前回の記事では、2018年春時点での定額動画配信サービスの比較をおこないました。もし動画配信サービスの導入を具体的に検討しているのであれば、あわせてチェックしておきたいのがセットトップボックス(STB)の動向です。
セットトップボックスとは、テレビに接続することで各種配信サービスの動画をテレビ画面に映し出せる端末のこと。具体的な製品名としては、Apple TVやAmazon Fire TVなどを挙げることができるでしょう。最近では「ストリーミングデバイス」という呼び方も浸透しつつあるようです。
せっかく多種多様な動画を閲覧できるのですから、スマートフォンやタブレットの小さな画面ではなく、テレビの大画面で観たいものですよね。 今回は、そんなセットトップボックスの代表的な機種を徹底比較します。
セットトップボックス 選び方のポイント
個別の製品を紹介する前に、まずはセットトップボックスの現況と傾向についてざっくりと解決しておきましょう。
セットトップボックスを選ぶ基準というと、「どの動画サービスに対応しているか」という点が重要だと考えている人が多いかもしれません。たしかに数年前までは機種によって対応サービスにばらつきがありましたので、この視点は欠かせませんでした。
しかし現在は、基本的にこの点はあまり深く意識しなくても大丈夫です。dTV、Hulu、Netflix、U-NEXTといった主要な動画サービスは、今ではどの機種を選んでもほぼ対応済みだからです。
そのため、セットトップボックスを選ぶポイントとしては価格や端末のサイズ、動画閲覧以外の付加機能などを重視するとよいでしょう。
セットトップボックスの代表機種4つ
1. AppleTV 4K
Apple TV アップルテレビ AppleTV 4K(HDR) 64GB 第5世代(2017年モデル) MP7P2J/A MP7P2JA
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- 画質:4K/HDR
- サイズ:98×98×35mm
- 重量:425g
セットトップボックスの存在を広く世に知らしめたといえるのが、Apple社の発売するApple TVではないでしょうか。現行モデルは2017年9月に発売された第5世代で、4K対応していることから「Apple TV 4K」の名で販売されています。
対応動画サービスは、主要なものはもちろん網羅。競合するAmazonのプライムビデオについては最近まで未対応でしたが、2017年12月以降はこちらについても問題なく視聴できるようになりました。iPhoneやApple MusicなどほかのApple製品との親和性も高いため、Appleユーザーにとっては利便性も非常に高くなっています。また、音声認識によるリモコン操作も可能です。
ネックとなるのは、価格の高さでしょうか。ストレージ容量32GBと64GBの2種類がラインナップされていますが、実売価格はどちらも2万円前後です。「Appleが大好きでたまらない」という人や「Apple TVのデザインが好きだ」という人にとっては魅力的な製品でしょうが、それ以外の人にとってはハードルの高い製品かもしれません。
2. Amazon Fire TV
〔amazon〕Fire TV (New モデル) 4K・HDR 対応、音声認識リモコン付属
- 画質:4K/HDR
- サイズ:115×115×17.5mm
- 重量:281g
ネット通販大手のAmazonから発売されているのが、Amazon Fire TVです。現行モデルは2017年10月に発売開始された第3世代。機能が向上したにもかかわらず価格は前モデルより3,000円も値下げされており(定価8,990円)、Amazonの本気が窺える製品といえるのではないでしょうか。
対応動画サービスは、こちらも主要なものはほぼ網羅しており、観られないものはないといって過言ではありません。
ほぼすべてのスペックでApple TVに勝っていますが、唯一劣っているといえるのはストレージの容量でしょう。Amazon Fire TVでは8GBモデルしかないため、多くの映像を保存しておくことができません。ただ、そのかわりmicroSDカードに対応していますから、一手間かかるとはいえ決定的なデメリットとまではいえません。
3. Fire TV Stick
〔amazon〕Fire TV Stick (New モデル)
- 画質:HDR
- サイズ:85.9×30×12.6mm
- 重量:32g
同じくAmazonからFire TVのスティックタイプとして販売されているのが、こちらのFire TV Stickです。現行モデルは2016年10月発売の第2世代で、なんと約5,000円という低価格を実現しています。
こちらの魅力は、なんといっても場所をとらないという点でしょう。デバイス本体のサイズは、使い捨てライターとほぼ同じです。このサイズであれば、どんな間取りの家庭であっても問題なく導入することができるでしょう。
対応動画サービスも充実しており、第3世代のFire TVが出るまではStickのほうが人気があったほど完成度の高いモデルとなっています。
4. Chromecast Ultra
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- 画質:4K/HDR
- サイズ:58.2×58.2×13.7
- 重量:47g
Chromecastは、Googleから発売されているセットトップボックスです。最新モデルは2016年11月発売のChromecast Ultraで、シリーズではじめて4Kに対応しました。
こちらもほとんどの主要動画サービスに対応しており、同じくGoogle製品であるAndroidスマートフォンとの連携もばっちりです。また、SpotifyやAWAといった音楽配信サービスにも対応しているため、動画だけに限らずさまざまなメディアを一括して視聴したいのであれば、非常に有用な端末といえます。
ただし、Chromecastシリーズは単体で動画を見ることはできない点に注意が必要です。スマートフォンやタブレットをリモコンとして利用しなければならないため、対応端末を持っていない家族がいる場合には活用の幅が狭まってしまうかもしれません。
まとめ
ここまで解説してきたように、主要なセットトップボックスに機能面での差はほとんどありません。あとは価格や端末のサイズ、あるいはブランドの好みなどが選択の決め手となるでしょう。
選び方のヒントとしては、
・特にこだわりがなければAmazon Fire tV
・iPhoneユーザーはApple TV
・AndroidユーザーはChromecast
・場所を取りたくなければFire TV Stick
・価格を抑えたい場合もFire TV Stick
といった点を意識しながら選ぶようにすると、快適な動画鑑賞生活の実現に近づくはずです。