人気の高いクレジットカードの国際ブランドの一つが「アメリカン・エキスプレス」(通称:アメックス)です。
特に法人カードの取得を目指しているという方にとっては、アメックスのカードはかかせません。法人カードの国際ブランドとして素晴らしい特徴がいくつもあるのです。
こちらでは、アメックスブランド自体のメリットとデメリットをお伝えします。さらにアメックスのプロパーカードのメリット・デメリットについても解説します。
最後にアメックスのカードとは異なりますが、VISAの法人カードにも注目してみました。
アメックスとは異なる良さにも、注目していかなければなりません。
特におすすめできるVISAの法人カードを紹介するので、アメックスの法人カードと比較してみるのもおすすめです。
アメックスブランド自体のメリット7つ!
- ステータスがある
- ポイントの有効期限が無期限になる仕組みがある
- 自身にマッチしたカードを選びやすい(グレードが豊富に取り揃えてある)
- アメックスブランド独自の優待プログラムがある
- 付帯保険の内容が豪華である
- デスクサポートサービスが自社運営である
- 空港ラウンジサービスが付帯している
1.アメックスブランドのステータスとは?
アメックスブランドが付いているクレジットカードの審査難易度は、高く設定されています。気軽に取得できないので、多くの方にとって憧れの存在となっているのです。
ステータスが高い理由としては、年会費があります。
一般カードでありながら、年会費が1万円を超えています。他のクレジットカードであれば、一般カードであれば年会費がかからないものも存在しています。
ゴールドカードであったとしても、年会費が2,000円などといった数千円の範囲内のものも少なくありません。
審査基準については、明確にされているわけではありません。
しかし実際にアメックスブランドを取得した方の情報を総合すると、以下のような条件に当てはまっていなければ取得できないと考えられます。
- 年齢が20代後半以降であること
- 年収が500万円以上であること
- クレジットヒストリーに遅延情報がないこと
他のクレジットカードですが、仮にゴールドカードであったとしても20歳から取得できるものも少なくありません。
20歳前後の若い方にも発行しているカードが多いのですが、アメックスブランドに関してはステータスを維持する目的もあり、一定の年齢制限を設けているのです。
その理由として、利用限度額が高く設定されやすいといったものがあります。通常の法人カードの利用限度額は、数十万円から200万円程度です。
しかしアメックスブランドのカードともなると、200万円や300万円、それ以上に設定されることも珍しくありません。
審査ではクレジットヒストリーもチェックされます。アメックスブランドでは返済能力に特に注目してくる傾向があります。
要は利用実績が調べ上げられてしまい、遅延情報などが元で審査落ちになってしまう例もあるのです。クレジットカードやカードローンの利用では、必ず決まった期日に決まった額を返済しなければなりません。
2.ポイントの有効期限について
アメックスブランドでは、「メンバーシップ・リワード」と呼ばれるポイントプログラムがあります。
通常は2年から3年で、獲得したポイントは失効してしまいます。その間にポイントを利用しなければ、もったいないわけです。
一方でメンバーシップ・リワードに関しては、「メンバーシップ・リワード・プラス」と呼ばれるプログラムが用意されています。
メンバーシップ・リワード・プラスのメリットは、それだけではありません。実はポイントをマイルに移行する時に、レートがお得になるのです。
たとえばメンバーシップ・リワードをANAマイルに移行する場合ですが、メンバーシップ・リワードが2,000ポイントで1,000ANAマイルと交換できます。レートは2ポイント=1マイルとなるわけです。
一方で、メンバーシップ・リワード・プラスに登録しておくことで、メンバーシップ・リワードを1,000ポイントで1,000ANAマイルに交換できます。
交換レートは1ポイント=1マイルとなるので、レートが2倍も良くなります。
ただしメンバーシップ・リワード・プラスの登録については、年会費がかかるので注意してください。年会費は3,300円(税込み)となっています。
3,240円支払う価値があるかはカードの利用額にもよると思います。仮に高額の利用をする方であれば、メンバーシップ・リワード・プラスに登録したほうが良いでしょう。
3.アメックスの選択性について
メックスブランドの特徴として、各種のグレードを取り揃えている、というものがあります。
- 一般カード(ノーマルカード)
- ゴールドカード
- プラチナカード
- ブラックカード
クレジットカードの中には、ブラックカードがないものも少なくありません。さらに一般カードとゴールドカードしか用意していないケースも有るのです。
ちなみにカードのグレードによっても、付帯しているサービスは大きく異なっています。
4.独自の優待特典について
飲食店が割引きで利用できたり、ドリンクなどが無料提供されたり、といったサービスも付帯しているのです。グルメを楽しみたいという方にも、アメックスブランドは必見です。
トラベル系の独自の付帯特典にも注目しましょう。
ツアー代金がお得になったり、ホテルなどの宿泊料金が安くなるようなサービスも付帯しています。さらには宿泊する部屋のグレードをアップしてもらう、といったサービスが付帯していることもあります。
上記のようなサービスですが、他のブランドであるとプラチナカード以降でなければ、一般的には付帯していません。
5.付帯保険に優れている
どのアメックスのカードであるかによっても異なってきますが、基本的にアメックスブランドのカードに関しては保険サービスにメリットがあります。
例えば国内旅行傷害保険や海外旅行傷害保険に関しては、最高補償額が5,000万円から1億円に達しているものも少なくありません。
しかも利用付帯ではなく、自動付帯に設定されているものが多くなっているのです。
ショッピング保険の補償額も高額に設定されているなど、アメックスブランドは我々に安心感を与えてくれるわけです。
ちなみに法人や個人事業主であれば海外出張を行うこともあるでしょう。
6.アメックスのデスクサポートについて
アメックスでは自社でデスクサポートサービスを行っています。
他社にサポートを依頼しているわけではありません。だからこそ手厚いサービスを提供してくれるわけです。
デスクサポートですが「コンシェルジュ・デスク」などと呼ばれています。要は秘書サービスであり、様々な手配をしてくれるのです。
航空チケットや新幹線のチケット、更にはイベントのチケットなども手配してくれます。予約業務も実施中です。ホテルの予約であったり、レストランの予約といったこともできるのです。
さらに調べ物にも対応してくれます。
たとえば接待をおこなわなければならない時に、都合の良い飲食店がわからないということもあるでしょう。
コンシェルジュデスクであれば、
といった願望も叶えてくれます。対象のレストランをリストアップしてくれるのです。さらにお願いすれば予約も入れてくれます。
これほどまでのサービスを自社で提供しているのがアメックスです。
7.空港ラウンジサービスについて
アメックスブランドとして、国内の28の主要空港、さらには海外の2空港のラウンジサービスを提供してくれているのです。
カードごとに付帯しているわけではありません。アメックブランドとして付帯させているのです。
ちなみに海外の空港に関しては、「ハワイ ダニエル・K・イノウエ国際空港(旧・ホノルル国際空港)」と「韓国 仁川国際空港」が対象となっています。
ハワイと韓国に関しては、特に日本人が訪れる地域となっています。よって利用する確率が高いラウンジにアメックスとして対応してくれているわけです。
空港ラウンジサービスに関しては、カード会員本人だけが無料になるのではありません。同伴者に関しても1名までは無料でラウンジが利用可能です。
アメックスブランド自体のデメリット4つ!
- 加盟店が少ない
- 年会費が高額である
- 審査難易度が高い
- ポイント還元率が低い
1.アメックスブランドは使える店舗が少ない
例えば、VisaやMastercard®は日本国内だけではなく海外にも加盟店が多くあります。
使い勝手が非常に良いわけですが、アメックスに関しては利用できる店舗数が少なく、どのような店舗でも利用できるわけではありません。利用に制限があるブランドとなっているわけです。
日常の様々な決済に、アメックスブランドのカードを利用したいと考えている方もいるかも知れません。
しかし多くの店舗に対応しているわけではないので、思ったほど定期的に利用できないことも考えられるわけです。
アメックスの加盟店数が少ないというのは、クレジットカードの国際ブランドのシェア率からも確認できます。
ブランド名 | シェア率 |
---|---|
Visa | 56% |
Mastercard® | 26% |
ユニオンペイ(銀聯) | 13% |
アメリカン・エキスプレス | 3% |
JCB | 1% |
ダイナース、ディスカバー | 1%未満 |
見てもらえばわかると思いますが、基本的にVisaとMastercard®が、圧倒的なシェア率を誇っています。
2つのブランドで80%以上もシェアを占めていることになります。シェア率が高いということは、加盟店が多く使い勝手が良いということになるわけです。
一方で、肝心のアメリカン・エキスプレスですが、シェア率は3%にすぎません。
確かにJCBやダイナースよりはシェア率は高いのですが、やはり上位のブランドと比較すると加盟店数にも大きな開きがあると認められるわけです。
アメックスブランドのカードですが、たとえば高級ホテルや高級レストランでの利用であれば問題ありません。高級店については、アメックスもしっかりとカバーしているのです。
普段から自身がどのような店舗を利用しているかを思い起こしてください。
アメックスブランドが使えるような店舗を利用する頻度が高いのであれば、こちらのデメリットはあまり気にしなくてもOKです。
しかし、アメックスブランドが利用できない店舗ばかりでショッピングしている場合には、取得しても意味はありません。
カードは使わずに、年会費だけを支払っているような状況になってしまうかもしれないのです。
2.アメックスブランドと年会費
アメックスブランドのカードですが、プロパーカードはもちろんですが提携カードであったとしても、年会費が通常のカードよりも高く設定されているものが少なくありません。
前述したようにアメックスについては、年会費を高くすることによって、ステータスを維持しているといった見方もできるわけです。
アメックスブランドの年会費ですが、一般カードであってもプロパーカードであれば1万円台となっています。
プロパーカードのゴールドカードであれば、年会費は3万円台となっており簡単に手が出せるものではありません。
ちなみにアメックスブランドのブラックカードであるセンチュリオンカードですが、年会費は税込みで55万円となります。
カードを1回も使っていなかったとしても55万円が発生してしまうのです。
実は年会費は以前よりも急激にアップしました。以前は税込で17.6万円の設定となっていたのです。
さらセンチュリオンカードの取得には年会費以外のコストも発生します。実は入会金が必要になっているのです。
入会金の必要額は税込みで110万円となっており、年会費と合わせると初年度は165万円かかることになります(年会費:55万円+入会金:110万円)。
3.簡単には取得できない
アメリカン・エキスプレスはクレジットカードの国際ブランドとして、最もステータスがあるとされています。
以前は、ダイナースクラブのほうがステータスはあるとされていたのですが、現在では逆転しているのです。
国際ブランドの中でステータスNo,1 となったわけですが、その地位を守るためにも発行には制限をかけています。
そもそもアメックスカードを、誰にでも発行していたらせっかくのステータスがなくなってしまいます。よって、審査難易度を高めているわけです。
4.アメックスとポイントの関係性
がっかりする方もいるかも知れません。アメックスの通常のポイント還元率は0.3%となっています。
基本的に100円利用につき1ポイントが獲得できます。
その獲得したポイントですが、買い物やオンラインショッピング、そして公共料金の支払いに利用すると1ポイントあたり0.3円のレートで利用できるのです。
アメックスのポイントを3,000ポイント貯めると1,000ポイントの楽天スーパーポイントやTポイントと交換できます。こちらに関しても、還元率は0.3%となっているわけです。
もちろんもう少し還元率を高める方法もあります。
「メンバーシップ・リワード ボーナスポイント・パートナーズ」と呼ばれるポイント優待店でカードを利用すると、100円につき2ポイントから10ポイント獲得できるようになるのです。
アメックスのプロパーカードのメリット6つ!
こちらではアメリカン・エキスプレスの法人系プロパーカードである「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード」のメリットについてお伝えします。
- 旅行保険の内容が優れている
- 空港ラウンジが利用できる
- サポートサービスが付帯している
- 福利厚生に利用できる
- 様々な空港系サービスが利用できる
- 一律の限度額が設定されていない
1.手厚い旅行保険
法人カードの旅行保険ですが、一般カードであれば3,000万円程度となっていることが多くなっています。
中には、旅行保険自体が付帯していないものも珍しくはありません。
一方でアメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードに関しては、国内旅行傷害保険も海外旅行傷害保険も付帯しているのです。
- 国内旅行傷害保険の最高補償額:5,000万円
- 海外旅行傷害保険の最高補償額:5,000万円
5,000万円の高額な補償が付帯しています。それだけではありません。実は最高1,000万円の家族特約もあります。
ただしアメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードの旅行保険については、利用付帯となっています。
旅行代金の支払いをカードで行わなければなりません。仮に旅行代金をカードで支払わなければ、何らかのトラブルが発生したとしても1円も保険金は下りません。
2.空港ラウンジサービスあり
前述したアメックスとしての特典となっています。
ただしアメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードに関しては、プライオリティパスは付帯していません。
世界1,200箇所の空港ラウンジが利用できるプライオリティパスに関しては、基本的にプラチナカード以降の付帯サービスとなっているのです。
3.一般カードでありながらサポート体制も万全
プラチナカードではないので、コンシェルジュサービスが利用できるわけではありませんが、海外限定で利用できる「オーバーシーズ・アシスト」と呼ばれるサービスが付帯しています。
海外で24時間365日対応にて様々なサポートを行ってくれるのです。
例えば海外でのレストランやホテルの予約も実施してくれます。海外で病気や怪我になってしまうこともあるでしょう。
そのような時には、アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードで医療機関を紹介してもらえば良いのです。さらにはタクシーなどの手配も行ってくれます。
ちなみにオーバーシーズ・アシストは、一般のアメックスカードには付帯していません。ゴールドカード以降の限定サービスなのです。
4.福利厚生系のサービスについて
法人カードなので、福利厚生についても気になっている方は多いのではありませんか?
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードは、福利厚生系のサービスもしっかりと付帯しているのです。
例えば、国内の提携ホテルに割引で宿泊することも可能です。映画館のチケットの料金が割引になることもあります。様々な施設と提携しており、割引で利用できるわけです。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードに関しては、子カードの発行も可能です。
社員にカードをもたせることも可能なので、社員がアメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードの福利厚生プログラムである「クラブオフ」のVIP会員になり、様々な優待施設を利用できるわけです。
5.様々な空港系サービスについて
- 無料ポーターサービス
- 空港クロークサービス
- エアポート・ミール
- 空港パーキング
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードの空港系サビスは、ラウンジだけではありません。
無料ポーターサービスとは専任スタッフがスーツケース1個まで、所定のところまで運んでくれるサービスとなっています。
出発時は、空港の改札口やバス停からチェックインカウンターまで運んでくれます。帰国時には、到着ロビーから駅改札口やバス停まで無料で荷物を運んでくれるのです。
空港クロークサービスは、待ち時間に手荷物預かり所で無料で荷物を預けられるサービスとなっています。手ぶらで出発まで食事や買物などを楽しめるわけです。
エアポート・ミールとはクーポンのサービスとなっています。対象国内線航空券1枚につき、1,000円相当のエアポート・ミール・クーポンを1枚同封して送ってくれます。
そのクーポンとアメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードを一緒に渡すと割引になるのです。ただし対象空港が限られているので注意してください(羽田空港と伊丹空港のみ)。
空港パーキングとは、空港の駐車場が割引価格で利用できます。
たとえば成田空港の「サンパーキング成田店」であれば40%割引で利用可能です。羽田空港の「サンパーキング羽田 浮島店」についても40%割引で利用できるのです。
6.限度額設定に特徴あり
一般的にクレジットカードは、カード会社が設定している最大の利用限度額があります。その限度額以下の額が審査によって設定されるわけです。
さらにアメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードには、デポジットシステムもあります。
利用限度額を超えた利用をしたいときには、前もって入金をしておくのです。入金をしておくとその金額が利用できるようになります。
例えば事前に2,000万円を入金していれば、2,000万円のカード利用ができるわけです。
アメックスのプロパーカードのデメリット2つ!
こちらではアメリカン・エキスプレスの法人系プロパーカードである「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード」のデメリットについてお伝えします。
- 一般カードであるのに年会費が高い
- ゴールドカードと比較するとサービスが手薄
1.高額な維持コストが発生する
- 本会員年会費:1万3,200円(税込み)
- カード年会費:6,600円(税込み)(1枚あたり)
アメックスの法人カードであるアメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードは、年会費だけで1万3,000円ほどもかかってしまいます。
子カードも発行できますが、子カード年会費も発生し1枚あたり6,600円のコストが発生してしまうのです。
「年会費分を取り戻せるくらいの法人カード利用ができるのか?」という部分を考えなければならないのです。
前述したようにポイント還元率はあまり高いわけではないので、ポイント以外のサービスもうまく活用して取り戻していく必要があります。
2.ゴールドカードとの違いについて
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードですが、ゴールドカードと比較すると見劣りするのは否めません。
たとえば、ゴールドカードの海外旅行位傷害保険は最高で1億年の補償となっています。しかもそのうち5,000万円は自動付帯なので、カードを旅行代金の支払いに利用しなくても補償されているわけです。
他にも航空便遅延費用補償がついていたり、帝国ホテル東京のビジネスラウンジが利用できたり、といったサービスがゴールドカードには付帯していますが、法人カードには付帯していません。
もちろん一般カードのサービスで問題なければ、一般カードを選べばよいのです。
10年や20年といった長い付き合いになるのですから、よく考えて選びましょう。