働き方改革の一環として、単に仕事のやり方を変えるだけでなく、これまでの業務の進め方を見直し、社員一人ひとりの生産性を高めようと考えていたことは経営者であれば、一度はあるのではないでしょうか。
実際、今後、そういった取り組みを行なっていこうと考えている企業は非常に増えています。
そうした中で、ビジネスチャットの領域は非常に注目を浴びています。
特にビジネスチャットの中でも注目を浴びているのは、「slack(スラック)」と「chatwork(チャットワーク)」になります。
しかし、どちらのサービスも価格帯はバラバラで、且つ提供しているサービス、機能もそれぞれ異なります。
また、「slack(スラック)」と「chatwork(チャットワーク)」はメリットもありますが、デメリットもあります。
そのため、今回は『ビジネスチャット2大勢力「slack(スラック)」と「chatwork(チャットワーク)」はどちらを導入すべき!?徹底的に比較します!』という記事のタイトルで、「slack(スラック)」と「chatwork(チャットワーク)」のメリット、デメリット、価格、機能などを紹介し、解説します。
全世界で利用されている「slack(スラック)」
まず、「slack(スラック)」について解説します。
「slack(スラック)」とは
Slack(スラック)は2013年に公開され、その直後から24時間で、約8000ユーザーの登録数を獲得するところから始まり、今なお、急速に世界中で普及し、利用者を増やし続けているアメリカ発のビジネスチャットツールになります。
Slack(スラック)はグループチャット、1対1のメッセージング(Direct Message)、音声通話を無料版のWebサービスとして提供しています。
また、Slack(スラック)は上記と同様の機能をアプリ(Windows、macOS)およびスマートフォンアプリ(iOS, Android)でも提供しています。
そして、Slack(スラック)は、Googleドキュメント、Dropbox、Heroku、Crashlytics、GitHub、Zendeskなどを含む、各種サードパーティーのサービスと連携することが出来るようになっており、Slack内部のすべてのコンテンツは、一つの検索ボックスから検索できるようになっています。
Slack(スラック)は 無料で始められることができるため、気軽に始められることができます。
社内SNS、ビジネスチャットを会社内で使おうか悩んでいる場合、まずは比較のために、無料のSlack(スラック)を利用することをおすすめします。
<「slack(スラック)」のチャンネル機能>
「slack(スラック)」は特に、チャンネル機能が特徴的です。
以下が「slack(スラック)」のチャンネル機能でできることになります。
- チーム別、プロジェクト別、顧客別など、組織に適したスタイルでチャンネルを作成することができます。
 - メールでの長いやり取りと違い、チームのメンバーは必要に応じてチャンネルに参加し退出することができます。
 - スレッド表示で、対応中のテーマやプロジェクトから会話が横道にそれるのを防ぐことができます。
 
「slack(スラック)」の詳細情報
以下が「slack(スラック)」の詳細情報になります。
- 会社名 :Slack
 - 創業 :2013年
 - 導入企業:デイリーアクティブユーザー数は全世界230万人
 - 本拠地 :米国(サンフランシスコ)
 
「slack(スラック)」の料金と機能
<「slack(スラック)」の料金プラン>
「slack(スラック)」の料金プランは以下のようになります。
- フリープラン:¥0
 - スタンダードプラン:¥850
 - プラスプラン:¥1,600
 
<「slack(スラック)」の料金プラン別機能一覧>
また、以下が、「slack(スラック)」の料金プラン別における機能一覧になります。
| フリープラン
 
  | 
スタンダードプラン
 
  | 
プラスプラン | |
| 対象者、対象企業 | 
 Slack を無期限で試してみたい小規模のチーム向き  | 
 Slack をプロジェクトやコミュニケーションの中心として利用したいチームと企業向け  | 
 ひとつの Slack チームにSSO、プラスデータエクスポートやアップタイムの保証を必要とする企業向け。  | 
| 検索可能なメッセージ | チームの直近のコミュニケーション10,000件 | 無制限 | 無制限 | 
| アプリとサービス | 10 点のサードパーティまたはカスタムインテグレーション | 無制限 | 無制限 | 
| 共有チャンネル (β) | × | ◯ | ◯ | 
| シングルチャンネルゲスト | × | ◯ | ◯ | 
| マルチチャンネルゲスト | × | ◯ | ◯ | 
| 2要素認証 | フリープランに含まれます | ◯ | ◯ | 
| Google 経由の OAuth | × | ◯ | ◯ | 
| SAML ベースのシングルサインオン(SSO) | × | × | ◯ | 
| メッセージとファイルのカスタム保存ポリシー | × | ◯ | ◯ | 
| すべてのメッセージの Corporate Export | × | × | ◯ | 
| チームや部門のためのカスタムユーザーグループ | × | ◯ | ◯ | 
| ユーザーのプロビジョニングとデプロビジョニング | × | × | ◯ | 
| OneLogin、Okta、Ping とアクティブディレクトリのリアルタイム同期 | × | × | ◯ | 
| 音声通話とビデオ通話 | 一対一のみ | 参加者最大15名 | 参加者最大15名 | 
| インタラクティブな画面共有 | × | ◯ | ◯ | 
| 関連するメンバー、チャンネルとファイルの検索 | × | ◯ | ◯ | 
| チャンネルのレコメンド | × | ◯ | ◯ | 
| メッセージのハイライト | × | ◯ | ◯ | 
| ファイルストレージ | 合計5 GB | チームメンバーごとに10 GB | チームメンバーごとに20 GB | 
| サポート | スタンダードサポート | プライオリティサポート | 年中無休・24時間体制で4時間のレスポンスタイムを誇るサポート | 
| アップタイム | 99.99%のアップタイムを保証するサービス品質保証契約 | 
Slackを導入している企業一覧
以下が、Slackを利用している企業の一覧になります。
見てもらうとわかるように、情報通信(Web/モバイル)系の企業が多いです。
- 株式会社メルカリ:情報通信(Web/モバイル)
 - UUUM株式会社:メディア・出版
 - チームラボ株式会社:情報通信(Web/モバイル)
 - 株式会社Loco Partners:メディア・出版
 - Retty株式会社:メディア・出版
 - 株式会社favy:広告・販売促進
 - 株式会社マネーフォワード:情報通信(Web/モバイル)
 - 株式会社サイバーエージェント:情報通信(Web/モバイル)
 - 株式会社ディー・エヌ・エー:エンターテイメント
 - C Channel株式会社:情報通信(Web/モバイル)
 - 株式会社クラウドワークス:情報通信(Web/モバイル)
 - trippiece(トリッピース)株式会社:レジャー
 - freee 株式会社:情報通信(Web/モバイル)
 - 株式会社CAMPFIRE:流通・小売
 - 株式会社FiNC Technologies:ファッション・美容
 - クックパッド株式会社:情報通信(Web/モバイル)
 - アソビュー株式会社:メディア・出版
 - Gunosy:メディア・出版
 - 株式会社AbemaTV:メディア・出版
 - 株式会社Branding Engineer:情報通信(Web/モバイル)
 - ディップ株式会社:広告・販売促進
 - 株式会社ビズリーチ:情報通信(Web/モバイル)
 - 株式会社サーキュレーション:メディア・出版
 - 株式会社ネイキッド:広告・販売促進
 - ラクスル株式会社情報通信(Web/モバイル)
 
日本では非常に評判がいい「chatwork(チャットワーク)」
次に、「chatwork(チャットワーク)」について解説します。
「chatwork(チャットワーク)」とは
「chatwork(チャットワーク)」は、ビジネス利用に特化したマルチデバイスのコミュニケーションツールになります。
「chatwork(チャットワーク)」は、現在、企業においてメールや電話を代替し得る連絡手段として、あるいはタスク管理やファイル共有ツールとして利用されています。
また、「chatwork(チャットワーク)」ではメッセンジャーアプリのように1対1あるいはグループでリアルタイムに会話できる他、メッセージの履歴を対象とするキーワード検索、ログのエクスポートなど、ビジネス用途向けの機能を多く用意されています。
そして、「chatwork(チャットワーク)」はテキストチャットの他に音声通話やビデオチャットにも対応しています。
このように、「chatwork(チャットワーク)」は、チャットだけでなく、タスクの作成・管理やファイル管理、ユーザー管理、ユーザーや端末に応じた機能制限など、業務効率化や情報漏洩リスクに対応する各種機能が揃っている点も特徴といえます。
<chatwork(チャットワーク)」の代表的な機能>
他のビジネスチャットの場合、自社の管理下にあるため、その社内の人間同士でしかグループを組めないのが原則です。
しかし、chatwork(チャットワーク)の場合、登録そのものが個人単独であることから、その社内外の垣根があまりない良さを活かし、社内外の人間を1つのグループに同時に参加させるということができるのです。
このグループ機能により、chatwork(チャットワーク)では、社外の方とやりとりを行う必要があるプロジェクト等で利用する場合、取引先のために別IDを作る等の作業が一切不要となります。
「chatwork(チャットワーク)」の詳細情報
以下が「chatwork(チャットワーク)」の詳細情報になります。
- 会社名 :Chatwork株式会社
 - 創業 :2000年(旧社名:株式会社EC studio)
 - 導入企業:200,000社突破(会社紹介ページ・2018年5月時点)
 - 本拠地 :日本(大阪)
 
「chatwork(チャットワーク)」の料金と機能
「chatwork(チャットワーク)」の料金体系は4種類あります。
①フリープラン(まずは無料で試したい向け):1ユーザー:¥0/月
以下がフリープラン(まずは無料で試したい向け)の基本機能になります。
- 新規登録(無料)
 - コンタクト無制限
 - 累計14グループチャット
 - 1対1でのビデオ通話/音声通話
 - 5GBストレージ
 
②パーソナルプラン(個人で導入したい人向け):1ユーザー:¥400/月
以下がパーソナルプラン(個人で導入したい人向け)の基本機能になります。
- コンタクト無制限
 - グループチャット無制限
 - 複数人でのビデオ通話/音声通話
 - 10GBストレージ
 - 広告の非表示
 - 新規登録無料
 
③ビジネスプラン(組織で導入したい方向け):1ユーザー:¥500/月
以下がビジネスプラン(組織で導入したい方向け)の基本機能になります。
※年間契約なら約 ¥417/月2ヶ月分お得になります。
- コンタクト無制限
 - グループチャット無制限
 - 複数人でのビデオ通話/音声通話
 - 10GBストレージ / 1ユーザー
 - 広告の非表示
 - ユーザー管理
 - 新規登録
 
④エンタープライズプラン(管理機能を強化したい企業向け):1ユーザー:¥800/月
以下がエンタープライズプラン(管理機能を強化したい企業向け)の基本機能になります。
- コンタクト無制限
 - グループチャット無制限
 - 複数人でのビデオ通話/音声通話
 - 10GBストレージ / 1ユーザー
 - 広告の非表示
 - ユーザー管理
 - 社外ユーザー制限
 - IP・モバイル端末制限
 - 専用URL機能
 - ファイル送受信制限
 - 外部SNS制限
 - シングルサインオン
 - チャットログ・エクスポート
 - SLA(サービス品質保証)
 - 新規登録
 
エンタープライズプラン(管理機能を強化したい企業向け)
もし、「chatwork(チャットワーク)」に導入する場合、中小企業だと、エンタープライズプランに加入することになるかと思います。
そのため、「chatwork(チャットワーク)」のエンタープライズプラン(管理機能を強化したい企業向け)に関して詳しく説明します。
<エンタープライズプランの利用料金>
| 初期費用(初期登録料) | 0円 | 
| 月額費用(月額利用料) | 880円/ユーザー | 
<エンタープライズプランのオプション利用料金>
「chatwork(チャットワーク)」のエンタープライズプランにはオプションがあります。
以下が、エンタープライズプランのオプション利用料金になります。
| ストレージ容量追加料(月額費用) | 2,200円(100GB)〜 | 
(注意点)
- 1ユーザーあたり10GBのストレージ容量が加算され、契約単位で付与されます。
 - SLAの提供により、エンタープライズプランのオプション利用は返金対象です。
 - ストレージ追加はユーザー単位ではなく、契約単位の上限容量に追加されます。
 
<エンタープライズプランの機能詳細>
以下がエンタープライズプランの機能詳細になります。
- 社外ユーザー制限機能:情報漏洩を防ぐため、社外ユーザーとのやり取りを制限したり、特定の社外組織のみを許可することができます。
 - 専用URL機能:自社の専用URLでChatworkを利用できます。例)https://www.chatwork.com/s/XXXX
 - 外部SNS制限:ソーシャル機能・ネットワーキング・サービスとの連携を制限して、情報漏洩などを防ぎます。
 - チャットログ・エクスポート機能:組織内のユーザーが参加しているチャットのログをエクスポートすることができます。
 - モバイル端末制限機能:登録されていないスマートフォンやタブレットからのアクセスを制限し、不正なアクセスをブロックします。
 - ファイル送信・受信禁止機能:機密ファイルなどが誤って漏洩しないように、ファイルの送信・受信を禁止することができます。
 - IPアドレス制限機能:IPアドレスによるアクセス制限をおこない、社外のパソコンなどからの不正なアクセスをブロックします。
 - シングルサインオン機能:SAML認証によるシングルサインオン設定が可能です。
 - SLA(サービス品質保証制度):安心して利用するために、サービス品質の保証基準が設定されています。万が一保証基準を維持できなかった場合、利用料金の一部が返還されます。
 
chatwork(チャットワーク)の主な導入企業
以下がchatwork(チャットワーク)の主な導入企業になります。
- KDDI株式会社
 - 株式会社サイバーエージェント
 - 株式会社クラウドワークス
 - 株式会社武蔵野
 - 株式会社ネクスト
 - トリプルグッドグループ
 - 株式会社LIG
 - 株式会社エス・エム・エス
 - 株式会社船井総合研究所
 - 株式会社ネオキャリア
 - グリー株式会社
 - 株式会社マネーフォワード
 - 株式会社アイモバイル
 - 株式会社小野写真館
 - 株式会社匠工房
 - 株式会社アドウェイズ
 - 御殿場高原ビール株式会社
 - 京都大学
 - 神戸大学
 - 株式会社鈴花商事
 - 株式会社ヤマダ電機
 
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は『ビジネスチャット2大勢力「slack(スラック)」と「chatwork(チャットワーク)」はどちらを導入すべき!?徹底的に比較します!』という記事のタイトルで、
- 「slack(スラック)」のメリット、デメリット、機能、価格
 - 「chatwork(チャットワーク)」のメリット、デメリット、機能、価格
 
などについて解説しました。
今回記事で説明したように、社内SNSは当然、メリットもありますが、デメリットも存在します。
そのため、社内SNSを導入する場合は、それらのメリット、デメリット、目的、効果を考慮してから、決断することをおすすめします。






