そもそもオリガミペイとは?
オリガミペイ(Origami Pay)とは、2016年に提供が開始されたQRコード決済アプリです。
昨今は、PayPayやメルペイ、LINE PayなどさまざまなQRコード決済サービスが登場しています。オリガミペイは、これらのサービスと比較してもかなり早い段階でリリースされたアプリであり、QRコード決済サービスの先駆けのような存在であると言えるでしょう。
オリガミペイ自体は利用していなくても、耳にしたことがあるという方もいるのではないでしょうか。実際に吉野家やローソンなど、全国展開のチェーン店と提携した大々的なキャンペーンも行っており、話題になる機会も多くなっています。
オリガミペイは、株式会社Origamiが運営しているサービスです。もともとはECサイトを提供していた同社ですが、その後ソフトバンクモバイルとの提携を行い、クーポンの配信事業なども行うようになりました。
そしてそれらの経験を活かして、2016年にOrigamiPayをリリースするに至ったのです。
みずほ銀行、三井住友銀行、中国の電子決済サービス「アリペイ」など、さまざまな金融機関・サービスとの提携を行っているのも、オリガミペイの特徴です。さらに、2018年には中国の銀聯国際との資本業務提携も実施しました。利用範囲を着実に、拡大しているようです。
オリガミペイは、iOS、Android端末で利用可能で、銀行口座・クレジットカードを登録して使用します。支払いをキャッシュレス化してしまえば、スマートフォン一つであらゆる決済を行うことができるようになります。
さらに2020年6月までであれば、消費者還元事業として対象店舗の決済で5%の還元が受けられるので、お得に買い物ができるでしょう。
多くのQRコード決済アプリは、ポイントの還元率の高さをアピールポイントとしていますが、オリガミペイは、値引きやクーポンの配布という形で、ユーザーに還元しているのも特徴的です。具体的には、オリガミペイを使って決済を行えば、常に2%引きで商品を購入できます。
ポイントであれば、有効期限などを気にして余計な買い物をしてしまいやすいですが、値引きであれば焦って無駄な消費をしなくて済みます。
オリガミペイの導入費用、手数料は安い?
オリガミペイの導入にかかるコストは、他のサービスと比べてみても、非常に安いと言えます。そもそもオリガミペイの利用に必要なのは、決済手数料のみです。導入費用は一切かかりません。また毎月のランニングコストも完全に無料です。ローリスクでキャッシュレスの導入が実現するでしょう。
決済時の手数料は3.25%と設定されています。できるだけコストをかけずに、キャッシュレスを導入したいと考えている店舗には最適のサービスであると言えるでしょう。
ただし、QRコード決済アプリは競合サービスが乱立しており、導入費用や決済手数料を期間限定で無料にするなど、ランニングコストの価格競争が起きています。
例えば、近年CMでも大々的なキャンペーンを見かけることの多くなったPayPayは、導入費用無料でありながら、2021年9月30日までは決済費用も0%としています。これにより小規模や店舗でも、キャッシュレスを導入するハードルが一段と低くなっているのです。
「どのサービスを選べばもっともコストがかからないか」については、導入のタイミングやキャンペーンの内容に大きく左右されます。キャッシュレス導入の際には、公式サイトやSNSから最新の情報を得ておくことが欠かせません。
オリガミペイのメリット、デメリットをまとめました!
店舗や企業が、オリガミペイを利用するメリットとデメリットについて解説します。
メリット
まずはオリガミペイのメリットから解説します。
手軽に導入できる
オリガミペイの大きな魅力は、手軽に導入できる点にあります。インターネット環境が整っており、タブレットやスマートフォンなどの端末があれば、アプリをインストールするだけでオリガミペイの決済を受け付けることができるようになります。
専用の機材を購入したり、別途レンタルする必要はありません。店舗で在庫管理やシフト作成に使っていたタブレットなどがあれば、追加費用なしで、簡単に利用を開始できます。
固定費・運用コストがかからない
固定費用がかからない点も、店舗にとっては大きなメリットと言えるでしょう。キャッシュレスを導入しても、集客効果よりもコストが上回ってしまっては意味がありません。先行投資や固定費用はできるだけ抑えておきたいところです。
オリガミペイであれば、かかる費用は決済手数料のみですので、最低限のコストでキャッシュレスを導入することができます。
安全な決済が行える
オリガミペイを導入することで、安全な決済が行えるようになります。まず現金でのやり取りが少なくなるので、お釣りの数え間違えなどを防ぐことができます。会計をスムーズに進められるようになると、作業効率も大幅に向上するため、顧客の待ち時間も減らせるでしょう。
オリガミペイは、高いセキュリティも魅力の一つです。国際的なセキュリティの基準である「PCI DSS」に則った堅牢なシステムを構築しています。決済のタイミングで、カード番号などのやり取りは一切発生しません。QRコード・バーコードの表示だけで、すべての手続を完了できるのです。
アプリの利用者が多い
キャッシュレスを導入したものの、アプリの利用者が少なければ、集客や売上げアップの効果は期待できませんが、オリガミペイであればその心配は無用です。
オリガミペイの最大の特徴は、キャンペーンやクーポンが豊富な点にあります。例えば、吉野家では牛丼並サイズの半額相当の割引クーポンや、ローソンではLチキ無料プレゼントキャンペーンが行われていました。
さらにオリガミペイ加入店舗を対象とした割引クーポンも頻繁に提供されています。このような、積極的なキャンペーンを実施することによって、オリガミペイは多くの利用者を獲得しているのです。アプリの利用者が多いということは、その分導入の効果が高いことを意味します。
集客につながる
オリガミペイは決済だけでなく、店舗の情報やクーポンをアプリ上で配布するなど、ユーザーへのプロモーションが行われます。店舗の認知向上や集客アップにつながるでしょう。
ユーザーはアプリ内から「これまで利用した店舗からのメッセージ」を確認できます。クーポンや割引情報などが送られてくるので、画面をタップするだけで、クーポンが発行されます。
決済後も顧客とのつながりを保つことができ、ダイレクトに情報発信ができる仕組みが、アプリ上で構築されているのです。決済だけでなく、販促やプロモーションの側面も持っている点は、オリガミペイを利用するメリットとなるでしょう。
デメリット
次にオリガミペイのデメリットを解説します。
手数料がかかる
固定費・導入費用が無料のオリガミペイですが、決済時の手数料は店舗側が負担しなければなりません。手数料は3.25%なので、例えば顧客が1万円の買い物をした場合、325円のコストがかかることになります。
手数料が、かなりの痛手となる店舗もあるかもしれません。システム導入の際は、最終的にかかるであろうコストと、キャッシュレス化によって得られる集客効果を天秤にかけて、事前によく検討する必要があります。
決済の手間がかかる
QRコード決済全般に言えることですが、レジでの決済時に多少の手間がかかることがあります。
QRコード支払いのやり方は主に2パターンです。一つが「ユーザースキャン支払い」です。タブレット上で店舗側がコードを表示し、ユーザーがスマートフォンからそれを読み取ります。その段階で決済が完了するのです。
もう一つが「ストアスキャン支払い」です。ユーザーがアプリでバーコードを表示させ、店員が読み取るという方式です。
どちらも共通して、アプリを起動するというひと手間がかかってしまう点は、デメリットと言えるでしょう。レジ前で操作に迷ってしまうなどの場合、混雑の原因となりかねません。
また端末やカードをタッチするだけで完了する支払い方法を望むユーザーも多く、QRコード決済はまだ普及しているとは言い難い側面があります。実際に、Suicaなどの交通系電子マネーやアップルペイなどの方が、シェアは大きいという現状です。
オリガミペイはどんな店舗、事業者におすすめ?
オリガミペイは、月額費用不要でキャッシュレスを導入でき、かつ集客にも効果のあるツールです。これらのメリットを総合して考えると、「固定客を獲得したいと考えている店舗や事業者」に向いていると言えるでしょう。
固定費をできるだけ削減することは、店舗経営において欠かせません。費用対効果が期待できず、なかなかキャッシュレスを導入できていない店舗も多いのではないでしょうか。オリガミペイであれば、かかる費用は「使った分だけ」なので、コストがかかりすぎるという懸念はなくなります。
また、飲食店や美容室などの店舗では、いかにリピーターを獲得できるかが、事業存続の鍵となります。キャンペーン情報やクーポンを直接発行し、再訪を促す仕組みが整っているオリガミペイは、固定客の獲得にも有効であると考えられるでしょう。
できるだけ費用をかけずに、キャッシュレス化を実現したい店舗や、集客に伸び悩んでいる事業者は、ぜひ導入を検討してみてください。
オリガミペイの導入方法、加盟店になる方法・流れを解説!
オリガミペイは、メールアドレスを用いて簡単に申し込みを行うことができます。公式サイトの「法人のお客様」の項目から、加盟店審査のページへ遷移します。フォームにメールアドレスを入力し、申し込むボタンをクリックするだけで完了です。
その後、オリガミペイから確認のメールが届きます。メールには審査の手順が記載されていますので、店舗情報の入力など、内容に沿って手続きを行いましょう。
審査が完了すれば、再度オリガミペイから連絡がきます。無事審査が通っていれば、あとはアプリをタブレット・モバイル端末にインストールし、設定を行うだけになります。
iPad端末を利用される方は、専用のアプリ「Origami Business」をインストールしておくことをおすすめします。同アプリは、決済だけでなく、売上の管理などもアプリ上でできるというものです。業務の効率化に大きく貢献するでしょう。
オリガミペイにはどんな類似サービスがある?
オリガミペイに似た用途のサービスを紹介します。
Univapay
ユニヴァペイ(Univapay)は、WeChat PayやAliPay、KakaoPayなどのQRコード決済を一括にまとめて使用できるモバイル決済サービスです。スマホアプリ「UnivaPay StoreApp」は、ダウンロードするだけで、上記の決済を受け付けることができるようになります。
ユニヴァペイの最大の特徴は、アジア圏の決済サービスに対応している点にあります。
ユニヴァペイに対応しているAlipayやWeChat Payは、中国で広く用いられているQRコード決済アプリです。Alipayは中国だけでなく世界的に普及している人気アプリであり、香港ではおよそ200万人がAlipayHKを活用していると言われています。
Kakaopayは韓国の決済アプリで、およそ2800万人が使用するまでに浸透しています。
ユニヴァペイは、これらの決済をアプリ上に行うことができます。訪日外国人を対象とした小売店などでは、インバウンド消費の影響から、ユニヴァペイの導入を行う店舗も増えているようです。「現在使っているレジを、中国の決済サービスに対応したい」という希望も、簡単に実現できます。
中国最大手のAlipayや、その他アジア圏で流行している決済アプリに対応できるのは、インバウンド対策を行う事業者にとっては、大きなメリットであると言えるでしょう。
もちろん日本のQRコード決済サービスにも対応しており、現段階ではd払い、PayPayが利用対象となっています。
ユニヴァペイは、レジにスマートフォンやタブレットを設置するだけで、利用を始められます。API連携により、既存のPOSレジシステムにAlipay決済を取り入れることも可能です。
LINE Pay
チャットアプリLINEを運営する株式会社LINEによる、QRコード決済アプリです。日本国民の8割以上が利用していると言われているLINEから派生したサービスで、友だち間での送金や、割り勘などを手軽に実現できる利便性の高さが、LINE Payの大きな魅力です。
相手の銀行口座を教えてもらったり、煩わしい現金の扱いをせずに、お金のやり取りが実現します。公共料金の支払いなどにも活用できます。多額の資金を投じた大型キャンペーンも定期的に行っており、利用者数も年々増加しています。
LINE Payは、決済のたびにLINEポイントが加算されるのも魅力的です。ポイントはAmazonギフトカードやnanacoポイントに変換できるほか、LINEスタンプの購入など、有料サービスの支払いに利用することができます。
またLINE Payにはマイカラープログラムという仕組みがあり、決済の金額に応じてポイントの還元率が変動します。決済金額10万円以上の場合は、2%もの還元が得られます。
メルペイ
フリマアプリを運営する株式会社メルカリによる、QRコード決済サービスです。メルペイの最大の特徴は、メルカリ内の売上金を利用できる点にあります。不要な物を売却したお金で、新しいものを買うことができるのです。
頻繁にメルカリを活用している人であれば、効率的に売上金を利用できるでしょう。不要品を売ったお金で物を買うという消費サイクルを、一つのプラットフォーム上で実現できる点が、昨今大きな注目を集めています。
またメルペイは、決済アプリの中で唯一「後払い」に対応しています。出費が重なった月は、引き落としを翌月にずらすことができますので、高額の物を購入した際も余裕を持って支払いが可能になるでしょう。
PayPay
PayPayは、Yahoo! JAPANとソフトバンクが提供するQR決済アプリです。100億円相当の還元キャンペーンを行ったことで、一気に認知度を高めました。
PayPayは、決済金額の0.5%が「PayPay」ボーナスとして付与されます。決済はPayPay残高やYahoo!マネー、クレジットカードなど、さまざまな方法から支払を行うことが可能です。
PayPayはユーザー間の送金も簡単に実現します。「QRコードの読み込み」「電話番号を入力」のどちらかを行うことで、10万円まで手数料なしで送金することができるようになります。