーションを普及させなければなりません。この点についてもTikTokや17LIVEに代表されるように中国勢が先行していますが、日本においても動画によるコミュニケーションが根付きつつあります。

TikTokが2018年に日本で使用され始めて爆発的な人気を誇っているのはもちろんのこと、芸能人が続々YouTubeを解禁し、動画のマーケットが急速に拡大、今後動画によるコミュニケーションが普及することが予想されます。

また、インフルエンサーと呼ばれるSNSで数万から数百万のフォロワーを抱える、ネット上の有名人も誕生しました。

動画のマーケットが急速に拡大していること、インフルエンサーのように特定のユーザー層に大きな影響を持つタレントが誕生したことにより、インフルエンサーがライブ配信で商品を販売するライブコマースが成立する土壌が着々と形成されつつあります。

ライブコマースサービスが続々とリリースされる

このようなトレンドを見越して、各社はライブコマース系のサービスを続々とリリースしました。例えば、楽天が運営する「Rakuten LIVE」、メルカリの「メルカリチャンネル」(2019年7月サービス終了)のように大手資本も続々と参入しています。

さまざまなサービスが乱立しているので、終了するサービスもたくさんありますが、総じてライブコマース市場の成長を信じて事業投資をしている企業が多いと考えられます。
2019年時点で日本のライブコマース市場が急速に成長しているという報道などはありませんが、着々と日本でライブコマース市場が成長する土壌が整いつつあり、大企業を中心にさまざまな企業が挑戦しているためEC関係者の中でも注目を集めています。

ライブコマースの利用者数・市場規模

日本のライブコマースの利用者数や市場規模について具体的に算定した調査はありません。日本のライブコマース市場についての最新の調査としてはマクロミル・翔泳社が共同で実施した「ライブコマースの利用意向やイメージに関する調査」が挙げられます。

マクロミル・翔泳社の共同調査

調査によるライブコマースの利用経験について、ライブ配信を観たことがないユーザーが80.9%と大半の人がライブ配信自体をみたことがないことが明らかにされています。

残りの19.1%のうち、ライブ配信をみたことがあるが商品を買ったことがないユーザーが15.8%、ライブ配信を観て商品を買ったことがあるユーザーが3.3%となっています。

ライブコマースで実際に商品を購入している人は全体の3%程度ということでまだまだ少ないことがわかります。

ライブコマースの利用意向については使いたいユーザーが23.8%、どちらともいえない37.4%、使いたくないユーザーが38.8%ということで、使いたいというユーザーは少なくなっています。

使いたいとするユーザーは動画だと商品の内容を理解しやすい、リアルタイムで商品について質問ができるとする一方で、誇大表現があるかもしれない、商品の悪い面を伝えてくれなさそう、うさんくさいなどという否定的な意見も目立ちます。

前年のマクロミルの調査によれば、ライブコマースの認知度は29.7%、認知者のうちライブ配信を視聴・商品を購入したことがある人の割合は14.0%なので、全体の4.1%程度がライブコマースで商品を購入していることになります。

サンプル数による誤差も考えられますが、2018年、19年とほぼ経験者の割合が横ばいとなっているのでライブコマース市場が停滞しているとも考えられます。

日本・中国など海外におけるライブコマースの事例・利用状況

日本では若干の停滞傾向がみられるライブコマースですが世界全体ではライブコマースが市場を拡大しています。ライブコマースについて具体的にどのような事例があるのか、利用状況はどうなっているのかについて解説します。

2時間で3億円を売り上げた張大奕

ライブコマースの成功事例として説明される代表的な事例が、2時間で3億円の商品を販売した中国の事例です。

中国のインフルエンサー兼ネットショップ経営者の「張大奕」がタオバオのライブ配信で自身の新作ブランドとその製作過程を配信したところ。20~22時までのわずか2時間で41万人が生放送を視聴、100万いいね!を獲得、その際の売上が2,000万元(約3億円)にも達しました。

この事例が誕生した頃からライブコマースという販売手法が注目を集めるようになります。

独身の日に一人で50億円販売する

中国ECの一大イベントといえば独身の日ですが、2018年の独身の日もライブコマースによりたくさんの商品が販売されました。

上記の張大奕の事例はライブコマース黎明期の事例としては驚異的ですが、ライブコマース市場自体が拡大しているため、現在ではさらにライブコマースで巨額な取引額を記録する事例もあります。

2018年の独身の日はインフルエンサーの「薇娅」がライブ配信で3.3億元(約50億円)の売り上げを達成、同じタイミングでコスメ分野に強いインフルエンサーの「李佳琦」は口紅を5分間で1,500本も販売して世間を驚かせました。

ライブコマース市場は2018年から19年にかけて昨対400%で市場が急拡大していると言われており、今後も華々しい事例が登場することが期待できます。

山田孝之が2,700万円で落札される

日本でも徐々にライブコマースが注目を集めつつあります。2018年に注目を集めた企画として、有名人を使ったライブネットオークションを開催する「me&stars」が開催した「山田孝之の1日受け付け」のライブコマースがあります。

1月31日21時から専用アプリでライブネットオークションを開始してわずか40分で2,700万円という価格で権利が落札されました。同社はその後、瀬戸内寂聴と人生問答をする権利なども販売しました。

三越伊勢丹がライブコマースで過去最高のEC売上を達成する

小売の代表格ともいえる百貨店もライブコマースに取り組んでいます。

三越伊勢丹が2019年11月に初めてお歳暮の販売でライブコマースを活用、過去最高の売上高を達成しました。三越伊勢丹オンラインの商品を観ながら販売員と視聴者がリアルタイムで質問や会話を繰り返しながら、その商品を購買できる形で商品をプレゼン、EC経由で多くの視聴者が商品を購入しました。

三菱自動車がライブコマースで自動車を販売する

ライブコマースでは高額商品を販売するケースもあります。ライブコマースを活用して自動車の販売に成功したのが三菱自動車です。

同社は「ナイトショールーム」という企画を開催、本社のショールームからライブ配信を行いました。配信では開発者やゲストがトークを行ったり、乗用車の細部を映像で見せたりすることによって、消費者の購買意欲を向上、オンライン見積もりやカタログ請求に誘導しました。

ライブコマースのメリット・デメリット

ライブコマースによって商品を販売することにはメリットもデメリットもあります。それぞれについてどのような傾向があるのかについて説明します。

メリット:商品の魅力について熱量をもって伝えられる

文字や画像よりも動画の方が情報量の多いコミュニケーション手段です。また、文字で説明するよりも人間が商品の魅力を説明した方が熱量を持って相手に商品の魅力を伝えることができます。

例えば、開発までのエピソードや商品の品質に対するこだわり、他の商品との違いなどは消費者がぱっとみただけではわかりません。文字だと読むことに抵抗がある消費者も多いので、人間が語ることによって商品の良さは伝わりやすくなります。

単に安い商品ではなくこだわりが多い商品や、品質の高い商品ほどライブコマースで商品の魅力が伝えられます。

メリット:ユーザーの疑問をその場で解消、接客ができる

一般的なECの場合、ユーザーが購入の際に抱く疑問を解消できません。例えば洋服の場合、実際の着用感や生地の心地、着用方法、他の服とのコーディネート、洗濯の際のポイントなどいろいろなことを気にしますが、通販ページだけでユーザーのこのような疑問にすべて答えることはできません。

一方でライブコマースならユーザーのコメントを確認できて、その場でレスポンスができるのでユーザーは購入上の疑問をすぐに払しょくできます。また、その場で遠隔で接客できるので、通常のECと比較してもユーザーに商品を売り込みやすくなります。

デメリット:日本ではまだ文化が定着していない

ライブコマースには色々なメリットがありますが、日本ではまだライブコマースの文化は定着していません。マクロミルの調査でも明らかなとおり、実際にライブコマースを利用したことがあるユーザーは3%程度で前年と比較してもほとんど増加していません。

ライブコマースという文化がまだ日本に定着していないため市場規模が小さく、わざわざライブコマースで商品を販売しなくても、他の効率的な販売手法を活用した方が良いケースも多いでしょう。

ただし、今後市場の拡大が期待される販売方法でもあるので、今のうちから挑戦するというのも良いでしょう。

デメリット:リアルタイムでしか商品を販売できない

ライブコマースという販売手法に伴うデメリットとして挙げられるのが、リアルタイムでしか販売できないということです。通常のECの場合、商品ページを制作してPPCやSEO対策などの集客策をきちんと行っておけば、昼夜・問わずに注文を受け付けられます。

一方でライブコマースはライブ感が重要でライブ配信が終わってしまえば、その後は商品の注文は発生しません。よって、ライブコマースは短期間で売り上げをあげるための手法だと言えます。

なので、ライブコマースを使って販売をするべき商材は限られています。品揃え型のECサイトの場合、2割の商品が8割の売上をつくっているとよく言われますが、ライブコマースでは基本的に売れ筋2割の商品しか販売できません。

ロングテールの部分はわざわざライブコマースを行うとコストパフォーマンスが合わなくなってしまいます。

ライブコマースの人気サービス・アプリ3選!

ライブコマースで人気のサービス・アプリを3つ紹介します。

誰でも簡単にネットショップ・ライブコマースができる「BASEライブ」

BASEライブ
無料でECサイトが作れるサービスとして有名なのが「BASE」ですが、BASEでは誰でも使えるライブコマースサービスの「BASEライブ」というサービスを行っています。

1回当たりの配信時間は60分で毎日10時から22時まで配信が可能です。ユーザーとのコミュニケーションはコメントを介して行えるので、ユーザーに商品の魅力を上手く伝えられれば転換率アップがきたいできます。

数行のHTMLコードを打ち込むだけでライブコマース機能が追加できる「TAGsAPI」

TAGsAPI
すでにECサイトを保有している場合、後からライブコマース機能を追加するのは大変だと思われるかもしれません。しかし、「TAGsAPI」を利用することによって、サイト内に数行のHTMLコードを埋め込むことによってライブコマースができるようになります。

30日間の無料トライアルがあり、専任のコンサルタントがライブコマースの成功を徹底サポートしてくれます。事例として紹介した三越伊勢丹のライブコマースの事例など、さまざまな国内ライブコマースに関わっています。

老舗かつユーザー数の多い女性向け商材のライブコマース配信サービス「Live Shop!」

Live Shop
老舗かつユーザー数の多いライブコマース配信サービスで、女性向けの商材を取り扱っています。上位のチャンネルになると20万人以上が視聴するチャンネルもあります。
通常の販売手法だけではなく先行販売、抽選販売、セール販売、特典付き販売のライブ配信も可能です。

また、2019年2月より法人アカウントの利用料を無料にしているので気軽に始められます。

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