「法人ガソリンカードを利用しようと思うけど種類が多すぎて、どのカードが良いのか迷っている」
「何を基準として法人ガソリンカードを選んだら良いのかわからない!」
会社にとって法人ガソリンカードが大事であることは言うに及びません。会社経営では自動車を利用することが多いですよね。近場への商談や出張には社用車を利用するのではありませんか?備品などの買い出しに会社の車を利用することもあるでしょう。
ビジネス関連の自動車利用であれば、そのコストは経費として処理できます。法人ガソリンカードを利用すれば、経費の計上も極めて楽になりますよね。現金決済ではないので、経理業務も簡略化されるわけ。
しかし法人ガソリンカードは種類も多く頭を悩ませている方が多いのも事実です。
以下の4つのポイントを重視して法人ガソリンカードは選びましょう。
- 優待特典対応SSはどこか?
- 割引率・キャッシュバック率は有利か?
- 保有コスト(年会費など)は支払える範囲内か?
- クレジット機能はついているのか?ついていないのか?
こちらでは法人ガソリンカードの適切な選び方をお伝えします。
1.優待特典のあるSSで法人ガソリンカードは選ぼう
まずあなたはどこのSSを利用する機会が多いでしょうか?
これから営業車などの社用車を導入しようとしているケースであれば、会社から最もアクセスが良いSSはどこでしょうか?
法人ガソリンカードは優待特典のあるSSが限定されています。一つの法人ガソリンカードでどのSSを利用しても優待特典があるものはありません。
会社として最も利用する機会が多いであろうSSの優待特典がある法人ガソリンカードを選ばなければ意味がありませんよ。
では各SSの優待特典が用意されている法人ガソリンカードを確認してみましょう。
※優待特典とは言えないかもしれませんが、SS店頭価格で利用ができる法人ガソリンカードの含めて記載しています。
ENEOSのSSの優待利用ができる法人ガソリンカード例
- ETC協同組合発行の法人ガソリンカード・・・全国統一価格による給油が可能
- ENEOS BUSINESS・・・契約価格による給油が可能
- ENEOS FC/Sカード・・・契約価格による給油が可能
- ENEOS FC/Lカード・・・契約価格による給油が可能
出光のSSの優待利用ができる法人ガソリンカード例
- ETC協同組合発行の法人ガソリンカード・・・全国統一価格による給油が可能
- 出光法人専用カード・・・SS店頭価格による給油が可能
- 出光Bizカード/ワン・・・SS店頭価格による給油が可能
- 出光Bizカード/プラス・・・SS店頭価格による給油が可能
- 出光Bizカード/トラスト・・・SS店頭価格による給油が可能
- 宇佐美ビジネスカード・・・SS店頭価格による給油が可能
コスモ石油のSSの優待利用ができる法人ガソリンカード例
- コスモ コーポレートJCBカード 一般法人カード・・・SS店頭価格による給油が可能
- コスモ コーポレートJCBカード ゴールドカード・・・SS店頭価格による給油が可能
- コスモ コーポレートハウスカード・・・SS店頭価格による給油が可能
昭和シェル石油のSSの優待利用ができる法人ガソリンカード例
- シェルビジネスカード 一般カード・・・SS店頭価格による給油が可能(最大3.0%の特別キャシュバックあり)
- シェルビジネスカード ゴールドカード・・・SS店頭価格による給油が可能(最大3.0%の特別キャシュバックあり)
- シェルビジネスカード SS専用カード・・・SS店頭価格による給油が可能
- シェルビジネスカード FUELカード・・・SS店頭価格による給油が可能
「シェルビジネスカード SS専用カード」と「シェルビジネスカード FUELカード」については、「シェルビジネスカード 一般カード」か「シェルビジネスカード ゴールドカード」を発行した上で発行するとキャッシュバック対象となります。
エッソ・モービル・ゼネラルのSSで優待利用ができる法人ガソリンカード例
- シナジーJCB法人カード 一般カード・・・1リットルあたり最大7円引き(月300リットルまで)
- シナジーJCB法人カード ゴールドカード・・・1リットルあたり最大10円引き(月300リットルまで)
- エッソ・モービル・ゼネラルコーポレートカード・・・SS店頭価格による給油が可能
- エッソ・モービル・ゼネラルコーポレートプラス・・・SS店頭価格による給油が可能
エッソ・モービル・ゼネラルのSSに関しては2019年7月までにENEOSのSSに統一されます。よってこちらのカードを持っている方は、いずれはENEOS系のSSについても順次利用が可能になる予定です。
伊藤忠エネクスのSSで優待利用ができる法人ガソリンカード例
- カーエネクスパートナーズJCBカ-ド・・・SS店頭価格による給油が可能(最大3.0%の特別キャシュバックあり)
- カーエネクスパートナーズJCBカ-ド ハウスカード・・・SS店頭価格による給油が可能
「カーエネクスパートナーズJCBカ-ド」を発行した上で「カーエネクスパートナーズJCBカ-ド ハウスカード」を発行すれば、ハウスカード利用分もキャッシュバック対象となりますよ。
2.割引率・キャッシュバック率で法人ガソリンカードを選ぼう
[voice icon=”/wp-content/uploads/teacher_point_336_squ.png” name=”teacher” type=”l”]せっかく法人ガソリンカードを利用しようとしているのですから、通常の現金決済と全く同じでは面白くありませんよね。「少しでもお得に給油したい」とは思いませんか?
ただし法人ガソリンカードについては、単に後払いができるだけで現金決済と全く同じ価格で給油することになるケースも珍しくありません。少しでもお得に給油したいのであれば、割引率やキャッシュバック率に注目しましょう。
[/voice]ちなみに法人ガソリンカードの中には通常のクレジットカードと同様にポイントが獲得できるものもあります。
ポイント還元率が 0.5%であれば、月に10万円の給油をすれば500円分のポイントがゲットできるわけ。現金決済であれば1ポイントも得られないのにカード決済にするだけでポイントが得られるチャンスもあるので、やはり法人ガソリンカードの利用はお得なのです。
ショック!給油利用における割引やキャッシュバックが用意されていないカードがほとんど
個人カードであれば、給油時における割引サービスが用意されているものも幾つかあります。しかし法人カードともなると、給油時の割引サービスに対応しているものはほとんどありません。
選択肢は少し狭まってしまうのですが、「シナジーJCB法人カード」についてはエッソ・モービル・ゼネラルで給油をすると割引対象となります。さらに一般カードとゴールドカードで割引金額に違いがある点にも注目ですよ。
シナジーJCB法人カードにおける割引サービスについて
一般カードであると1リットルあたり最大7円引きであり、ゴールドカードであると1リットルあたり最大で10円引きになります。
かなり大きな割引が受けられる印象もあるとは思いますが、残念ながら月に300リットルまでの限定サービスです。
本会員と追加カード会員(従業員カードなど)あわせて300リットルまでなので、月あたり一般カードであれば2,100円、ゴールドカードであれば3,000円が最大の割引金額ですよ。
シェルビジネスカードとカーエネクスパートナーズJCBカ-ドのキャッシュバックサービスについて
シェルビジネスカードとカーエネクスパートナーズJCBカ-ドであればガソリン割引はありませんが、給油代金について最大3.0%のキャッシュバックが受けられます。
シェルビジネスカードとカーエネクスパートナーズJCBカ-ドは移動費と出張旅費についてはキャッシュバック対象となります。通常のキャッシュバック率は1.5%であり、月に最大1万5,000円までキャッシュバックしてくれるのです。
一方でシェルビジネスカードを昭和シェル石油のSSで利用すると、利用金額が2倍になります。月に10万円利用したとすると20万円利用したとして計算されるので、利用分は実施的に還元率が3.0%となります。
カーエネクスパートナーズJCBカ-ドの場合は伊藤忠エネクスのSSにおいて給油に利用すると、やはり同じく利用金額が2倍されてキャッシュバックされますよ。
キャッシュバックに関しては実質値引きなので、うまく活用すれば大きな節約につながること間違いなしです。
3.保有コストで法人ガソリンカードを選ぼう
法人ガソリンカードは1年だけ利用するつもりでしょうか?
5年や10年以上使い続けるケースも珍しくありません。会社が存続する限りは使い続けるのではありませんか?
1年や2年の利用であれば、年会費などの保有コストについてはそれほど考えなくても良いかもしれません。しかし多くのケースでは長期的に利用することになるので、前もってランニングコストは確認しておかなければなりませんよ。
要はそのコストに見合ったメリットがその法人ガソリンカードにあるのか、ということを調べるわけです。見合っているのであれば、取得して継続利用すればよいだけ。
難しく考える必要はありません。
[voice icon=”/wp-content/uploads/teacher_point_336_squ.png” name=”teacher” type=”l”]そのカードを利用することによってどれだけのメリットが得られるのか?
そのカードを保有することによってどれだけのコストが発生するのか?
以上の2つをシミュレーションしそれぞれのカードを比較すればOKです。
[/voice]では実際にいくつかの法人ガソリンカードの保有コストを確認してみましょう。
有名法人カードの保有コストとは?
カード名 |
本会員年会費 |
従業員カード年会費(1枚あたり) |
ETCカード年会費 |
シェルビジネスカード 一般カード |
1,350円(初年度無料) |
1,350円(初年度無料) |
無料 |
シェルビジネスカード ゴールドカード |
1万800円 |
3,240円 |
無料 |
シナジーJCB法人カード 一般カード |
2,160円(初年度無料) |
2,160円 |
無料 |
シナジーJCB法人カード ゴールドカード |
1万800円 |
3,240円 |
無料 |
コスモコーポレート JCBカード 一般法人カード |
1,350円 |
1,350円 |
無料 |
コスモコーポレート JCBカード ゴールド法人カード |
1万800円 |
3,240円 |
無料 |
※すべて税込み価格です
一般カードよりもゴールドカードの年会費のほうが高く設定されているので、ゴールドカードの発行を狙っている方は注意してください。
保有コストで特に注目したいのが、従業員カードを何枚発行するのか、という部分です。本会員年会費については、1枚のみの発行しかしません。しかし従業員カードに関しては、1枚も発行しない方もいれば10枚や20枚、さらには100枚などと大量に発行するケースも。
従業員カードを多数発行する場合は、それなりの保有コストが発生する、と覚えておきましょう。
コスト0にする方法あり!
本会員カードや従業員カードを一切発行せずにハウスカードを発行すればよいのです。
ハウスカードについては基本的に年会費も発行手数料も発生しません。コスト0で保有できるメリットがありますよ。
ただしハウスカードについては使い勝手で大きな問題が発生します。特定のSSでの利用しかできないので、様々な経費の支払いには利用できません。
ガソリンの支払いだけができれば良い、というケースに役立つわけです。
ちなみに従業員に対しては従業員カードではなくハウスカードのみを発行している会社も多いですよ。クレジット機能のある従業員カードを渡してしまうと、不正利用される可能性が高まってしまいます。
しかしハウスカードであれば特定のSSでしか利用できないので、不正利用のリスクは一気に低くなるのです。
【有名法人ガソリンカードとハウスカード】
- コスモコーポレート JCBカード・・・コスモ石油SSのみで利用できる「コスモ コーポレートハウスカード」あり
- シナジーJCB法人カード・・・エッソ・モービル・ゼネラルの加盟SSのみで利用できる「スピードパス」(ハウスカード)あり
- シェルビジネスカード・・・昭和シェルSSで利用できる「SS専用カード」、及び昭和シェルSSで給油のみできる「FUELカード」あり
4.クレジット機能の有無で法人ガソリンカードを選ぼう
法人ガソリンカードは大きく分けると2つのタイプに分かれることに。
クレジット機能があるものとクレジット機能がないものです。
クレジット機能がある法人ガソリンカードは、SS以外でも利用できます。たとえばゴルフ接待をするときにはゴルフ場での決済にも利用できますし、飲食店での接待をする場合でも飲食店での会計にも利用できるのです。
クレジット機能がない法人ガソリンカードは、特定のSSしか利用できません。対応していないSSで給油したときには利用できないので、カードとしての使い勝手に大きな違いがあります。
[voice icon=”/wp-content/uploads/teacher_point_336_squ.png” name=”teacher” type=”l”]ただし「こっちのカードのほうがおすすめ」ということは言えません。会社ごとに法人ガソリンカードの使い方は異なっているからです。
ここからはクレジット機能ありの法人ガソリンカードがおすすめの会社、クレジット機能なしの法人ガソリンカードがおすすめの会社についてお伝えします。
[/voice]クレジット機能がある法人ガソリンカードがおすすめの会社とは?
- SSだけではなくさまざまな決済に利用したい
- クレジットカードのポイントをゲットしたい
- 割引やキャッシュバックを受けたい
- 経費の管理を一括化したい
クレジット機能のあるカードの特徴として、クレジットカードのポイントがあります。ポイントプログラムのあるカードであれば、SS利用分もポイント対象です。ポイントといった見返りが期待できるのは大きな魅力ですよね。
さらに割引やキャッシュバックについてもクレジット機能がある法人ガソリンカードのみ対象で、給油割引をしてくれるものクレジット機能があるタイプだけのサービスなのです。
さらにクレジット機能がついているので様々な決済に利用できることにより、経費の支払いをカードに一本化できます。経費管理がしやすくなり、経理の負担を減らすことにもなるわけ。
クレジット機能がない法人ガソリンカードがおすすめの会社とは?
- 給油だけに利用できるカードを持ちたい
- 利用しているSSの給油価格が相場よりも高い
- 社員に不正利用されるリスクを低くしたい
クレジット機能がない法人ガソリンカードは特定のSSしか利用できないのが大きな特徴ですよね。
またETC協同組合発行の法人ガソリンカードは全国統一価格による給油となります。要はその月の給油価格の相場で給油をしたことになるので、相場価格よりも高いSSを利用する機会が多い方でなければ得しません。
リスクについては大きなメリットがあります。
不正利用されるとしたら、社員が自身の車にガソリンを給油するくらいのものです。一般のクレジット機能ありのカードと比較するとリスク面では優れています。
まとめ
法人ガソリンカードの選び方として4つの比較ポイントをお伝えしました。
どの比較ポイントについても重要なので、候補となっているカードを4つのポイントで比較した上で利用するカードを決定してください。
カード選びで大前提となってくるのが、対応しているSSの種類です。どのSSを利用するかを決めなければ法人ガソリンカード選びはできませんよ。ちなみに各SSとスタンドの数は以下のとおりです。
- ENEOS・・・1万1,000店舗程度
- 出光・・・3,500店舗程度
- エッソ・ゼネラル・モービル・・・2,100店舗程度
- 昭和シェル石油・・・3,000店舗程度
- コスモ石油・・・2,800店舗程度
※2018年現在のスタンド数(変動あり)
※エッソ・ゼネラル・モービルは2019年にENEOSに統一される予定
店舗数についてはENEOSが圧倒的ですが、利便性も考えた上でカード選びをしましょう。
利用するSSが決まったら、あとは割引率や保有コストなどを確認して最も魅力を感じるカードを選べばよいだけです。
SSを絞りきれない場合には、実際にカードを使うことになる社員に訪ねてみましょう。給油する本人が使いやすいと感じるSSに対応したカードを作れば良いのです。